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Eggs of story -短編小説広場-コミュの月間企画 リレー小説 No.6【えんスタート】

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むかしむかしあるところ。
ロックラックという名の街に3人の新人ハンターがおりました。

野生の直感に生きる猪突猛進の大剣使いのライガ。
知識は深いが注意力散漫な片手剣使いのトルチェ。
冷静無欠だが型破りな行動が一切取れない堅物のヘビィーボウガンのケレス。

モガの村より救援依頼を受け、奇妙な鳴き声を放つ怪鳥クルペッコを討伐に出かけました。
彼らはパーディを組んだばかりでチームワークというものが殆ど見えず、道中も喧嘩ばかり。

キャンプに着くとケレスは早速、弾や愛銃の確認のため荷物を広げ腰を降ろしました。
しかしどうでしょう。
トルチェはモガの森に生える草花を興味津々に調べ始め
ライガに至っては荷物を下ろした途端に大剣を担いでクルペッコ探索に走り出さんばかりの勢い。

果たしてモガの村を救うことは出来るのでしょうか。

-------

「そんなチマチマやっとんのか!」
鼻息荒げ、ライガは地図を頼りに奥を目指し、駆けていってしまった。

それを横目にケレスは黙々と弾の準備していく。
「おい、そこの草も摘んどいてくれぇい!」
返事も返さずにトルチェは草むらを掻き分けて、採取に勤しむ。
「全く、返事もろくにできんのか…嘆かわしい!」

ふと、大地を這う黒い影が視界を横断する。
「きたなっ!」
満面の笑みで、獲物を見上げた。

-------

「「「クルペッコだ!!」」」

三人が一斉にそう叫んだ!!
ここからは流石にハンターというべきか、
皆、武器を構えて陣形を敷く。

片手剣を巧みに操り、クルペッコを翻弄するトルチェ。
生まれた隙に、じっくりと腰を据えて弱点を狙うケレス。
そして、野生の勘で一撃必殺の刃を放つライガ。

なんだかんだで息があっており、難なく事はこなせそうである…
しかし…

『キュオォオオォゥ!!キュオォオオォゥ!!』

鳴き真似だ!!
そう、クルペッコは他のモンスターの鳴き真似をして、援軍を呼ぶのだ。
そして今回の鳴き真似は…

…ジンオウガ

マトモに相手をしたら、厳しい結果が待っているのはわかりきっている。
コイツの雷撃はいまの防具では正直防ぎきれない。
悔しいが逃げるしか無いのだ。

しかし……

「おもしれぇ!!コイツとは一回やってみたかったんだっ!!!!」

怒号を上げながらライガがジンオウガに向かっていってしまった。

-------

「待て!?そんなに弾は…っ!!」
「うぉぉぉぉおおおっ!」

『グォォォォオオオオッ!!』

 キンッ…キンッ…バッシャァァアアアンッ!!

雷撃と剣戟を繰り返しながらどんどんとパーティを離れてゆくライガ。

「あの馬鹿は…トルチェ!?」

彼はジンオウガなど我関せず、クルペッコにペイントボールを投げつけている。
余りの平静さ(いや、気付いていないのか?)に呆れてものが言えない。

ケレスは悩んだ。
仲間を助けに行くべきか。
どの仲間を優先させるべきか。
悩んだ結果。

「よし。クルペッコ討伐を優先する」

日が暮れる頃。村には平和が訪れた。
ハンター達より「クルペッコは討伐した」と報告があったからだ。
死体の一部も確認し、村人達は大喜びした。


数週間後。
え?あの村はどうなったって?
また救援依頼を出しているらしい。
「まぁ、俺達には関係ないことだ」
ケレスとトルチェは潮の香り漂うロックラックで優雅にビールを煽っていた。

題名「俺達は悪くない」

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