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Eggs of story -短編小説広場-コミュの月間企画【6月】No.1【さいか】「魔物」

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私の名は…≪夜の王≫いつからそのように呼ばれていたかは、
はるか昔に忘れてしまったが、今も私はそう呼ばれているらしい。

そう…≪帰らずの森≫の番人になってから、
今なお人間を拒み続けている。
人間の街に手を出す気はないが、踏み入ったものには容赦はしない。

そして…今日も…踏み入った命知らずがいた…はずだった。
その≪輩≫は≪赤ん坊≫を置いて逃げてしまったのだ。
とっさに追おうか迷ったが、≪赤ん坊≫が気になってしまった。

何も知らずに不憫なのは≪赤ん坊≫だ…
置いて行った≪輩≫は≪夜の王≫に始末させるつもりなのか…
そう利用されるのは腹立たしかったのだ。

人間の育て方は知らないわけでもない。
≪栄養≫を与え、≪知識≫を与え、≪鍛錬≫させればいい
ただそれだけのこと…

まずは≪栄養≫…人間では作れない≪エリクサ≫で代用する。
あまりおいしくはないが、慣れてもらおう。

次に≪知識≫…我が書架にある≪禁書≫を使用する。
最初は1日かけても1ページも読めないだろうな。

あとは≪鍛錬≫…これはもう至極簡単。ここは≪帰らずの森≫だ。
我が庇護を受けなければ、1日として生きてはいけないだろう。

年月がたち≪赤ん坊≫は≪少女≫になる…
美しく凛とした顔立ち。知識も膂力も兼ねそろえたそれは…
眉目秀麗、才色兼備、言葉では言い表せないものだ…

育てるは簡単、だがどうして人間はこうも失敗を重ねるのだ…
お手本に≪少女≫を街に帰してみた。
世間への取り入り方は、わかっているはずだ…

更に年月がたつ…
久しぶりの≪侵入者≫…容赦はしないと再三警告しているのだが…
しかしその≪侵入者≫はかつての≪少女≫なのだ…

親とか子などは関係ない。
ここにいるのは、人間の≪少女≫と魔物の≪夜の王≫である。
答えは一つ…

戦いの始まり…
かつての≪少女≫は無表情できりかかってくる。
まるで感情のない≪人形≫である。

こんな私でもバカではなく、
手出しができないよう≪呪印≫をいくつか施していた。
本来ならば≪剣≫を向けることさえできない…

ふぅむ。≪禁呪≫の≪人形化≫か…
こんな≪少女≫にまで…ますます救えない生き物だ…

ふとした油断…
≪夜の王≫への致命傷…人間の≪勝利≫の瞬間…
ではなかった…。

≪夜の王≫からの返り血…
それこそ最大の≪呪印≫であり≪呪い≫なのだ…
返り血を浴び正気に戻る≪少女≫

≪呪い≫を受けた≪少女≫は次の≪夜の王≫へと変貌する。
この戦いに終わりなどはない。
ただ≪帰らずの森≫にて≪夜の王≫は人間を≪絶望≫するだけ…

コメント(1)

久しぶりのダークファンタジーです!!
作風がこういう「歴史は繰り返される」的なストーリーに陥りやすい気はしますが、
「魔物」サイドのお話ってカッコいいですよね。

尚、≪≫書きは、何かのロジックってわけではなく、
ちょっとカッコ良くならないかな?と思って付けてみました。
「サンホラ」とかのカッコよさって単語の強調がある気がするんです。

ここを一個一個を「当て字、英語、人名」で謳うとそれっぽい気がします。
例をあげるなら、

≪夜の王≫…ロードオブナイトメア
≪輩≫…ゴミ虫
≪少女≫…マリア

統一感はないけど、そんなイメージ。

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