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Eggs of story -短編小説広場-コミュのショート【えん】「最終回」「吸血鬼」「ブレスレット」

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「Hail Mary, full of grace, the Lord is with thee blessed art thou among women, and blessed is the fruit of thy womb, Jesus.
Holy Mary, Mother of God, pray for us sinners, now, and at the hour of our death!」
「Shaaaaaaaaaaaaaaa!!」

自称ヘルシング卿の末裔の男が、マリアへの祈祷を唱えながら十字架を握り懇親のストレートを放つ。
優雅さの欠片も失くしたヴァンパイアがその拳を真正面から受け悲鳴を挙げながら塵へと返っていった。



薄暗い部屋。唯一煌々と輝くディスプレイを前に少女は泣いていた。
どうみてもアクション。世間的にはB級と呼ばれる部類の出来をしたDVDを見ながら、少女はハラハラと心からの涙を流していた。

「うん、うん。これは酷いよね!こんな終わり方ないよね!」

ディスプレイから流れているのは「あまりにお約束的な二次創作」としてある意味名高いオカルトドラマの最終回であった。
マニアには乾いた笑いを誘うと有名な迷作だったが、少女は斜め45度から眺められるような許容はなかったのである。
そう、薄暗いマンガ喫茶でヘッドホン被りながらB級ドラマを見ている彼女こそが、正真正銘のヴァンパイアなのだ。
科学技術が進んだ現代はヴァンパイアにとって住みにくくもあり、住みづらくもある世界だった。
金さえあれば昼間でも日光に当たらぬまま安住出来る住処が簡単に手に入り、血を吸ったところで司法は全く相手にしない、ヴァンパイアの理想郷。
しかしその反面、このDVDの様にヴァンパイアの地位は堕ちに堕ちた。威厳もクソもない、ディスプレイで悶え苦しむ偶像は蝙蝠以下。豚と見なしても良い。
それが少女には許せなかった。何よりこのエンディングはあり得なかった。

「私ならもっと・・・甘くて切ない恋をしながら滅んでみたいのっ!」

少女の脳内も大分歪んでいた。
『ビューティフル エンド』。近年のヴァンパイアで流行の思想集団である。
彼らの目的は、世界征服でも深遠なる栄華でもない。「美しく死ぬ」それだけが教義。
マン喫難民同然の少女も、齢300を超える不死者であり、ただただ偽りの生を享受することには飽き飽きしていたのだ。
彼女の夢は大人の恋をすること。ヴァンパイアの性質上。処女、童貞の血しか飲めず、近年の傾向から処女、童貞の年齢層は下がる一方。実質小学生相手から吸うしかなかった。寧ろそれすら安心出来ず、もう幼稚園生くらいじゃないとダメじゃないかと諦めた時すらあったのだ。
加えて少女は人知を超えた美を備えていたが、彼女の外見はあくまで少女。彼女に魅せられる者は毛の生えそろわぬ童子ばかり。彼女に好意を寄せる大人の男は何故か全てスタイルもファッションも最悪なやつらばかりなので却下。
しかし。
それでも彼女は夢を見る。いつか素敵な男性と巡り合い、女としての喜びを享受した後、非童貞の血を吸って死ぬのだと。
恋愛の末の死。それこそが彼女のビューティフル エンド。マン喫の狭く薄汚い部屋で「ウヒヒ グヒヒ」と夢想を走らせようとも、ヴァンパイアの高貴なる思想を邪魔する者など存在しなかったのだ。

そんな彼女の望む終焉は思いの他早く訪れた。
いつもの夢想から目覚めると紙カップが空になっている事に気付く。お気に入りの野菜ジュースを求め、とてとてと薄暗い通路を抜けドリンンクバーへとやってきたが、タイミングの悪いことに店員が入れ替え作業を行っている最中だった。
彼女の求めるものはドリンクバーの横にある冷蔵庫に収められているので作業中でも支障はないのだが、身長の足りない彼女のためにいつの頃からか準備された踏み台が隅に寄せられていて使えない。
まぁ、単に店員の作業を中断させて台を使えば良いだけの事だが、仮にも長きに渡り行き続けた吸血鬼。自らの弱みを見せ付けて傍若な振る舞いをする事はプライドが許さなかった。とはいえ、落胆してすごすごと部屋に戻るのもなんとなく嫌で、結局「うぅ〜・・・あぅ〜・・・」とか細いうめき声を挙げながら少し離れたところでウロウロしているしかなかった。
いつまで経っても終わる気配を見せず苛立ちを覚え始める頃、彼女の持っていた紙カップがスッと消える。否、見上げれば別の店員が彼女のカップを取り上げ微笑んでいた。

「ごめんねお譲ちゃん。いつものやつでいいよね?」

突然の事にぽかんと店員を見上げたままだった彼女の返事を待たずに男はスタスタとドリンクバーへ歩み、野菜ジュースを注ぐ。
未だぼんやりと男を見つめる少女にカップを手渡し

「困った事があったら声を掛けて良いからね。またのご利用お待ちしております」

微笑みかけて店の奥へと消えていく。

そう、いつまでも無い。彼女はその瞬間、恋に落ちた。

ただ野菜ジュースを入れただけ。常連の彼女の好みは周知の事実だったし、店員からすれば気を利かせたただの接客サービスだったのかもしれない。
しかし、彼女にとっては、富や性を求めるわけでも、隷従させているわけでもない純粋なる善意。生粋の支配者たる彼女は無償の好意にとことん弱かった。

彼を意識し出してからというもの、徐々に目を合わせる回数が増えていき、会話も接客的なものから親しげなものへと変わっていった。
そしてついに勇気を振り絞って彼女から告白すると、彼はじっと彼女を見つめ・・・ゆっくりコクリと頷いた。



「なんちゃって!なんちゃって!なんちゃって☆」

場所は変わらず薄暗い個室。周りの迷惑顧みずに妄想に耽る少女が1人。
もちろん、ガトーショコラのように甘くほろ苦い恋も、あの優しい彼も存在しない。ただの夢物語だ。

「はぁ〜 そして彼は首元で囁きながら〜・・・」

「ちぃーす。チャーハンお持ちしやしたー」

「・・・。そこ。置いといて」

「へいへい。ありゃっしたー」

折角の美形で優しくて草食系ぽそうだけど、たまには強引に彼女を抱き寄せてくれる店員も、現実は薄汚そうな肌に嫌悪すべきシルバーのネックレスやらブレスレットやらをしこたまじゃらじゃら飾り付けた母国語すら満足に喋れない男ばかり。

「はぁ・・・」

水分たっぷりなお米がモッチリ引っ付いた自称チャーハンをホジホジと蓮華でチャーハンを弄っても空しくなるだけである。

「はぁ・・・何処かに落ちてないかしら。私のビューティフル エンド・・・」

彼女自身の最終回はまだまだ遠そうだ。

コメント(8)

時間オーバーの上に、この上なく駄作で申し訳ありませぬっ!!

まぁ、挙げることに意義があるってことで許して(泣
エキサイト様に翻訳してもらました!!

「万歳、メアリ、優雅でいっぱいです、主。あなたが祝福されている芸術は女性の中のなんじです、
そして、祝福されているのは、あなたの子宮の果物です、イエス。
聖なるメアリ、神の母は、現在、および私たちの死の時間に私たち罪人を祈ります!」
「Shaaaaaaaaaaaaaaa!」

これはひどいwww
普通に訳しましたけど何かの引用なのかな。
ちょっと言葉が汚い。

それはさておきー。

ヴァンパイア少女が現代社会にて、素敵な恋に憧れる物語なのですね。
面白いテーマだと思います。
しいていうなら、途中のエピソードである『ビューティフル エンド』が少々よけいな気もします。

本当に素敵な恋を実現出来てしまった為に、
『ビューティフル エンド』に追われてしまうストーリーなら必要な気もしますが、
現状、夢オチで終わっています。

この分だとそのエピソードをはぶいて、最後に夢ではなかったシチュで〆ると
個人的にはカッコいいと思います。

どうしてても使いたいなら、意中の彼との愛の逃避行でしょうか。
で、彼が魔の手にかかり、『ビューティフル エンド』との徹底抗戦を決め込むなど
永遠の命を持ちながら、永遠を否定する最後のシーンなんてかっこよさそう。
妄想するとキリがないですね。

設定の作り方は目を見張るものがありますし、
次回作はもう少し起伏のある展開を期待しています!!

偉そうなことばかりかきましたけど、またよろしくお願いします。
冒頭の英文は引用というか、アヴェ・マリアの祈祷文そのまんまだよ。

正規の訳は
 恵み溢れる聖マリア、主はあなたとともにおられます
 主はあなたを選び、祝福し、あなたの子イエスも祝福されました
 神の母、聖マリア、罪深い私たちのために
 今も、死を迎える時も祈ってください
が正解。

さてさて、
ご察しの通り、ヴァンパイアあほ娘物語でーす。
ちょっと何回か書いてみたくなり蛇足な設定も付いております。
でもでも、自分の中の美学としてはヴァンパイアは生き長らえながらも、死に憧れる耽美種族だと信じているのです!!

バトルものとかは苦手なので壮絶な逃走劇とかは期待しないで欲しいですが、次回やるならヴァンパイア娘お散歩編なので、もうちょい動きがあるかも?

つーか、幼女ものでまともな恋愛劇とかまずやんないよ?w
幼女でなくて、ロリババァ物だと思ってた。げふげf

次作があるのでしたら、せっかくの設定である『ビューティフル エンド』を
生かしたいところですね。
理想の恋愛と甘美な死に揺れ動く心情とか表現できたら最高ですね。

期待してまっていますー。
ブレスレットを探して、目を何往復させたことかw
……やっと見つけたよ。

さてさて、イツマデ〜じゃなく、彼女が恋に落ちるシーン『いつまでも〜』だったかな…違和感覚えましたが、表現的にあってるのかな?

バトルモノとは言わないので、あほ娘なりに、ニンニク料理途中だった彼の手と手が触れた瞬間の恋心と嫌悪感の錯綜とかいかがですか?
あー、それはいいね
ホントはブレスレットでその展開やろうとしたのは内緒
ボツったお陰で娘の寿命が延びましたw
ニンニクなら、いきなり悲鳴絶叫しなくてもよさそうだし、頂きましたw
美味しく頂ければ幸いですよ〜。

今後の展開を心待ちにしておきます。
そのノリならいっそ彼はクリスチャンだったりすると、深みが増すかも。
また、ふたりの関係性を強めるなら、アホ娘と天然彼氏とかの構図で面白そうかも。
ギャグ色が強くなるかもしれませんがアリかもしれません。

このストーリーはシリーズものにするなら、
色々と考えがでてくるし、使いやすいかもしれませんね。

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