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獄中小説「獄窓」コミュの獄中小説「獄窓」第1話「逮捕」3

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看守「陽色、面会だ。」

慧「陽色君…。」

陽色「慧、すまねえ。」

慧「慧どうすれば…。」


陽色「俺は弁当(執行猶予の事)持ちだから、
今回刑務所に行くのは確実だ。
前から言ってるように、こうなったら待ってなくてもいいんだぞ。」

慧「そんなこと出来るわけないじゃない!

慧は君しかいないのに!
君がいないなら娑婆にいたって何の意味もない!

慧も刑務所に行く!
」

陽色「慧、落ち着け。
今回執行猶予の分と合わせておそらく5年前後の刑になる。
お前、
それでも待ってられるのか?
」

慧「待ってるよ!
何があったって絶対待ってるよ!」

陽色「そうか‥。

ありがとうな。
音楽…ダメになっちまったな。
」

慧「ダメじゃないじゃん!
出てからまたやればいいじゃん!
SIVAさんだってそう言ってたよ!
」

陽色「出る頃には俺も30過ぎてるよ。
もう無理だ。
」

慧「諦めるのは早すぎるよ!
またやれるよ!
頑張ろうよ!
」

陽色「そうだな…。」


陽色「ネックレスとか時計とか財布とかベルトとか、
移送する時に荷物になるだけだから宅下げするからしまっておいてくれ。


それと、
とりあえず銀行のキャッシュカードと現金も50万円宅下げする。

暗証番号も教えるから銀行に入ってる金も使っていいからそれで暫く生活しろ。
」

慧「いらないよ。
自分で何とか出来るもん。
」

陽色「いいから持っとけ。
いざという時に必要になるかもしれねーだろ。
」

慧「じゃあ預かっておくけど、
そのお金は君が出て来た時に再出発のお金として使えるために取っておくね。」

陽色「はは、
じゃあ頼むよ。
でも困ったら使っていいからな。
」

慧「だから使わないってば。
」

慧「陽色君がいなくて不安だな…。
」

陽色「慧、
本当にごめん。
これがすべて終わったら、足を洗ってどこか田舎に引っ越そう。
そこで小さなバーでも始めて平和に暮らそう。
俺は、こんな生活もう疲れた。
」

慧「うん!
それまでに絶対保母さんの資格取っておくよ!
」

陽色「ああ!
頑張ろうぜ、
二人で。
」

看守「面会時間終了です。」


慧「じゃあ、
またすぐに会いに来るから頑張ってね!!」


慧との面会から数日が経過したある日、

看守「陽色、面会だ。」


SIVA「陽色ちゃん、元気〜?」

陽色「おお、SIVA。
来てくれたのか!
こんなことになって申し訳ない…。
」

SIVA 「まぁーやっちまったもんはしゃーねーべ。」

陽色「俺らの音楽活動もここまでかな…。
」

SIVA「そんなことないよ。出てからでもいくらだって出来るよ。」

陽色「そうかな…。
」

SIVA「そうだよ、娑婆のことは俺らに任せて頑張ってきなよ。」

陽色「SIVA、
慧のことを…慧を頼む。
俺が懲役に行くのはいいんだ。
自分のやったことのケツを拭きに行くんだからな。

でも、慧は今急に一人になって多分すげぇ不安定なんだと思う。
それだけが気がかりなんだ。
何かしてくれってわけじゃねぇが、気にかけてやっててくれよ。」

SIVA「おお〜OKよ。任せときなさい。」

陽色「ありがとな。
早くまた出て、あちこちライブ行きてぇな。
」

SIVA「そうだな。
そんなとこ入ってる場合じゃねぇよ。」

陽色「ああ、
元気が出てきたよ。頑張るよ!
」

SIVA「おう、頑張れ!」

看守「時間です。」

陽色「SIVA。」

SIVA「ん?」

立ち上がり娑婆と塀の中を遮るアクリル板に拳を当てた。

SIVAも向こう側から拳を合わせる。

陽色「刑務所は友達の面会は出来ないから、
これで出所までお別れだな。」

SIVA「そうか…。
そうだな…。」

陽色「何年後になるかわかんねぇけど、
待っててくれよな!」

SIVA「ああ、
待ってるよ!」

看守「おい、行くぞ。」

陽色「じゃあな。」

SIVA「ああ、体に気をつけてな。」

SIVA は扉の向こうに消えた。

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