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プランタジネット朝コミュの王妃 アリエノール・ダキテーヌ

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アンジュー帝国の成立はアリエノールの手腕と行動力によるものとも言える。

"最初のトルバドゥール"として名高い自由奔放な祖父、アキテーヌ公ギヨーム九世から受け継いだ美貌、詩を愛する心と、闊達さに、不敬なまでの気まぐれさ、溢れんばかりの才気を持っていた。

フランスとイングランドの王妃になり、肥沃で広大なアキテーヌを所領にする。
自由奔放な恋愛、時には威厳ある3人のイングランド王の母にして、芸術の庇護者にして、宮廷文化の推奨者。

80歳近くまで、アンジュー帝国のために活動し、まさに中世を象徴する【比類なき女性】

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

○名:アリエノール・ダキテーヌ / エレノア・オブ・アクイテイン / Alienor d'Aquitaine / Eleanor of Aquitaine
○生没年:1124年〜1204年4月1日
○別号:アキテーヌ女公
○王朝:カペ朝 / アンジュー朝 / プランタジネット朝
○父親:アキテーヌ公ギヨーム10世
○母親:アノール
○夫:ルイ7世、ヘンリー2世

○フランス王ルイ7世との子:
マリー( シャンパーニュ伯アンリ1世妃)

アリックス(ブロワ伯ティボー5世妃)


○イングランド王ヘンリー2世との子:
ウィリアム(ポワチエ伯)

若ヘンリー(1170年から1183年までイングランド王)

マチルダ(ザクセン公兼バイエルン公ハインリヒ獅子公妃)

リチャード(イングランド王・獅子心王)

ジェフリー(ブルターニュ公ジョフロワ2世)

エレノア(カスティーリャ王アルフォンソ8世の王妃)

ジョーン(シチリア王グリエルモ2世の王妃、のちトゥールーズ伯レーモン6世の妃)

ジョン(イングランド王・欠地王)

コメント(13)

ヘンリー2世とアリエノールは何回にもわたって地方封土の統治を分担している。
例えばヘンリーがノルマンディーに赴かなければならぬときには王妃はイングランドにとどまり、またはその逆でヘンリーがイングランド領土を警備している間に彼女がアンジューやポワチエ、またはボルドーに所在するといった具合である。

彼女は様々の人に裁判をしてやり、そのために毎年行われる公式裁判の折りには王のかたわらに座を占めていた。
しばしばウェストミンスターで行われたが、ボルドー、シェルブール、ファレーズ、バイユーで開かれることもあった。

そのほかの職務としては、オックスフォードの市の上がりや、王が税を徴収する鉱山やウッドストックに彼女が所有する水車からの収益等の会計報告をさせることであった。


【王妃アリエノール・ダキテーヌ】レジーヌ・ペルヌー著の中の、イングランド王妃としてのアリエノール
この南仏の女性アリエノールが、獣油または豊かな人々用にはろうで作ったろうそくを使用しているイングランドの住居の証明に嫌悪を抱いているさまはよく想像できる。

彼女は早々と自分の国南仏アキテーヌの油を取り寄せたのである。
これはいやな匂いもなく、その明るさはやわらかく、光はゆれ動いていた。

また王妃のためのワインの購入もしばしば記されている。
アキテーヌの女性は決してビールに慣れることができなかったと、よく想像できる。
「大麦のビールはワインを凌駕せず」とは当時の言い習わしである。

購入の多いものの一つはテーブルクロスのための亜麻である。
その他には銅のたらい、クッション、壁掛け。
彼女は古い館をより感じのよい豪華なものにするために手を入れたことであろう。

彼女が到着したときには、ウェストミンスターの宮殿はあまりにも荒廃していて住める状態ではなかった。


【王妃アリエノール・ダキテーヌ】レジーヌ・ペルヌー著の中の、イングランド王妃としてのアリエノール
戴冠式数日後の、王夫妻の初めてのクリスマスの宮廷行事はバーモンジーにあるもう一つの館で行われた。

アリエノールはいち早く豪華なテーブルを設置したことであろう。
テーブルについては(十字軍で)コンスタンチノーブルに滞在していた折りからずっと夢見ていたものである。

彼女の食器類を美しくするための金も買わせているし、料理を引き立たせる香辛料(コショウ、クミン、シナモン、アマンド)も彼女はたびたび取り寄せている。
アマンドは上等の菓子を作るのに用いるが、また化粧用でもある。
アマンドの乳液は当時の美粧剤として広く使われていた。
最後に彼女の礼拝堂の香。
これはまた床に低く立ちこめる霧が運んでくる悪臭を消すためでもあった。


【王妃アリエノール・ダキテーヌ】レジーヌ・ペルヌー著の中の、イングランド王妃としてのアリエノール
そしていつの日か、フランスとイングランドの二つの王冠が一つとなって彼らの息子のヘンリー(若ヘンリー、フランス王女の婚約者)の頭上を飾るようになるかどうかは神のみぞ知るところである。
これこそアリエノールの最大の野望であったと思われる。


【王妃アリエノール・ダキテーヌ】レジーヌ・ペルヌー著の中の、王妃アリエノール
ノルマンディーの騎士ゴティエ・ド・クリフォールの娘ロザモンドが、ヘンリー・プランタジネットの人生と歴史に現れたのは、将来のイングランド王ジョン欠地王であるジョンが産まれた1166年頃からである。

アリエノールが王の不倫を知ったのは、彼女がクリスマスを過ごすため、そして出産するためにイングランドに戻ってきたときのことであろう。
このときより夫婦間の亀裂は明白となる。

アリエノールはアキテーヌ女公に逆戻りするためにイングランドを去ったと推測される。
彼女はほとんどいつもポワチエに住み、時々自分の領土を巡回し、言うなれば自分の臣下と子供たちを掌握していたのである。
彼女は自分の意志通りに少しづつこれらの人々を行動させることができるようになる。

ヘンリーは妻に不貞を働いたことが高くつき、二人が同じ意志をもって行動してきた夫婦の協定を破ってしまったことへの代償を思い知らされることになる。

以後彼女は妻としてではなく母として行動することとなる。


【王妃アリエノール・ダキテーヌ】レジーヌ・ペルヌー著の中の、王妃アリエノール
この地(ポワチエ)が以後は彼女の希望と野心の場所であり、次男リチャード(獅子心王)の頭上に希望も野心もゆだねられるのである。
アリエノールはアキテーヌ女公に返り咲き、傍らにいるのは息子であって、もはや不貞の夫ではなかった。
以後彼女は夫に対して子供たちの権利を支持することとなる。
それはヘンリーが想像していた以上のものであった。
というのも彼は妻の秘められた野心にまったく気づかなかった。

アリエノールはある計画をはぐくんでいた。
1170年の復活祭にリチャードを彼女の後継者として盛大に就任させることである。


【王妃アリエノール・ダキテーヌ】レジーヌ・ペルヌー著の中の、王妃アリエノール
実に起伏に富んだアリエノールの人生にあって、彼女が巡回したあらゆる町の中でポワチエほど彼女のお気に入りの町はない。

アキテーヌ諸公が愛した町、特権を有する町、そこでは吟遊詩人たちの歌が初めて花咲き、時代を通してローマ時代からの傷跡が残されているのである。


【王妃アリエノール・ダキテーヌ】レジーヌ・ペルヌー著の中の、王妃アリエノール
レジュメおつかれさまです。
多分読んでる本なのに、だいぶ忘れてたので、復習になりました^^

アマンドは(フランス語?)でアーモンドのことですよね。
アーモンドオイルはアロマオイルの希釈に使ってますが、このころから使ってたんですね。アーモンドの乳液は効きそうです。お値段は張りそうですが。
> みんさま

多分、アーモンドのことではないかと(汗)
アーモンドオイルなるものがあるとは、恥ずかしながら初めて知りました…

個人的に気になる箇所を抜粋してます。
800年くらい昔のことなのに、使ってた日常品など詳しく記されてるのに驚いてます。
鎌倉時代の文献もここまで詳しくないような…

しかし、なんともアリエノールの意志の強さには驚嘆いたします。
政治手腕なら獅子心王の上へいくと思われるヘンリー2世も、妻の野心には気づかなかったか…
つくづく不倫さえしなければ、アンジュー帝国はさらに発展したのでは!?とついついもしを考えてしまいます。
ポワチエはアリエノールがアキテーヌ女公として君臨した年月の間で、おそらく他のあらゆる時代にもまして最も素晴らしい町であったに違いない。

フランスよりもイングランドにあってよりも、なおいっそうアリエノールはこの町では王妃として振る舞うことができた。
彼女の系譜が約束された子供たちの名において彼女は統治し、封臣と熱情溢るる詩人たちの上に彼女は君臨する。

その上、彼女の機知、すなわち彼女の個人的な特徴となっている文学と美しく言語への愛の輝きによって、側近の人々を支配している。


【王妃アリエノール・ダキテーヌ】レジーヌ・ペルヌー著の中の王妃アリエノール
1189年6月6日のヘンリー2世の死より彼女は自由の時を得たのである。

人々はたちまち華麗極まりない騎行を目にすることになる。
昨日まで囚人であった王妃は、今や町から町へ、城から城へ巡行し、至る所で囚人たちを解放した。
役人たちを訴えるすべての人々の正統性を承認し、過去にアリエノールの夫が犯した権力の乱用を巡行の途ですべて是正していった。
彼女が行く所、どこにでも自由の風がたなびいた。
新しい秩序が生まれ、誰もが狩猟上のちょっとした違反も犯したからといって投獄されたり首をつられたりすることはなくなった。

彼女は穀物の量や布の長さを計る一律の度量単位や、イングランド全土に通用する共通貨幣を設定したのである。


【王妃アリエノール・ダキテーヌ】レジーヌ・ペルヌー著の中の、王妃アリエノール
アリエノールはリチャードのために、彼を戴冠させるために、母としてのすべての愛情と王妃としてのすべての経験をつぎこむことになる。


【王妃アリエノール・ダキテーヌ】レジーヌ・ペルヌー著の中の、王妃アリエノール
リチャードの死、それは彼女にとってはすべての希望の崩壊を意味していた。
最愛の息子は後継者を残すことなく、41歳という壮年で亡くなった。

77歳の彼女にまだ有効な行動ができるだろうか?
生きる意味を奪われた世界からは身を隠した方がいいのではないだろうか?

もしもこういう考えが起こったとしても、彼女はそれを最も悪い誘惑だとして、きっと追いやっただろう。

リチャードの死は彼女の人間性の内奥を突いた。
しかし受けた打撃は彼女の中に第二の性となった王妃としての本能を呼び覚ました。

今までよりずっと深い所で彼女を捉えて彼女を導くものは、もはや野心ではなかった。

今まであったものを保持しなければならない。
伝えていかねばならない。
それが一婦人としての役目であり、この役割ゆえに、行動し、その日の問題解決を計り、必要とあらば翌日の問題も予知せねばならない。

年齢も、疲労も、老いに追い撃ちをかけてきた大きな悲しみも、彼女をこの役目から免がれさせはしないだろう。


【王妃アリエノール・ダキテーヌ】レジーヌ・ペルヌー著の中の、王妃アリエノール

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