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クロスバーコミュの【クロスバー】紅葉の宿

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ここは山奥の名も無き民宿、「紅葉の宿」。
周囲を赤く色づく美しい椛や広葉樹で囲まれ、宿の裏手にある滝から続く川の岸に露天風呂のある温泉宿だ。
森の静けさに耳を澄ませば、鳥の囀りや川のせせらぎの聞こえてくるほど、辺りには何も無い。
宿の建物自体は最近出来たばかりの新しい造りだが、若いオーナーの下にもかかわらず従業員は皆落ち着いた雰囲気を持っている。

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全室和室となっており、個室は予約制、予約無しの場合は宴会場での就寝となりますので、ご了承ください。
予約をする場合は事前に(レスにて)お知らせください。

フロントと大浴場は24時間休むことはなく、いつでも利用できます。
夜食やちょっとした酒類・酒の肴なら何時でもお出しできますので、御用の方はフロントへどうぞ。


それではみなさま、ごゆるりと寛ぎ下さいませ。


※会話や絡みの発生している場合は、「>○○氏」と誰宛のものか明記してもらえれば幸いです。
※オーナー、オーナー補佐、従業員10名はキャラとして立っているので、絡むことが出来ます。

コメント(18)

《部屋の予約》
「椛」の部屋に3人の予定で予約をしておきます。
名目は旅行です。
よろしくお願いします。
 宿に続く石段を上る3つの影。
 足元に届くほどの黒銀の長髪を軽く三つ編みにした女性が、5,6歳ほどの少年の手を握りながら、空いているもう片方の手で見えてきた宿を指し示した。
「あそこだね、予約した宿」
 そう言って少年を見た彼女は、楽しそうに笑みを浮かべる。
 黒髪をリボンで束ねている幼い少年は、その年齢にそぐわない大人びた表情で自分を見る女性を見返した。
「バーミリオンは今子供だから、一緒に温泉入ろうね」
「謹んで辞退申し上げます」
「……おい、それより何で俺が荷物全部持ってんだよ」
 その2人に遅れる形で、両手に旅行用バッグを2つ持っている16歳ほどの少年が肩で息をしながら文句を言うと、女性はふふんと鼻で笑う。
「か弱い女性に持たせるの?」
「誰がか弱いだ! つーか山奥すぎんだろ、ここ!」
「しょうがないじゃない。ここのオーナーはバーミリオンみたいに静かな所が好きなんだから」
「私と気が合いそうですね」
「だろうね」
 石段を上りきり、宿の入り口に立つ人物を見て彼女は満面の笑みを浮かべた。
 笑みを向けられた少年は柔らかい笑みを浮かべると、丁寧に腰を折って3人を迎え入れる。
「ようこそ、『紅葉の宿』へ」
《部屋の予約》
「桜」の部屋に2人の予定で予約をしておきます。
各目は旅行です。
宜しくお願いします。
《宿より》
「桜」の間、2名様予約承りました。
どうぞ入らせられませ。
「……こんな光景ってあるんだな」
 赤い紅葉に目を奪われた黒髪の少年はほうっと息をついた。クロー・ブラクトル、長い髪を後ろでくくっているのだが、尻の辺りからも髪の色と同じ毛色の尻尾がゆらゆらと揺れている。
 少年自身も山の生まれだったが、こんなにも鮮やかな葉の色を見たのは初めてだった。ひらひらと舞って落ちてきた葉を両手で受けとめ包み込む。小さな手のようだと思った。
「土産にでもする気か」
 後ろからついて来た茶髪の男、グレイが茶化すとクローは掌に視線を落としたまま無表情な顔を若干和らげくすりと笑った。
「それもいいかもしれねえな……」
 呟いた直後、クローの尻尾がぴんとたてる。クローは慌てて、グレイを振り返ると声を高くした。
「し、師匠にだからな!俺のじゃねえからな!」
 グレイは笑う。旅が終わって以来こんなやり取りも久々だ。気晴らしにどうかと誘った旅行。全員が揃うどころか、クローしか都合がつかなかったがこれはこれで良かったんじゃないかと思えて来た。
 からかいながら、石段を上っていく二人。
 目の前には木々に囲まれた民宿があった。
 人の気配に石段の下を覗き見たリクトは、オーナーである少年に向かって言う。
「ほら、他の客も来たし、部屋まで案内して?」
「予約の方が着たようですね。罹蓼さん、蓼抖たちを頼みます。それと紫水さんを呼んでもらえますか?」
 振り返ったオーナーの閉じられた目を向けられ、そっと後ろについていた濃い蒼色をした長い髪を結わえることなく背へと流している背の高い男性は、僅かに苦笑を浮かべてガーネットへと近寄る。その隣で引き攣った表情で固まっているリクトには、ちらりと若干冷たい視線を向けたが、当人達以外でそれに気付いた者は居ないようだ。
 人当たりの良い笑顔を浮かべ、彼はガーネットから荷物を受け取ると入り口へと案内をする。
「オーナー補佐のリリョウです。お部屋まで私が案内しましょう……記帳は何方かがしてくだされば結構です」
「おう。サンキュー」
「記帳は……リクト、頼めますか?」
「──んぁっ!? あ、うん」
 バーミリオンの声にはっとしたように目を瞬かせたリクトは、先を歩いて行こうとするバーミリオンの手を慌てて握るとオーナー補佐の後ろを歩いていく。
 手を握っているバーミリオンにだけ分かる程度に、その動きは僅かにぎこちない。
 それを知ってか知らずか、リリョウはロビーへと入るとフロントに寄り、呼び鈴で人を呼ぶ。
「記帳簿を……それと紫水を呼んでくれ、外に予約の客が来ている」
「はい分かりました」
 差し出された記帳簿にリクトがサインをするのを確認し、リリョウは3人を予約を入れてある部屋へと案内していく。
「食事は宴会場で、温泉施設は常に開いており、何時でも利用できます。何か御用が有ればフロントへどうぞ、ちょっとした軽食なら何時でもお出しできますので」
「はい、分かりました」
「景色もいいし、のんびり羽伸ばしたいぜー」
「……」
 はしゃぐガーネットの後ろで、リクトはすれ違う見知った顔に引き攣った笑顔を交わしていた。
《民宿サイド》

 石段を上がってきたグレイとクローに、オーナーは瞳を閉じたまま笑顔で出迎える。
「ようこそ、『紅葉の宿』へ。僕はオーナーのマコトと言います。……目が見えませんので、このような状態で失礼致します」
「マコ──……オーナー、呼びましたか?」
 建物の中から出てきた紫色の短い髪の青年に、マコトは片足を引いて半身になると微笑を浮かべた。
「紫水さん、予約のあった方です。確か『桜』でしたね? 案内をお願いいたします」
「分かりました。……荷物は、預かろうか」
「紫水さん」
「……。お預かりいたしますか」
 赤紫の瞳を僅かに細めてシスイは営業スマイルを作ろうとしているが、お世辞に見ても失敗している。見えない目でもそれが分かるのか、マコトが僅かに噴出す気配がした。
 石段を上りきって一息つく二人を出迎える少年を見て一瞬客かと思ったが、迎えるように立っているのを見て違うのだと気がつく。挨拶を受けてグレイは微笑み返した。クローは憮然とした顔を崩さないが、出迎えに戸惑っているか、尻尾がぱたぱたと動いた。出迎えが珍しいのだろう。予約をして宿を取るなど滅多になかったのだから仕方が無い。
「あ、俺は荷物とかないんで」
 グレイは笑ってすますとクローに荷物を渡すように促した。クローの荷物は革袋一つ。案内をしてくれるという青年に押しつけるように差しだした皮袋は軽い。替えの着替えが一着と所持金ぐらいだろう。
 青年のぎこちない笑顔にグレイは作った笑みではあるが、自身が作り得るとびっきりの笑顔で微笑んだ。オーナーの吹きだす声を聞いてちょっとばかり青年がからかいたくなったようだ。正し、それは笑顔で隠し気持ちを抑える。

「案内宜しくお願いします」

 
《民宿サイド》

 クローから革袋を受け取り、グレイの笑顔に僅かに引き攣った笑みを返すと、紫水は「こちらです」と言って2人をフロントへと誘導する。
 フロントの中に居た薄い桃色の着物を着た仲居が、紫水とは違って控えめの笑顔で記帳簿を差し出してくる。
「代表の方のみのお名前で構いませんので、ご記帳をお願いいたします」
 縦書きになっている記帳簿は個人情報を守るためか、先に来ていた客の名前は上に紙を被せ隠されている。
 フロントまで案内されたグレイは記帳簿に自分の名前を描きこんだ。慣れているのか、
 グレイ=ケニアパールド。
「珍しいな」
「手配されてないとこぐらい本名で行きたいもんなのよ」
 筆を置き、クローに応えるとと紫水に笑いかける。
「と、桜の間はどこになるのかな」
 記帳を確認した仲居が記帳簿を閉じる。
 桜の間の位置を聞かれた紫水は、「こちらです」と2人を部屋へと案内した。
「夕食は宴会場『花鳥風月』に、18時から召し上がれるように用意します。20時を過ぎると片付けるので、それまでに。それと23時には消灯を致しますが、大浴場の方は24時間何時でも利用可能です」
 そして部屋の前まで来ると、紫水は鍵を使って戸を開いた。踏込みに入ると手探りで明かりをつけ、グレイに持っていた鍵を手渡す。それから手に持っていた革袋を中の床の上へと置いた。
「部屋を空ける際には、戸締りと施錠をお願いします。夜中にもしお腹が空いたら、フロントに行けば夜食の用意がありますのでどうぞ。それと一応部屋のテーブルの上に見取り図と、朝食とチェックアウトの時間が書かれている紙がありますので、ご確認下さい」
 そう言うと紫水は2人の横を通り、部屋を出る。
 それから思い出したように振り替えると、腰を折って一礼をした。
「どうぞごゆるりと、『紅葉の宿』を堪能くださいませ」


(テーブルの上に置かれている、透明なファイルに入っている紙には、旅館の見取り図と旅館と山の中をぐるりと一周する遊歩道の地図が書かれている。
 朝食は8〜9時、チェックアウトは10〜12時、長期滞在の方向けに昼食は12〜14時と書かれている)
↑《民宿サイド》↑

書き忘れたから補足^p^

↓《参加サイド》↓

 まるで死人のように倒れこんでいるリクトを尻目に、バーミリオンは備え付けられている電気ポットと急須、茶葉を使ってお茶を淹れ始める。そしてそれを並べておいた湯飲みに注ぐ。
「まだ夕食には時間がありますし、遊歩道の散策でもいかがでしょうか」
「遊歩道?」
 窓の外を見ていたガーネットが振り向く。するとバーミリオンは微笑を浮かべて頷いた。
「地図には簡易な物しかありませんが、短い方は1km、長い方は2.5kmあると書かれています。1kmぐらいの長さでしたら、夕食までに戻って来れると思いますよ」
「おー、紅葉(こうよう)綺麗だし、見に行っても良いかもなー」
 声が弾み明らかに嬉しいのを隠そうともしないガーネットの声に、ぴくりともしなかったリクトが静かに身を縮こませた。
「……私、ここにいるぅ……」
 明らかに態度のおかしいリクトを見て、ガーネットが様子を見ながらバーミリオンの隣へと移動する。
 知り合いが居るとしか聞いていなかったが、ここまでなるのは明らかに何かおかしいと思うのも仕方が無いだろう。
「なぁ、バーミリオン。リクトどうしたんだ?」
「周りが知り合いばかりでは、針の筵だからでしょう」
 バーミリオンはそう言って自分で淹れたお茶を飲む。そして湯飲みを置いて立ち上がると、リクトの正面へと回った。膝を付き座ると、身体を屈めてその顔を覗きこむ。リクトはしょんぼりとした様子で、視線は床を見ているようで何も見ていないようだ。
 そっとその肩に手を置き、バーミリオンは優しく言う。
「……行きましょう?」
「……やだ」
「……ん……ほら、行きましょう」
 身体を起き上がらせて微笑むバーミリオンに対し、リクトは口を押さえてがばりと勢いよく起き上がる。それだけで何がったのか察したガーネットは、やれやれといった様子だ。
「う、うん。行く」
「では用意をして下さい」
「ぁぃ」
 わたわたとリクトが用意を済ませるのを待ち、3人は部屋を出てロビーへと向かった。
 礼を返すとグレイは荷物をクローに投げた。受け取ったクローは、隅へと移動させる。
「これからどうする?」
 にこやかにグレイが尋ねると、クローは外を見る。
「赤い葉……見て回りたいな」
「いってらっしゃい」
 畳の上に座ったまま、手を振るグレイ。
 クローは憮然とする。
「お前は?」
「んー……、ちょっと休みたいかな」
 苦笑して投げ出している足をとんとんと叩く。厳密には膝の位置を。
「……大丈夫か」
「平気、ちょっと休んだら温泉にでも行ってくる」
「そうか」
 グレイを残して部屋に出るとクローはロビーへと向かった。
 ラウンジに出てると、バーミリオンは人の気配に振り返る。
「……この宿は、獣人も受け入れているんですね」
「んぁ? あー、だって身内にも居るからね。ここの温泉も半獣なら入れたはずだけど」
 ふよふよと浮きながら、リクトが足を組んで頬に手を当てた。
「一応ガーネットも半獣の括りには入るんだよ。モノとしては半鳥だからね」
「んあ?」
 女の子っぽい服を着て背中を大きく露出させているガーネットが、リクトに指差されて気の抜けた声を上げる。今はその背に翼はないが、部屋では黒い翼をその背に生やしていたガーネット。確かに鳥のように翼を持つが、形はそれらとはまた少し違うので厳密に言えばまた鳥とは違うだろう。
 だが普通の人間達から見ればそんな違いが分かるわけもなく、獣人とされてしまう。と、リクトは言いたいようだ。
「私達の翼は、“力”が具現化したもので半物質だから、獣人とかにはならないけどさ」
「うぇ、それ身体の一部じゃねぇの?」
「違う違う。翼を形作ってる“力”の密度と大きさで、私達は相手の強さを判断するのさ」
「へぇ〜」
「狼でしょうか……リクトが好きな獣ですね」
 そう言ってバーミリオンはリクトに微笑を向ける。笑顔を向けられた彼女は、作り笑顔で口元を僅かに引き攣らせた。
「なにが言いたいのかなぁ」
「いいえ、貴方が長時間動物と触れ合っていないので色々と大丈夫かと」
「流石に山の熊とは戯れないから」
 そんな心配をされていたのかと、リクトは憮然とした表情で返した。
 ラウンジに入ると数人の人影が見えた。クローは一見人間だが半分は獣人の血、それも狼の血を引いている。臭いで誰かいるのは気がついていたため、人がいたからといって遠慮することは無かったが足を止めた。
 覚えのあるニオイだったからだ。
 浮かんだまま憮然としている女性を見て、止めかけた足を進める。
 気のせいだろう。
 黒髪で宙に浮かぶ女性は記憶になかった。違う世界にまで知り合いに会うなんて滅多にないだろう。ニオイだって世界が違えば似ているニオイだっている。
 そのまま素通りしようとも思ったが、挨拶もせずに通り過ぎるのは些か無粋に思えたので通り過ぎ様に頭だけ下げた。
 すれ違い様に頭を下げた少年に、バーミリオンは笑みを浮かべて軽く頭を下げる。つられてガーネットも無愛想に挨拶を返した。
 腕を組んで浮かんだままの蓼抖もバーミリオン同様に挨拶を返したが、視線はその少年の耳に向けられているままだ。じーっと見たまま、軽く口を開ける。
「……リクト?」
 様子のおかしいリクトにバーミリオンが声をかけるが、聞いている様子はない。
 リクトはそのまま少年の後ろに近付くと、にやりと口元に笑みを浮かべた。
「しょーっおねん! 外に行くなら一緒に行こうじゃないか」
「ばっ──何してんだ!」
 がばり、と背後から少年に抱きつこうとしているリクトに向かってガーネットが慌てて駆け寄ろうとする。どうやら少年の獣耳と尻尾に、彼女は我慢が出来なかったようだ。
 バーミリオンはリクトの頭に嬉しそうに立っている猫耳を見たような気がして、溜め息を吐いた。
 通り過ぎようと、足を進めた瞬間、嫌な予感を感じてさっと身を交わそうとするがタイミングが少し外れ後ろから抱きつかれる形になる。振り向こうとしていた為、幸いにも前のめりにはならずにすんだ。
「な、なにしやがる!」
 相手が男だったら、そのまま殴っていたかもしれない。だが、外そうと手をかけた柔らかな腕の感触に思わず怯む。
 女性……。
 若干上ずった声色ではあったが、振りかえって抗議するように相手を見た。
「何なんだ、いきなり」
 

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