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ロープス美術室コミュの10/3(土)プロクラス講師:市原 研太郎(美術評論家)レポート

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 今月最初のプロ育成クラスの授業風景を、ロープス美術室:町田がお伝えさせて頂こうと思います。
 少々長くなりますが、ご興味ある方は是非ご一読頂ければ、教室の雰囲気が少しでも伝わるかと思います。
 それでは、授業を覗いてみましょう・・・。



 この日10月3日(土)のプロ育成クラスでは、2年に1回、キューバで開催されている ハバナビエンナーレ に訪れた際にご自身で撮影されたビデオを流しながらお話して頂きました。

 今年で20年、10回目になる美術展覧会ハバナビエンナーレ。
今年は町中20会場ほどのなかに、作品全150点ほどが展示されていたということで、先生ご自身が一つ一つ撮影したなかでも特に注目されたものを、世界情勢や文化、経済、世代と美術など、様々な視点から紹介して下さいました。

 現在、資本主義が主流の世界のなかで、社会主義国として政治、経済体制が他と大きく違う国であるキューバ。
 キューバ危機以降反アメリカ思想を強く持ち、経済封鎖のなか輸入品もあまり入って来ず、グローバリズムの中心であるアメリカの枠から大きく外側に位置すると思われる国。
 そういった背景を持つ国で開かれるアートの展覧会とはどのようなものなのか、といったことに主に注目しながら、市原先生独自の視点を交えつつ、出展されている作品を見て行く怒濤の2時間でした。

 世界的にはまだ名前が知られていなかったり、発展途上国からの参加アーティストなども多く紹介されていたということで、レベルとしては高いとは思わないものも多かったようですが、作品の多様性、表現の自由さを強く感じられたということでした。
 社会主義、経済封鎖といった強い政治的管理下にあり、文化的な制約や規制が大きいように思われますが、ことアートという分野での表現の中では、とても大きな自由が有るように感じられたという事をお話しされていて、私としても驚き、実際に訪れてみないとわからないことなのではないかと思いました。
 紹介して頂いた作品の中にも、日本の公に発信される展覧会では展示が難しいのではないかと私の感じた映像作品もありました。
 輸入品が入ってこず、物資の少なく質も良くない、私たちから見ると貧しいと感じることもある国でありながら、人々は陽気で飢えているようには見えず、世界の中でも犯罪が少ないという事実があり、市原先生には日本の方が、豊かでは有るが不幸な人が多いように思ったということでした。

 作品としては映像・写真・インスタレーション・ペインティング・パフォーマンス・・・、考えられる表現方法は限定される事無く展示されていたのではないかと思います。
 
 先生の紹介された会場の一つに、植民地時代に造られた城や住居の立ち並ぶ地域にある教会を会場として使っている建物がありました。
 国によっての展覧会場そのものの違いというのも、文化を知る上でのひとつの手がかりであり、とても興味深いものだと思うのですが、市原先生は美術作品からだけでなく、そういった様々なその場の雰囲気の様なものなども伝えて下さり、色々な事を考え、感じながら授業を体感する事が出来ました。

 先生の講義が一段落すると、生徒の方々から様々な質問があがり、一つ一つ答えながらさらに授業が発展して行っているのを感じました。
 例えば、
 Q:キューバとアートの関係性は良いと言っていたことですが、資本主義のア   
   ートマーケットについて先生自身どう考えていますか。
 A:日本は資本主義マーケットに10年くらい巻き込まれ以前と全く違ってし  
   まった。商品としてのアートが良いものとされている。
   商品としての質=アートの質 となってしまっているバブル期の作品は情 
   けなく、弱く見える。
   アーティストは、かねあい難しいが、警戒というより批判を持って欲しい。
   資本主義はアートを成立させる基盤ではない。
   資本主義の結果であると考えられる作品は、もうおそらく評価されなくな 
   り、それと全く違うシステムが出てくるだろう。
   日本のアートシーンはアートマーケットが完ぺきに支配しつくるものと
   なっているが、そうでない、今回キューバで見たものを見せたかった。

 などなど、熱い応酬が繰り広げられ、先生も生徒の方々も、質問とその視点を楽しんでいるようでした。
 その後、ポートフォリオを持参された方の作品を見てまたひとりひとりとお話しされ、時間を軽くオーバーしながら今回のプロ育成クラスは終了となりました。

 毎回私たちスタッフとしてもとても興味深く、入り込んでしまうような講義が聞けてとても嬉しく思います。
 


 市原先生の次の授業は11/7(土)となっています。
 来週は10/24(土)19:30〜21:30 TokyoPhoto代表 原田知大さんとhiromiyoshiiギャラリー 吉井仁実さんのトークイベントを開催致します。
 こちらも我々スタッフもとても楽しみにしているイベントなので、是非お気軽にご参加下さい。(初回体験無料になります。)

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