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最先端有機化学文献紹介コミュの有機化学教科書−温故知新、そして現在進行中

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本コミュニティーは元々大学院生以上の方を対象に運営しておりましたが、最近は学部生の方にも御参加戴き、とても光栄に感じる一方で取り扱っている内容が非常に高度なものなので中々議論に加わりにくいのではないかという懸念が御座います。

そこで管理人からの提案として、こちらのトピックでは教科書で扱っている内容について主に議論することを目的にしたいと思います。既に社会に出て有機化学の知識を「実践」されている方にとっては復習の機会となりますし(普段使わない知識は必ず忘れ去られると私は考えておりますので)、学部生の方にとっては院試勉強の役に立つということで本トピックを活用することで両者にとってSynagysticな効果が出ることを願っております。

(ここでは"知識的に"という意味で)持つ者はそれを持たざるものに与える「責務」があるという、
<noblesse oblige>の精神で臨んで戴けることを切に願っております。「教える」ことは物事を習得するための一番の近道であると私は考えております。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A5

コメント(46)

>serge様

じっくりと考えて下さって結構ですよ。これは宿題でも無ければ単位も出ない
課題ですので。ただ、講義とかで出される課題よりは遥かに高度な内容を
扱っているので遣り甲斐はあるだろうと思います。それにしても学部生で
ここまでしっかりとした考察が出来ることはとても素晴らしいと思います。
Scifinderなどの検索ソフトやオンラインジャーナルもうまく活用されていて、
尚且つリファレンスまで載せられていますが、これらは独学で習得されたもの
でしょうか?先輩からなどの手ほどきがあったにしても非常に勉強されている
印象を受けました。恐らく有機系への研究室の配属を予定されていることと
思われますが、いろいろと戸惑いながらも有機化学の奥深い世界を是非とも
堪能して下さい。ここまでのスキルがあればフリーのドローソフトなども
すぐに入手出来るとは思うのですが、手書きだと板書して議論しているような
感じですので個人的には大歓迎ですよ。スキャナで読み込む負担を特に感じ
なければこれからも手書きで行ってみましょう。

それではそろそろ本題ということで、

1)御指摘の通り、これは引き合いに出した図が悪かったですね。恐らく
代表的な教科書(今参照しているのはマクマリー有機化学ですが、他も同様
だと思います)にはこのようなかたちでは無く、serge様が指摘された通り
カルボニル基に付加した水酸基からさらにプロトンを引き抜くのは確かに
不自然だと思います。これは完全に私のミスでしたのでこちらの部分に
関しましては議論はここまでに致しましょう。ただ、ひとつコメントを加え
させて戴きますと、pKaの値というのはその値を測定する溶媒によって大きく
変わります。詳細な測定法につきましては私は知らないのですが(いくつか
方法はあるみたいです)、値の比較を行うにあたってそれがどの溶媒中で
測定されたものなのかを必ずチェックしなければなりません。それぞれ違う
溶媒で測定された化合物のpKaの値を比較しても何の意味も無いのです。
とは言っても測定溶媒は大抵の場合は水かジメチルスルホキシド(DMSO)中で
測定されていますので、上に挙げた例がどちらの溶媒でそれぞれ測定された
ものなのか念のためにチェックしておかれることをお勧め致します。

反応機構の議論をする際には今回のように化合物の酸性度というのがしばしば
出て参りますのでpKaの値について議論する際はどの溶媒で測ったもので、
すべて同じ溶媒で測った値なのかどうかを踏まえた上で議論しなければならないと
いうことを覚えておかれると良いかと思います。上記2種類が代表的とは
申し上げたものの、たまにアセトニトリル(CH3CN)などの例とかもあったり
するので測定溶媒のチェックは必ず行うようにしたほうが良いでしょう。
最初に出した図が悪かったので余分な考察をさせてしまって申し訳無いのですが、
今回の議論ではこの部分は本質では御座いません。悪しからず御了承の程を
お願い致します。

2)serge様が未だにモヤモヤされていらっしゃるように、実はこちらの部分が
本質的な問題を孕んでおります。「主観的な違和感」という表現を用いておられ
ますが、それこそが正に「科学的な直感(センス)」というもので、研究を行う
上では無くてはならないものだと思います。私はある本を読んでこの問題に
「気づかされた」のでそういったセンスは残念ながら皆無なのですが、周りが
何とも思わないところに違和感を感じるというのはとても大事なことだと思います。
ただ、それを「何となくおかしい」と言ったところで周りの人間には伝わりようが
御座いませんのでその「おかしさ」を如何に周りに分かってもらえるように「明確化」
していくこともまた肝要であるかと私は思います。

ところでserge様の議論では、

1)ヒドリドイオンが発生できる物質はプロトン性溶媒中で反応して水素が
発生することが知られている
2)リファレンスは無いが、カニッツァロ反応の場合にも同じような検証が
行われているものと考えられる
3)よってアルデヒドからヒドリドが発生するステップには問題は無い

という流れになっておりますが、この議論は本当に正しいのかどうか今一度
御自身で考察してみて下さい。ちなみに、本反応の溶媒は重量にして半分は
「水」であり、水もまた「プロトン性の溶媒」として知られております。もし、
serge様の議論に対して「アルデヒド分子よりも遥かに多い水と反応して
水素が発生するとすれば、アルデヒドの殆どはこれによって消費されるから
目的の反応は起こらないのではないか?」と質問された場合にどのように
反論するのか考えてみて下さい。

私はserge様の議論が間違っているとは一言も申し上げておりません。ただ、
今の段階では「本当にこれで周りを納得させる議論が出来ているのか」という
ことを指摘しているだけです。くどいようで恐縮ですが、この反応の本質と
いうものはまだ完全には解明されていないのではないかと私は思っております。
なのでどのような議論であれ、それを周りに納得させるような説明が出来れば
例えそれが教科書や論文と真っ向から対立するものであっても私はその議論を
「支持」致します。今私が思い描いている機構も正しい保障は何処にも御座いませんし、
少なくとも教科書で書かれている機構よりは「確からしい」ということで
受け入れているに過ぎません。それ故、serge様が上の質問に対して納得の行く
説明をされたのであれば私はそれを受け入れます。新聞でもそうなのですが、
活字になっているとついつい既成事実として受け入れてしまいがちですが、
それがどれだけ危険なことであるかということを私は研究室時代に学ぶことが
出来ました。

ただ、今は大学院レベルでの議論を行っておりますので、院試でカニッツァロ
反応の反応機構を書く問題が出題されたときは大人しく教科書通りの機構で
済ませておいたほうが無難です。そこは「大人の対応」をしつつ、無事に院試が
受かってから、改めて教科書を「批判的に」読み直してみると良いかもしれません。
始めから批判的な態度を取ってしまうと後でろくなことになりませんので。
「基礎」があっての「応用」だということで宜しく御理解の程お願い致します。
院試はあくまで「基礎的な知識習得の確認の場」であると認識しております故。

ここは一番大事なところなのでもうちょっと引っ張ってみましょうか。


3)につきましてはちょっとまだ私には掴みきれないところが御座いますので、

>アセタールアルコキシドが他のアルデヒドに対して攻撃をするのではないかという、
自分の疑問についてなのですが仮に攻撃をしたとしても生成するエステルは塩基に
よって容易に元のアニオンとアルデヒドになるため

この部分について恐縮ですが、具体的に図示して戴けると助かります。

4)Na⁺の役割についてですが、

>I効果の観点からO-Na結合はイオン結合性の強い共有結合であると分類できると
考える

と御座いますが、このあたりは何か教科書を参照されたのでしょうか?「I効果」と
「イオン結合性の強い共有結合」というものの間にかなりの隔たりがあるように
感じました。「I効果が大きい程、結合はイオン結合性の強い共有結合である」と
一般的に言えることなのでしょうか?又、I効果というのはO-Na結合について
電気陰性度の観点から御説明されているという理解で宜しいでしょうか?

結合の記述につきましては「原子価」のルールに則って記述するのが通例ですので、
スキームに書かれている通りで問題は無いと思います。恐らくO-Na結合の本質は
何かということを懸念されながら文章を書かれているためであると考えておりますが、
このあたりを議論し出すと脇道にそれてしまいそうなので別の機会に議論しましょうか。
O-Na結合の本質について、他に意見のある方は遠慮なく議論に加わって下さい。
serge様自身も望まれている部分ですので。私は今はカニッツァロ反応そのものに
ついて議論を行っているのでここではひとまず議論は留保しておきたいと思います。

要は「Na⁺は遷移状態に於いて2つの分子の間に仲立ちし、"擬似的な"分子内
反応のような状態とすることで反応が促進される」という理解で宜しいので
しょうか?

>(これに似た考え方は、時に位置選択性や立体選択性に関わる場合もあるようですが…)

ここで引き合いに出された論文をナナメ読みしたのですが、serge様の議論に該当
する部分を論文から抜き出して戴いても宜しいでしょうか?水素結合が位置選択性に
関与していることを示しているとのことですが、論文からはうまく読み取れません
でしたのでまた後ほどゆっくりと読んでみたいと思います。著作権法には抵触
しない分量だとは思いますのでお手数ですがお時間のあるときにでも宜しく
お願い致します。

繰り返しになりますが結論としてserge様の提案する反応機構と致しましては、
Na⁺が遷移状態で「擬」分子内反応を起こすことによりアルデヒドからのヒドリドは
直接的に移ることが出来る、つまりNa⁺の存在を無視しているのが提案された
反応機構の問題点である、という理解で宜しいでしょうか?遷移状態後の議論は
特に問題は無いだろうと思います。

と、いう感じでまだまだ議論は続きそうな感じですが、急がれなくて大丈夫ですので
まだ議論の余地が残っている2)、3)、4)につきまして引き続き御回答を
戴けますと幸いに存じます。一度にやると大変だと思いますので、御自身で
解決した順番に随時議論していきましょうか。私も久しぶりにこれだけ長い文を
書きましたが中々骨が折れる作業ですね。でも、ここは真剣勝負といきたいところ
ですので御回答を楽しみにお待ちしております。それでは、また。





久しぶりの書き込みで申し訳ございません。
カニッツァロ反応の機構は、FRASH BLUE様が示されていた機構で私は理解していました。ジアニオンを生成させることで、通常はあり得ないヒドリドが脱離して、アルデヒドを攻撃するものと理解していました。確かにヒドリドが抜けるのはもちろんのこと、ヒドリド自体(LAHやNaBH4等は還元剤になりますが)が還元剤になることはみたことがないので、違和感があります。
そこで私の意見としては
1) ジアニオンの生成の可能性はある。平衡反応なので、少量でも生成して、次の反応に消費されればまた生成するのではないか。非常に引き抜きにくいとは思いますが、反応条件(温度等)次第でいけるのでは?

2) そのジアニオンは不安定(電子が多すぎる)ので、残っているアルデヒドに一電子を渡して、ラジカルアニオンになる。アルデヒドも同様にラジカルアニオンになる。ジアニオンから生成したラジカルアニオン(酸素原子がラジカル)は分子内で水素引き抜きが起り、水酸基と炭素、酸素アニオンに挟まれた三級のラジカルになる(ラジカルは多置換ほど安定。ヘテロ原子の隣も安定だったような…)。

3) 最後にアルデヒドから生成したラジカルアニオンが、水酸基の水素を引き抜き、アルコールになる。



以上、かなり無理矢理的な機構になってしまいました…。正直全く自信がありません。

serge様がおっしゃるような遷移状態からのヒドリド還元もあると思いますし(MPV様還元)…。
>gashira様

御無沙汰しております。やはり手書きは風情があって良いですね。
温かみがあるというか。ディスカッションしているという実感が
あってとても良いです。学生時代にゼミで板書して議論していた頃を
思い出します。

ところで本題ですが、やはり一通り学問を修められた方の仰ることは
説得力があると感じました。gashira様の意見に対する私の見解ですが、

1)確かにジアニオンが生じた方が還元力が上がるので、そうした意味
ではリーズナブルな機構であるとは思います。後はgashira様の仰る通り
アセタールアルコキシドから水酸基が脱離して元に戻る反応と、さらに
プロトンが引き抜かれてジアニオンが生じる反応との競合になると思うの
ですが、前者の反応の方が圧倒的に早いことは想像がつきますが、わずか
でもジアニオンが生じてこれがアセタールアルコキシドよりも遥かに反応性が
高ければジアニオンの関与は支持されることになります。モノアニオンでも
十分な還元力があれば問題は無いのですが、この反応の機構は実際のところ
どこまで解明されているのでしょうね。ジアニオンをどうやって検出するのか
ということと、この化学種がモノアニオンに比べてどれだけ早く還元を行う
ことが出来るのかという速度論的な問題について検証を行わなければならないと
思うのですが、そういった研究は過去になされているものなのでしょうか?

私はここで敢えて別の機構を提案したいと思うのですが、gashira様の仰る
ようなジアニオンが生じる反応機構(特殊塩基触媒反応)では無く、水酸基が
アセタールアルコキシドのプロトンをある程度引き抜きつつ還元反応が進行する
という反応機構(一般塩基触媒反応)がよりリーズナブルな気がするのですが、
その点につきまして御意見を戴けますと幸いに存じます。

2)ここが正にこの反応の核心部分です。私がこの反応を取り上げて何を
申し上げたかったかと言いますと、炭素と水素の電気陰性度を比較した場合、
炭素の方が若干値が大きいのです。このことが何を意味するのかと申しますと、
炭素−水素結合に於いて結合電子の分布は炭素寄りになっているということ
です。すなわち、C(δ-)−H(δ+)という状態です。こうした状態で果たして
水素は金属還元剤のようなヒドリド移動を果たして起こすのかというのが
本反応の一番の問題点であると考えられます。金属還元剤では金属−水素間の
結合はM(δ+)−H(δ-)となっているのでヒドリド移動が起こることに特に
違和感を感じることは無いと思うのですが、serge様やgashira様が抱いて
おられた違和感というのは恐らくこのことに起因しているのではないかと私は
考えております。しかしながら上記の議論はあくまで一般論であり、アルデヒドが
水酸基の攻撃を受けた際に生じるモノアニオン或いはジアニオンでは結合電子の
分布が当然変化致しますのでそうすると一種の極性転換のようなようなことが
起こって金属還元剤のような振る舞いを起こすことも無きにしもあらずという
ところでしょうか?いずれにしても実験的な裏づけが欲しいところですね。
理論計算等を行って考察するのも良いかもしれませんが、不安定活性種の計算は
難しいところがあるみたいなので、ただ計算を走らせるというのも危険な気が
致します。そのあたりのスキルが身に付いた頃には一度チャレンジしてみたい
ものですね。計算自体は一瞬で終わるのですが。

話はgashira様の提案された機構に戻りますが、電子移動の後に分子内での水素
引き抜きを示しておられますが、これは分子間での水素引き抜きでは駄目なの
でしょうか?あまり重要なところでは無いかもしれないのですが、分子内反応を
経由するよりも、直接分子間反応で水素引き抜きを行ったほうがエネルギー的には
反応全体として少なくて済みそうな気がするのですがその点は如何でしょうか?
恐らくラジカルの安定性を踏まえた上での議論だと思いますが、ここで分子内
反応を持ち出してしまうと、最後の3)の分子間反応にかなりのエネルギー的な
皺寄せが来てしまうような気が致します。分子内を経由するか、それとも直接的に
分子間反応で行くのかは議論の余地が御座いますが、ジアニオンの関与を否定する
ものでは御座いませんのでその点は予めお断り申し上げたいと思います。
以上の議論を踏まえて、gashira様の仰るような電子移動を伴う機構が私が以前
目にした本では記載されていました。ただ、gashira様の説明とは若干異なり、
アセタールアルコキシドからアルデヒドへの1電子移動(SET)が起こるところ
までは同じなのですが、それから水素移動では無く、プロトンが供与されると
いう機構が提案されておりました。この段階でアセタールアルコキシドはラジカル
アニオン、そしてアルデヒドはヒドロキシベンジルラジカルへと変化致します。

最後にラジカルアニオンからの1電子移動を経て生成物へと至るというのが
その本には書かれていて、現時点で「最も確からしい」のではないかと私が
支持している反応機構です。一連の反応については添付画像のほうを御参照
戴きたいのですが、この機構でもまだ腑に落ちない部分はあろうかと思います。

この機構も本で簡単に言及されていたものでリファレンスなどは御座いません
でしたのでどれだけ実験的な裏付けがあるのか分かりませんが、この反応を
通じて私が申し上げたかったのは「有機分子同士の反応について金属還元剤の
ようなヒドリド攻撃を安易に考えることは危険なのではないか?」ということであり、
敢えて問題提起を行わせて戴きました。最初、serge様の書かれた図を拝見して
MPV還元に着想を得たのかと私も一瞬思ったのですが、この反応はケトンと
アルコールの平衡反応であり、一方でカニッツァロ反応はアルデヒドを基質とした
アルコールとカルボン酸の「不均化反応」であるためMPV還元とは完全に異なる
機構で進行するものと考えられますが、カウンターカチオンが2つの分子を仲立ち
して擬分子内反応を起こすというアイデアそのものは可能性として大いにあるものと
考えられますが、これは実際に水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、そして
水酸化カリウムの水溶液中でそれぞれ反応を行って反応速度に差が出るかどうかを
見ればカウンターカチオンの効果についてははっきりとするのではないかと思います。

以上長々と議論して参りましたが、人には手書きで良いと言っておきながら自分では
ドローソフトを使っているのでそこはちょっとずるいと思いつつも、スキャナが手元に
無いので何卒御容赦下さい。くれぐれも見かけに騙されないよう、問題点など
御座いましたら御指摘戴けると幸いに存じます。



>FRASH BLUE様

私も大学時代、研究室で黒板を前にしてみんなであーでもない、こーでもないと色々と議論していた時代が懐かしいです(就職してまだ一年しか経っていませんが…。会社ではこういった議論をすることがなかなかないものなので、非常に楽しいものですね)

非常に貴重なご意見ありがとうございました。
まずはFRASH BLUE様の質問に対してお答えしたいと思います。

>ジアニオンをどうやって検出するのか
ということと、この化学種がモノアニオンに比べてどれだけ早く還元を行う
ことが出来るのかという速度論的な問題について検証を行わなければならないと
思うのですが、そういった研究は過去になされているものなのでしょうか?

この点は正直全く調べたことがありませんので、一度文献等がないか調べてみたいと思います。少しお時間を頂きたいと思います。

>電子移動の後に分子内での水素引き抜きを示しておられますが、これは分子間での水素引き抜きでは駄目なのでしょうか?

この点ですが、分子間の引き抜きで問題ないと思います。私は生成したラジカルが三級にもなれるため、比較的安定であるという意味で書いた感じです。ラジカルは酸素よりも炭素のラジカルの方が安定であったような気がしてもいましたので。

FRASH BLUE様の提示されました機構で少し分からない点があるのですが、concertedのところはbaseで引き抜きつつ、分子全体からの一電子移動と考えてよろしいのでしょうか?

有機化学は目に見えないことを議論するため、人によっていろいろな考え方ができますよね。そこが難しいところであり、おもしろいところでもあると個人的には思っています。想像力が駆り立てられる気持ちになります。考えて実験して、結果を考察してまた考えて…この作業が私には非常に楽しいものです。一種の妄想といいますか…。ただ企業に就職してからは、なかなかそういったことができなくて、毎日もどかしい日々を過ごしてきました(これからもそうかもしれませんが…)。やっぱり学生時代(研究室)が楽しかったなーと思うのは私だけでしょうか?
今回、cannizzaro反応を見直す機会を与えていただき、年をとるにしたがって、それが当たり前と考え疑う心(いい意味での)を常に持ち続けないといけないと再認識させていただきました。
>gashira様

私は大学に出戻りした身なのですが、会社勤めしていた頃はやはりそういった
学術面での自由闊達な議論が出来ないことにやきもきしていたことが御座いました。
大学ではあれ程までに発言することを促されていたのに何故会社では皆黙り込んで
いるのか不思議で仕方がありませんでした。反応速度の議論をしようとして「二次反応」と
いう言葉を持ち出したときに先輩からはキョトンとした顔をされて、合成をやられている
方なら分かると思うのですが分取TLC(いわゆる板上げ)をやる際に化合物がいろいろな
色に分かれることが稀に御座いますが、そのことを指した「虹」反応のことかと思ったと
言われて思わず辟易としてしまったことを思い出しました。また最近嘗ての同僚とも
最近話をしたのですが、再就職先の企業は体質がかなり古いみたいでやはりいろいろと
ストレスを抱えていると言ってました。「研究所」を標榜するからには上下関係によらず
自由闊達な議論がなされて然るべきなのですが、一度既得権益に捕らわれてしまうと
人間はそこからしがみ付いて離れられなくなるのでしょうね。とても悲しいことだと思います。
そうした想いもあり、私はこのコミュニティーを立ち上げましたのでそうした日頃の
鬱屈した部分は是非ともここで晴らして戴けると幸いに存じます。「他山の石」で
お互いが磨き合えるような場でありたいですよね。せめてこういうところくらいは。

少し余談になりましたが、本題を。
concertedの所はgashira様の仰る通りbaseでプロトンを引き抜きつつ、電子移動が
起こるというまさに「協奏的な」状態をイメージして戴けると宜しいかと思いますが、
この機構とジアニオンの機構が果たしてどう違うのか?というように議論をし出すと
正直難しいところがあると思います。「原子価」の概念に基づいた有機電子論と
いうのは教科書で学ぶのにはとても意義があるのですが、あくまで空想の概念に
過ぎないので厳密な議論を始めると自ずと限界が出て来るものかなというのが
正直なところで御座います。分子軌道計算を行ってみると分かるのですが、原子間の
結合は単純に原子同士が1電子を与えて形成されるものでは無く、分子だったら
分子全体で考えなければならないので分子軌道論の考えではこうした「原子価」の
概念は一気に吹っ飛んでしまいます。また、有機電子論ではDiels-Alder反応の
位置選択性などの説明は全く無力であり、そこで化学反応に於ける軌道相互作用という
概念が導入される訳ですが、全てをうまく説明出来る理論というのは存在し得ないの
では無いかと率直に感じます。結局イタチごっこというか、古典力学で説明し切れない
ところを相対性理論や量子力学で補ったように、これだけで何でも現象を
説明出来るというものは存在し得ないのではないか、そもそも理論というものは
これまでに蓄積された現象を説明出来るように構成されているに過ぎず、将来的に
現れてくる現象まで説明が出来る保障が無いという本質的な欠陥が内在しているように
思われます。かと言って、そこで物事を投げ出しては何事も始まらないのでこればかりは
永遠のテーマといったところでしょうか。今の我々に出来るのは如何に「確からしい」
理論や共通の認識というものを打ち立てられるかということに尽きると思います。

思考の停止は研究者にとって「死」を意味すると私は考えておりますので、日頃の業務で
忙殺されてついつい考えることが億劫になったときはまたいつでもいらして下さい。
少なくとも管理人である私は此処に居ますので。今後とも宜しくお願い致します。
最近学部生の方々の参加も目立つようになってきたのでいったんトピックを上げたいと思います。基本的なことでも構わないので本コミュニティーを積極的に御活用戴き自身の能力の向上にお役立て戴くことが管理人としての強い願いで御座います。ちょっと先輩に聞きづらいこととかでもこちらで質問してみると優しいお兄さん方?が丁寧に教えてくれるかも知れません。
このまま単発で終わってしまうのも何ですので、前回のカニッツァロ反応と
比べると少々もの足りないかもしれませんがもう一つお題を。

「Grignard反応に於いて基質としてホルムアルデヒドを用いた場合には
反応性の順番はメチル>エチル>イソプロピル>t-ブチルとなるが、
ベンゾフェノンを用いた場合にはその順番が逆転する。この現象について
反応機構の違いから論じ、加えて該当する研究論文(複数可)を実際に
探して該当する文献の紹介を行いなさい」

学部生の方でも御存知の方は多いかも知れませんが、元文献まで辿るという
ところまでやったという方はおられないかと思いますので興味のある方は
そこまで含めてこの問題に挑戦してみて下さい。この現象について書かれて
いる教科書は複数あるかと思いますが、オリジナル(1次文献)をちゃんと
確認することも時として重要であるという想いを込めまして出題させて戴き
ました。皆様方(特に学生の方々)からの回答をお待ちしております。

そういえば遠い昔に磁場の存在下でGrignard反応を行うと、光学活性な
アルコールが生成するという「トンデモ論文」がAngewandteに掲載されて
物議を醸し出し、その後撤回されるという"事件"があったことを思い出し
ました。最近ではこちらでも紹介したNaHを用いるアルコールの酸化反応の
論文がASAPから遂に正式な巻号に載らずにそのまま撤回されたようなのですが、
この事件の経緯について御存知な方はいらっしゃるでしょうか?実際に追試が
行われて反応自体は行くみたいだったのですが、再現性か何かで躓いて
しまったのでしょうか?ベル研究所であった高温超伝導の論文のように
明らかな作為が伴う場合は決して許されるものでは無いと思うのですが、
誰でも追試が出来てしまうような反応の場合にはより慎重にデータは扱わ
なければならないのでしょうね。「反応の再現性」というのは非常に難しい
問題だと思います。特に最先端の研究の場合は追試の仕様が無い場合が殆ど
なので、「検証されていないだけで実は間違っている報告」なんてざらに
あるのではないかと個人的に勘ぐっております。
質問させていただきます

カルボニル化合物のα位のハロゲン化についてです

塩基を用いると一度で止まらないのに対し、酸を用いると一度で止まってしまうというのがどうしても納得できません。

ウォーレンにはプラスチャージのことで説明されていましたがあまりしっくりくるような説明ではありませんでした
>Hi様

御質問ありがとう御座います。
まず塩基を使う場合ですが、一旦α位がハロゲン化されてしまうとそこの
位置の酸性度がハロゲンの誘起効果により向上致します。そのため、元の
カルボニル化合物よりもプロトンが抜けやすくなるためにポリハロゲン化が
優先して起こるのではないかと考えられます。一方、酸を使う場合について、
具体的な条件が分からないので何とも言えないのですが、恐らくエノールへの
互変異性を促進して、ハロゲン化剤と反応させているのではないかと思うの
ですが、こちらの場合は立体効果が効いてくるのではないでしょうか?
電子的な効果も加味しなければならないのかも知れませんが、ビニルハライドの
求核性というのが元のオレフィンに対して高いのか低いのか良く分からないので
少なくとも1つ目のハロゲンが入ると立体的には元のカルボニル化合物よりも
嵩高くなるので2つ目が入りにくいということではないかと私は考えました。

これはあくまで私の見解なので、もし宜しければ実際議論している具体的な
基質やハロゲン化剤、そして塩基、酸を使った場合の反応条件について分かる
範囲で教えて戴けると助かります。あと、ウォーレンのプラスチャージの説明に
ついてもどのように記載されているのか教えて戴いても宜しいでしょうか?
何しろ読んだのはかれこれ5、6年前のことなので流石に覚えてないもので。
他の方もコメント等ありましたら宜しくお願い致します。
> FRASH BLUEさん

プロトン化されている臭素がつくと不安定化される
臭素が付加した状態ではカルボニルの酸素の塩基性が低下するためエノレートを形成しにくい
とウォーレンにはありました


一つ目の理由に対しては全く共感出来ませんでした
二つ目に関しては共感はできるのですが、されにくくなった分その後の活性化エネルギーは下がる(と思うあせあせ(飛び散る汗))から反応は進みやすくなるのではないかexclamation & question

なんて思ってしまったのですが
>Hi様

コメントありがとう御座いました。
まず二つ目の理由についてですが、

>されにくくなった分その後の活性化エネルギーは下がる

と言うのは酸性条件で臭素を付加させたときに出来たモノブロモ体にさらに
二つ目のプロトンが入る際のエノール化がし辛いという意味でしょうか?
酸性条件なのでエノラートでは無くエノールの間違いでは無いかと思うのですが、
エノールは中間体なのでαブロモケトンからエノールへの互変異性の障壁が
高いという意味であって、中間体のエノール自体はある程度安定なのでは
無いでしょうか?Hi様の説明だとカルボニル酸素へのプロトン付加の段階が
律速のようなのでその後のブロモ化については少なくともその記述だけでは
何も説明していないことになっております。すなわち無置換のケトンと1つ
臭素が付いたケトンで互変異性の速度を比較すると前者のほうが早いから
一置換体が優先して得られるということを言っているのではないでしょうか?

あと、一つ目の理由についてですが、

>プロトン化されている臭素がつくと不安定化される

というのはどういう意味なのでしょうか?Br2が酸の作用によってプロトン化
されてH+・Br2のようなアダクトになってそれが不安定という意味なのでしょうか?
ちょっとウォーレンが手元には無いので本文にはどのように書かれているのかが
分からないのですが、上のように図も何も無しに一文だけ書かれているものなの
でしょうか?

質問返しになってしまって恐縮ですが、もう少し詳しく(あるいは本文を抜粋して)
戴けますとより詳細な議論が出来るかと思います。お手数をお掛け致しますが、
どうぞ宜しくお願い致します。
このトピックを読んで,ウォーレンを引っ張り出してきて見てみたのですが,Hiさんが仰っている
「プロトン化されている臭素がつくと不安定化される」
は,正しくは
「カルボニル基のα位に臭素が置換すると,プロトン化されにくくなる(不安定化される)」では無いでしょうか.

私が思うところでは,「(不安定化によって)エノラートが形成されにくくなった分,その後の活性化エネルギーは下がる」というHiさんの提案は,生成系の不安定化=生成系の標準エネルギーの増大という考えということでしたら合っていると思います.しかし,それと,その後の段階の活性化エネルギーの大小は,関係無いかと思います(「不安定化する」と書かれているのはαハロケトンのエノラートのプロトン化は,α位にハロゲンを持たないケトンのエノラートのプロトン化に比べて起こりにくい,すなわち速度論的に遅いという意味と熱力学的に不安定という両方の意味かと).さらにこれは平衡反応であるため,生成系が不安定であれば,平衡が始原系に偏るという事になります(熱力学的に).
ですので通常の酸触媒下のαハロゲン化ですと,一段階目は活性化エネルギーの山を越えることが出来ても,二段階目はプロトン化自体が遅く,またそこからの反応も活性化エネルギーの山を越えるのは無理,という事では無いでしょうか.
いくら生成系が不安定化していても(エネルギーが高くても),それは次の段階の活性化エネルギーが低いということには繋がらないので(詳しくは,ハモンドの仮説参照),結果として酸触媒下ではモノハロゲン化でストップするものと考えられます.

えっと,ごちゃごちゃと長文になってしまいましたが,要するに一段階目のハロゲン化は酸触媒下で進行するとして,二段階目のハロゲン化を行う際のプロトン化は速度論的にも熱力学的にも不利,続くハロゲン化は速度論的に圧倒的に遅く,かつ熱力学的にも不利という事かと思います.

もちろん,強熱・強酸・長時間反応など,条件をきつくすれば上記の限りではありませんし,求電子剤である単体ハロゲンの量を求核剤の数十倍とか入れることによって,ジ・トリハロ化することも可能かとは思います.

以上,宜しくご検討下さい.
>Shima。様

コメントどうもありがとう御座います。まずはこの説明でHi様が納得されるか
反応を見て私もコメントしたいと思います。ちょっと一先ず待たせて戴きますね。
すみません,お昼休みに急いで書いたので,誤りがありました.
上から5行目
「「不安定化する」と書かれているのはαハロケトンのエノラートのプロトン化は,α位にハロゲンを持たないケトンのエノラートのプロトン化に比べて起こりにくい,すなわち速度論的に遅いという意味と熱力学的に不安定という両方の意味かと」
を
「「不安定化する」と書かれているのはα-ハロケトンのプロトン化→エノラートへの異性化は,α位にハロゲンを持たないケトンの→エノラートへの異性化に比べて起こりにくい,すなわち速度論的に遅いという意味と熱力学的に不安定という両方の意味かと」

に訂正してお読み下さい.
お二方ともありがとうございます。ここ数日体調を崩してましてきちんと読むことが出来ませんでした

ようやく容態も安定してきましたのでこれから時間をかけて拝見させていただきますm(__)m
>Hi様

まずは体調の回復を第一優先に考えて下さい。私達は待っておりますので、
お返事は慌てずに、納得の行かない点があったらとことん御質問下さい。
そのためにもじっくりとお休みになって元気になって戻ってきて下さいね。
それでは。
>>Hi様

大丈夫でしたか??
科学が人の上に立つ事は許されません.科学よりも人の身体の方がずっと大事ですので,
ゆっくり体調管理に専念してください.もし時間が出来たら,また議論しましょう.
コメントしようと思って忘れてしまいました。申し訳ございませんm(__)m

なんだかすっきりとしました。熱力学的、速度論的の両方が必要だったのですね電球あとハモンドの仮説と

今となってはあれだけの暴言を吐いていた自分が情けないです
>Hi様

調子が良くなったようで良かったです。教科書の内容に疑問を感じるのは
とても良いことだと思いますのでまた納得の行かないところなど御座い
ましたら遠慮無く御質問下さい。Shima。様も丁寧なコメントを戴きまして
誠にありがとう御座いました。
また何かありましたらお願いしますm(__)m

といいつつまた質問なのですがあせあせ(飛び散る汗)
合成系の論文を読んでいても何がすごいかわからないことがよくあってしまいます。収率がいい、短工程、反応の選択性……くらいしか着目できないのが現状です。

いつもこんなところに注意して論文を読んでいる……なんてことがありましたら是非とも教えていただきたいのですが。

ちなみに主に読んでいる雑誌も教えていただけたら嬉しいです(化学系以外でも大歓迎です)
>Hi様

こちらのトピックで論文についての質問をなさっても構いませんし、
論文質問用のトピックを別に立ち上げて下さっても構いません。
基本的に御自身の成長に役立つためであれば特に制限は設けておりません
ので自由に御活用下さい。

論文についてはGraphical Abstractをざっと見て面白そうなものがあれば
ピックアップして読むということが私の場合は多いです。JACSとかは以前
(といってももう大分前のことになるのですが)Graphical Abstractが無く、
文章のAbstractだけだったのでタイトルだけで読むか読まないかを決めな
ければならなかったのですが、最近は視覚的に非常に分かりやすく概要を
掴むことができるので大変助かっています。そして論文を読むときに注意
しているのは"Foot note"あるいは"References"のところですね。本文では
語られなかった重要な情報が小さい文字で語られたりするのでその部分を
きっちり読み込むか読みこまないかでその論文の理解度は大きく違ってくる
だろうと思います。自分で実際に論文を書いてみると分かるのですが、
いろいろな事情で本文では述べることが出来なかったことを書かなければ
いけなかったりするのでそこに書かれていることは非常に重要な意味を持って
いることが多いです。あと、当然書き出しのところに研究の背景やこれまでの
研究と比較した論文の優位性などが示されているのでそういったことを理解
するためにも最初のほうに引用されている文献のチェックは必要だと思います。
大抵は総説が引用されていたりするのでそれを読むことでその研究領域の詳細に
ついての情報を得ることが出来るので総説は出来る限りチェックしたほうが
良いと思います。

今主に読んでいるのは、ほぼ毎日チェックしているのはJACS、Angewandte、
Organic lettersくらいでしょうか。ただ、時間があれば出来る限りの雑誌は
読むに越したことは無いと思いますので出版社別の区分となりますが、
American chemical society系(JACS、OLがここに含まれます)、Wiley
(Angewandte)、Elsevier(TL)、Royal chemical society(Chem.Commun.)
、Theime(Synlett)あたりは押さえておきたいところです。カッコ内に
書いてあるのは代表的な雑誌でそれぞれの出版社で化学系の雑誌は他にも
あるので是非ともチェックしてみて下さい。あとは総合科学雑誌では言わずと
知れたNatureとScienceですが、私は化学以外の内容については殆どチェック
しないのですが、生物系などでは日々重要な報告がなされているようですので
興味があったらcontentsを一通り眺めてみては如何でしょうか?あと、Hi様は
薬学系の大学のようですので創薬化学に興味があればElsevier系のBioorganic
& Medicinal chemistry letters、そしてAmerican chemical society系の
Journal of medicinal chemistyなどがお勧めですので良かったらチェックして
みて下さい。そしてHi様が面白いと思うのであれば何でも構いませんので是非
ともこちらの方で紹介して戴けるととても嬉しく思います。また何か分からない
ことが御座いましたら遠慮無くお知らせ下さい。


> FRASH BLUE 様

ご丁寧な説明をありがとうございます。今までそのようなことを言ってくれる方がいなかったものですからあせあせ(飛び散る汗)(もちろんそのようなことを聞かなかった自分が悪いのですが)
今日からはそのようなことに注意して読んでいこうと思います。


先日Natureの生化学関係の論文をいくつか入手してきましたので、機会がありましたら発表しようとおもいます。その時はご指摘お願いします。m(__)m
ちょっとした頭の体操をしてみましょう。
添付画像に示した変換について合成経路を考えてみて下さい。
相当根気がいりそうですが皆様方からのアイデアをお待ちしております。
頭の体操第2弾ということで。推定で構いませんのでこの反応について有機化学的に矛盾の無い反応機構を提案してみましょう。前に出した問題についても良かったら引き続き考えてみて下さい。
だいぶご無沙汰しております。何の貢献もしていなくてすみません。

うーん難しい・・・。

32番のイノシトール、6員環アセタールで2組保護して残りの2×OHを酸化→還元でどうですか?
(私は糖の化学はあまり分かっていません)

33番は勝手にアニリンを2等量としてやってみたのですが、できず・・・
1.環状の酸無水物のOにプロパルギルアミンがとってかわる
2.ルイス酸でウレアOが活性化されて下側NHからの押しでイソシアナート生成(C-N切れる)
3.イソシアナートCに後から加えたアニリンがattack→ウレア形成
4.2.と同様にアニリンNからの押しでイソシアン酸フェニル生成(C-N切れる)
5.下側NH2とグリオキサールでイミン形成
6.イミンつけ根にアミドNHがattackしてイミニウム解消
7.グリオキサール由来の残ったホルミル基と2等量目のアニリンでイミン形成
8.アニリンπ結合とイミンC=Nと末端アルキンで環化付加反応
9.芳香環化

酸化段階が2つ足りない構造になってしまいました。
ということはイソシアネートを飛ばした(=酸化段階2個分)のが間違いなのでしょうか?


だらだら間違ったことを文章で書いてすみません・・・。
>N様

御無沙汰しております。早速、というか、夜遅くにいろいろと考えて下さって
ありがとう御座います。可能であればChemdrawに反応機構を書いてみて説明して
戴けると助かります。32番の場合は立体化学を考えながら具体的にどのような
試薬を使えば良いのか、34だとどの段階で酸化段階が2つ足りないのか見えて
くるかも知れません。また、他の方がN様の書いた図を見て何か新しいアイデアを
思い浮かべるかも知れません。ここで大切なことは正解を出すことでは無く、
正解を導きだすためにはどのようなことを考えれば良いかということを皆さんで
学ぶことだと考えております。そもそも「唯一の」正解も有りはしないのですから。
たくさん間違いながら考える力を養って下さい。
ふと疑問に思ったのですが、ボロン酸のベンゼン環の配向性はなんでしょうかexclamation & question電気陰性度を考えるとo,pになりそうだが、超共役で空軌道がどの程度作用してくるのか…と悩んでしまいましたあせあせ(飛び散る汗)
なにかあればお願いします。
>Hi様

御無沙汰しております。配向性というのは所謂「求電子置換反応に於ける」場合と
いうことで宜しいのでしょうか?例えばフェニルボロン酸にFriedel-Crafts反応を
行う場合とか。一先ず確認させて下さい。
> FRASH BLUE様

その通りです。言葉が足りずに申し訳ございません
>Hi様

ありがとう御座います。今私は2つの可能性について考えているのですが、
もし宜しければより具体的な反応条件(何に何を作用させようとしているのか)に
ついて情報を戴けると助かります。またこの件につきましては他の方の意見も
伺いたいので、我こそはという方は是非ともアイデアをお寄せ下さい。

やり取りをただ傍観しているだけでは決して自身の力にはならないと私は思います。
間違っててても構いませんので自分だったらこの問題をどう考えるのか、という
視点を持つことを決して忘れないで下さい。
ホウ素の空軌道が共役に関与すると考えるとm配向性になると思うのですが(ホウ素が電子求引基として作用するため)、もう一つの可能性としてipso置換が起きるのではないかと思います(アリールアニオンと求電子剤との反応といった形)。
私はこれくらいしか考えられませんでした…正直深く考えたことがないことでしたので、非常にいい機会なりました。
>gashira様

コメントありがとう御座います。gashira様の仰るとおり、ボロン酸を求電子置換
しようとするとipso置換が最も優先されるのではないかと私は思います。
実際にアリールボロン酸にFriedel-Crafts反応をかけた例を知らないので何とも
言えないのですが、ipso置換されたものが主生成物になることは想像に硬くない
気が致します。ただ、ipso置換が起こらない可能性としては求電子剤のカウンター
アニオンが非配位性の場合、ipso位以外に反応が起こる可能性が出てきます。

その際の配向性についてですが、こちらはお二人で意見が別れているようですね。
私も正確な回答は知らないのですが、こんなときの計算化学ということで時間が
あるときにフェニルボロン酸の分子軌道計算を行ってみたいと思います。実験事実が
無いのが厳しいところですが、どなたかアリールボロン酸の求電子置換反応の
配向性について実験結果を御存知の方がいらしたらお知らせ下さい。理論計算の
ほうは今暫くお待ち願います。
お二方へ

暫く放置してしまい申し訳ございません。具体的な反応例を探したのですがいいものが見つかりませんでした。明日再度調べなおします。

私はBの空軌道の相互作用でm配向性だと考えていたのですが…他のことは全く予想出来ませんでした。帰ったら調べてみようと思います。

計算化学……久しぶりにMOPACとGAMESS動かしてみようかな。
[MOPAC] Ver.6 ;の結果

* MOPAC: VERSION 6.03 CALC'D. 03-Jun-11
* GRAPH - GENERATE FILE FOR GRAPHICS
* T= - A TIME OF 3600.0 SECONDS REQUESTED
* DUMP=N - RESTART FILE WRITTEN EVERY 3600.0 SECONDS
* EF - USE EF ROUTINE FOR MINIMUM SEARCH
* AM1 - THE AM1 HAMILTONIAN TO BE USED
* PRECISE - CRITERIA TO BE INCREASED BY 100 TIMES
* NOINTER - INTERATOMIC DISTANCES NOT TO BE PRINTED
* GNORM= - EXIT WHEN GRADIENT NORM DROPS BELOW .500E-01

オルト -.1100
メタ  -.1322
パラ -.1170
Bの付け根のC -.1811
>Hi様

早速の計算ありがとう御座います。電荷の値を見る限りだとipso位のところが最も
大きいみたいですね。ただ、ipso位に求電子剤がアタックした時点でホウ素が
うまく脱離出来なければ元のボロン酸に戻るだけなのでホウ素にクロライドの
ようなアニオンが結合した状態での電荷分布も見ておいた方が良いかも知れませんね。
計算は私自身不勉強なところもあり、計算を流してもその結果の解釈が難しいところです。
ところでHi様は今回のような疑問はどういったきっかけで思いつかれたのでしょうか?
> FRASH BLUE様

この結果があってれば良いのですが……
きっかけはアルドリッチのボロン酸のカタログでしょうか。これを見ていてアルキル基の導入をどのようにやるのか疑問に思ったのがきっかけでしょうか。
>Hi様

大分遅くなってしまい申し訳御座いません。私の方も計算を行ってみました。

Gaussian09 Revision-A.02, B3LYP, 6-31G*

Phenylboronic acid
ortho: -0.201/-0.183
meta: -0.238
para: -0.219
ipso: -0.430

ここでの結果はNatural chargeというものを採用しております。電荷と言えば
Mulliken chargeを指すことが多いのですが、そもそも電荷というのは観測する
ことが出来ないものなので何を以て正しいとするのかは意見の分かれるところです。
ただ、電荷分布の傾向はHi様が行った結果と一致しているので予想される配向性に
ついては妥当な結果が得られているのではないでしょうか。

ただ、電荷の結果だけで配向性を議論するのが果たして正しいのか?という疑問が
新たに湧いてくるのですが、やはり実験結果を見ないことには何とも言えない
でしょうね。恐らくアルドリッチのボロン酸反応剤はハロゲン化体をアルキル化
してからホウ素に変えているのではないでしょうか?ボロン酸をアルキル化して
結晶化で単離しているようには思えないのですが。Scifinder等で反応例を検索
してみると良いかも知れませんね。興味深い話題を提供して下さって誠にありがとう
御座いました。

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