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最先端有機化学文献紹介コミュのHalaven(エリブリンメシル酸塩)ついに上市!

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http://www.nature.com/news/2010/101130/pdf/468608a.pdf
※論文はフリーで閲覧可です。

永らく本コミュニティーの顔となっていたE7389(エリブリンメシル酸塩)が
ついに乳がん治療薬「Halaven」として米国にて承認されました。ここで薬の
紹介を行うのはコミュニティーの趣旨に反するのですが、本化合物はそもそもは
天然物に由来するものの、タキソールのように天然物からの「半合成医薬品」では
無く、市販の試薬から62もの工程を経て化学合成された「全合成医薬品」である
という点が意義深く、有機合成の世界に於いてもパリトキシンの全合成に
匹敵するほどのインパクトをもたらすものであると考えたため今回紹介させて
戴きました。両化合物ともにハーバード大学の岸義人教授が関わっていることも
非常に感慨深いものがありますね。

漸く販売されたばかりなので従来の抗がん剤に変わり得るものであるかは今後の
推移を見守るしかありませんが、もしそれが現実となれば岸教授のノーベル賞
受賞もあり得るのはないかと思われます。基盤技術を創り上げた岸教授グループも
そうですが、ハリコンドリンBの抗がん作用にいち早く目をつけ、これを抗がん剤
として上市する決断を下し見事に製品化に成功したエーザイの研究陣にも脱帽と
言う他はありません。クロスカップリング反応のノーベル賞受賞に続き日本の
有機合成の技術ここに極まれりと言ったところでしょうか。日本が誇る本技術は
是非とも継承していかなければならないと身が引き締まる思いが致しました。

コメント(6)

>豊様

初めまして。本コミュニティーの管理人を勤めておりますFRASH BLUEと申します。
まず、エリブリンの合成経路ですが、日本語の総説が出ています。CMC出版から
出ている「天然物全合成の最新動向」という本の最後の章でエリブリンのプロセス
合成検討について述べられております。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/toc/4781301649/ref=dp_toc?ie=UTF8&n=465392

天然物合成に関わっておられるようでしたら是非とも手に入れておかれることを
お勧め致します。私はその最後の章だけを以前たまたま読んだのですが、非常に
壮大な内容となっております。岸先生がハリコンドリンBの全合成を達成した直後
からエーザイがアプローチを掛けていたなどのエピソードも述べられています。
また岸先生の最近の講演も下記のリンクから聴くことが出来るのですが、

http://www.softconference.com/acschem/player.asp?PVQ=GLHF&fVQ=FFIFII&hVQ=

両サイドの話に触れることでより深く楽しめるのではないかと思います。

コミュニティーの「顔」は仰るとおりマイトトキシンです。つい最近までは件の
エリブリンを載せていたのですが、薬として上市されたということもあり新しい
顔として載せたところ、そういえばエリブリンの前がマイトトキシンだったことに
ふと気づき、実は2回目の登場となるのですが、巨大分子全合成の最後の砦として
相応しい化合物だと思うので再登板というかたちにさせて戴きました。環状ポリ
エーテル合成の方法論はかなり進歩してきたのであとは時間の問題という気が致し
ますが、意外とまだまだ時間を要するかも知れません。それにしてもパリトキシンを
1980年代後半に創り上げた岸先生は本当に偉大な方だと思います。その時代から
化学は大きな進歩を遂げたにも関わらず、30年前に成し遂げられた多くの偉業を
超える研究が果たしてどれほどなされているのでしょうか?以前にも書いたかも
知れませんが、我々が思っている程化学は進歩をしていないのではないかと感じて
しまう程です。30年前のこれらの研究に匹敵するような興奮を今一度味わってみたい
ものです。

豊様も何か興味のある論文が御座いましたら積極的に御紹介戴けると助かります。
最近は更新も滞り気味なので他の方からの論文紹介がコミュニティー活性化の起爆剤と
なることを願っております。それでは、研究頑張って下さい。
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。

私自身は学生時代に天然物合成(全合成)を経験していないため、全合成研究されている方のことを非常にうらやましく思います。知識は持っていても、実際に実験の詳しい方法が分かっていないため、現在会社で非常に苦労しております。全く関係のないお話をして申し訳ございませんでした…

エルブリンについては、プロセス化学の観点からも非常に興味を持っています。あれだけの化合物を高品質で常に一定の収率で合成するためにはかなりの細部まで検討されていると思っています。品質保証の方々も非常に苦労されたのではと思います。実は二月の頭にエーザイの方のエルブリンについての発表を拝聴する機会を得ることができましたので、楽しみにしています。

>gashira様

おめでとう御座います。こちらこそ宜しくお願い致します。
合成に直接携わった方からお話を伺えるのはとても良い機会ですね。せっかくなので
こちらの方にも講演内容についてレポートして戴けると助かります。文献情報という
のも当然重要なのですが、やはり生の情報には敵いませんので。楽しみにお待ちして
おります。
>豊様

そういえば先に御紹介戴いたMacMillan教授の論文ですが、以前にこちらでも取り上げて
いたことを思い出しました。

http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=53415792&comm_id=4556456

宜しかったら御参考下さい。

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