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最先端有機化学文献紹介コミュのシグマアルドリッチ社製マイクロリアクターの御紹介

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http://www.sigmaaldrich.com/japan/chemistry/chemical-synthesis/technology-spotlights/mrt.html

有機化学の携わる方にとって一番お世話になっている試薬メーカーと言えば
Aldrichでしょう。恐らく世界最大の試薬メーカーであると思うのですが、
規模の大きい会社だけあって取り扱う製品のラインナップも群を抜いております。
カタログも物性データに優れていて、カタログの域を遥かに超えていたので
個人的に入手して自己満足に浸ったりしていたことを思い出しました。今は
ScifinderやReaxysのような検索データベースが発達して探している試薬が
入手可能であるかどうかはすぐに調べることが出来ますが、それ以前の時代は
試薬メーカーのカタログをかたっぱしからめくって目的の試薬があるかどうかを
探すのでも一仕事でした。

と、このまま思い出に浸っていても仕方が無いので本題に入りますが、唐突ながら
マイクロリアクターの紹介をさせてもらいます。企業にお勤めの方には共感して
戴けるかと思いますが、いわゆる大企業の研究所では潤沢な研究資金があるため
施設の拡充には徹底して予算を注ぎ込みます。大学時代もそれなりに整った環境で
研究を行っていたのですが、全く勝負にならないと言っても良いくらいこれ見よ
がしに最新鋭の機器を購入していました。大学の現状については良く分からないの
ですが、未だにカラムはガラスカラムにシリカゲルを充填してから行っているの
でしょうか?Biotageなどのカートリッジ式のカラムを使用している研究室があったら
是非とも教えて戴きたいのですが、恐らくまだあまり普及はしていないのでは
ないかと感じております。Microwave反応器などもそれを使った反応開発を行って
いるところ以外には導入はされていないのではないかと思うのですが、如何で
しょうか?大学の施設を馬鹿にしている訳では決して無いのですが、大学を出て
就職してみて、それだけ企業の研究所の施設の凄さに驚きを隠せませんでした。
資金が潤沢であるが故にこうした合成関連の機器メーカーの方々も黙ってはおらず
頻繁に最新機器のデモを行ったり、場合によっては期間限定で「貸与」してくれて
実際に装置を試してみる機会もあったり致しました。圧巻だったのはとある試薬を
開発した張本人がわざわざ会社に「営業」に来てプレゼンを行うなど、お金がある
ところには人が寄ってくるものだなと感心ひとしきりでした。給料の問題とかでは
無く、研究者として最新鋭の設備に触れる機会を作るという意味でも製薬会社に
努めて良い経験が出来たと思っています。もちろんこれらは薬を作る為の「手段」で
あって「目的」では決して無いのでそのあたりは勘違いの無いようにしたいものですが。

前置きが随分長くなってしまいましたが、今回は趣向を変えて最先端の合成機器の
紹介ということでトピックを作らせて戴きました。企業では既に導入済みのところが
多いかと思いますが、マイクロリアクターの紹介です。論文では度々目にしていて、
会社でも導入を検討していたのでとても印象に残っているのですが、アルドリッチ
だと妙に説得力を感じるのは私だけなのでしょうか?結構メーカーによっては
機能を重視し過ぎて使い勝手が悪かったりするのですが、こちらの写真を見る
限りではコンパクトに纏まっていて簡単に使えそうな気がします。「自社用に
開発した」というキャッチフレーズも非常に良く、それだけ製品に自信を持って
いる様が伺えます。今は合成の現場から離れているので触れる機会は無いだろうと
思いますが、再び白衣を着て会社で実験に取り組む頃には周りの方が普通に使って
合成を行っているような気がしています。見た目はコンパクトですが、1日に
キログラムオーダーの合成も可能ということで製薬企業のプロセス部門におられる
方にも重宝される一品なのではないかと思います。表示価格が250万と思った
よりも安いので会社勤めの方は上司に泣きついてでも購入を検討されては如何
でしょうか?大学のほうでも手が届く価格ではあると思いますが、使い道が余程
明確で無い限りは教授は首を縦に振ってはくれないだろうと思います。天然物合成を
行っているところとかは原料合成とかには良いかも知れませんよね。

実際の活用例についてはページのリンクに纏まってますのでそちらを参照してみて
下さい。私がリアルタイムで読んだ文献で覚えているのは京大の吉田潤一先生が
宇部興産と共同研究を行った論文で、普通はドライアイス温度で行うSwern酸化の
ような反応がマイクロリアクターを使うと室温でも出来るという内容のものでした。
他にもバッチ式(普通のフラスコでの反応)よりも簡便な操作で大量合成を
行えたりもするみたいなので、主に中間体合成を行う機会のある方には「買い」な
製品では無いかと思っております。こういうのを見ると久々に合成実験を行いたく
なるものですね。理論計算も悪くは無いですが、数学が苦手だと基礎理論の理解に
時間が掛かってそれはそれで大変なものです。理論が分からなくても計算を流せるのは
合成と一緒ですが、そこにアレンジを加えようとすると基礎が分かっていないと
出来ないというのも全く合成実験と同じです。どんな分野であれ、基礎をみっちりと
身につけておくのは「自分の頭で考え抜く」ためにも必要なことでしょう。

今回はたまたま目についたので趣向を変えてお送りさせて戴きました。

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