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日本マンガを考える会コミュの赤色エレジー[林静一]

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あがた森魚が本作をモチーフに歌にしたことから始まったムーヴメントは、まず大幅翻案された「女番長ゲリラ」(1972年、東映京都)を筆頭に、あがた自身の自主制作による「僕は天使ぢゃないよ」(1975年)、更には原作者林静一自らの手で映像化された"画ニメ"「赤色エレジー」(2007年)へと結実していく。

メジャーレーベルではなく、今で言うならインディペンデント系で発表された小品でありながら、ひとつの作品がこれほどの長きに亘り愛され、繰り返し同じ題材でリメイクされた漫画というのも稀有だろう。
それほど作り手側の思い入れは強く、それがこの作品の魅力の一部でもある。
思えば、ドラマにもアニメにもなっていなかった漫画をモチーフとした歌(今で言うなら"イメージソング"か)がまずリリースされ、それが流行歌となったという例はこれ以外ほとんど聞いた記憶が無い。
「赤色エレジー」の世界に耽溺してしまったなら、おそらくは生涯この作品を心の傍に置いていくことになるだろう。

「赤色エレジー」は、それほどまでに愛おしくも切ない作品である。

直接的関連は無いものの、同時代に制作された映画「神田川」(1974年)のオープニングでも林の挿画が使用されるなど、本作はあの時代のアイコンとして根深く影響を及ぼしている。


奇しくもこの「赤色エレジー」の連載開始は'70年1月号。つまり、まさに'70年代の幕開けと共に、この時代の恋愛の普遍を林静一は提示したのだ。時代を読む=詠む表現者としての作者・林の皮膚感の鋭さであろう。

もちろん、「赤色エレジー」は超大作でもない。どこにでもいる、ちいさなちいさな男女の、ちいさな四畳半下宿で繰り広げられる、ちいさな心と心のもつれやほころびを描いただけにすぎない。
だが、それこそが当時の若者たちの奥底にある心情とシンクロし名作となった。
漫画「赤色エレジー」は、「赤ちょうちん」や「神田川」などのかぐや姫等の"四畳半フォーク"と呼ばれた歌や上村一夫「同棲時代」などと共に、'70年代の抒情の合わせ鏡、その時代の移し絵として永遠の存在となっているのだ。



【参考サイト】
http://littlewing2007.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-940e.html



[月刊漫画ガロ 1970年1月号〜1971年1月号]

コメント(1)

かくいう自分も「赤色エレジー」を知って以後人生を変えられてしまったひとり。

個人的には上の歌よりも、あがた森魚が監督した映画の主題歌として制作した「僕は天使ぢゃないよ」のほうが好きなのですが…


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