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カンゲキ!レポートコミュの真芸座@小岩1/24

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●昼の部「晩鐘」
 だめな男が、子供の顔に焼きゴテじゅってやっちゃう話です。

 哀川座長がダメ男で、じゅってやっちゃった後に、「泣くなよ!うるせえなあ」と言って、子供を引っ張り上げ、その顔を見てぎょっとする。
 自分が何をやったのか気付いてしまって、ぎょっとする。
 それでも、へらへらと「お母ちゃんに薬つけてもらえ。すぐに治るから。な」と自分を誤魔化してみる。
 泣きやまぬ子供に、手をこまねいて、「静かにしろよぉ」と、傍らの座布団を子供の顔の上に押し付ける。
 
 この狂気。
 決して、殺したいほど憎いわけじゃない。でも、思い通りにならない子供の顔に座布団押し付けて、そして、死なせてしまう親って、現実にいる。殺意なく死なせてしまったって事件が時々報道される。
 許しがたいけれど、その親だって哀しい。

 お芝居では、ダメ男が「この二人取られると思って、俺は怖くて酒に逃げたんだよ」と言う。
 失いたくない者に対して酷いことをしてしまうという心理。
 まったく、困ったちゃんにありがちな心理だ。
 こういう人が現実にいると、本当に困るし、たいていはDVの典型的なパターンで、1回反省してもすぐまた暴力に戻る。
 そういう悪循環に、梅之助座長演じる帰って来た夫が、強烈な突破口をざっくりと切って開く。
 子供に怪我をさせたダメ男に、本気で殺す気で斬りかかる。
 子供に阻まれ、晩鐘の音に阻まれ、わなわなと震える程の意思の力で、刃物を手から振り落とす。
 過ちで人を殺し刑務所で8年。死んだという誤報で、妻が再婚してしまった。
 家族に対して何も悪いことをしていないのに、実の子供に「おとうちゃん」と呼んでもらえない元夫。
 ダメ男より、もっと哀しい。
 耐えに耐える。
 地べたに手をついて、ダメ男に妻子を頼むと頭を下げる。
 二度と会えない子供に、丁寧に話をする。
 「おじちゃんの子供は、病気で死んでしまいました。…おじちゃんは、刑務所に入っていたんです。会ったことのない娘に、お土産を持っていかなかったら、会ってもらえないんじゃないかと思って、この…、着物を買いました」
 七つの子供に敬語で話す。
 優しすぎて哀しい。
 梅さんの男らしさの真骨頂だと思う。


 梅さんはしかし、安定して芝居をこなすよなあ。相変わらず完璧、ですよ。
 昇王子は、珍しくちょっとクサイ演技になってました。
 どうも、気持ちが入りきっていないのに、それをカバーしようとしてセリフや仕草をオーバーにする。外側を作ると内面もそれに沿うってことはあるから、そうやってあえて上げていこうとしたのかなあ。
 後半、梅さんが出てきてからは上げきってたかなと思いました。

 子供をター坊(哀川座長の息子さん)がやってたのですが、女の子だと思ってたお客さん多数。
 そういえば、哀川父ちゃんは、お芝居で子供をだますとかいじめるとかの場面では、すっごく近くにいくんだよ。その顔は近すぎるだろ、ってくらいに。
 でも、素直に「お父ちゃんのこと好きか?」とか聞くところは、近くにいけないの。
 これ、意図的な表現なのか、ついそうなっちゃうのか。

 このお芝居って、哀川父ちゃん‐娘ター坊‐梅父ちゃん、の三角関係ですよね。
 哀川王子と梅さんの間にも、すごく複雑な感情の絡みがあって、普通の関係じゃないわけで、その二人が子供を取り合うという。
 …わりと、奥さんどうでもいいっつーか。まあ、そういう作りの芝居なんだけども。
 んー、自分があの奥さんの立場だったら、と思うと、「男ども、勝手にひたってんじゃねえ!」ってキレそうな気がする(笑)。「どっちでもいいから、しっかり生活費を稼いできやがれ」みたいな。芝居になんないか。


●夜の部「峠の茶屋」
 初めて見ました。
 うわ、これダメ。いや好き。やられる。泣ける。大泣き。

 まず、軽いところから。
 しょっぱな大五郎くんの出番です。飛脚の役で、退場の時に大見得切って「やっちゃまかせのぉ!すてこぉいぃなあ!」ってやって踊って帰ります。
 なんか良かったぞ!
 ちょっと3枚目の役なのに、イイ男だった! この色気が大五郎くんだよ、うんうん。

 次に、借金取りのおポンチな金貸しで梅さん。
 か、か、かわええ(笑)。
 「私もネ?慈善事業やってんじゃないんですから!アナタタタタチの利子でやってるんでスから!」
 ネ!がちょっとニに近くってさ、「です」が「でし」に近くってさ。
 「返してもらわないと困るんですが!」
 ですが!って言われてもさーー(笑)。
 婆さん役の愛さんに、娘をくれと言うのに、「ぐふふふふ。お母さん」と言って愛さんに気味悪がられる。「ママ。マミー。うふうふうふ」「言われつけないこと言われて気持ち悪いね!」
 ぐふふ笑いも梅さんお得意。ぐふふというか、むふふというか。笑ってる梅さん好きだー。ちょっと不気味だけど、つい笑いがうつる。幸せになれる。

 通りすがりの旅人(哀川王子)に、借金を肩代わりされてしまい、娘を取りそこなう。
 梅さん、出番がここだけのため、なかなか退場しようとしません。
 ものすごくかっこつけてる王子にうれしそうにぐずぐず絡みます。
 で、下ネタになって二人で「俺のほうがスゴイ!」と言い合う。
 何その表現力ゼロの言い回し(笑)。
 
 さて、旅人の哀川座長です。
 泣かされたよ、ちくしょう。
 顔の左半分がケロイドになっているのね。劇中ではアザと言っているのだけど、特殊メイク用品を使ってひきつれを作っている。
 それで、目がちゃんと閉じなくて、顔が左右別々に動く。さらに、チックの演技までするから…、別人のように見える。
 白状するけれど、たぶん、私はフリークスが好きだ。手足がないとか動かないとか、顔が左右非対称だったりとか、普通以上に美しいと思ってしまう。
 一番正しい態度は、何があっても普通、だと思うのだけれど、ちょっと過剰に魅入ってしまう。外歩いててもつい見ちゃうのは、美しいなあって感心しているのであって、決して差別する気持ちからではないのだけれど、本人達にとってはそれも一種の差別なのかもしれなくて、罪悪感もあります。ごめんなさい。

 顔のせいで、子供の頃から父に捨てられ、いじめられ、世をすねてしまった男。
 信用できるのは母だけだったが、その母も死んでしまって、位牌を持って故郷に帰るところ。
 しかし、愛ばあさんに「人間は見た目じゃなくて、心だでよ」と言われ、「初めて、人情を信じることができました」と泣く。
 こう言うと陳腐だが、哀川座長の集中力が凄い。
 「俺の目を見て同じことが言えるのかい?!」と、顔を近付けてじっと愛さんの目を見る。
 愛さんも一歩も引かない。
 その目の凄み。人を量る、見抜く眼差し。生まれてから30年、ずっとそうやって、人を試して生きてきた。
 泊まっていってくれと言われて、すごく困った顔で、もぞもぞして、強面の悪人の下の傷つきやすい子供の顔。
 強烈に、愛らしい。
 顔のことを気にしないと言われて、余計に自分ではそれを意識してしまって、ぴくぴくとチックが走る。
 もぞもぞして、言いにくそうに「なんか手伝えることがあったら、言ってくれ。水汲みでも、薪拾いでも…」。それから「邪魔になったら、そう、言ってくれ」。
 愛さんは笑っている。
 早く家に入れと言われて、旅人は、そうっと、――歓迎してくれる家ってものに入ったことがないから入り方が分からなくて、そうっと、こわごわ入っていく。
 
 全部書いても大変だし、ネタもバレすぎるので、はしょります。
 江戸で出世したばあさんの息子は、幸二くん。がんばってます。こういう上品な息子役、似合うねえ。

 最後は誤解が解けて、無言の演技の中で旅人は旅立っていく。
 ぼろ泣きだよ…。
 雪が降る。
 傘を差し出す息子、旅人は左手で顔を隠しながら近付き、その左手でやおら息子の手の上から傘を握る。
 背中合わせになる二人。
 離れながら、傘の柄で不自然に顔を隠し、ばあさんたちを見やる。
 その顔のことで、誰もあんたを嫌っちゃいない。それなのに、隠さずにはいられないのか。
 客席への階段に踏み出し、雪を撒き散らす。
 旅人の背後で幕が閉まり、旅人は階段に座り込む。
 泣きながら、自分の顔の傷を触る。ひっかく。何度も。何度も。
 懐から位牌を取り出し、顔に押し付けて抱きしめる。位牌を暖めるように。いや、位牌が暖かいかのように、すがる。
 
 この間、セリフなし、背景は幕、座ったまま。
 それでも、完全に会場全体を掴んで離さない。
 化け物だよ。
 物凄い集中力。
 こんな動きの小さな演技だけで、何故、惹き付けていられる?!
 私はわりとフィジカルなダンサーだから、動いているということがすごく重要なのだが、こういうことをされると秘密が知りたくて、非常に焦る。
 旅人の心情にぼろ泣きしながら、すげえすげえすげえちくしょーって思ってる。

 よく、梅さんは弟のことが大好きなんだな、と思うんだけど、もしかして、さらに「天才だ」って思ってるかもしれない、と、ちょっと思った。
 私は見られなかったが、「弟にあげようと」森の石松の最期の芝居を演出構成やったりして。
 この芝居だって、自分は最初におポンチな役で出たきりで、重要なところは弟まかせだ。
 出ようと思えば、梅さんが、幸二くんのやってた息子の役をやることもできただろうに。
 

●舞踊
 昼の部は、真芸座にしては薄めでした。
 王子が、やっぱりちょっと上げきってない感じもあったし。
 あ、えーと、あさみしんごさん?の不思議な踊りが(笑)。いや、嫌いじゃないし上手いんだけど。手拍子しただけで、笑いを取れるって何なの?

 夜の部の方が、全体に濃かったなあ。
 矢島愛さんの「お願いだから、昔のあの子に戻っておくれよ!」のやつ。絶品…。芝居で泣いたのを帰るまでに立て直そうと思ってるのに、また涙が。ううう。
 
 哀川王子は、女形で、三味線の曲からチンドンの曲に繋いでたんだったかな。かっこ良かったです。しっかり体使って踊ってて、気持ち良かった。
 
 大五郎くんが調子を取り戻しつつある。
 ただ、女形で曲繋ぐのはやめたほうがいいんじゃないかなあ。大五郎くんの弱点は集中力だと思うんですよ。一曲途切れないで集中することに専念したほうがいいんじゃないかなあ。

 梅さんは、変なことしないから書き表しにくいんですが…。
 いつも見入ってしまう。ああ気持ち良い動きだなあと思ってるうちに終わってしまって、曲を覚えてない感じ。
 哀川王子は、曲や歌詞をわりと忠実に(独自の解釈ではあるけど)再現して、一幕芝居をやってしまうから、曲の内容と踊りの印象がリンクしやすい。
 梅さんのはさー、もっと、雰囲気で合わせて行くっていうか…。
 極端な話、どの曲も同じ振りでもいいのかもしれない。それでも、全く違う雰囲気と物語を展開することができる。
 で、フィジカル大好きな私としては、「動きの美しさが際立っている」ということが非常に重要です!!梅さんの動きは美しいんだもん。


●口上
 今月、昼の部、今のところ全部大入りだそうで。
 「他の劇団でパーフェクトはないんだそうで。こうなったら最後まで取りたいなと」。
 出たよ負けず嫌い!
 梅昇兄弟の負けず嫌い発見月間、となっております。
 

コメント(4)


詳しく、嬉しいです(^-^)/~~

7月、数回 行きました!
話は違うけど 子供をいじめて 悪役の 昇座長の演技 迫力ありました。
芝居だから、仕方ないです(笑)

芝居の中で、梅之助座長は、ケガをしたため、口で 子供をくわえて 刀を振り回すシーンは 皆さん、拍手がすごかったなぁ‥

哀川座長のファンなんで またまた、教えてください!
(*^_^*)
あんさん
 はじめまして。コメントありがとうございます。
 真芸座良いですよねー。私は関東なので、次いつ見られるか。
 梅之助座長、ケガされたんですか?ちょっと心配です。

 これからも、よろしくお願いします。
> ミオ丸さん

あ‥あたしの説明が悪いですねあせあせ

芝居の中でですよexclamationあせあせ

表現がわからなくて‥冷や汗
あはは‥( ´∀`)

確か、私 最後の話し 顔アザがあって、金銭を盗んだとか‥なんとかたらーっ(汗)
最後、位牌を抱いて‥って話し 観ましたうれしい顔クローバー

子供をいじめるやつは 昇様が、悪役で 梅之助座長が いい役だったのたらーっ(汗)がく〜(落胆した顔)
女の子、顔近づけて、
「おじちゃんは、どこにいった?」とか。怖い顔で言うの目

女の子、何度も「知らないよ〜」ってがく〜(落胆した顔)

そして、殺される涙
我が子なのに涙

役者さんは、悪役は めちゃくちゃ、大変だと 困惑もあるだろうながく〜(落胆した顔)

だけど、頑張る 昇様に惚れましたほっとした顔ハート

梅之助座長は、片手で、女の子かついだり、口だけで、くわえて 立ち回りしたりと‥
体力、心配なりました冷や汗

これからも、たまに相手してください(笑)あっかんべー

今月まで福岡いるから 早くいきたいです涙ハート

会えなくなるのは 悲しいよ〜泣き顔

飛行機飛んでいきたいわーい(嬉しい顔)ぴかぴか(新しい)
ああ、すみません、誤読しました。
子供を口にくわえるのは、「浪人深川囃子」ですね。
あーれーはーー、泣きますねーー。
梅之助座長の死に際の美しさったら、絶品です。
初めて見た時の、哀川座長の悪っぷりがすごくて、ちょっとトラウマ。
「なんでみんな俺から離れていくんだ!」みたいな、焦りに満ちたキレ方で、物凄く怖いのだけど、物凄く悲しくて可愛そうで愛しいという…。

福岡に見に行かれるのですか?
楽しんできてください。

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