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文豪てっしーを見守る会コミュのライン(中学後編)【良祐編】?

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 「走らされとう方が、実感がある分まだマシっちゃん」かつて大樹が言っていた。この一年間大樹の練習に付き合っていたせいで、良祐も身をもって感じていた。
 

 梅津の顔を改めて見ると、ボディーブローを受けたボクサーのように引きつっていた。


 「あいつ、散々人を走らせてくれたけんね。あと3ポイント、同じ目にあわしちゃる」大樹は悪い笑みを浮かべていた。
 

 良祐は梅津と相対した。今度の梅津のサーブはいいコースに入った。


 「そっちか」逆を突かれた良祐は体勢を崩しながらも、なんとかボールを返した。しかし落下点にはもう中山が入っていた。中山はあえて良祐の足下にスマッシュを叩き込んだ。
 

 良祐が中山の顔を睨みつけると、中山は不敵な笑みを浮かべていた。まるでさっきのお返しだと言わんばかりだった。


 「良祐、ドンマイたい。気にすんな」後ろにいる大樹になだめられた。大樹の強い目線からは「俺にまかせろ」という強い主張が感じられた。
 

 中山のサーブが大樹の正面に入る。かなり強いサーブだったが大樹は完全に捉えていた。
 

 大樹は梅津に向かってロブで返した。その間に良祐も中山も前に上がる。大樹も梅津もロブの打ち合いをしていた。コート上の4人がめまぐるしく居場所を変える。
 

 大樹はどれだけ横に走らされても追いついて対応している。梅津も表情こそ険しくなっていたが、負けじと食らいついていた。ライバル同士のしのぎあいだった。
 

 どれだけ走らされても、大樹は弱音一つ吐かなかった。真美が引っ越す時に、大樹が立てた誓い。あの誓いがあったからこそ、今こうやって決勝のコートに立てていると思う。
 

 梅津のロブは少しずつ浅くなっている。


 「狙うなら今だ」良祐は一気にコートの真ん中まで下がった。良祐が思ったとおり梅津のロブは下がった良祐にとって絶好球だった。ネットからは距離があったが、構わず良祐はスマッシュを打った。コートの対角線上の端の方に決まった。


 「おっ危なかった」良祐は冷や汗を流した。ここで一人相撲してミスしたら、耐えている大樹に向ける顔が無かった。


 「まぁあの場所を狙っとったってことにしとくわ」大樹も苦笑いをしていた。

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