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アンチ・ファンタシーコミュの2015アニメ芸術論

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【テーマ】 人格の分裂と統合を題材にしたアニメ作品を考察し、世界分岐の発想を導くことになった量子論理に関する科学的知見と、哲 学と科学の双方に影響を与えた背景知識について検証していく。
【授業概要】アニメ作品『Madlax』を鑑賞しながら作品世界の背景設 定を構築している世界観的発想と基幹論理を抽出し、これを仮構世 界の描術技法として適用した演出行為の創造的内実を考察する。関 連する科学的/思想的発想と様々な周辺知識を再検証しながら、宇 宙論と存在・現象解釈の根幹をなす基本発想に対する理解を深め、 個人存在と世界に対する同一性解釈に関する再考察を行っていく。
【到達目標】人格の分裂と再統合という創作上の題材が生み出される こととなった原因となる量子論理の存在解釈とこれに関連する科学 的な述語に対する理解を深め哲学と科学思想との関連を理解する。
【授業計画】
1 回 第 1 話「銃夢-dance-」、第 2 話「紅月-crimson-」 暗殺者少女の優雅なガンアクション、のんびり少女と毒舌メイド
2 回 第 3 話「蒼月-moon-」、第 4 話「誘惑-ask-」 暗殺司令と意外な依頼者、秘密結社アンファンの情報操作
3 回  第 5 話「無在-zero-」、第 6 話「遺言-leave-」 任務の遂行と潜伏した背景、戦闘美少女メイドの活躍
4 回 第 7 話「繪本-nature-」、第 8 話「魂言-soul-」 書籍探偵と二人の少女の交錯、異世界の少女と謎の巫女
5 回 第 9 話「残香-scent-」、第 10 話「侵食-dive-」 少女とキャリアウーマンと暗殺者、コンピュータハッキング戦争
6 回  第 11 話「異国-object-」、第 12 話「消息-close-」 潜入者と警護者の出会い、怖い追跡者との対決
7 回  第 13 話「覚鳴-awake-」、第 14 話「妄想-memory-」 天然少女の意外な裏面、コンピュータウィルスの驚異的効果
8 回 第 15 話「偽想-camouflage-」、第 16 話「銃韻-moment-」 データ解析と「内戦の真相、黒幕との交戦
9 回 第 17 話「刹那-reunion-」、第 18 話「双離-duo-」 内戦状態の国を訪ねる少女とメイド、少女と少女の遭遇
10 回  第 19 話「獲本-prey book-」、第 20 話「真争-wish-」 真実への接近、資質なきもの
11 回  第 21 話「告簿-guilty-」、第 22 話「激情-rage-」 扉の内側ーブゥベとカロッスア、マーガレットとマドラックス
12 回  第 23 話「迷心-doubt-」、第 24 話「献心-hearts-」 お嬢様と忠実なメイド、戦闘能力の秘密とコスチューム
13 回  第 25 話「聖血-saints-」、「第 26 話「欠片-pupil-」 本体の覚醒と影、人格の分裂と再統合の可否
14 回  関連類似作品「ノワール」、「エルカザド」 主題の再確認、ユング心理学と量子力学と存在物の同一性
15 回  意図的に残された記述の空白項目をいかに理解するか 仮構記述上の演出技法と仮構世界受容/構築の基幹メカニズム
【教科書名】「Media Promenade」4号、「Media Promenade」5号、 「My Madlax」、「My Madlax 2」
【参考図書】黒田誠『存在・現象・人格―アニメ、ゲーム、フィギュアと人格同一性』(牧歌舎)
【評価方法】レポート提出。量子論理と心霊解釈理論を統合した視点から、仮構作品の背景を形成するパースペクティブと演出技法を評価する。manaba folio を用いて提出を行うものとする。
【履修について】コンピュータの基本操作を理解しておくこと。
【事前・事後学習等】ネット上の Fantasy as Antifantasy、Fantasy as Antifantasy Daily Lecture を随時参照して参考資料を確認する
【備考】manaba folio のコミュニティ「2015アニメ芸術論」を活用して参考資料の提示及び質疑応答を行う。

コメント(71)

15話 「偽争 -camouflage-」

アヴァン:「この前のこと、本当に覚えてないの?」「うん。」「何にも?」「うん。」
「全く?」「うん。」「あきれた。」「でもね、私がアンファンのトラップに引っかかったこと。意識が飛んでいた私を、あなたが追いかけて来てくれたこと。それは分かっているつもり。」

「だから、ありがとう。…何?」「もう一度言って。」「嫌よ。」

「あなたの正体がアンファンに知られたかもしれない。」「ねえ、マドラックス。」
「聞きたいことがあるの。」

帰還したナハルにクワンジッタが語りかける。「お帰りなさい、ナハル。どうやらお会いできたようですね。」「はい。セカンダリを持つ少女を見つけました。まだ、うら若き少女です。」「お名前は?」「マーガレット。マーガレット・バートンという少女です。」
「それから、他にも一人、資質あるものと出会いました。…名は、カロッスア・ドーン。アンファンです。」

リメルダからカロッスアに連絡の電話。
「どうした?こんな時間に。何、マドラックスと会っただと?」
「あなたの言った通り、確かに様子がおかしかった。でも、あれは彼女よ。」
「私の知っているマドラックスよ。」「まさか、乗り越えたというのか?」
「マドラックスには協力者がいたわ。作成したモンタージュをそっちへ送っておいたから。」

「優秀過ぎるというのも、考えものだ。」フライデイ・マンデイからの電話。「久しぶりに君に会いたいとおもうのだが、カロッスア。」

ヴァネッサの問いに答えて語るマドラックス。
「記憶が無い?」「5、6歳頃までの記憶がないの。」
「気がついたら、ぼろぼろの服を着て、内戦のまっただ中を彷徨い歩いてた。」
「自分が誰だかすら分からない。覚えているのは、父のイメージと、“マドラックス”という言葉だけ。だから、私はマドラックス。ただの、マドラックス。」
……「私に取って、今はとても普通なの。」

フライデイ・マンデイの館を訪れたカロッスア。
「君の報告によると我々の中枢へとハッキングを試みた者は、ガザス・ソニカにいるエージェント、マドラックスだったな?」
「中々よくできたモンタージュだ。」
「この女性は君と同じ商社、ブックワルドに所属している。名前はヴァネッサ・レネ。」
「私の興味は別の処にある。ファースタリの洗礼を受け、それを乗り越えた者。」
「そう、マドラックスは知っている。セカンダリの在処を。」

マーガレットが何かを感じる。
「誰かに呼ばれたような気がして…、誰だろう?」ガザス・ソニカではマドラックスがコンピュータに仕掛けられたトラップを再び起動しようとしている。

「お嬢様?」
ソファに倒れ込むマーガレット。「誰?誰なの、あなたは?」

廃墟の中を彷徨うマドラックス。「こ、ここは?」

廃墟の中を駈けるレティシアの姿を目に留めるマドラックス。
軍服の男の後ろ姿。
「お父さん。」
「待って、行かないで!…どうして、いなくなっちゃうの?」
「なんで、私、ここに?」
レティシアが問う。「あなた、誰?誰?」「マドラックス。」
「私、レティシア。」「ここは、何処?」
「ここは、とても普通な場所。」…「ここにはね、真実があるの。」
「偽りでないものが、ここにはあるの。」「もしそうなら、何故分からないの、私のこと?」
「だって、あなたは違うもの。あなたは、違う。」
「この子と同じように、偽りなの。そして、あなたのいる戦場も、同じよ。」

マーガレットを助け起こすエリノア。
「お嬢様、お嬢様、しっかりして下さい。」
「エリノア、私、どうして?…人形が、見えたの。大事な、人形なの。」

コンピュータのトラップの仕掛けられたデータを開くマドラックス。「マドラックス、なんて無茶なことを。」「偽り、偽りの、戦場。」
「しっかり、しっかりして、マドラックス。これは?」パスワードがクリアされてデータが表示されている。

レティシアが呟く。「そう、全てが、偽り。」

「私、何が?」「大丈夫?」
「表示されたの、データが。」
「ガザス・ソニカで内戦をしている、王国軍と武装抵抗組織ガルザ双方のパワー・バランス。ううん、この国の経済や政治すら、アンファンによって支配されてる。」
「そしてアンファンは自分の国同然の場所で、12年間も無意味な内戦を続けてるのよ。」「偽りの、戦場。」
16話 「銃韻 -moment-」

 プロテクトが解けて表示されたデータの内容を語るヴァネッサ。「アンファンはガザス・ソニカの王国軍だけでなく、武装抵抗組織ガルザにも武器を送り込んでいる。」
「意図的に内戦を継続させている。」「死の商人がよくやる手ね。」
「違う。データによると、アンファンは軍需産業から兵器を買い付け、それを無償で双方に提供してるの。…それだけじゃない。王国軍とガルザの主立った高官達は、全てアンファンによって構成されている。武器や人民まで無償で提供して、戦争を続けさせるのは何故だと思う?」
「意味なんか、ない。」「そうは思わないわ。何かは分からないけど、アンファンが内戦を続けさせている理由はある。」「やっぱり、意味なんかないわよ。私がしてきたこと。」

グエン・マクニコル、ピート、エリック・ジラン達のことを回想するマドラックス。「馬鹿な、私。」
「ねえSSS知ってた?この国の内戦は、アンファンに仕組まれたものだって?」

カロッスアを呼び出したマーガレット。
「まさか。君から連絡が来るとは思ってもみなかったよ。」
「夢を見るんです。…繪本を枕元において寝ていると。」
「時おりおかしな夢を見るんです。」
「…そこは、夢の場所は瓦礫だらけで、まるで廃墟のような場所なんです。私はそこに一人でいて…」
「すごく、すごく寂しいんです。」「君は過去の記憶を失ってる。」
「もしかしたら、その夢は、君の過去なのかもしれない。」
「…私も見てみたいな。君の夢を、一緒に。」
「じゃあ、夢で会いましょう。」

突然、ヘリコプターでマーガレットを迎えに来たエリノア。

つぶやくカロッスア
「彼女の夢は、セカンダリの影響、もしそう仮定するなら。」
「彼女は、俺よりも果てしなくあの場所に近い。」

「この事実を公表すれば、ガザス・ソニカの内戦を…」「無理よ。相手はアンファンなのよ。情報経路は全て彼等に押さえられてる。でも方法はある。SSSに話してね、ナフレスの諜報機関に接触できるように頼んでおいたわ。」
「このデータを渡すのね。」

16話 「銃韻 -moment-」  2

待ち合わせ場所には男が待っている。「モノを渡してもらおう。」
「この情報をどうするつもり?聞かせてもらえないなら、データを開くパスワードを教えないわ。」「なあに、構わんよ。」
男はカードを下水溝に投げ捨てる。諜報機関との接触は、アンファンの罠だった。

クワンジッタに報告するナハル。「ガザス・ソニカでアンファンの実行部隊が動き出したという報告が。…フライデイ直属の部隊です。」
「あの人は、まだ求めているのでしょう。…今は時が満ちるのをもう少し待ちましょう。」

マドラックス達をどこかに連れて行くアンファンの手先の男。「P―210か、相当使い込んでるな。何人殺した?」

意識を失わされたマドラックスは、廃墟のような場所で目覚める。「ここは?」
人形を抱いて駈けるレティシアの姿が見える。「あなたは、違う。」

マドラックスはいつの間にかドレスに身を包んでいる。「赤い、靴。」
本もある。「これは…この本。」銃を手に取っている幼い少女。「お父さん。」
レティシアが言う。「エルダ・タルータ。」

マドラックスの背後から声をかけるものがいる。「その感じ方は…」
「本物だ。会えてうれしいよ。マドラックス。」
「この言葉を発するのは、実に12年ぶりだ。」「誰?」「フライデイ・マンデイ。」
「ここは?」「以前。君がいた場所だ。」
「そう、私、いたのね。ここに。…私、ここで、何をしたの?」
「君は、この場所で、本質に触れた。…人としての本質だ。」
「そう、君は見ていた。」「エルダ・タルータ。…あの光景が、私の過去。」
「真実を知りたいのであれば、思い出す必要がある。君はあの目覚めの言葉を聞いた。」
「だがそれだけでは足りない。さらなる言葉が必要になる。君は知っている。もう一冊の本の行方を。」
「セカンダリの行方を。…いい感じ方だ。君は私の領域に近づいている。」
「知らない。私、普通でいたかった。」
「普通でいたかっただけなのに、なのにあなたが奪った。私の存在を。」
「自ら放棄したというのか?何故だ?」「どうして意味の無い戦争を続けるの?」
「失望したよ、マドラックス。…無価値な日常を望むか。私の理想にほど遠い。」
「故に、君は違った。」「私が違う?」「君は、違う。」

ヴァネッサがやって来る。「これは、セット?」
「マドラックス、さっきまでいた男は?」「この戦争を仕組んだ男。」

アンファンの手先。「どうやらお前は、あのお方に見初められなかったようだ。」
「隠れて、ヴァネッサ。」「でも。」「平気、今はとても普通なの。」

マドラックスとアンファンの部下達の戦闘。

拾った銃でマドラックスに狙いを付ける男を銃撃するヴァネッサ。

自宅の寝室で突然目覚めるマーガレット。
エピソード17、エピソード18

17話
いよいよマーガレットがガザス・ソニカに旅立つ。

マーガレットの不思議な能力が再び発揮される。

ヴァネッサがマドラックスと共に銃を取って戦うことを決意する。ここに至るまでの過程は数話のエピソードを通して肌理細かく描かれている。これは Madlax という作品の意味を決定する軸の一つになる要素と思われる。

18話
この回ではリメルダの心中を軸として作品世界が語られる流れとなる。

マーガレットと同様にナハルの持つ不思議な能力も描かれている。

マドラックス対ナハル。優劣は?

再びマーガレットの能力が発揮される。


マドラックス、ヴァネッサ、リメルダ3者の関わりは?
マドラックスとマーガレットが出会うが、レティシアはどのように彼等と結びつくのか?
17話 「殺那 -reunion-」

人を撃ったことに動揺するヴァネッサ。「私、人を撃った。」
「殺してないわ。あなたが撃った男は死んでない。」
「そういう問題じゃない。人を撃つという行為が許されないのよ。」

このお話の世界の意味を決定する情動的規範として、ヴァネッサの台詞が機能している。数えきれない程の人を撃ち殺してきたマドラックスの行為が、始めて心を通わせた友人であるヴァネッサによってこのように語られなければならないことが、この仮構世界の意味の基軸としてパースペクティブの一つをなしている。

「あなたが撃ってくれなければ、私は死んでた。人が死ぬのは、生きることに失敗したから。生きることに失敗すると、人は死ぬのよ。」

マドラックス達を見つけた兵士達は、彼女達が手配中の人物であると認識している。「ヴァネッサ・レネ、マドラックス!王族殺しの奴らが!」
「王族殺し?」
「あのデータが本物だったということ。」
ヴァネッサの眼前で再び兵士達を殺すマドラックス。「こうして踊らされるのね、あなたも、私も。」

リメルダからマドラックスの件について報告を受けるカロッスア。「ヴァネッサ・レネからマーガレット・バートンへの線が繫がってしまうか。覚悟を決める時が来た。」

ニュースでヴァネッサとマドラックスが手配中となっていることを知るマーガレットとエリノア。

銃を抱いてため息を漏らしているリメルダ。

ヴァネッサの部屋の様子を見に来たバジスを呼び止めるマーガレット。「誰?」

バジスが説明する。「意図的に情報が操作されているのです。…彼女は自分の勤めている会社の不正を暴こうとし、僕もそれに協力しました。」
「つまりヴァネッサさんは、アンファンという犯罪組織によって、殺人犯に仕立て上げられたということですか?」
「たぶん。ですが彼女はまだ生きています。指名手配されたことが何よりの証拠です。それに、彼女の共犯者とされている女性がいます。その人の助けがあれば…。おそらくヴァネッサが雇ったエージェントでしょう。ボディーガードです。」
呟くマーガレット。「マドラックス。その人の名前、マドラックス。」
「私ガザス・ソニカに行く。…ガザス・ソニカに行く。会いたいの、ヴァネッサに。」

マドラックスが言う。「生きることに失敗すると、人は死ぬ。」
「死なないで、ヴァネッサ・レネ。お願い。」
自宅に帰ると追っ手が待ち構えている。SSSからの電話。
「情報を売ったのね。」「命が惜しいのでね。」「私もよ。」
マドラックスは隠れていたアンファンの部下を撃ち殺す。

認識票と紙片を持って部屋を出るマドラックス。

マーガレットはカロッスアの助けで出国に成功する。

マーガレット達と同じ機体に乗り込んでガザス・ソニカに向うカロッスア。「一つに向っていく。いや、引き寄せられているのか。俺も、彼女も。」

あてもなく逃走を続けるマドラックスとヴァネッサ。「王国軍、アンファン、たぶんガルザにも私たちは狙われている。ただ、一つだけ分かったことがあるわ。アンファンは本を探している。……見たことの無い本だった。でも、手がかりはある。フライデイが持っていた本の表紙は、ここに書かれている文字とそっくりだったの。」

アンファンの待ち伏せに会うマドラックス。
現れたリメルダの助けで窮地を逃れる。
「あなたらしくないわね。」「どうして、こんなことを?」「あなたを殺すのは、私だから。こういう足枷、似合わないのよ。あなたには。」
「相手が違うわ。…この国の内戦は、仕組まれて起きたの。アンファンによって。…あなたも真実を見ることができる。だって、そういう人だもの。」
マドラックスは証拠のディスクをリメルダに手渡す。

マーガレットのホテルにまで同行するカロッスア。

マドラックスに渡されたディスクを手にして考え込むリメルダ。

ヴァネッサは決心する。「マドラックス。私に銃を教えて。」「いいの?」「逃げてばかりはいられないもの。」
「もう死ねないわ。だから、あなたも死なないで。」「うん。」

対向車線をすれ違うマーガレット達。

レティシアが呟く。「死なないで。生きて。」
18話 「双離 -duo-」

アヴァン:自室で考え込むリメルダ。これまでの自分の行動を回想している。
「なんて、幻。」

マドラックスに銃の撃ち方を教わるヴァネッサ。

マーガレットとウィンストン達を監視しながら、手下に手出しをしないように命じるカロッスア。「放っておいても構わんよ。」

図書館でガザス・ソニカの歴史について調べるマドラックス。

マドラックスがガザス・ソニカ文明史を手に取ると、同時に何かを感じ取るナハル。
「クワンジッタ様。」
「ナハル、風が吹こうとしている。それは、とても心地よい風ですよ。後は、この身を委ねるだけなのです。」

「務めを果たす時が来たのですね。」「もう直ぐ。」「かしこまりました。」

思い悩むリメルダ。

射撃の練習を続けるヴァネッサ。

親衛隊長の許に現れたリメルダ。

「何の冗談だ、これは?…あり得ん話だ。」
「やはり、ご存知だったのですね。」
「もし、そうだと言ったら?」
「撃ちます。」
「撃ってどうなる?」
「君がこの事実を受け入れさえすれば、親衛隊員としての栄誉や地位を失うことはない。」
…「偽りの現実の中で生きていく程、私は器用ではありません。」
「馬鹿な女だ。」
「知ってるわ。」親衛隊長を射殺したリメルダ。
「どうしてかしら?あの娘の顔しか、浮かばない。あの娘しか。」

図書館で文献を見つけたマドラックス。「これは、同じ。何故?」
「エリエス文字。4大文明とは異なる文明によって作られた文字。」

現れたナハル。「何故だ?何故この書物を手にする、マドラックス?」
答えるマドラックス。「質問をする前に、自己紹介ぐらいしたら?」

巧みにマドラックスの後ろを取るナハル。「ナハル。私の名は、ナハル。」
「何故その書物を手にする?答えなさい。」
「探してるの。ただそれだけ。」
「目的は?」
「命が惜しいから。あなたは、アンファン?」
「いいえ。」
「なら放っておいてくれない。」……
「あなたは本を求める者。」
「ええ。」
「なら、確かめさせてもらう。」「そういうことか。あの時も、エリエス文字を読めるものを探していたな。」
「今は私自身のために探してるの。」…「私が私であり続けるために。」

ナハルは言う。「違う。あなたは、違う。…本を持つに値しない存在。」
「否定しないで。……私の存在を、否定しないで。」戦いを始めた二人。ナハルはマドラックスの戦いの力に何かを感じ取る。「この力…」

リメルダはカロッスアの許を訪れている。「私、この国の現実を知ったわ。…あの娘の言葉は私にとって限りなく真実に近い。この国の内戦を続けさせている目的は?」 リメルダはカロッスアに狙いを付ける。

「でもね、私はこれ以上踊らされたくないの。この国にも、あなたにも。」
リメルダはカロッスアを撃たなかった。呟くカロッスア「情を残してるとはな。」

マーガレットはエリノアと共にガザス・ソニカの町を彷徨っている。

夜の町を彷徨うリメルダ。「全てがまやかしに見える。町も、人も。…本物は、あの娘だけ。」

図書館でナハルと戦うマドラックス。「気配すら、読めない。」

路上で何かに気付くマーガレット。

戦いを優位に進めるナハル。「時は満ちようとしている。」
「でも、あなたは外側にいるもの。…資質なきものが、あの本に関わってはならない。…少しだけ混じっている。でも、それだけ。」

マドラックスとナハルの戦いの場に現れたマーガレット。
「あなたは?」
「マーガレット・バートン。何故ここに?」
この機会に救われたマドラックス。ナハルは姿を消す。

エリノアは驚く。「この方は、指名手配中の…」
マーガレットはマドラックスの名を呟く。「マドラックス。」
「誰?」
「待って下さい。私たちはヴァネッサ・レネさんの知り合いです。」
「私、マーガレット。マーガレット・バートンです。」

レティシアが呟く。「あなたは、真実を知らぬ者。あなたは、偽りの真実しか知らぬ者。」
「真実は、私。だから、お願い。」「早く来てね。早く。」レティシア達のいる廃墟の上には赤と青の月。地面に落ちる影も赤と青。「この、偽りの大地で、真実に触れるために。」
エピソード19、エピソード20

 マーガレットがマドラックスと合流して、ストーリーは方向性を明らかにしそうに見えてくる。しかしそれぞれの人間関係はどのように整理され、収束に向うのかは定かではない。そして背景知識として確認されなければならない筈の物語世界の基本設定にあたる情報も、明確にその内実が語られてはいない。
 この時点で分かったことと未知の情報あるいは疑問に思われる点を、それぞれ書き留めてみて頂きたい。むしろ興味深いのは、エンディングを迎えてもまだ伏せられたままの背景知識が多数存在することだと思われるからである。
 人間関係がどのように整理されて終結に導かれるのかを、推測してみて欲しい。仮構作品の常套に反した意外な展開が選択されると思われるからである。この部分をどのように評価するかが、Madlax という作品の表現と主題に対する理解のポイントになると思われる。
19話 「獲本 -holy-」 1

アヴァン:マドラックスの部屋でヴァネッサと再会したマーガレット。
マドラックスはマーガレットとの接触の際に何か違和感を感じていた。
マーガレット:「大丈夫ですか?」
マドラックス:「あなたは、誰?…私は、誰?」

エリノアが説明する。「バジスさんから事情を伺いました。ヴァネッサさんがやろうとしていることも。……先程、図書館で戦っていた方が、お嬢様が持つ本を狙っているらしいんです。」
ヴァネッサ:「マーガレットの本?それって、以前ビブリオディテクティブを紹介した時の?」
「エリックさんは見つけられなかったみたいだけど。」
「そう、アンファンは本を探してる。…セカンダリと呼ばれる本。」
「マーガレット、あなたの持っている本って一体?」「それは、だめ。」「何故?」「何かが、消えそうで怖い。」「消えそうで、怖い…?」

マドラックス:「手掛かりがあるの。以前、エリックと行った場所。」
「私も行く。」「駄目よ、あそこは戦闘地域にあるわ。銃弾の中をかいくぐることになる。」「それでも、行きたい。ううん、行かなきゃいけないの。」
マドラックス:「死んじゃうよ。」
「それでも、真実が知りたい。あなたは、違うんですか?」「さあ、どうかな。」
マドラックスの返答は、何故か微妙。

クワンジッタとナハルが語り合う。「マーガレット・バートン、そしてアンファンのカロッスア・ドーン。二人の資質あるものがこの地に向っているのですね?…扉が開かれた日からもう直ぐ13年。時は近い。」
「時は近い。それを感じるのです。」
「クワンジッタ様、一人分からぬ者がおります。」
「資質ある者ではありません。ですが、かすかにその匂いがする。そう感じ取れたことは今まで一度もありませんでした。」
「マドラックス。彼女もまた。本を求めるものです。」

ヴァネッサ:「ねえ、マーガレット、あなたはその本を何処で手に入れたの?」
「ヴァネッサからプレゼントの赤い靴を貰った時に、何か思い出したの。」
マドラックスが呟く。「赤い靴。」
「ずっとしまってあったこの本は、お父様がくれたものだと。…この本のことが分かれば、お父様のことが分かるかもしれない。私の、記憶も。」
マドラックス:「記憶?…記憶がないって、いつごろから?」
「12年以上前のことを、すべて。」

攻撃を受けて車外に飛び出す一行。
一瞬、廃墟の風景を目に浮かべてマーガレットが言う。「懐かしい。」

「アンファンの手下達を片付けてマーガレットの痕跡を抹消したカロッスア。」
森の中に逃げ込んだ一行。マドラックスは一人で追手達を迎え撃つ。
マーガレット:「あの人、人を殺すの?」
ヴァネッサ:「いいえ、生きるため戦いをするの。生きるための」
「人を、殺すのが?」マドラックスが見上げた空には、青い月が昇っている。
「また、死ねない理由ができたわ。また一つ。」

追手達を倒していくマドラックス。「これで終わり?何故?」
マドラックスに加勢して追っ手を片付けたリメルダ。背後には赤い月。
「邪魔なんか、させない。あの娘は、私のもの。」

マーガレットに迫った追っ手を倒したナハル。
「危ないところでした。マーガレット・バートン。」
ナハルはマーガレットをクワンジッタの許に案内する。

19話 「獲本 -holy-」 2

カロッスアはフライデイ・マンデイの部屋に押し入る。
フライデイ・マンデイ:「カロッスア・ドーン、君をここに呼んだ覚えはないが。何故かね?」
カロッスア:「その本が、あなたではなく私が持つに相応しいからです。」

クワンジッタはマドラックスの名を知っている。
「覚えていますよ。マドラックス。私の名は、クワンジッタ・マリスン。」
マーガレット:「あの、教えて下さい。この本のことを。」
「その本の名はセカンダリ。あなたが持つ本は、3冊ある中の2冊目です。」

フライデイ・マンデイ:「カロッスア、君にはファースタリは扱えない。それに、この本は3冊揃わなければ意味を持たない。」

クワンジッタ:「その本が、何時の時代誰によって書かれたものか、それは私にもわかりません。でも。」
カロッスア:「本が3冊揃えば、扉を開くことができる。」
フライデイ:「そう、あの場所へと続く扉へ。」
レティシア:ここへ来ることができる。
マドラックス:「その扉というのを開けたらどうなるの?」
クワンジッタ:「本当の優しさを、本当の暖かさを知ることでしょう。そう、本来あるべき自分を知ることができるのです。」

カロッスア:「人間の本質。」
フライデイ・マンデイ:「そうだ、その場所には、人間の奥底に眠る“衝動”という名の旋律が流れている。それはとても崇高で、プリミティブなものだ。モラルなどという偽りの世界を破壊する美しき旋律。私は、それが聞きたいのだよ。」

マドラックス:「本来、あるべき自分を知る。」
マーガレット:「つまり、本が揃えば私の記憶が戻るということですか?お父様の行方も?」
クワンジッタ:「それは、あなた次第ですよ。マーガレット・バートン。」

カロッスア:「ならば、私もその旋律とやらを聞いてみることにしましょう。」
フライデイ:「君は、あの場所には行けない。」
カロッスア:「もし、そうだとしても、私を導いてくれるものはいます。」

マーガレット:「他の本は?」
クワンジッタ:「一冊目のファースタリはアンファンに。…3冊目のサースタリは、私が所有しています。」

フライデイ:「導くだと?」
カロッスア:「セカンダリの所有者を知っているとしたら?」

クワンジッタ:「マーガレット・バートン、もう1冊の本を手に入れるのです。その暁には、私の持つサースタリを譲り、扉へとご案内しましょう。」

カロッスア:「あなたの持つファースタリを手に入れ、そしてセカンダリの所有者と共に、あの場所へ。」

レティシア:「ここに来る。」
マーガレット:「私、行きたい。」
何故かたじろぐマドラックス。「いや。」

カロッスア:「俺は行く。」
マドラックス:「いや。」
マーガレット:「行かなくちゃ。」

カロッスア:「俺は、俺に戻る。」
フライデイを射殺して呟くカロッスア。「さあ、導いてもらうぞ。マーガレット・バートン。」
マーガレット:「私、私を知りたい。だから、行くわ。」
マドラックス:「…私、いや。行きたくない。」
レティシアが呟く。「いいえ、あなたは来るわ。自分が誰かを知るために。」
レティシアとプーペの頭上には、赤色の月と青色の月の両方がかかっている。」
20話 「真争 -wish-」 1

アヴァン:レティシアが呟く。「3冊の本を集めて開かれるのは、扉。そこにあるものは、人間の本質。」
ヴァネッサ:「本を集めたことによって、この国の内戦は始まった。」
クワンジッタ:「そう、12年前、扉は一度開かれています。」
「3冊の本を手にし、扉を開けし者。それは、アンファンの長、フライデイ・マンデイ。」

マーガレット:「本は、もう直ぐ集まる。…分かるの。来てる。直ぐそばまで。」
マドラックスの心の中に一瞬リメルダのつぶやきが聞こえる。「素敵よ。マドラックス。それでこそあなた。だからこそ、私…」

ヴァネッサ:「人間の本質。本来の自分。」
エリノア:「一体、何のことでしょう?」
ヴァネッサ:「正直、まるで分からない。だけど、アンファンはきっと知っている。扉とやらの向こうに、何があるのかを。そして、連中はどんな手段を使ってでも、本を手に入れようとしている。」
エリノア:……「お嬢様の記憶を取り戻すためにも、真実を知らなくてはなりません。」 「お嬢様のためなら、私は無敵にだってなれます。」

リメルダは呟く。「この月が消えたら、そう、あなたを…。」
マドラックス:「私は、私のことが知りたい。でも…」
マドラックスはマーガレットに語る。「ヴァネッサを助けるために、私は人の命を奪ったの。…撃たなければ私が死ぬ。だから撃つの。」
マーガレットは右目に涙を浮かべている。「かわいそう。かわいそうな人。」「もう、慣れたわ。…見透かさないでよ。」
「私、あなたが好きです。あなたは優しい人だから。」
「優しい人は、人なんか殺さないわ。」
「優しい人。あなたは、優しい人殺し。」

マドラックスはクワンジッタのサースタリの許を訪れる。
ナハル:「何をしている?」
マドラックス:「クワンジッタ・マリスンに用がある。怖い人が来るから、その前にあの人の本が見たい。」
ナハル:「サースタリは、資質あるもののみが手にすることができる。」
マドラックス:「私にその資格はない?私、違うの?」
クワンジッタが現れる。:「マドラックス、私もあなたとゆっくりお話したいと思っていました。」
「マドラックス、あなたは資質あるものではありません。…ですが、12年前の事件で巻き込まれている。」 「あの場所を見ているはずです。」
マドラックス:「エルダ・タルータ。」
「その時、私、見知らぬ戦場の中にいた。」
レティシアの姿を目にした時のことが思い浮かぶ。
「ここは、どこ?」「ここは、とても普通な場所。」「普通?ここが?」
…「ここにはね、真実があるの。偽りでないものが、ここにはあるの。」
マドラックスは右目から涙をこぼしながら言う。「その子が言った。ここには真実があると。偽りでないものが、ここにはあると。私、真実を知っていいの?…教えて。」
クワンジッタはサースタリをマドラックスに手渡す。
「それをあなたが望むのなら。」

カロッスアもドワイホの村の近くにやって来ている。
「これがフライデイ・マンデイが望んだ世界。その片鱗。そう、俺自身の存在も。」
マーガレットが呟く。「赤い月。」
サースタリを手にしたマドラックスが空を見上げる。「青い月。」
マーガレット:「この本の中に、私の過去がある。」
マドラックス:「この本の中に、私の真実がある。」
マドラックスとマーガレットは同時に繪本を開く。

廃墟と軍服の男と赤い靴と短銃の記憶。
放たれた弾丸と穴の空いた認識票。
短銃を手にした少女。向き合うもう一人の少女。
マーガレット:「マドラックス。」
マドラックス:「マーガレット・バートン。」
レティシア:「私は、刹那。残された想念、それが真実。」

クワンジッタ:「真実は、見えましたか?」
マドラックス:「あれが真実だと、誰が証明してくれるというの?」
ナハル:「決まっている。自分自身だ。自分の中にある確信が、真実の是非を決める。」 「教えて欲しい。お前は何者だ?」
マドラックス:「それを一番知りたいのが、私よ。だって…」

銃弾が部屋に撃ち込まれる。
マドラックス:「殺しに来たのね。罪深い、私を。」
マドラックスに狙いを付けるリメルダ。「気付いて、私を。」
マドラックスは右目から涙をこぼしている。「涙?…そうね、好きよ。マドラックス。」リメルダは引き金に指をかける。
一瞬、ナハルが飛び込んでマドラックスをリメルダの銃撃から救う。
ナハル:「何故だ?何故私はこの女を助けた?資質あるものでもないし、クワンジッタ様から命を受けている訳でもない。なのに。」

ナハルに助けられたまま地面に横たわるマドラックスの表情を、敢えて文章記述を用いて語るとすれば、どのような表現が可能か?

20話 「真争 -wish-」 2

マーガレットは思い返している。「私、思った。あの時思ったの。死んじゃえって。どうして、私?」
カロッスアが現れる。「ここは危険だ。離れた方がいい。」

マドラックスはナハルに尋ねる。「何故、助けたの?」
「分からん。」「嘘。」「そうだな、嘘だ。」
「私は、私の中にある確信に従った。」「教えて。」
ナハルはマドラックスの頬に手を当てる。「お前はすでに自分を知っている。」
「だから、お前がここに存在する理由はある。そう私は確信した。」
「存在する理由。私の、存在する…理由…そう、死ねない。約束したから。今は、その約束だけで。それだけで…」

マーガレット:「どうして、私がここにいるのが分かったんですか?」
カロッスア:「それは、私がアンファンだからです。ですが、私にはアンファンとは違う目的があった。」 「そう、取り戻したいのです。12年前に失った記憶と真実を。」「それは?」「一冊目の本、ファースタリ。」
「君が持っているのが2冊目の本、セカンダリ。これで扉が開く。あの場所へ行くことができる。マーガレット、この本を君に託す。」
「そして私を導いて欲しい。たった一つしかない真実へ。」
マーガレットとカロッスアの会話をクワンジッタの女官の一人が聞いている。

クワンジッタがナハルに告げる。「どうやら、時が満ちたようです。」
至近距離で向き合うマドラックスとリメルダ。
マドラックス:「データは見た?」
リメルダ:「ええ、見たわ。私の今までの人生は偽りだった。アンファンに造られた虚構の中で生きていた。」
「それを知ってて、何故私を狙うの?」
「そうする理由があるから。あなたこそ何故戦うの?こんな偽りの世界で?」
「約束のために。そして、私が存在するために。」
「同じね。私も私という人間を存在させたいの。あなたを殺すことによって、私は私の存在を許す。」
マドラックス:「友達になれたかもしれない。抱き合えたのかも、しれない。」
リメルダ:「だったら、私を殺して。」
そこに現れたヴァネッサ。リメルダはマドラックスを銃撃して逃亡する。

「マドラックス、大丈夫?」
ヴァネッサはマドラックスが負傷していることに気がつく。
「平気よ。この痛みが、私を私だって教えてくれるから。」

リメルダは逃走しながら呟く。「ヴァネッサ・レネ。なんていう邪魔な女。あの女さえいなければ、私はあの娘と踊り続けられたのに。」

クワンジッタ:「ファースタリ、セカンダリ、共に確認させて頂きました、マーガレット・バートン。ではあなたに、私の持つサースタリを。マーガレット・バートン、今直ぐ扉に向かわれますか?」
カロッスアに急かされてマーガレットは扉に向かうことを選ぶ。

ナハル:「妙な胸騒ぎがする。だが、クワンジッタ様がそれに気付かぬ訳が無い。何かある、まだ、何かが…」
レティシア:「真実に近づいていく。でも、まだ辿り着けない。まだ、見つけられない。早く来て、ここへ。この場所へ。」

ヴァネッサの助けを借りて戻って来るマドラックス。
カロッスアに撃ち殺された筈のフライデイが立ち上がり、呟いている。「ああ、美しい旋律が聞こえる。」
本質、普通の処、果てしない場所

人によって表現は様々ですが、みな同じ空間/次元のことを指しているようです。ユング心理学ならば「原型」、量子力学ならば「フィールド」という言葉で語られているものが、個人の主観を投影させた意識との連続体として呼ばれれば、このような言葉に変換されるのでしょう。
 参考として、人格の分裂を主題にした古典的名作、ロバート・スティーブンスンの「ジキル博士とハイド氏」の始めの当たりに語られている、ジキル博士の研究の土台となった思想を確認しておいて下さい。後に明らかになるフライデイ・マンデイの思考と行動目的を理解するための手がかりとなることでしょう。
 「科学思想」の前提の中には収まりきることの出来ない、錬金術や隠避学の背景にある世界観が見えて来る筈です。

影の主題

ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』(The Picture of Dorian Gray, 1890-1)ではドリアンは「自分の肖像画」という影と共に滅びることになる。

己の倨傲が呼び出してしまった「影」を己自身の名で呼び、受け入れることによって世界の均衡の回復を図ることが出来たル・グインの『影との戦い』( A Wizard of Earthsea)がその世界認識の楽観性によって子供のためのファンタシーであるとするなら、影との戦いの中で空しく一人芝居のようにあがき、あえなく倒されるフックを描く『ピーターとウェンディ』は、その現実認識の苛烈さにおいて正に大人の為のファンタシーと呼ぶにふさわしいものであろう。この分身のモチーフはワイルドばかりでなく、シャミッソー(Adelbert von Chamisso) の「影を売った男」(“Peter Schlemihls wundersame Geschite”, 1814)やアンデルセン(Hans Christian Andersen)の「影」(“The Shadow”, 1847)がすでに用いていたものであったし、ポー(Edgar Allan Poe)の「ウィリアム・ウィルソン」(“William Wilson", 1839)の中にも同様の主題が窺える。近代的知性を脅かす影というモチーフは19世紀においてはかなり普遍的なものであったといえる。

『ピーターとウェンディ』も影を主題とした作品

これらについての論考は以下の論文で

グッド・フォームと内省―キャプテン・フックの憂鬱
https://www.academia.edu/7902562/Goodform_and_Reflection_Captain_Hooks_Melancholia


エピソード21、エピソード22

21話
 12年前の出来事の真相が暴かれる。
 カロッスアの正体は?
 クリスの真実もようやくここで明らかになる。

22話
 天然少女マーガレットの本質あるいは裏面も具体的な結果と共に示される。
 マドラックス、ヴァネッサ、リメルダの三角関係にも一通りの結末がもたらされる。

フライデイ・マンデイは何を考え、世界をどのように理解しているのか?
マドラックスはリメルダに対してどのような思いを抱き、対処したのか?
リメルダは何を考え、どうなることを欲していたのか?

行動の有様はあくまでも外面から捉えられているので、それぞれの人物の内面や思考は観客には明確な形で示されていない。
マドラックスの判断はヴァネッサとエリノアの運命にどのような結果をもたらすことになったか?
観客は彼等の行動と思考にどこまで納得するのか、あるいは反発を覚えるのか?

このような形で仮構世界を描く創作戦略とはいかなる主義主張に基づくものとして理解すべきなのか?
21話 「告薄 -guilty-」

 若いカロッスアが自問している。「どうして?何故?何故僕はここにいる?何をしていたんだ?」
フライデイに尋ねる。「教えて下さい。僕は誰だ?」
「俺の名は、カロッスア・ドーン、アンファンだ。」
「偽りの名前。偽りの肩書き。偽りの情報。偽りの人生。」
「教えてくれ。マーガレット・バートン。本当の俺を。真実を」

負傷して横たわるマドラックスを見守るヴァネッサ。

ナハルがエリノアに語る。「マーガレット・バートンは、3冊の本を手に入れ、クワンジッタ様の導きによって扉を開こうとしている。」

クワンジッタ:「マーガレット・バートン、あなたのその瞳は、時代を見据えるもの。さあ、扉を開く言霊を。…目覚めの言霊を。」
マーガレット:「エルダ・タルータ」
クワンジッタ:「本質の言霊を。」
マーガレット:「サークス・サーク。」
クワンジッタ:「真実の言霊を。」
マーガレット:「アーク・アルクス。」

エリノアがクワンジッタに問いかける。「お嬢様は?」
答えるクワンジッタ。「真実の扉の向こうへ。」 

黒い太陽が昇っている。
クワンジッタ:「時が、満ちる。」

ヴァネッサに語るエリノア。「お嬢様は行ってしまいました。私たちの知らないどこかへ。」

カロッスア:「マーガレット、私は自分の過去が知りたい。12年前の真実を。」
「君と私は12年前に会っている。だから、扉を開ける資質を得ることが出来た。」「だから導いてくれ、マーガレット・バートン。過去と真実の扉へ。」
マーガレット:「はい、私も本当の私を知りたい。」
レティシア:「ここに来てはだめ。あなたはまだ、真実にたどりつけないから。」
マーガレット:「いけない。その扉を開けてはだめ。…聞こえたから、誰かの引き止める声が。」
カロッスア:「俺は、行かなければならない。」
「そうだ、俺が求めているのは真実、揺るぎない真実だ。」カロッスアは扉の中を覗き込む。

飛行機の機内。少年が母親と話している。
少年が母親に語る。「僕は、その人に、…」「何て言われたの、クリス?」
金髪の少年と人形を抱いた少女が機内で知り合う。

墜落した飛行機。助かった金髪の少年と少女。

戦い合う人々。高笑するフライデイ・マンデイ。
少年が差し出したキャンデーを断って、少女は言う。「雨が降るから。」
少女を抱きかかえながら、少年は言う。「生きてやる。生き抜いてやる、絶対。絶対に!」
カロッスア:「生き抜く、絶対に。そう、あれが俺だ。あの少年が俺だ。」

ヘリコプターで捜索を行う軍服の男。胸には紋章入りのバッジ。

廃墟で対峙する軍服の男と長いコートの男。
「貴様になら分かる筈だ、バートン大佐。いや、マドラックス?」
バートン大佐:「フライデイ・マンデイ…」
フライデイ:「これが、これこそが人間だと。」

フライデイを銃撃するバートン大佐。
フライデイ:「マドラックス!」
マーガレット:「マドラックス?」駆け出すマーガレット。引き止めようとする少年。飛び出した少年。本の上に滴り落ちる血痕。

カロッスアの目前で扉は閉ざされる。
カロッスア:「これが、これが真実。」「これが、俺に起こった事実。」
レティシア:「開けてはだめ。開けては、だめ。その扉を開けば、あなたの存在は消える。」
「たとえそうだとしても、…俺は。」カロッスアは再び扉を開く。「そうか、それがマドラックス。」涙を流すレティシア。姿を消していくプーペ。
カロッスア:「ありがとう、マーガレット・バートン。」
「真実を知ることで、僕は自分の気持ちに気付くことができた。たとえ命を落としても、僕は君を守りたかった。そして僕は、僕である前から、君を、君のことを…好きだった。」

フライデイ・マンデイ:「カロッスア・ドーン、君の生きたいという意思が、あの場所の力を借りて具現化しただけの存在。」
「真実を知れば、存在も消える。君のお陰で再び本が我が手に戻った。そして扉を開く少女も。」

マーガレット:「これは、私の夢なの?」
マドラックス:「いいえ、あれは真実。」
マーガレット:「お父様がいた。でも、お父様はあなたが…」「私が…?」「あなたが…」「私が?」
レティシア:「そう、それが真実。」
22話 「撃情 -rage-」 1
フライデイ・マンデイ:「ファースタリ。セカンダリ。サースタリ。それは人間の本質。」
「本能の奥底に眠る衝動すら呼び覚ます、人が人であることを示すもの。」

レティシアが問いかける。「また繰り返すつもり?」
フライデイ:「残り香か?」
レティシア:「そんなに殺し合いが好き?またいなくなるわ、誰も。」
フライデイ:「全ての人間がそれを求めている。ただ、気付いていないだけなのだ。」
「私は意識などというものに支配されない場所へ、人々を導こうとしているのだよ。」
「その場所は?」「楽園だよ。私は人類を救う、この本を使って。」「でも私はひとりぼっち。」「何?」「ごらんなさい。」「これは?ページが抜け落ちている。何故だ?」

レティシア:「あなたには見つけられない。真実は向こう側にあるのだから。」
フライデイ・マンデイ:「ならば。」
台の上に横たわっていたマーガレットが体を起こす。

目覚めてリメルダに撃たれた傷を確かめるマドラックス。傷跡は無くなっている。
マドラックス:「普通になりたくても、無理。そう、本当はずっと分かってたはずなのに。」

クワンジッタ:「ナハル、マーガレット・バートンは扉を開けることを拒みました。」
「時を見据える私には、伝わって来ます。」「何故です?」「わかりません。ただ、これから先を見据えるのが私たちの努めです。」

ナハル:「何かがマーガレット・バートンを拒ませている。」
「彼女の中にあるしこり、それが、たぶん。マドラックス。」

フライデイの部屋の中で起き上がったマーガレットは、フライデイの指示を受けて館の外の世界に足を踏み入れる。「私、確かめないと。あの人に。」

マドラックスがヴァネッサに語る。「感じる。感じるの、彼女の、マーガレット・バートンの気配を。」
エリノア:「本当ですか?」
マドラックス:「あの山の向こうに。」
ヴァネッサ:「どうして、そんなことが分かるの?」
マドラックス:「たぶん、私、あの娘と同じだから。」

森の中を一人彷徨うマーガレット。

戦闘地域にさしかかったマドラックス達3人。
ヴァネッサ:「危険だわ。マドラックス。迂回しましょう。」
「きっと、平気。」マドラックスは単身戦闘の中に飛び込む。
双方の部隊を壊滅させるマドラックス。

お父様を殺したマドラックスのことを回想するマーガレット。「どうして?あなたがどうして?…マドラックス。何故、何故なの?」
 マーガレットを呼び止めた兵士。「何をしている?」
「貴様、この国の人間じゃないな。何故ここにいる?ここで何をしている。」
「分からない。あなた、誰?私、死んじゃうの?」マーガレットを押し倒す兵士。「痛い!」殺意を持ったマーガレットの顔。兵士の叫び声が森に響き渡る。

追って来た敵を迎え撃つマドラックス。「リメルダ…」
リメルダ:「マドラックス、あなたを殺す。」
マドラックス:「それは、無理。」

ヴァネッサの前に現れたフライデイ・マンデイ。「ヴァネッサ・レネ。」
ヴァネッサ:「あなたは?」
「資質なき者がここにいても何もできはしない。それとも何かね?君は12年前のご両親のことにまだこだわっているとでも?」
「どうしてそのことを?」「私は今、欲しいものがある。そのことについて教えてくれるなら、君の質問に答えてもいい。」
「マーガレット・バートンが持っていたセカンダリは、一枚だけページが抜け落ちていた。私はその行方が知りたい。」
マドラックスの言っていた言葉をヴァネッサは思い出す。「フライデイが持っていた本の表紙は、ここに書かれている文字とそっくりだったの。」
フライデイ・マンデイ:「私が望むもの、それは純粋なる人間の構築だ。」
「この国の内戦も、人間達の純粋さがもたらしたもの。」
「宗教上の対立でもなく、国の利益のためでもなく、この国に生きるもの達の本質。その純粋なる衝動が内戦を求めた。それはとても自然な行為だ。」
ヴァネッサ:「私の両親は?」
「彼等はその衝動に抗おうとした。愚かなことだ。所詮邪なモラルは曇り無き純粋さには勝てない。」
「内戦を止めようとした父に、内戦を誘発させた罪を。殺したのね?」
「人々がそれを求め、人々がそれを実行した。」
「その元凶はあなたでしょう!」
ヴァネッサはフライデイ・マンデイに銃口を向ける。
「おお、美しいまでの殺意。君もまた純粋だ。芸術的ですらある。」


22話 「撃情 -rage-」 2

リメルダと銃撃戦を行うマドラックス。マドラックスは踊るようにリメルダの銃弾を避け続ける。
リメルダ:「この霧の中でどうして?何故あなたはそんなことができるの?」
マドラックス:「それは、私が私という存在を知覚したから。」
「私、自分が誰だか分かったの。」
「そんなの認めない。あなたは私と同じ。何も無い人間よ。…おいてかないでよ、マドラックス。」

フライデイがヴァネッサに語る。
「いかんな。まだしこりが残っている。ならば目覚めるのだ。エルダ・タルータ。」
「私は、真実を…」
「そう、君は真実を求めている。さあ、自分の中にある本質に従うのだ。」

マドラックスに銃を撃ち落とされたリメルダ。銃弾を待ち受けるような表情。
リメルダに声をかけるマドラックス。
「殺さないよ。」
「マドラックス…」

ヴァネッサに語りかけるフライデイ。
「そうだ、自分の真実の姿を見ろ。」「本当の自分の姿から目をそらすな。」
 マドラックスが姿を現す。
「マドラックス、か。それが自分の名前だとでも。どうだろう。お前の持っているセカンダリを渡してもらえないだろうか?」
「そうやって、人を惑わし続けるの?」「それを人々が求めている。あの時もそうだった。」
フライデイに通告するマドラックス。「私、あなたを殺す。」
ヴァネッサが、背後からマドラックスに狙いを付けるリメルダに気付く。
ヴァネッサの放った銃弾はリメルダの腕をかすめ、リメルダは崖から転落する。しかしヴァネッサも被弾している。

「嘘つき。」
「ごめん。」
「無茶し過ぎよ。」
「そうね、私、お父様とお母様の無実を晴らしたかった。それしか見えてなかった。」
「でもね、それと同じくらい友達を守りたかったの。」「友達…」「マーガレット、エリノア…そして、あなた。」…「死なないでね。」
「マーガレットのこと、頼むわね。」
「無責任よ。」
「友達じゃない。」
…「ヴァネッサ。」

ヴァネッサの死に涙するマドラックス。そこに現れたマーガレットが絶叫する。
「殺したのね。あなたが。そう、お父様も。」
マーガレットはマドラックスに狙いを付ける。「サークス・サーク。」
打ち抜かれて転落するマドラックス。
「アーク・アルクス。」
エピソード23、エピソード24

23話
 5話のクリスの伏線が21話で回収されたのに続いて、4話のアンヌ・モレーの黄色い花ヘリアンサスの伏線も回収される。

 マーガレットはフライデイ・マンデイを「お父様」と呼んで懐いているが、何故?

24話
 エリノアに気になるフラッグが...
 マドラックスがまたドレス姿に変身
 オープニング映像の銃弾の軌跡と呼応すると思われるマドラックスの戦闘中の二通りの姿が示される
 リメルダ中破!
 フライデイ・マンデイ:「衝動的な行為だ。」4話でエリノア自身が語っていた言葉と重なる。

 マドラックスは、リメルダの相手をして命を奪わなかったおかげでヴァネッサを殺され、さらにエリノアを見殺しにすることになってしまった?
23話 「迷心 -doubt-」 1

月の下の廃墟。少女の声。「止めて!どうしてこんなことするの?お父様!」
マーガレットを抱き寄せるフライデイ・マンデイ。

銃を手にした少女と衣服を乱した少女。地面に落ちた人形。
レティシア:「そう、それが私。早く来て、早く気付いて。」

森の中でヴァネッサの亡骸を見つけたエリノア。「どうしてこんなことに?」

フライデイ:「見据える者が、邪魔をする。だが、彼女は必ずここに来る。彼女がマドラックスである限り。マーガレット・バートンがここにいる限り。」

意識を取り戻したマドラックス。
「傷が無い。やっぱり、夢だったの?」
ナハルが語りかける。
「いいや、現実だ。…どうしてそうなったか、分かっているはずだ。」
「そうね。」
「マーガレット・バートンはお前を殺そうとした。なぜだ?」
「私が罪を犯したから。当然の報い。」
「死を求めているのか?」
「生きるのが下手なだけよ。だから。たった一人の友達まで失う。もう、消えていいかな、私。」「そうしたければすればいい。だが、生きる者には、なさねばならないことがある。」
マドラックスは尋ねる。
「あの娘は、マーガレットはどこに?」
答えるナハル。
「いなくなった。仮面の男と共に。」

ナハル:「そうだ。マーガレット・バートンを使い、扉を開けようとしているのだろう。いや、すでに扉は開いているかもしれぬ。」
マドラックスは紙片を取り出す。
「それは無いわ。これが、ここにあるから。」
「それは?」
「今なら分かる。これはマーガレットの持っていた本の1ページ。12年前の真実。そして、私自身。私、行くわ。人の命を奪うためではなく、自分のなすべきことのために。」

マドラックスを見送り、つぶやくナハル。
「申し訳ありません。クワンジッタ様。見据える者としての、あるまじき振る舞いをしてしまいました。ですが、後悔はありません。どうしようもなく、惹かれてしまうのです。マドラックス…」
マドラックス:「ヴァネッサ。あなたとの約束、守るから。別れの言葉は、その後で。」

レティシア:「真実に近づいていく。もう直ぐ、私は私に戻る。」


23話 「迷心 -doubt-」 2

お花畑の中のマーガレット。
「この花…黄色い花…お父様!」
「ヘリアンサス、か?」フライデイはマーガレットに教える。「花言葉は、誘惑。」
「そうなんだ、この花、誰かを誘ってるんだね?」
「そうだ。誘惑してるのだよ、マドラックス。君がここに来ることによって、12年という喪失した時間が生まれる。私の望みがもう直ぐ叶う。」

ナハルに案内されてマーガレットのいる場所に近づいたマドラックスとエリノア。
「ここは、カリステイル。ガザスソニカの中でも最も戦いの激しい地域。」
内戦の発端を説明するナハル。
「12年前、3冊の本を使って。資質ある者、マーガレット・バートンが、それを可能にする。」
マドラックス:「ここから先は私に任せて。」
エリノア:「いいえ、私も。」
答えるマドラックス。「だめよ。死んじゃうもの。」

館の中でフライデイに語りかけるマーガレット。
「ねえ、お父様、行かなくていいの?私、お父様と行きたいのに。」
答えるフライデイ。
「済まないが、もう少しだけ時間をくれないか?待っているのだ、私の古い友人と同じ名前で呼ばれている少女を。そう、マドラックスを。」
マーガレット:「私、その娘のこと嫌いなの。だから、殺しちゃっていいよね。」
フライデイ:「いいとも、マーガレットの好きにするがいい。」
マーガレット:「あの娘が死んだらお父様も嬉しい?」
フライデイ:「もちろんだとも。」
マーガレット:「だったら殺すね。あの娘の存在を、私が消すの。」
フライデイ:「素晴らしいよ、マーガレット。君は扉を開けずとも、人間の本質に限りなく近い。あの場所の旋律すら聞こえてくるようだ。」

エリノア:「マドラックスという名前は、ご本名なんですか?」
マドラックス:「いいえ、私には過去の記憶が無くてね、マドラックスという言葉しか覚えてなかった。だから、その言葉を私のコードネームにしたの。」
エリノア:「お嬢様がそうでした。マドラックスという名前以外に、全ての記憶を失っておいででした。教えて下さい。あなたとマーガレットお嬢様は、どういうご関係なんですか?」
マドラックス:「確信はない。けど、あの娘と私は繫がってる。それが分かるの。だから、私はあの娘のもとに行く。本当の私を知るために。真実を確かめるために。友達との約束を守るために。」

近づいた敵兵達を迎え撃つマドラックス。
エリノアを狙った兵士の銃弾を躊躇い無く撃ち落とすマドラックス。

レティシアの声が語る。「あなたは狂気の中にある慈愛。」
青い月を頭上に、答えて言うマドラックス。「そう、それがマドラックス。私にはなすべきことがある。それは、私の意思で選んだ。私だけの、真実。」
24話 「献心 -hearts-」 1

回想シーン、買い物帰りのエリノアを車で拾ったヴァネッサ。「遊んだりしないの?友達と。」
エリノア:「私の仕事は、お嬢様のお世話をすることですから。」
ヴァネッサ:「そればっかりだとつまらないでしょう。たまには、ぱーっと羽根を伸ばして…」
エリノア:「つまらなくなどありません。マーガレットお嬢様は私の、私の…」

フライデイ・マンデイの館の中のマーガレット。

クワンジッタの声。「セカンダリの失われた一枚。持つ者はマドラックス。12年前、扉を開けたフライデイ・マンデイの願いを阻止した男と同じ名を持つ少女。それは、終わりへの始まり。」

エリノアに告げるマドラックス。
「ここにいる敵は、私が引きつけるわ。…もし、3時間以内に戻ってこなかったら、一人で行動して。」
マドラックス:「探すのよ、マーガレット・バートンを。彼女を頼むわ。」
エリノア:「どうして、あなたはそこまで?」
「約束だから、友達との。」敵兵達の前にドレス姿で現れたマドラックス。
「だから、ごめんね。」
銃弾をかいくぐるドレス姿のマドラックスと、銃弾に身を貫かれるジャンパー姿のマドラックス。
銃弾の軌跡は様々の色で示されている。オープニング映像を反映するシーン。

戦車もろとも部隊を壊滅させたマドラックス。「死ねない女、それもマドラックス。」
さらにヘリコプターの編隊にも立ち向かう。「だからね、ごめん、みんな。…いい子ね。」

フライデイに戦況を伝える将校。
「A分隊、C分隊、共に全滅しました。」
「そうか。」「たった一人のエージェントが。しかも、あんな小娘ごときに。」
フライデイは驚かない。
「それが出来てしまう。マドラックスという名を冠している者なら、たやすいことだ。」

軍人としての威信にこだわる部下をあっさり射殺するフライデイ・マンデイ。
「私は少女の歌声に酔いしれて、あの場所へと向う。マーガレット・バートンの歌声と共に。」

追手の気配を察してつぶやくマドラックス。
「2時間35分。行かなくちゃ、私。でも、ごめん。遅れるから、先に行ってて。」
現れたリメルダ。互いの銃を交換するマドラックスとリメルダ。
レティシア:「命を奪うことで。命を捨てることで、互いの存在を確認する。人は、なんて悲しい生き物なのかしら。でも、私はそれが愛しい。」

回想シーン。甲斐甲斐しくマーガレットの世話をするエリノア。「それが私の願いですから。」

森の中を一人で先に進んで行こうとするエリノアを、兵士達が呼び止める。
エリノアは兵士の銃を奪うが。
「たとえ、引き金を引くことになっても、私はお嬢様に会いたい。でも、こんなことをする私を、お嬢様は…」
意を決して駆け出したエリノアの前方には、切り立った崖が。銃声が響く。

至近距離で打ち合うマドラックスとリメルダ。マドラックスに詰め寄るリメルダ。
「なぜ?殺して。…殺してよ!」
答えるマドラックス。
「お願いが、あるの。私を見届けて。私という存在を、覚えていて欲しいの、あなたに。私を、忘れないで。お願い、リメルダ・ユルグ。…あなたの中に、私をいさせて。…ありがとう。」
「マドラックス?」
「さようなら。」リメルダを置いて立ち去るマドラックス。
残されたリメルダは呟く。「あの娘ったら、まいるわ。まるで告白じゃない。」


24話 「献心 -hearts-」 2


傷を負いながらもお花畑のマーガレットのもとにたどり着いたエリノア。「お嬢様。」
呼びかけるエリノアに振り向くマーガレット。「誰?あなたは、誰?」
エリノア:「エリノア・ベイカーです。お嬢様にお使えしてきた。」
マーガレット:「エリノア?何だ、エリノアか。」

エリノア:「記憶など戻らなくても構わないんです。お嬢様がお嬢様であることが一番なんです。」
マーガレット:「そんなことして、何になるの?ただ生きているだけだよ。死んでいるのと同じだよ。」

現れたフライデイ・マンデイ。問うエリノア。
「誰ですか、あなたは?お嬢様をどうするおつもりですか?」
「この娘の望みを叶える。それが私の願いだ。」
「お嬢様を返して下さい。…返して下さい。」
「彼女の本質が決めることだ。」
エリノアはフライデイに銃で狙いを付ける。

フライデイはマーガレットに命じる。
「ここまで来た彼女の信念に敬意を表して、プレゼントを贈ってあげなさい。」
「目覚めの言葉?」
「そう、目覚めの言葉を。」
「エルダ・タルータ。」
「本質の言葉を。」
「サークス・サーク。」
「真実の言葉を。」
「アーク・アルクス。」
フライデイ:「彼女の中に眠る衝動は何か?抑圧された生活からの解放か?それとも、君への憎しみか?」
銃口をマーガレットに向けるエリノア。
フライデイ:「ほう、彼女はきみのことを嫌っていたようだ。これは理性ではない。衝動的な行為だ。」
マーガレット:「殺したい、私を?それが望み?撃ってもいいよ。…涙?」
自分を取り戻したエリノア。再びフライデイに狙いを付ける。
「お嬢様を、放しなさい。お嬢様から、その薄汚れた手を離しなさい。」
フライデイ:「本質が、愛を示すか?」
マーガレット:「エリノア…」
エリノア:「お嬢様。」
マーガレット:「エリノア!」
「マーガレット、あなたは、私の、私の…家族です。」倒れるエリノア。

過去の映像。
マーガレット:「ずっと私と一緒にいてくれる?」
エリノア:「勿論ですとも。それが私の願いですから。」

レティシアがエリノアに語りかける。「ごめんなさい。」
「ううん。」泣きじゃくるレティシアを抱き寄せるエリノア。

お花畑に倒れ伏したエリノアと、傍らに腰を降ろすマーガレット。
そこにマドラックスが姿を現す。
マドラックス:「どうして、そこまで?」
マーガレット:「死んじゃった。…エリノア、死んじゃった。」
エピソード25、エピソード26

25話 真実
 ようやく明かされた真実
 フィクション設定としてどこまで容認できるか、あるいは疑問を感じるか
 類例を提供すると思われる文学作品、思想、宗教は?

26話 エンディング
 作品としてのエンディングは満足のいくものであったか
 不満を感じるとすればその具体的な要因は?
 「たら、れば」が許されるとすれば、どのような改変を施してストーリーを再構築したいか?


作中に登場する人物達の行動・思考について共感を覚える、あるいは違和感を覚える部分はどこか
 
仮構世界 Madlax を創り上げた監督真下耕一に対して、制作者あるいは人物としていかなる評価あるいは印象を抱いたか
25話 「聖血 -saint-」 1

エリノアの死を嘆くマーガレット。
「どうして、どうしてエリノアが死ななきゃいけないの?……いないよ。ヴァネッサも、エリノアも。私、一人だよ。」

フライデイがマドラックスに語りかける。
「ようこそ、マドラックス。セカンダリの1ページは持って来て頂けたかね?」
「あなたのせいで、哀しみが生まれる。大切な者が奪われていく。」
「面白い、人殺しの君がそのような台詞を吐くとは。君は矛盾している。それは、この世界が歪んでいるからだ。見えないヴェールに包まれている。」
「知ってるわ。」
「本質が見えない。」
「いいじゃない、それで。」
「偽りの中で生きるつもりか?」
「その中にも真実はある。マーガレット・バートンの真実、それがマドラックス。」

マーガレットがマドラックスの手にした銃を撃ち落とす。
「殺さないで。お父様を殺さないで。…またお父様を殺すの?…そんなの、許さない。」
「死んじゃえ。」マーガレットはマドラックスを銃撃する。
マドラックスは倒れ、フライデイ・マンデイは本の1ページを手に入れる。
「これで全てが揃った。」
「さあ行こう、マーガレット。」
倒れたエリノアとマドラックスを残して、フライデイとマーガレットは立ち去る。
その様を遠くから見守っているリメルダ。
思わず足を踏み出そうとするリメルダを呼び止めるナハル。
「踏み込むな。あそこはもう、聖なる場所。資質あるものにしか、立ち入ることが許されない。私たちには、見届けるしかないのだ。」
「これが、こんなことがあなたの望みだというの、マドラックス?」
「これが終わりではない。ここからが、始まり。だから見届けるのだ。」
 空には赤と青の月が両方昇っている。
赤と青の二つの月の下にある街。二つの月を見上げる兵士達。

「見届けさせて頂きます。時代が変わる時を。」クワンジッタが語りかける。
レティシアが答える。「見届けてくれるの、私の刹那を?」「はい。」「真実は痛み。」「痛みは哀しみ。」「哀しみは螺旋。」「螺旋は人の定め。」「マーガレット・バートンの定め。マドラックスの定め。そして、私の定め。その扉が、開かれる。」

3冊の本を揃えて扉を開くフライデイ・マンデイ。「おお、真実の扉!」
「12年前に戻る。戻っていく。時が、遡る。本来ならあの時に時代の変革は行われていた。私の望みを阻みし者、マドラックス。」
「あの日に受けた銃弾で、私は扉を開ける瞳を失った。運命というものは確かにある。螺旋のように繫がっている。そうだろう、マドラックス、君の娘が、私の望みを叶えてくれるのだから。」
「さあ、見せておくれマーガレット。人間の本質に迫るほどの君の過去、君の罪を。その旋律を。」
12年前の飛行機の中の有様を目にするマーガレット。落とした人形を少年に手渡してもらう少女。「あれは、私?」
幼いマーガレット:「お母様、お父様とはいつ会えるの?」
幼いマーガレットが手にした人形に語りかける。「もう直ぐお父様に会えるのよ、嬉しいわね、レティシア。」墜落した飛行機。
マーガレットがつぶやく。「お母様がここで死んだ。何も言わずに。そして、私は…」

幼いマーガレットが見つけた、赤い月の下で対峙しているフライデイ・マンデイとマーガレットの父親。
「貴様になら分かるはずだ、バートン大佐。いや、マドラックス。」
「フライデイ・マンデイ。」
「これが、これこそが人間だと。」
「フライデイ・マンデイ、お前は狂気に捕われている。人々はお前の理想を求めてなどいない。」「その考え自体が偽りの世界で作られたものだ。」
「俺は、娘を守る。」
「貴様の本質が、それを望むか?」

25話 「聖血 -saint-」 2

フライデイ・マンデイの顔面を銃で打ち抜くマーガレットの父親。叫ぶフライデイ。「マドラックス!」この言葉に反応して父親に駆け寄る幼いマーガレット。12年前の自分の姿を見つめているマーガレット。
駆け寄るマーガレットを引き止めようとしたプーペは、胸に銃弾を受けて倒れる。セカンダリのページに溢れる血の染み。脱げて転がる赤い靴。
マーガレットを抱き上げるバートン大佐。本を手に取って目覚めの言葉を唱えるフライデイ・マンデイ。「エルダ・タルータ。サークス・サーク。アーク・アルクス」

幼いマーガレットに銃を向けるバートン大佐。
マーガレット:「お父様。…どうしたの?」

12年前の真実を見つめるマーガレット。「お父様!」
落ちていた銃を手に取る幼いマーガレット。「止めて、どうしてこんなことするの?」娘に近寄るバートン大佐。「近づかないで。死にたくない。死にたくない。お父様を撃たないと私は死ぬ。でも、お父様を撃つ何てできない。」

銃を手に向き合うバートン大佐と幼いマーガレット。

原型的な心霊の分離をあらわすような映像。繪本の挿絵に似ている。
青と赤に分極生成する原型質。
放たれた銃弾。現れた赤い色の幼いマドラックスの姿。
青い色のマーガレットの姿。
落下した人形から現れたレティシアの姿。
穴を開けられて落下したバートン大佐の認識票。背後からバートン大佐を打ち抜いた幼いマドラックス。
バートン大佐の亡骸をはさんで向き合う幼いマーガレットと幼いマドラックス。全てを見届けているクワンジッタとレティシア。「私はレティシア。あなたの大切な人形。マーガレット・バートン、これが真実よ。」「真実?」「私は人形。刹那の衝動。あなた達の分かれ目。そして、決して消えることのない真実。」
傍らからマーガレットに語りかけるフライデイ・マンデイ。「父親を殺したくないという理性と、生き延びたいという衝動が、この場所の力を受けて、物理的に分かれたということだ。君は実の父を殺しておきながら、その記憶を封じ込め、何不自由無い生活を送り続けて来た。」
「自分を普通だと思い込んで来た。普通か?そんなものはこの世界のどこにもありはしない。富や名声を求め、他人を揶揄してちっぽけな自尊心を守る。そんな中途半端な状態を普通と信じ、12年もの間、偽りの時間を過ごしてきた。その結果がどんな事態を招いたか、君は見て来たはずだ。」
ヴァネッサとエリノアの死を思い起こし、くずおれるマーガレット。傍らに身を寄せ、語りかけるフライデイ。「真実から逃げてはいけない。そして、自らの行いを否定してもいけない。何故なら、君は特別な存在ではないからだ。誰もが君と同じ。自分の存在という矛盾に気付いていながら、その本質を見つけられないでいるだけなんだ。さあ、見せてやろうじゃないか、マーガレット・バートン。全ての生きとし生けるものの本質を。本質の中で生きる、それこそが私の求める普通の世界だ。聞こえる。旋律が聞こえる。マーガレット・バートンは、人間の本質を求めている。これを、これを求めていた!」
青と赤の二つの月の下で、世界は混乱に陥る。

くずおれるリメルダ。「これ、これ…この感じは?」ナハルが語る。「始まったのだ、変革が。」哄笑するフライデイ。「時が動き出す。12年前から止まっていた私の時間が、ついに動き出した。」

扉の前でひざまずきながらマーガレットが言う。「ごめんなさい、ごめんなさい。私が、真実から逃げてたから。」

銃弾がフライデイのマスクを撃ち落とす。現れたのはマドラックス。フライデイが語る。「そうだった。その名前を冠しているなら、私の理想を邪魔するはずだ。12年前もそうだったように。マドラックス!」
マーガレット:「マドラックス。もう一人の私。」
マドラックス:「そう、私はマーガレット・バートンの罪。哀しみの果てに生まれ出た存在。」
マーガレット:「あなたは…」
レティシア:「パンドラの宝石。」
マーガレット:「あなたは、」
レティシア:「優しい人殺し。」
マドラックス:「そう、それがマドラックス。…私は、真実に触れた時の痛み。」

次週予告
マーガレット:「私は意識の中の被害者。」
マドラックス:「私は無意識の中の加害者。」
26話 「欠片 -pupil-」 1

クワンジッタが語る。「そこは、人々が織りなす運命の小道、時代の変わり目。真実の扉。多くの者たちがこの場所を訪れ、真実の奥に隠された時代の扉を開かんとする。ある者は争いを好み、ある者は欲に溺れ、そしてある者は和を求む。私の名はクワンジッタ・マリスン。時代を見つめる傍観者。ただ見つめるだけ。後の世に語り継ぐことを許された存在。」

レティシアが姿を現し、語る。「真実が見える。」
クワンジッタ:「時代が変わる。」
レティシア:「その結果」
クワンジッタ:「たとえ滅びが待っているとしても。」
レティシア:「たとえ、私という存在が消えたとしても。」
マドラックス:「12年前、お父さんはあなたが唱えた本の言霊を聞いた。」
フライデイ:「いかにも、彼は真実に目覚めたのだ。」
マドラックス:「実の娘であるマーガレット・バートンを殺そうとした。」
マドラックス:「マーガレットは生きるために、銃を手にした。そして、刹那の時を迎えた。」
マーガレット:「いや、私…私は…」
マドラックス:「分かってる。殺したくなかったんでしょう?だけど、死にたくもなかった。たとえ、父親を殺してでも。」
マーガレット:「死にたくない気持ち…」
マドラックス:「私は、マーガレット・バートンの罪。」
マーガレット:「生きたい気持ち。」
マドラックス:「私は、マーガレット・バートンの衝動。」
マーガレット:「あなたは、私。」
マドラックス:「私は、マーガレット・バートンの心の欠片。」
マーガレット:「心の欠片…」
レティシア:「そして、あなた達が二つに分かれる刹那に生まれ、その場に留まり続けたのが私。それがレティシア。二人を結ぶ真実の絆。マーガレット・バートン、これが真実よ。」
フライデイ:「おめでとう、マーガレット・バートン。君が自ら切り離した意思達が、再び目の前に現れた。一つに戻る時が来たのだ。一つになった君は、より本質に…」
マドラックスが発砲する。「邪魔をしないで。」
マドラックスに撃たれたフライデイの体は扉の向こうにずり落ちていく。
マドラックス:「これが私の背負った罪。許されざる行為。人殺し。」
マーガレット:「マドラックス!」
マドラックスは銃をマーガレットに渡す。「決めて、マーガレット。私を受け入れるか、それとも私を消すか。もちろん、レティシアも。
マーガレット:「消す?」
「私たちが一つに戻ったら、どうなるの?」
レティシア:「あなたは、時代の扉を開く存在。」
マーガレット:「時代の扉?」
レティシア:「その扉を開けば、あなたの望みが叶う。」
「望み?」
「決めて、マーガレット。」
「そんなの、いきなり言われても。」
「決めるの。」
マーガレット:「いやだよ。怖いよ。だって、一つになったら、お父様を殺した私に戻っちゃう。」「私、どんな女の子になっちゃうの?」
レティシア:「そうやって、選ばずにとどまっているから私は、この場所に12年間も居続けることになったの。もうプーペもいない。もう、ひとりぼっちはいや。」
マドラックス:「マーガレット、怖いなら私を撃って、私を消して。それでも構わないから。」
マーガレット:「なぜ?」
マドラックス:「望んでいたの。私の友達が、ヴァネッサ・レネが、そしてエリノア・ベイカーも。真実から逃げてもいい。それでも、構わない。」
マーガレット:「けど、あなたは、消えちゃうんだよ。なくなっちゃうんだよ。」
マドラックス:「平気、それでも存在することはできるから。だって、思ってくれる人達がいるもの。」
リメルダ:「マドラックス!」
マドラックス:「あの人の中に私がいる。私を見続けてくれる。だから、私は消えてもいいの。」
「マドラックス…」マーガレットはマドラックスに歩み寄り、マドラックスの銃を握った手を両手で包み込む。「一緒になって下さい。」「なぜ?」
マーガレット:「あなたが、マドラックスだから。」
マドラックス:「私と一緒になれば、永遠に苦しむことになるわ。罪を背負って生きる事になる。」
マーガレット:「逃げたくない。私が真実から逃げたから、ヴァネッサもエリノアも…だから、もう逃げたくない。」
マドラックス:「私、人殺しだよ。」
「でも、それも私。」
「私が、あなたの心を蝕むかもしれない。」
「その苦しみを、あなただけに背負わせたくない。」「マドラックスという真実を、私に下さい。」
マーガレットはレティシアに手を差し伸べる。
26話 「欠片 -pupil-」 2

「ごめんね。逃げてばかりで、ごめん。いやな事押し付けてばかりで、ごめんね。一つになってくれる?」
レティシア:「あなたが本当にそれを望んでいるなら。」
「ありがとう。」レティシアはマーガレットの手を握る。
クワンジッタ:「これで、時代の扉が開かれる。」
マドラックスとレティシアの手を取って引き寄せるマーガレット。
扉の前にひざまずくマーガレット。マドラックスのドレスをまとっている。
フライデイが姿を現す。右目のマスクは無い。「素晴らしい!お見事!お目覚めかな、マーガレット・バートン?どうかね、本当の自分に戻った気分は?」
「本当の自分…」「偉大な芸術のごとく、君は自分と本質を取り戻したのだ。」「私、本当は、知ってた。あの時、お父様は私を殺そうとした。だから、私、引き金を引いたの。」「君は何も間違っていない。間違っているのは、歪んだ世界の方だ。君の父親が歪んだのもそのせいだ。みんなはその事に気付いていないだけなのだ。」「私、間違ってない?」「その事をみんなに伝えてあげようじゃないか。大声を張り上げる必要はない。耳打ちするようにそっと、教えてあげればいいんだ。」「みんな分からないの?」「分からないんじゃない。気付いてないだけなのだ。」
マーガレット:「だったら、気付かせてあげなくちゃ。そうだよね、レティシア。」フライデイ:「そうだ、それでいい。ああ、今こそ私の願いが叶う。」
「マーガレット、君が実の父親を殺した。」「うん、殺しちゃった。だって生きたかったんだもの。いいよね、みんなだってしてる事だもの。」
マーガレット:「こんなものを使わなくても人は殺せる。そう、言葉や文字だけでも簡単に殺す事ができる。」
フライデイ:「その事をみんなに教えてあげてくれ。マーガレット。」
「そうだね、教えてあげなくちゃ。」町と森に混乱が広がっていく。
「教えてあげなくちゃ。この世界の歪みを。その中に生きている事を。」マーガレットは銃を手に取り、フライデイに狙いを定める。
マーガレット:「そう、教えてあげたいの…マドラックスに。」
フライデイ:「私に銃を向ける?それが君の本質か?」
マーガレット:「そう、これがマーガレット・バートン。」
フライデイ:「私を殺す事を望んでいるのか?それとも、人間そのものを君は憎んでいるのか?どちらにせよ、その行為は本質に近い。私の望むべき姿だ。」
マーガレット:「そんなんじゃないよ。」「何?」「私、気付いてた。この世の中が歪んでいる事を。」
「人の中に悪意があることを。みんなも、たぶん気付いてる。わざわざ教える必要なんてないよ。だけど、一人だけ分かってない人がいる。だからね、私、マドラックスに教えてあげたい。そんなに、優しくしなくていいよって。今私が彼女にしてあげられること、それは、私が私の中の悪意で、あなたを殺すこと。罪を背負う事。」
フライデイ:「罪?何が罪だ?罪などという言葉自体、人間のモラルが創り出した幻想だ。歪んだ世界に惑わされてはいけない。君は、君のままでいいんだ。」
マーガレット:「お母さん、お父さん、ヴァネッサも、エリノアも…沢山の人が死んじゃった。だから、私はあなたが憎い。あなたを殺したい気持ちは、私の罪。」
フライデイ:「そんな考え方、そんな世界を私は求めていない。軽薄な優しさや陳腐な良心などで、視線をそらすな!本質だけを見つめるのだ!」
立ち上がったマーガレットはマドラックスの銃撃のポーズをとっている。「見つめてるよ。」
「違う!」フライデイは発砲する。
フライデイの銃弾はマーガレットには当たらない。「12年前のできなかった事、逃げ出した事…今はできる。それは、私が悪意で殺す事。あの人の優しさで殺す事。」「マーガレット・バートン!」「私は、悪い女の子。」マーガレットはフライデイに向けて発砲する。フライデイは胸を打ち抜かれてのけぞる。

26話 「欠片 -pupil-」 3

フライデイはいつもの館の中に戻っている。
「何故だ?あれほどまでに私の理想に近しい少女…何故あんな事を?あの女が変えたというのか?同じ存在が…」
館のドアが開け放たれ、マドラックスの姿が見える。
「な、何故だ?この世界に存在しないはずのお前が?何故、ここにいる?」

マドラックス:「言ったでしょ、私、あなたを殺すって。」
フライデイ:「不可解だ。お前はマーガレットと同化したはず。」
「でも、私はここにいる。」
「マドラックス!」
「それだけが真実。そして私は、あなたの存在を消す。この現実で。」
フライデイの指示でアンファンの部下達がマドラックスを攻撃する。部下達を撃ち倒していくマドラックス。
フライデイ:「マドラックス、ことごとく、ことごとくお前は!」
マドラックス:「邪険にしないで。所詮あなたも、私と同じ存在。そうでしょ?」
フライデイのコンピュータを銃撃して破壊するマドラックス。
「私はマーガレット・バートンを愛している。」
「自分を切り捨てた女をか?」フライデイの放った銃弾はマドラックスに命中する。
「私はマドラックス。それは真実が触れた時の痛み。」口から血を流しながらマドラックスが言う。
フライデイ:「こ、これが本質?私が望んでいたものか?そんなものが真実か?」
「いいえ、これが現実よ。」マドラックスはフライデイを撃つ。
青くも赤くもない月が空にかかっている。
フライデイは床の上に倒れている。「私が、求めていたのは…私の…そこに、目の前に嘘があるというのに…」
「偽りが、あるというのに、何故…何故、見えない?どうして、真実を知ろうとしない?今、ここにあるというのに…」フライデイ・マンデイは絶命する。

クワンジッタが口を開く。「フライデイ・マンデイ。私も、私たちの先代達も、あなたのような存在を、見続けてきました。歴史の中に消え行く存在を。もう直ぐ時代が変わります。マーガレット・バートンが、己の意思で時代の扉を開く事でしょう。もう少しだけ、見守らせて下さい、マーガレット・バートン。」

瓦礫の上の扉の前に歩み寄るマーガレット。「時代の扉。私が、望むもの…私が望むもの、時代に望むもの…」
「そんなの、決まってる。」マーガレットは扉に手を当て、開く。
横たわるマドラックスを抱き起こすマーガレット。
「マドラックス…」
「マーガレット・バートン…どうして?」
「一つになって、分かったの。」
マーガレット:「意識なく殺して来たって、嘘。あなたは人を殺す度に、ずっと悲鳴を上げてた。哀しみ続けてた。あなたの哀しみ、それはあなた自身の優しさ。あなたは、優しい人殺し。一つになる必要ないよ。だって、マドラックスとして生きた時間は、紛れも無くあなただけの時間だもの。私、このままでいい。真実を知って、自分の罪を感じて…そのままで、それでいいの。確かに、この世界は歪んでいる。私の中に善意と悪意があるように…でも、私はこの歪んだ世界で生きてみたい。」
マドラックス:「罪を。感じてる?」
「うん。」
「悲しくないの?」
「ありがとう。私、ごめんね。」
レティシアの姿を目に留めたマーガレット。
「一緒に行こう?」
「私?」
「妹になってくれる?」
「いいの?だって私…」
「私がそうしたいの。」
「うん、なる。」

人間になったレティシアと並んで立つマーガレット。
川縁を走る車。リメルダの声。「見続けるわよ、あなたを。」
「馬鹿ね。」「そう?」「ええ、馬鹿よ。」「これからどうするつもり?」「さあ、どうしようかな。でも、とりあえず…」「とりあえず?」「とりあえず、パスタが食べたいな。うん、パスタ。」
SSSの連絡が入る。「マドラックス、早速だが、君に仕事を依頼したい。「久しぶりだって言うのに、もうビジネスの話?」「私と君の間に、それ以上の繋がりがあったかな?」
「あるわ、きっと。だって、あなたの中に、私がいるから。」
空には赤と青の二つの月が昇っている。

本質、普通の処、果てしない場所

 人によって表現は様々ですが、みな同じ空間/次元のことを指しているようです。ユング心理学ならば「原型」、量子力学ならば「フィールド」という言葉で語られているものが、個人の主観を投影させた意識との連続体として呼ばれれば、このような言葉に変換されるのでしょう。
 参考として、人格の分裂を主題にした古典的名作、ロバート・スティーブンスンの「ジキル博士とハイド氏」の始めの当たりに語られている、ジキル博士の研究の土台となった思想を確認しておいて下さい。後に明らかになるフライデイ・マンデイの思考と行動目的を理解するための手がかりとなることでしょう。
 「科学思想」の前提の中には収まりきることの出来ない、錬金術や隠避学の背景にある世界観が見えて来る筈です。
断片的に開示される情報

 22話ではいよいよマーガレットの怖い裏面が現れてきました。
森の中でマーガレットを呼び止めた兵士はおそらく死んでしまったのでしょうが、エリノアが彼の姿を見つけるまでにどのようなことが起こったのかは不明です。経過の一部はあくまでも伏せられたままなので、様々に推測することは可能ですが、多分用意された正解というものはないのでしょう。
 このような仮構世界の記述の手法をいかに捉えるか、制作者の意図的な演出戦略として受け入れた時、どのような意義が認められるかが興味深いテーマとなります。他にもこれと同様の意図的に残された空白領域の例を指摘してみるといいでしょう。Madlax 以外の他の作品の事例を検証してみるのも有効です。
 応用課題としてはこのような空白領域を充填する2次創作の試みが挙げられます。量子論理的には観測効果の及ばない未確定の領域に対しては、あらゆる潜在的な可能性が平行宇宙の様相として現象化することが可能です。2次創作作品の評価における哲学的意義性をこのあたりに見出すことができます。同人誌的創作動機はこうして弁護することが可能です。創造的な論評の一つの形として2次創作はもっと積極的に推奨されてもいい筈です。作品を題材にして講義を行うのも、講義の課題に応えてレポートを作成するのも、このような意味における2次創作行為として認められます。
分裂と再統合

エドガー・アラン・ポーの哲学詩「ユリイカ」では、宇宙の全てを統括的に把握する視点を獲得する発想として、分裂と統合の原理が語られています。これは現代宇宙論が導入した宇宙創成の原理である「ビッグバン」の理論を先取りする仮説となっています。ポーはビッグバンの行く末と再び再現される全ての事物の凝集と、さらにその先をも予測しています。

Red Bull: The Shadow of Ignorance and Blindness
https://folio.wayo.ac.jp/ct/link_cushion?url=https%3A%2F%2Fwww.academia.edu%2F7899655%2FRed_Bull_The_Shadow_of_Ignorance_and_Blindness


 殊に精神と物質の究極の統合理論となることを企図したと宣言されているポーの形而上的宇宙論「ユリイカ」(Eureka, 1848)においては、ニュートン的普遍宇宙モデルの根幹をなす万有引力(gravityあるいはattraction)という原理と、これに拮抗する斥力(electricityあるいはrepulsion)という新たな相補的原理機構が、光や熱や電磁力等と共に質量と精神という概念を根本的に定義付ける基本理念として提示されていたのであった。唯一なる一者からの流出を発端として生成した宇宙が、全てのものに対して等しく働く引力の作用による再統合のモメントに従って万物の凝集という過程を経て、再び原初の分かつものを知らない単一へと回帰した時に、万物が保持する固有の質量の大きさに従って互いを引き付け合うという言葉で定義される引力も、これに拮抗して他者と互いに反発し合うという定義の許にある斥力もその意味を全く解消してしまい、その当然の帰結として引き付け合うものとして定義された物質と反発し合うものとして措定された精神という基本概念自体が瓦解した時に、破滅と絶望という究極の判断もまた完全な反転現象を来たしてしまう可能性が示唆されることになるのである。これらの事象地平の果ての究極的相転移の帰結が、最終的な光明と至福に導かれるものであると解釈されても何の不思議もない。この仮説の可能性を意識した際には、眼前の苦痛に対する衝動的忌避の代りに限りない霊的誘引力を感じる典型的な“天の邪鬼”の感覚は、外界の及ぼす知覚の惑乱に決して冒されることのない、グノーシス的覚知として再評価されることとなるのである。魔法の機構を支える反転原理は、究極的には統合宇宙論の解式へと収束されるべきものなのであった。分極生成の結果創出された対立物こそ、その無限遠の本性において最も深い同一性を見出されなければならないものであったのである。
 意識の空白性と因果関係と存在性の輻輳による狂気を体現していた蝶が語った『申命記』の一節は、正しくユニコーンとレッド・ブルの永遠相における同一性を暗示するものに他ならなかったのである。物理過程の終局に予見される全ての凝集と再統合と共に、自と他を分かつ分別性という素因そのものが意味を解消し、物質と精神を特徴付けていた引力と斥力という二次的原理の支配をも超克し、全ての二分法的な論理と共にその結果想定された種々の下位階層の存在様態も、それを語るいかなる概念も意味を消失した果ての、恐怖と絶望の彼岸にある単一性と多様性を併呑した無限遠の至高の真実のみに心眼を向けているという確信がそこにはあるのだ。
『ピーターとウェンディ』とウィリアム・ブレイク

ウィリアム・ブレイクの哲学詩「4ゾア」では、神でもあり人でもある原型的存在の分裂に分裂を繰り返す様が語られています。ピーター・パンの小説版『ピーターとウェンディ』におけるキャプテン・フックとピーターとの関係をこのような図式から考察したのが以下の論文です。

Fraudulent Narration: Deconstruction in Antifantasy

全一的存在の分裂とその分身同士の背反の過程として現象世界の諸相を捉えるこのような世界観は、神秘思想家スウェーデンボルグに強い影響を受けると共に激烈な反発をも示し、独特の神話的世界像を彫画と詩を用いて表現して、悲惨な世界の存在像を描き出したブレイク(William Blake)のヴィジョンを思い起こさせるものである。そしてまた宇宙開闢のインフレーション・エネルギーが様々のより派生的な力と物質へと相転移を繰り返し、分裂していった結果現在の宇宙が形成された、とされる量子物理学的世界描像を既に知っている我々にとっては、このブレイクの構想した神格崩壊のヴィジョンは、ある意味で極めて身近な世界解式を提示するための模式図であるとも言える。バリの施したこのヴィジョンの変奏は、自我と世界の乖離に生の苦痛の原因を見出し、宇宙(全)と認識の主体(個)との正常な関係修復のための心理的試行作業として文学と哲学を捉えたロマン主義と、その影響下にメルヘンから派生して開花したファンタシー文学の心理学を見事に照射するものになっているのである。離反し、敵対することの裡に得られる仮初めの快楽と敵対し、憎み合うことに付きまとう永劫の苦痛の相互作用がドライなアイロニーによって処理され、ことさらユーモラスに描かれているのが『ピーターとウェンディ』のアンチ・ファンタシー的な部分なのだ。
ピーターという体験を蓄積することの無い不毛な行為者と、如何なる達成も絶え間無い自省という宿痾のために悔恨の種としかならないという呪いを背負った楽園追放者フックの二者が示す相克の様態は、無残にも切り裂かれた全能の存在の二つの半身同士が繰り広げる堂々巡りの円舞曲なのであった。ピーターとフックの宿命的な抗争とは、全能を備えた筈の超越的存在の分身が織り成す、実を結ばぬ永劫回帰のアラベスクにほかならなかった。しかしながら一方の破滅と共にこの連星(ダブル・スター)の暗示していたウロボロス的円環は解体し、本体を失った影は時空の彼方へと飛び去ることとなる。
あなたの中に、私がいるから

マドラックスは自分の存在を確定させる要因として、リメルダやSSSなど他者の想念が決定的な影響をもたらすと考えているらしい。人格存在の同一性を再考察する上で、大変興味深い発想であると思われる。

宮澤賢治の詩集「春と修羅」の序詩にも同様の表現が用いられている。

(すべてがわたくしの中のみんなであるやうに
みんなのおのおののなかのすべてですから)

量子力学と宮澤賢治の思想との関連については以下のリンクを参照して下さい。

Supernatural System Theory and Antifantasy
あなたの中の私

アニメ作品『エルゴ・プラクシー』、第20話「虚空の聖眼」の場合
存在と人格の本質に対して様々の角度から再考察を行った『エルゴ・プラクシー』では、「私」が様々に分岐して存在し、他者の心の中の妄想も一つの人格として空間関係を超越した同一性を保つことが示唆されている。


Science, Science Fiction and Speculation: God, Man and Self in Ergo Proxy 1

Science, Science Fiction and Speculation: God, Man and Self in Ergo Proxy 2

Science, Science Fiction and Speculation: God, Man and Self in Ergo Proxy 3

人格の分裂については1〜3の全てに渡って論考が行われていますが、第20話は「3」で取り上げられています。
思念体

 Final Fantasy の劇場版映画『Advent Children』 では、セフィロスの人格が3つに分裂した様相としてカダージュとヤズーとロッズの3人の「思念体」と呼ばれる人格様相が描かれていました。

魂魄

道教では魂と魄のそれぞれがあると考えられています。
科学思想が仮定する以外の様々な要素が一個の人間存在を構成していると看做されている訳です。これらの要素のそれぞれが独立してまた一個の擬似存在物として知覚されることもあり得る訳でしょう。
リンク 量子力学関連講義

フライデイ・マンデイ語るところの「本質」、つまり「原型」という概念と関わる量子力学の考え方を理解するのに役立つ参考リンクです。


2015英語圏文化研究1 仮構と現実の再解釈と量子論理

2013ゲーム芸術論 エロゲー「猫撫でディストーション」研究

2013アニメ芸術論 アニメ「ノエイン」研究

2013 英語圏文化研究2 宮澤賢治と量子力学

2010時間芸術 エロゲー「マブラヴオルタネイティブ」研究

2009芸術と宗教 アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」研究
リンク 量子力学関連論文

ピーター・S・ビーグルの『最後のユニコーン』論において導入した文学理論に関連する量子力学の解説と応用的考察です。

Quantum Logic--Paradox--Impossible Worlds: Actualism and Antifantasy
Quantum Logic--Paradox--Impossible Worlds: Actualism and Antifantasy 2
Supernatural System Theory and Antifantasy

全て研究書『アンチファンタシーというファンタシー2:最後のユニコーン論』に収録されています。
リンク 原型関連論文

ゴスロリ映画『闇のバイブル』研究論文です。

Meanings and Ambiguity in Visual Art: Pleroma Motive in Valerie and Her Week of Wonders
リンク 士朗正宗による解説

 士郎正宗のマンガ『攻殻機動隊』、『攻殻機動隊』、『仙術超攻殻オリオン』などが量子力学の解説としてうってつけです。
 『アップルシード・ハイパーノート』では、『仙術超攻殻オリオン』の裏設定の解説として東洋思想と量子力学との関連が興味深く語られています。
講座テキスト

真下耕一監督研究同人誌 MP4、MP5、My Madlax 1、My Madlax 2 の4冊

コミケで販売されていた同人誌を注文して増刷して頂きました。

黒田が書いた「Madlax」論は、紀要論文が掲載され次第、アップする予定です。
量子コンピュータと意識

 脳神経学者のロジャー・ペンローズとスチュアート・ハメロフの研究によれば、脳は一種の量子コンピュータとして機能していて外部空間をデータの保存領域として利用しているため、記憶等の情報は身体外部の宇宙空間に拡散して存在している。個体の死が訪れた後も個人の意識を形成する情報群は宇宙空間にそのまま保全されているので、死後も意識は失われることはない。量子の局所的作用に拘束されない遠隔的な作用をもたらす「量子的もつれ」の現象と臨死体験等の研究から得られた量子論的意識・存在解釈です。フライデイ・マンデイの使っていたコンピュータと「特別な場所」と資質ある者達とそれを見守る者たちの意識が交わる亜空間を理解する一つの論理が、量子コンピュータとして連動してクラウドを形成する人間意識のあり方です。
 NHKの「時空を超えて」という番組でこの説を紹介していたようです。You Tube にも動画が公開されていました。

https://www.youtube.com/watch?v=-5Z5oFl_USk

 物理学者ジェイムズ・ベイクラーも同様の考えから、死後の意識の存続を主張しています。これらの研究者達の主張については、10月に佐倉セミナーハウスで行う「文化教養講座」で「科学思想に代替する宇宙論」として講演を行う予定です。詳細は以下のブログをご覧下さい。

http://antifantasy2.blog01.linkclub.jp/

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