【テーマ】 アニメーション映画The Last Unicornをテキストにして、映像表現における“意味”と“記述”の可能性について考察する。 【授業概要】 アニメーション映画 The Last Unicorn (1982) は英語版なので、日本語訳を施したシナリオ『研究アニメーションThe Last Unicorn』をサブテキストにして、台詞とシナリオの関係を掴んでいく。原作の形而上学的発想を読み取り、アニメにおける映像表現として具現化した映像記述の特質を、原作の文章表現の技巧と対照させながら検証して行く。 【育つ力】 A 自分を知り誇りを持つ力 【授業計画】 1回 序章 森の中:タイトルバックとタペストリーのユニコーン ユニコーンと蝶:蝶の言葉と同時代性、参照を註釈から読み取る 2回 ユニコーンと農夫、ユニコーンと馬車の男:森の外の世界 マミー・フォルチュナ:魔女との邂逅 3回 真夜中のカーニバル:魔法と見世物、本物と偽物 ルークとマミー・フォルチュナ:魔法と演技 4回 シュメンドリックとユニコーン:真実の魔法 森の中、シュメンドリックとユニコーン:悲哀と後悔 5回 旅の途上、シュメンドリックとユニコーン:魔法使いの知識 森の盗賊達、森の盗賊達の宴:ロビン・フッド伝説 6回 シュメンドリックと赤樫の木:失敗する魔法 シュメンドリックとユニコーン:真実の魔法 7回 シュメンドリック、レッド・ブルとの遭遇:仇敵との遭遇 ハガード王の城、城門の衛兵達:探求の旅の目的地 8回 謁見室:暴君の居城 城、城の台所:一角とユニコーン 9回 城のバルコニー、城の階段:レッド・ブルの気配と猫 バルコニー、台所のモリーとシュメンドリック:猫の予言と謎 10回 アマルシア姫とリア:英雄とヒロイン リアとアマルシア、城の大広間:謎の在処 11回 アマルシア姫とハガード王:反転現象のシステム 城の大広間と骸骨:謎解きと不気味な助力者 12回 レッド・ブルの洞穴:予言の成就とヒーロー レッド・ブル:英雄と魔法使いとヒロイン 13回 海辺、ユニコーンとレッド・ブル:大団円 海辺、ユニコーンとリア、森の夜、リアとの別れ:解放と至福 14回 夜の野原、ユニコーンとの再会:エピローグ ストーリーとアニメの主題提示の実態に対する総点検 15回 レポート課題についての質疑応答 レポート題目についての相談 【教科書名】 テキストDVD The Last Unicorn, (Lions Gate) 『研究 アニメーション The Last Unicorn』(牧歌舎、2012) 【参考図書】 参考研究書:『最後のユニコーン論』(牧歌舎) 原作の注釈書:『Annotated Last Unicorn』(近代文芸社) 【評価方法】 表象芸術の本質をいかに捉えるかについての考察をレポートで提出する。 【履修要件】 コンピュータの基本操作を理解しておくこと。 【事前・事後学習等】 参考資料提示と質疑応答の受付場所として manaba folio のコミュニティ「2012時間芸術」を活用して行く。 【備考】 ホームページ“fantasy as antifantasy”、以下のアドレスにて公開中 http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/index.htm
テキストはこれです 研究 アニメーション The Last Unicorn http://www.amazon.co.jp/研究-アニメーション-The-Last-Unicorn/dp/443416399X/ref=sr_1_3?s=books&ie=UTF8&qid=1333518336&sr=1-3
原作 The Last Unicorn では、独特の文章表現を活用して「魔法の原理」としてフィクション世界と現実世界の微妙な関系を語る記述が盛り込まれています。 アニメではナレーションは導入されていないので、原作のような文章表現による主題提示はなされていませんが、それに代替して巧妙な映像表現が導入され、作品に描かれた存在物の位相を様々に語ることに成功しています。映像からどれだけの内実を含んだ深い意味を読み取ることができるかが重要課題となります。原作の文章記述については以下の「日替わり講座」で解説がアップされていますので、参考にしてみて下さい。
Fantasy as Antifantasy Daily Lecture
http://antifantasy2.blog01.linkclub.jp/
The Last Unicorn の読解メモです。
2004年10月1日より平成2005年11月16日までが The Last Unicorn パート。