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日本キリスト会川崎教会コミュの「カエサルのものはカエサルに、神のものは神に」Mk12

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「カエサルのものはカエサルに、神のものは神に」

*マルコによる福音書12章13〜17節
 そして彼らは、ファリサイ派とヘロデ党とのうちから幾人かを彼のもとに遣わす。彼の言葉尻をとらえて彼を陥れるためである。そして彼らはやって来て彼に言う、「先生、私どもはあなた様が真実な方でいらして、誰をはばかることもない方であられることを存じ上げております。なぜならあなた様は、外観で人をえこひいきなさることがなく、真実に神の道を教えておられるからです。ところでカエサルに税金を払うことは許されているでしょうか、いないのでしょうか。私どもは払うべきでしょうか、払うべきでないのでしょか」。しかし彼は、彼らの偽瞞を見て彼らに言った、「お前たちはなぜ私を試みるのか。デナリオン貨幣を私に持ってきて見せよ」。そこで彼らは持って来た。すると彼は彼らに言う、「これは誰の像か、また誰の銘か」。彼らは彼に言った、「カエサルのです」。するとイエスは彼らに言った、「カエサルのものはカエサルに、つまり、『神様』のものなら『神様』にお返し申し上げよ」。すると人々は大変彼に驚いた。
                              新約聖書翻訳委員会訳

§「不安と不確実性、そして八方ふさがりに見える時代を生きる」

  先週の日曜日は、新しい出会いが与えられたり、また午後には川崎リトルライト・シンガーズに集う人々と子供たちと共に、練習の後、七輪を囲んで楽しい時を過ごすことができました。ひとつひとつの出会い、そして交わりに、神さまが共にいてくださることを感じながら、歌い、語り合い、交流を楽しめることは、とても素敵なことだと思います。
  教会や、私たちひとりひとりが、ひとびとの心の故郷のように、いつでも帰ってこられる場所、受け入れられる場所でいられたら、とても嬉しいと思います。
  社会の出来事に目を転じると、不安と不確実性、そして八方ふさがりに見えるできごとでいっぱいです。原子力発電の問題、災害復興、沖縄の基地問題、ヨーロッパの金融不安、雇用の問題、国の財政の再建の問題、...どれひとつ取っても、簡単に解決できるものはありません。ニューヨークからはじまった、人々の生活不安と、富の格差に抗議するデモも、大きな広がりを見せています。CBSニュースでは、アメリカの4年生の大学を卒業する67%が、国が推奨する学生ローンを利用し、卒業時に平均で、24000ドル(1ドルを76円として182万円)の借金を抱えて社会に出ると報じていました。それにもかかわらず就職先が見つからない、あるいは、就職できてもいつ解雇されるかもわからない不安と共に生きなければならない社会の仕組みに対する抗議が広がっているのです。
  社会の中に、きちんと人々が居場所を見つけ、役割があり、それを自覚しながら喜びのうちに暮らすことができることが理想です。生活が成り立って、貧しくとも胸を張り、笑顔で暮らせることがとても大切ですね。

*マタイによる福音書7:7
 求めよ、そうすればあなたたちに与えられるであろう。探せ、そうすれば あなたたちは見いだすであろう。叩け、そうすればあなたたちは開けてもらえるであろう。

   この言葉の通りに、私たちひとりひとり、社会の荒波に押しつぶされることなく、神さまと共に、人生の一歩一歩を踏みしめて行く大切さを、改めて感じます。

§「カエサルのものはカエサルに、神のものは神に」

  さて、今日の聖書箇所は、マルコによる福音書の12章13節以下ですが、11章の「エルサレム入城」「いちじくの木への呪い」「神殿への批判行動」「権威問答」そして12章の「悪しき農夫たちの譬え」の後に置かれています。これらのエピソードは、皆イエスの生きた姿勢、神に対する考え方、神から与えられた権威、そしてそれらがこの世の勢力から見れば、どんなに革新的だったか、そして彼らにとっては危険だったか、ということが浮き彫りにされる箇所です。
 そして、ここまでは、ヘロデ王、ユダヤ教やユダヤ人社会の問題が表に出ていましたが、ここでは、ヘロデ王という権力のさらに先の権力、当時のパレスチナ地方を領土下において支配していたローマ帝国、そして、ローマ皇帝(カエサル/英語読みではシーザー)がやり玉に挙げられます。
  この箇所は、主イエスが言われた、「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい」という短い言葉伝承をもとに構成されたアポフテグマ(理想的な状況でわかりやすくこの言葉の意味を伝えようとする文章形態)です。
 ここで出てくるローマ帝国による課税の背景を説明しますと、ヘロデ大王の死後、ヘロデの息子のひとり、アルケラオスがあまりにひどい暴政を行ったため、住民達の訴えを受けて、皇帝アウグストゥスが彼を罷免し、ユダヤとサマリヤをローマ帝国の直接統治下に置いたことからはじまりました。紀元6年にシリア総督P.S.クィリニウス(キリニウス)がユダヤにやって来て行われた戸口調査は、ユダヤ人の富を直接税徴収に向けて査定するためでした。クリスマス物語の一部、ルカによる福音書2章1節 「さて、その頃、カエサル・アウグストゥスから、全世界の戸口調査をせよとの勅令が出た。この戸口調査は、クィリニウスがシリア州の総督であった時施行された」 、にはこの時のことが反映していると考えられます。(佐藤研「新約聖書時代史」参照)
  もともとあったユダヤ教の神殿税(マタイによる福音書17章24〜27節)に加えて、この調査をもとに、今度はローマ帝国に払う、新しい税金の徴収がはじまりました。
  このローマに払わなければならなくなった税金には、直接税と間接税があり、直接税は人頭税、そして土地使用に対する税金、家を持っていることに対する税金などで地方行政組織が徴収、そして間接税は、市場税、港湾税、通行税などで、取税人と呼ばれる人たちが徴収していました。
 そして、この税金にはもう一つの意味がありました。この税金を納めるときに使うデナリオン銀貨が、皇帝を神として讃える役目を担っていて、この税金を納めることは、「神」である皇帝に貢ぎ物をする、ということを意味していました。

*デナリオン銀貨について
 「広く流通していたデナリオン銀貨の表はティベリウス帝(在位14−37年)の裸の胸像を示しているが、それは彼の神的威厳を表す月桂冠で飾られているが、その銘はTI CAESAR DIVI AVG F AVGVSTVSと刻まれている。省略記号を完全な形になおすとTiberius Caesar Divi Augusti Filius Augustus(崇拝すべき神の崇拝すべき子、皇帝ティベリウス/引用者注:「崇拝すべき」という意味のaugustを皇帝と訳すと「神とされたアウグストゥス(皇帝)の子、皇帝ティベリウス」)となる。この尊称は貨幣の裏面でPONTIF MAXIMという文字で結ばれている。これは完全な形ではPontifex Maximusすなわち「最高神官」という意味である。こうしてデナリオン銀貨はたんに皇帝の権力の象徴であるだけでなく、皇帝神格化の国家神話的象徴でもあった。(E.シュタウファー)

  ローマの税金を納めることは、ローマ帝国にとって、神である、皇帝を讃美して貢ぎ物をする、という意味を持っていたのです。ということで、この税金を納めることについては、大変大きな葛藤や根強い反対運動があったことが伺えます。その中に、後に熱心党として育っていく人たちの先駆けとも言える律法学者、ガリラヤのユダ(ヒゼキアのユダ)やファリサイ派のサドクという人たちがいたことがユダヤ古代史に記されています。
 実際、「皇帝への納税の問題は、ローマ帝国とのあいだの緊張が高まりつつあったユダヤ戦争以前のパレスチナのユダヤ人社会の中に置かれていた教会にとって、切実な問題であったに違いない」(川島貞雄)のでしょう。
  ここでイエスに質問している人の質問の仕方は一見丁寧に見えますが、とても意地が悪く、どちらに答えても罠にはめることができるような形をしています。

*14b「先生、私どもはあなた様が真実な方でいらして、誰をはばかることもない方であられることを存じ上げております。なぜならあなた様は、外観で人をえこひいきなさることがなく、真実に神の道を教えておられるからです。ところでカエサルに税金を払うことは許されているでしょうか、いないのでしょうか。私どもは払うべきでしょうか、払うべきでないのでしょか」。

 払うべきだ、と言うと、ローマの支配に不満をもつユダヤ民衆を敵に回してしまいますし、払わなくて良い、言うと、ローマに対する叛逆になってしまいます。まさに、八方ふさがりです。

*15b〜17節  「お前たちはなぜ私を試みるのか。デナリオン貨幣を私に持ってきて見せよ」。そこで彼らは持って来た。すると彼は彼らに言う、「これは誰の像か、また誰の銘か」。彼らは彼に言った、「カエサルのです」。するとイエスは彼らに言った、「カエサルのものはカエサルに、つまり、『神様』のものなら『神様』にお返し申し上げよ」。すると人々は大変彼に驚いた。

 イエスの言葉の特徴は、このような罠のような論争には同じ土俵に乗らず、驚くような、そして根源的な見解を突きつけることにあります。この最後の部分は、通常「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい」と訳されます。一つの解釈は、ローマへの税金はそれとして払い、神殿税もそれとして払っておけ、というものですが、これではイエスの言葉の特徴である、根源的で心に直接語りかけるような力強さはありません。また、これは、政治は政治、宗教は宗教で、しっかり分けるべき、混同するべきではないと、政教分離を説いているのだ、という解釈もあります。
  しかし、有力な解釈としては、当時考えられていたように、皇帝の命令で作られたコインは結局皇帝のものなので、皇帝に返し(この世でのトラブルを避けることにつながります)、神に帰するものは神に、すなわち、人間(塵:ソーマ)の代表である皇帝は神ではなく、あくまでも人間であり、人が崇め、祈りを捧げ、従うのは神であるべきだ、というメッセージとすることができます。
 これでも、イエスの存在は、充分ローマにとって脅威となります。
 実際問題として、エルサレム滅亡(70年)後のローマの支配の中で生きていかなければならなかった原始キリスト教会の人々としては、信仰を守ることと、人間社会の制約に順応する姿勢が必要だったのかもしれません。
  ローマ人への手紙に、以下のようなパウロによる記述があります。

*ローマ人への手紙13章1・7節
 すべての人間は上位にある権威に服従しなさい。神によらない権威はないからであり、存在している権威は神によって定められてしまっているからである。
 あなたがたは、すべての人に対して負債を返却しなさい。税金を納べき人には税金を、関税を納べき人には関税を、恐れを抱くべき人には恐れを、栄誉を与えるべき人には栄誉を与えなさい。

  この箇所は、多くの人が、「エッ!なぜパウロがこのようなことを言うのだ!」と疑問に思う箇所です。私も疑問に思います。実際、ヨーロッパやアメリカの神を利用してきた権力者たちは、この言葉を利用してきました。パウロとしては、人々が、権力者との間で、避けられるトラブルは避けよ、という姿勢を言っているのだ、と取れなくありません。
  しかし、今日お読みした17節の訳は、大変過激で皮肉なイエス像を投影しています。

*「カエサルのものはカエサルに、つまり、『神様』のものなら『神様』にお返し申し上げよ」。すると人々は大変彼に驚いた。
 
 この翻訳者は、このような訳にたどり着いた理由を以下のように説明しています。
・「直接税(人頭税や、地租)を納めるために使用されたデナリオン貨幣には、カエサル・ティベリウスを神格化する銘と像が刻んであった。とするとこの句で「神様」と訳した言葉は、ローマに追従する質問者たち ー すぐれて「ヘロデ党」に該当 ー が偶像崇拝的に「神」と認めるカエサル、の意であると思われる。つまり、この句は、質問者たちの実質的な皇帝崇拝承認を暴露する皮肉であって、彼らの質問にまともに答えたものではない。もっとも、一般には、「カエサルのものはカエサルに、そして神のものは神に返せと訳される」 佐藤 研

  また、田川建三は、「皇帝のものは皇帝に納めなさいな。そして神のものは神に」、と訳した上で、この質問をしている者たちが、エルサレム議会から派遣されてきた者たちであり、「自ら神殿税をしこたま手にして肥え太った神殿貴族階級の者たち」であることを指摘しています。すると、神殿税を、神さまのために、として徴収して私腹を肥やしていないで、本当に神さまの働きのために使ったらどうだ、という皮肉として捉えることができますね。
 どちらの訳を採用しても、カエサルやヘロデ党員などをはじめとする、人間社会の権力は、決して神ではなく、そして神を語っていても神の方を向いているわけでもない。それに対して、私たちが総てを委ねるのは、そして祈りと讃美を捧げるのは神であるというメッセージが伝わってきます。
 人間社会の代表として、神に仕えるものとして誰もが見なしている人々が、実はまったく神の方を向いていなくて、偶像の方を向いていることを暴くイエスの姿。神の名で民を惑わし、戦争や侵略、圧政を行う現代の指導者たちの大きな過ちともしっかり重なりますね。
 そして、この場所にマルコによる福音書がこのエピソードを置いたことは、この後、イエスを訴え、裁いて、十字架に架ける者たち、すなわち、祭司長、律法学者、長老たち、そしてローマ総督のピラトらに、このようなことをする権威も根拠もないことが露呈していることを私たちに確認させようとしています。

*マタイによる福音書7:13  狭い門を通って入れ。なぜならば、滅びへと導く門は広く、その道は広大である。そして、そこを通って入っていく者は多い。しかし、命へと導く門はなんと狭く、その道はなんと細いことか。そして、それを見いだす者はわずかである。
                                            2011年 10月16日  礼拝 高橋  誠 日本キリスト会川崎教会牧師

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