「to do」って「前置詞+動詞の原形」ってなんか変だと思いませんか?普通前置詞 to は「to school」みたいに名詞としかつながりませんよね?そもそも「前置詞って『名詞の前に置く言葉』っていう意味」なんですから。
昔の英語では、「動詞を原形のまま文中に使うこと」が「動詞を名詞扱いする方法」だったんです。だから to do で「することに向かって」という意味を表していたんですね。現代英語の「to不定詞」はそういう古い英語の一部が生き残ったものなんです。
だから ask him to doは、そういう歴史を踏まえて意味をいうと 「彼に〜することに向かうように頼んだ」 なんです。ということは、「こうしてください」とお願いした時点でもう ask したことになりますよね?結果的に彼がそれをしなかったとしても。
tell him to do it. 彼がそれをする方向に向かうよう命じた =「しろ」と告げただけで「命じた」ことになります。でも「彼が実際にそれをした」までを意味に含んでいません。
でも、 He [made] her do it.彼は彼女にそれをさせた(強制) という文では、to doではなく原形 do が使われます。それは He made + <She did it> という組み込みの関係があり「彼女がそれをした」という状況を「彼は強制的に作り出した」という意味を表すからです。 つまり「O do」の形式で表現される「使役」や「知覚」を表す動詞の場合、常に「誰かがした」という結果まで意味に含んでいます。
昔は help O to do だったのが今では help O do が普通になってしまったのも、昔は「誰かがする方向に向かうよう手を貸した」の意味であり、結果的にその人が無事それができたまでを伝えていなかったのが、現代英語では「私が手伝った結果としてその人はそれができた」までを意味するようになったことを反映しているんです。
以上で、VO to do と VO do の「基本的な区別」が理解できたと思います。 そしてやっと質問に答えられます。
実は、、、get O to do は「唯一の例外」なんです。 I got him to carry my bag. は上記の説明からすれば「彼が私のバッグを運ぶ方向へと仕向けた」に意味がとどまっており、結果的に「彼が運んだ」まで意味しないようにも思えます。 しかし現実的には「彼は運んだ」までの事実を伝えているんです。
なぜこんな違いがあるのか? それはgetという動詞の特殊性にあります。
ちょっとこれを見てください。 I put the kettle on the table. 私はヤカンをテーブルに置いた。
当然ながら「ヤカン」は実際にテーブルに置かれたところまで意味に含みます。
I <put> the kettle <on the table> I <got> him <to carry my bag> こうして並べてみると形式はそっくりですね。 put(置く)の代わりに get(ある位置まで移動させる)があり、 on the table の代わりに to carry my bag があります。 つまり、 I got him to carry my bag.は、 「私は彼のことを『鞄を運ぶ』という位置まで移動させた」というのが直訳亭意味になるんです。「移動させた」のですから、「彼」は「鞄んを運ぶ」という終着点に届いています。だから「彼はかばんを運んだ」んです。
このように使役の意味を表している get だけは「対象となる人をある場所まで移動させる」という意味を持っているため、他の使役動詞のように「do(原形)」ではなく to do(to不定詞)が追いかける形のままで、「させる、させた、してもらう」などの意味を「行為の達成まで」意味に含んで表現できるのです。