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「英語で悩むあなたのために」コミュのOnline 会議室:発音解説再考

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 すでに「雑談」で出ている話題ですが、雑談というにはあまりに1つの専門的話題に特化しているので、これは独立したトピックにした方がよいと思いました。そうしないと、「雑談」で「どうってことない話」がしにくくなるように思いましたので(^^;

 さてサイトにおける現在の発音解説には多くの難点があることが浮き彫りになってきました。ほとんどの場合、現実の発音習得に致命的な支障はないものと思われますが、今後、サイトの完成度を妥協なく目指す上で、より妥当な表現や表記を検討したいと思います。

 現在はアメリカ英語の発音をベースに解説しつつ、「多少はイギリス英語についても触れている」という展開になっていますが、イギリス英語を中心に学びたい人にとっては資料的な不足も感じられます。同時にアメリカ英語を身につけたい人には、どの部分を切り捨てていいのかの判断にも迷うところがあります。

 「妥協ない完成度」を目指しつつも、緻密さを追求するあまり学術的に走りすぎては、中学生や高校生の方が発音習得しようとする上で難解になりすぎます。学術的嗜好に走りすぎるのではなく、表記にばらつきのある色々な辞書に接してもあまり戸惑わないで済むようにしたいわけです。(実際辞書によっては、「r」を母音文字として使っていたり、「red」の頭の子音を /ɹ /で表していたりもするので、通常学校の教科書や中高生向けの辞書で学んでいる人が「あれ?習った発音と違う」と思わないような基盤を作れればと思います。

 そのあたりの兼ね合いを考慮しつつ、どういう表記をサイトや電子出版で用い、どのようなアプローチで解説してくべきかを考え直したいと思っています。

 今、考えているのは:

米式発音
i ɪ e æ u ɔ ʌ ɑ ə ɚ
iː æː uː ɔː ɔːr ɑː ɑːr ɚː
eɪ aɪ ɔɪ aʊ oʊ ʊɚ ɪɚ ʊɚ ɛɚ
aɪɚ aʊɚ

英式発音
i ɪ e æ u ɔ ʌ ɒ ə ə(r)
iː æː uː ɔː ɔː(r) ɑː ɑː(r) əː(r)
eɪ aɪ ɔɪ aʊ oʊ ʊə(r) ɪə(r) ɛə(r)
aɪə(r) aʊə(r)
※括弧に入っている r は斜字体にするか、小さな文字で右肩に添えるなどにするかも知れません。


主な変更点とまだ迷っているところ:

1、学校教科書で多く採用されている古いジョーンズ式では /iː / と / i / で長音記号の有無のみで区別されていますが、ただ / i / を伸ばすだけの音という誤解を避ける意味で(解説でも触れますがそれに加えて)、記号としても区別するのがやはりよいのではないかと考えています。
 新しい辞書やオンライン辞書の多くでも、この傾向が認められているため、記号種類を増やすことになっても、文字上でも区別することのメリットが大きいかと思います。

2、ɚ の使用についてはまだ迷っています。記号として1文字であることが /ə/ + /r/ ではないことを直感的に理解させやすいのですが、ə(r)の英米一括表記の方がシンプルで分かりやすいかも知れません。

3、現在のサイトで示されている母音の種類は、何を資料にしたのか、どうして書き写し間違えたのか記憶にないのですが、確かに間違っています。
http://roundsquaretriangle.web.fc2.com/text/002_2.html
 まあページの趣旨としては、「これから発音を学ぼうという人が、ざっと全体を『絵として眺め』、ああ、普通のアルファベットにない記号が混じっているな」とか「日本語に比べて母音の種類がずいぶん多いんだな」と感じてもらう程度のものなので、この表の不完全さが発音学習にとって何か害があるというわけでもないのですが、間違いは間違いですから、この機会に修正したいと思います。

 そこで「何種類あります」と数で示すより、記号の例としてただ上記の英米発音それぞれを2つの表に分けて提示しようかと考えています。

 今後さらに検討を重ね、不要なものの削除、必要なものの追加などを行っていきたいと思います。

 最終目標、本来の主眼はあくまでも「発音できるようなる」、「聞き取れるようになる」ことですから、「ここは押さえておきたい」という部分と「そこまでこだわる必要もない」という部分との兼ね合いが課題です。
 

コメント(43)

 phonemeを示す//とphoneを示す[ ]について、websiteでは多くのファイルに分割されているため置き換えには非常に手間がかかりますため、こちらは変更していませんが、電子書籍では文書全体を通じて一括検索・置換が利くので、一旦すべてを//にしてから、ページごとに確認して、phoneだけをあらためて[ ]に戻しました。

 辞書や教科書でも、この区別がされていないものを見かけますし、音声学論文でも書くのでなければ、凡例をして記号の意味を示すだけでもよいかとは思いますが、一応書籍の方は音声学の用途に準じることにしました。ただし画像・映像の中に使われている記号までは修正していません。
> /ɚ/が英米併記のためではなく、あくまでも米音を表現するための記号であることなど、随所について納得いたしました。丁寧なご説明、ありがとうございました。

いえいえ、それは良かったです。


> また「r」音素の扱いについては釈然としない点もあります。(半母音は子音であり母音ではないという点です。)

red, run, ran ... などは、bed, bun, ban のように他の子音と交換することもできますし、役割としては子音として働いているということを考えると、納得いただけるのではないでしょうか。


> すると/l/を半母音とみなすとき、それに対応する(本)母音は何とされるのでしょうか。

私が /ɚ/ が /r/ に対応する母音だということを学んだ、竹林滋氏の著書では、/l/ は半母音とはみなされていませんでした(/l/ は側音という扱いです)。私自身、/l/ を半母音とみなすのは無理があるのではないかと思います。

竹林滋氏の著書では、「半母音」の説明として以下のように書いてありました。
「母音は呼気の続く限り持続できるが、半母音は性質は母音であるが持続することなく、対応する母音のかまえからすぐに次の母音に移行する。」

松坂ヒロシ氏の著書では、/w/, /r/, /j/ を「移行音(glide)」とした上で、以下のように説明してあります。
「移行音の特徴は、調音器官が、ある位置から別の位置に移行する際に発音される、という点である。英語の3つの移行音についていえば、これらのいずれの音の場合も、小さくせばめられた息の通り道が急に広くなる、という点が特徴である。」

これらの特徴を考えると、やはり /l/ は半母音、あるいは移行音である /w/, /r/, /j/ とは同じには扱えないのかなと感じます。


> しかし「子音」は子音なので前の母音と一緒になっても「二重『母音』」とすることには抵抗があります。そういう捉え方、みなし方、説があることには理解できるのですが、自分としてその説を用いるかというとまだその気にはなれないのです。

発音表記としては、どこに重点を置くかで色々あると思います。

移行音であろうと、それに対応する母音であろうと、表記を区別しないという考え方に基づくと…
y (Yes); iy (sEE), ey (sAY), ay (bUY), oy (cOIn)
w (Way); uw (tOO), ow (gO), aw (nOW)
r (Ring); ir (fEAR), er (bEAR), ur (pOOR), or (bORE), ər (hER)
(P. Avery and S. Ehrlich)

移行音か、それに対応する母音なのかで、表記を区別すると…
j (Yes), iː (sEE), eɪ (sAY), aɪ (bUY), ɔɪ (cOIn),
w (Way), uː (tOO), oU (gO), aU (nOW),
r (Ring), ɪɚ (hERE), eɚ (bEAR), Uɚ (pOOR), ɔɚ (bORE), ɚː (hER)
(竹林滋)

また、r の音で一つの音節を作るときは /ɚ/、そうでないときは /ɹ/ という区別をしている本もあります。
ɚ (hER), aɪɚ (fIRE), aʊɚ (pOWER)
ɪɹ (hERE), ɛɹ (bEAR), ɑɹ (cAR), ɔɹ (bORE), ʊɹ (pOOR)
(牧野武彦)


> 私がサイトで書いていることの大半(9割以上?)は、何かをリアルタイムに参照しているのではなく、30〜40年前の記憶に基づいているものなので時に情報が古いことがあり、最近はネットでできるだけ現状を調べるようにはしています。

記憶に基づいて書いてらっしゃるのですか。それはすごいですね。
30〜40年前だと、英和辞典などの発音表記もだいぶ違っているかもしれません。
『ジーニアス英和辞典』では、最近の改訂で、実際の米音に合わせ、cot の母音と、father の a の母音を区別せずに表記するようになりましたよ。
それぞれ /kɑːt/, /fɑːðər/ です。


> 何箇所かの発音で「舌の移動」が音として観察されました。

確かに最初に r の音色がない ə が若干聞こえる気がしなくはないですね。([əɚ])

ただ、http://www.engvid.com/improve-english-pronunciation-er-th/ の 2:45 のdoctor なんかは、その直前の You don’t say /dɑktɔːːɚ/ に、ちょっとつられてしまったのかなという気も少しします。他のときには割と [ɚː] という出だしからずっと一定の発音をしているように聞こえます。


> これは恐らく音声を波形解析するなどすれば、/ɚ:/ の最中に音の変化が読み取れるのではないかと思いますが、まだそこまでは調べていません。自分の聴感上の印象にもとづいた意見です。

らうんどさんの仰る、途中で音色が変わっているというのはビデオの音声などを通して分かりました。


以下の動画は、逆に出だしからずっと /ɚ:/ の音を保っている動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=IExd2fyZ310
面白いことに、bird → BRD と発音表記しており、You pretend that the vowel does not exist. とまで言っています。さらに文字上でも i を消してしまっています。まさに /br:d/ という表記のイメージです。

> 単純に「during the articulation of the vowel」ではなく「at least」がある点も、長母音が発音される時間の「一部ないし全部」を通じて舌が「turned up」されると読めます。

確かに仰る通りですね。すると、『日本語音声学入門』にあった curve-far 問題も解決されます。
curve [kə˞ːv]
far [fɑ˞]
これは大変すっきりしました!母音を発音している最中の「どこかで」r の音色が加わるといった感じで解釈すれば良いわけですね。
もう変わってる!!素早いですね。

気づいた点をいくつか述べます。

(1)
Jones式とGimson式の違いは、以下の 1. と 3. だけでなく、2. もです。

1. /i/ 対 /iː/ → /ɪ/ 対 /iː/
2. /u/ 対 /uː/ → /ʊ/ 対 /uː/
3. /ɔ/ 対 /ɔː/ → /ɒ/ 対 /ɔː/(英音)

音の長さでなく、音質の違いを表記するのであれば、2. も必要かと思います。
ただ、日本の英和辞典の発音表記の現状を考えると、2. の /ʊ/ を 小型大文字の /U/ にし、3. については長音記号の有無で区別するというのもアリだと思います。(ほとんどの英和辞典では英音の hot の o だけジョーンズ式のまま /ɔ/ となっています)

(2)
英米の一列目で i と ɪ が共存しているのと、米音で ɔ と ɑ が、英音で ɔ と ɒ が共存しているのが気になりました。片方を採用すれば、もう片方は不要ではないでしょうか。

(3)
ɚ とrの使い分けが気になりました。r を採用するのであれば r で統一し、ɚを採用するなら ɚ で統一したほうが分かりやすいのでは??
米音2列目:ɔːr ɑːr
米音3列目:ʊɚ ɪɚ ʊɚ ɛɚ
2列目を ɔɚ, ɑɚ にすれば、ルミナス英和辞典、ライトハウス英和辞典とほぼ同じ発音表記になり、これらを使用している読者に対する大きなメリットとなります。

(4)
英米とも二列目に存在しない æː という母音が含まれてしまっています。

(5)
米音の二列目に ʊɚ が2つ含まれてしまっています。


ざっと見て気づいたのは上記の点です。ご参考になれば幸いです。


何も見ずに書かれているとのことでしたので、よろしければ以下をご参照ください。

【米音】
竹林滋氏の本を参考にして作ったもの。まったく同じではありませんが。
・強母音
ɪ ɛ æ ɑ ʌ ʊ
iː ɑː ɔː uː ɚː
eɪ aɪ ɔɪ aʊ oʊ ɪɚ ɛɚ ɑɚ ɔɚ ʊɚ
aɪɚ aʊɚ
・弱母音
i ɪ ə ʊ ɚ

牧野武彦氏の本を参考にして作ったもの。こちらも若干私の手を加えてあります。
・強母音
ɪ ɛ æ ʌ ʊ
i ɑ ɔ u ɚ
eɪ aɪ ɔɪ aʊ oʊ
ɪr ɛr ɑr ɔr ʊr
aɪɚ aʊɚ
・弱母音
ə ɪ ʊ ɚ i u

以下も参考になるかと思います。
http://en.wikipedia.org/wiki/IPA_chart_for_English_dialects
http://en.wikipedia.org/wiki/Lexical_set

>>[7]

 実際、発音を文字で表記しようとすると大変複雑になりますので、基本的には「ほどほど」でよいかなと思っています。サイトにしても電子出版の書籍にしても、根幹は「英語の学び方を学ぶ」ことにありますので、一番重要なポイントは「英語の音声がカタカナで書き表せない」ことを認識してもらうことです。そして学習者が様々な辞書やネットの資料に接したときに出会う色々な種類の記号について概略をつかんでもらえればよいかと思います。これがもっと厳密さにこだわるべき音声学専門書などであれば、一環して緻密に表記の統一性にもこだわるべきなのでしょうが、「どんな音を出せばいいのか」のイメージをつかむ補助として記号を用い、あとは実際の音を出すことに主目的を持ってもらえればと考えています。

 つまり記述の完全な体系化までは考えていないんですね。いろいろな考え方、捉え方、アプローチをある意味まぜながら、「実体としての音」そのものの出し方を理解できればよいかと思っています。(不要な混乱だけは避けられるよう最低限の表記方法についての注意はしたいと思います。)

 ですから、「この音を表記するのに、こんな記号を使っている人もいるよ」ということが分かれば「知識」としてはよいかなと思うわけです。
 記述に用いている記号の統一性に欠けるという難点はありますが、その難点が同時に「一般の色々な表記法」を知るメリットにもなるかと思うのです。

 bird を/br:d/と書いてあるものに接してもびっくりしないような補足を適宜行いたいと思っています。(いきなり中学生がこれを見たら、まず間違いなく「母音がない!」と驚きますからねー)

 「話す」と「聞き取る」という両側面を含んだ「発音」の技能の向上に関しては「発音記号で学ぶ必要がある」という認識さえ持てれば、そこからはあまり個々の音素の描写にとどまらず、できるだけ早期に「連結、脱落、同化」などに進んでほしいと思っていますし、「聞く者にストレスを与えない発音」ができたり、「現実の音声の適切な認識」のためには、通常学校ではあまり重点を置かない「かぶせ音素」の訓練に進んでほしいと思っています。

 今後も文法の章などでも随時発音記号は用いますが、できるだけ統一性に留意しつつも複数の様式が混在することがあるかと思います。そのような場合は適宜、補足を加えて「要するにどの音」かを誤解なく伝えられるよう配慮するつもりです。

 数々の貴重なアドバイスについてはできる限り、色々な箇所において反映させていただきたいと思っております。
 -erの発音記述の変更に連動して、他の二重母音や三重母音の解説にも手を入れました。
 また紹介いただいた Oxford Advanced Learners' English Dictionaryを発音解説の最初と「リンク」でも紹介し、英米それぞれの発音サンプルを比較してもらえるようにしました。
>>[8]

> 実際、発音を文字で表記しようとすると大変複雑になりますので、基本的には「ほどほど」でよいかなと思っています。

仰る通りだと思います。カナにしろ、発音記号にしろ、言葉で説明するにしろ、学習者が分からなければ何にもなりませんね。
体系化する必要もないと思います。新しい発音表記体系をつくったところで、その記号を他で使っていないとなれば、何の意味もなくなってしまいますし。
その意味では、ある程度人気のある、いずれかの辞書の発音表記と揃えるというのも一つの手かな、とは思います。

長いコメントを毎回読んでくださり、ありがとうございました。改善のために少しでもお役に立てたのなら幸いです。


> また紹介いただいた Oxford Advanced Learners' English Dictionaryを発音解説の最初と「リンク」でも紹介し、英米それぞれの発音サンプルを比較してもらえるようにしました。

OALDは、英米両方の音が、ボタンを押しただけですぐ聞けるので、非常に気に入っています。
(OALDの動詞型の表示も個人的に好きですし、定義も分かりやすいのでよく使っています。)

文字だけより実際に英米の発音を比較して聞いてもらったほうが学習者もよく分かりますね。
 その後もあれこれ編纂方針について考えをまとめているのですが、ふと気づいて見ると「3重母音」の解説について、現在のサイトでは間違っていました。

triphthong

http://oald8.oxfordlearnersdictionaries.com/dictionary/triphthong

a combination of three vowel sounds or vowel letters, for example the sounds /aɪə/ in fire /faɪə(r)/


en.wikipedia.org/wiki/Triphthong

English in British Received Pronunciation (monosyllabic triphthongs with R are optionally distinguished from sequences with disyllabic realizations)

[aʊ̯ə̯] as in hour (compare with disyllabic "plougher" [aʊ̯.ə])
[aɪ̯ə̯] as in fire (compare with disyllabic "higher" [aɪ̯.ə])
[ɔɪ̯ə̯] as in "loir" (compare with final disyllabic sequence in "employer" [ɔɪ̯.ə])

As [eɪ̯] and [əʊ̯] become [ɛə̯] and [ɔː] respectively before /r/, all instances of [eɪ̯.ə] and [əʊ̯.ə] are words with the suffix "-er".


 ところが現在、サイトでは次の例をすべて3重母音として取り上げています:

fire 火 [ fáiər ] <正しい
liar 嘘つき [ láiər ] −−−−−−3重母音じゃない!
wire 針金 [ wáiər ]−−−−−−3重母音じゃない!
tire 疲れさせる [ táiər ]−−−−−−3重母音じゃない!

our 私たちの [ áuər ]<正しい
hour 1時間 [ áuər ]<正しい
power 力 [ páuər ]−−−−−−3重母音じゃない!
tower 塔・タワー [ táuər ]−−−−−−3重母音じゃない!

上記で本当に3重母音といえるものは「fire, our, hour」の3つだけであり、あとは2音節語なので、「2重母音+次の音節の母音」という違いがあります。べたに記号で表すと、fire, liar の母音部分は、どちらも/aɪər | aiɚ/ なんですが、

fire: 3重母音 /aɪər | aiɚ /
liar ( li.ar):2重母音+次の音節の母音 /aɪ.ər | ai.ɚ /

 という違いがあります。よく今まで指摘がなかったなと思います。

fireの音声サンプル
http://oald8.oxfordlearnersdictionaries.com/dictionary/fire

liarの音声サンプル
http://oald8.oxfordlearnersdictionaries.com/dictionary/liar

 上記サンプルを比べてみても(微妙かも知れませんが)確かに違う。

 これは解釈の相違とか学説の違いじゃなくて、明らかにサイトの「間違い」なので修正しなければいけませんね、、、、。今まで何年気づかなかったんだろう。まずいまずい(^^;

 しかし、あちこち音声学関連の記事を検索してみても、ほとんど「triphthong」を取り上げていないんですよね。音声学の書籍ですら二重母音までしか扱っていなかったり。

 そもそも3重母音の種類が少ない(3つしかない)ということもあるのかも知れませんが、あまり問題にされないのでしょうか。








訂正:

fire 火 [ fáiər ] <正しい
liar 嘘つき [ láiər ] −−−−−−3重母音じゃない!
wire 針金 [ wáiər ]<正しい
tire 疲れさせる [ táiər ]<正しい

our 私たちの [ áuər ]<正しい
hour 1時間 [ áuər ]<正しい
power 力 [ páuər ]−−−−−−3重母音じゃない!
tower 塔・タワー [ táuər ]−−−−−−3重母音じゃない!
現在のところ、電子出版では英語の母音を次のように分類しようかと考えています:

Vowels 母音の種類・数

monophthongs(単母音)---------------長短合わせて16種

(Am):
short(9): ɪ, i, e, æ, ɑ, ʌ, ʊ, ə, ɚ
long(7): ɑː,ɑːr, iː, ɔː, ɔːr, uː, ɚː

(Br):
short(9): ɪ, i, e, æ, ɒ, ʌ, ʊ, ə, ə(r)
long(7): ɑː, ɑː(r), iː, ɔː. ɔː(r), uː, əː(r)

diphthongs(二重母音)------------------8種

(Am)(8)[ ]の中のものは2重母音としない考え方もある
aɪ, eɪ, ɔɪ, oʊ, aʊ
[ɪɚ/ɪr],[ɛɚ/ɛr],[ʊɚ/ʊr]

(Br)(8)
aɪ, eɪ, ɔɪ, əʊ, aʊ
ɪə(r), ɛə(r), ʊə(r)

triphthongs(三重母音)------------------2種

(Am)(2)アメリカ英語に3重母音を認めない考え方もある
[aɪɚ/aɪr], [aʊɚ/aʊr]

(Br)(2)
aɪə(r), aʊə(r)

※記号/r/の考え方
1、常に子音
2、常に母音
3、子音として用いられる場合と母音となる場合がある
(本書では1の立場を取り、二重母音、三重母音では /ɚ/を母音記号として用いる表記とする。
msg13 の立場で母音分類を図にしたもの。
これでいいかな、、、??
>>[11]

> よく今まで指摘がなかったなと思います。

すみません、色々指摘させていただいていたので、私が気付けば良かったのですが…。

ただ、これに関しては私は指摘できなかったと思いますし、今でも指摘できません。

というのも、私自身 fire と liar の母音部分を区別していないからです。
リンク先のOALDの音声も聞いてみました。しかし、らうんどさんは「微妙かもしれませんが確かに違う」と仰りますが、私にはその違いが聞き分けられませんでした。
正直、何度聞いても一体どこが違うのかまったく分からない状況です;

自分の持っている音声学の本をしばらく確認できない状況なので、正確なことは言えませんが、確か三重母音を認めていない本があったような気がします。(「二重母音までしか扱っていない」のではなく、意図的に三重母音という項目を立てていないということです)

つまり、car や care の母音部分は、/ar/ や /ɛr/ というひとつの母音として扱うものの、our の母音部分(すべてですが(笑))に関しては、/aʊ.ɚ/ のように、母音が2つ連続したものとして扱うという考え方です。
この著者は、R の音に関して、ひとつの音節をなす母音として表記する際は ɚ の記号を使い、別の文字と合わさってひとつの二重母音の表記をする際に使う記号としては r を使っているわけです。
三重母音を認めていないので、おそらくですが、fire の母音に関しても、これをひとつの三重母音として扱うのではなく、2つの母音の連続として扱っていたと思います。(書籍そのものを確認していないので自信がありませんが)

> これは解釈の相違とか学説の違いじゃなくて、明らかにサイトの「間違い」なので修正しなければいけませんね

私はあくまで解釈の相違だと思いますし、私自信、(区別ができないわけですから当然)現状のままのらうんどさんの三重母音の扱い方のほうに賛成です。

それに、このあたりになってくるとやはり解釈や学説の問題になってくるので、英語学習上の問題とはかけ離れてくるのではないでしょうか。(このあたりが、私が英語学習での発音記号に反対する理由でもあるのですが)

学習者は fire と liar を区別できる必要はあるのか、あるとすれば三重母音と二重母音+rをどう発音し分けるのかなどを考える必要が出てくると思います。
>>[15]

 これについては現在の執筆内容を引用します:

★三重母音

 二重母音の数をいくつと考えるかについては、アメリカ英語での /ɚ/ の音を母音として考えるか、そこに子音の /r/ があると見なすかによって異なりました。その考え方の違いが、そのまま三重母音の数をいくつと見るかについても当てはまります。
 本書では、英米ともに2つの三重母音があると見なして解説しますが、/ aɪɚ/, /aʊɚ/ の末尾の母音/ɚ/ を子音/r/ に過ぎないと見なせば /aɪr/, / aʊr/ と表記されることとなり、これらは二重母音に含まれますので、「アメリカ英語に三重母音はない」という考え方もあるわけです。
 一方イギリス英語では、/aɪər/, /aʊər/という音の並びとなるため、末尾の/r/ が後に続く母音とリンクしてもしなくても、三重母音であることに変わりはありません。
 三重母音でも音の中心は最初の母音です。/a/ の音をまずはっきり明確に発音し、その直後に第2母音を短めに添えてから舌の緊張をふっと抜いてやります。その際舌を /r/ の位置に構えていればアメリカ英語、/r/ の音色を帯びない曖昧母音 /ə/ とすればイギリス英語となるわけです。
 すでに述べました通り、二重母音にしても三重母音にしても、「その音のまとまりで1つの母音」だという意識を持って発音することです。2つや3つの母音を並べて発音するのではなく、「1拍(=1音節)
の中に収めて発音」する要領が大切です。

/aɪɚ/
• fire /faɪɚ/   火
• wire /waɪɚ/ 針金
• tire /taɪɚ/ 疲れさせる

 なお、「liar」という語は発音表記として/laɪɚ/ になりはしますが、これは「lie(嘘をつく)」という動詞に人を表す語尾の-ar(=-erのバリエーション)が接辞されたものなので、li-ar /láɪ.ɚ/ という2音節語です。従って「二重母音音節+単母音音節」という組み合わせなので、三重母音を含む語とは見なしません。

/aʊɚ/
• our /aʊɚ/ 私たちの
• hour /aʊɚ/ 時間

 liarが「li-ar」の2音節であり、三重母音で1音節になっているのではないのと同様、以下の例も2音節に分かれていますので、/aʊ.ɚ/という音の並びではあっても三重母音ではありません。通常は発音記
号の表記の中で音節の切れ目を示すことはしませんが、ここでは便宜上「.」でそれを示します。(そこで音を切るという意味ではありません)

flower (flow-er) /fláʊ.ɚ/ 花
power (pow-er) /páʊ.ɚ/ 力
tower (tow-er) /táʊ.ɚ/ 塔
coward (cow-ard) /káʊ.ɚd/ 臆病者

三重母音をいくつと考えるか、あるいはそもそも三重母音自体を認めるのか認めないのか、については二重母音の考え方がそのまま延長されます。


★/ɪɚ/, /ɛɚ/, /ʊɚ/ の発音

 これらの母音は、英式発音で / ɪər/, / ɛər/,/ ʊər/ となります。イタリック体の /r/ は、直後に母音と音のリンクを起こすときだけ現れます。

 米式発音の /ɪɚ/, /ɛɚ/, /ʊɚ/ を二重母音と見なさず /ɪr/, /ɛr/, /ʊr/ としている辞書もありますが、いずれの表記方法でも表そうとし
ている音自体は同じものですから、音声学的分類法や記号表記にこだわるよりも、「記号を参考にして音そのものを習得する」ことに重点を置いてください。

 発音の要領としては、英米式のどちらでも基本は同じで、最初の母音をしっかり強く発音した直後に舌の力をふっと緩めればよいのです。そのまま曖昧母音に移ればイギリス式の発音であり、そのとき /r/ を発音する位置に舌を持っていけば米式発音になります。 /ɛ/ の記号は重母音の中だけに現れますが、/e/ の発音をするときの左右の唇の引き方をやや弱め顎の開きがわずかに大きくなる程度の違いです。重母音ではあとに続く母音への移行のしやすさの関係で前の母音が多少変位することがありますが、この/ɛɚ/も同様で、/eɚ/というつもりで発音しても、前の母音/e/ が「直後に /ə/ や /ɚ/ を発音しようとして」自然に顎の開きがやや大きくなった結果です。

 辞書によっては /ɛ/ の記号を用いず、/eər/ といった表記により使う記号の種類を減らしているものもあります。
 米式 /ɚ/ は英式で /ər/ に対応します。直後の母音とリンクするときだけスペルの r が音として現れますが、母音が続かない場合、 r は発音されません。簡略化のためにここでは米式発音のみ示しますが、リンク先のOALDには /ɪə(r)/ と英式も示されています。
(括弧に入った/r/ は本書のイタリック体の /r/ と同じ意味です。)
Pronunciation Guideにおいて、Oxford Advanced Learner's Dictionaryは、次のようにアメリカ英語の二重母音について述べています。

http://oald8.oxfordlearnersdictionaries.com/pronunciation.html

The three diphthongs /ɪə eə ʊə/ are found only in British English. In corresponding places, American English has a simple vowel followed by /r/, so near is /nɪr/, hair is /her/, and pure is /pjʊr/.

 この解説に従うと near, hair は単母音音節です。
 そうだとすると fire は /faɪr/ という二重母音音節にならなければならないのですが、

http://oald8.oxfordlearnersdictionaries.com/dictionary/fire

 このように fire を /ˈfaɪər/ としている点は一貫性に欠けると感じます。 hear, hair (さらに hearなども)を二重母音ではないとするなら、同じ考え方で fire は /faɪr/ と見なされてよいところでしょう。

 これは現実には同じ音である /ɚ/ と(音節末尾の)/r/ のあつかいに関係してきます。その「同じ音」を母音(/ɚ/)とみなすか子音(/r/)と見なすかという立場の相違によって二重母音や三重母音の数え方が変わってきます。

bird の発音を /brd/ と表記するような辞書だと /r/ さえ使われ方によっては母音とみなされているともいえるわけで、それはそれで1つの考え方かと思います。

 私の立場としては/r/を常に子音、/ɚ/を常に母音と扱うので、二重母音や三重母音の数はそれを元に決められることになります。
 また重母音は「1音節に含まれる母音」であるので li-ar という語は「二重母音音節+単母音音節」となり、聴感上の区別がつかないとしても三重母音には含めません。ゆっくりめに音節を意識して発音してみると fire は第1、第2、第3母音へと音のボリュームが下がっていきますが、liar では li-の二重母音のあと -ar でしきりなおしたように /ɚ/ のボリュームがやや上がっていると感じます。(これはOALDの fire, liar を聞き比べたときにも感じました。)
>>[14]

私としては、やはり英米それぞれの発音表記をしている辞書を一つ選び、その辞書の発音表記体系をそのまま採用し、発音記号もそれに沿って使ったほうが良いかと思います。

色々な主張があるのは事実ですが、あくまで英語学習上のツールとして発音記号を学習するわけですから、発音記号について論じるわけでも、音声学を学ぶわけでもありません。学術的な勉強をするのであれば別ですが、英語学習が目的の場合、さまざまな考え方を示すことがメリットになるとは思えません。結局、自分はどう考えればいいのだ、という疑問しか出てこないのではないでしょうか。

どの発音記号であっても、それに対する反対意見があるはずだと思うのですが、ひとつの辞書の発音記号体系を採用すれば、少なくとも一貫性は図られます。それに、音声学の一専門家が決めた発音記号体系ですから、信頼もおけます。

今回の表で気になることをあげるとすれば、以下のような点です。

(1) 短母音の ə や ɚ というのは存在するのか

(2) 米音の ɑːr と ɔːr の扱い
なぜ他のR付き母音のように ɚ を使ったり、二重母音として扱ったりしないのか。米音の体系性を考えれば、ɑɚ ɔɚ ɪɚ ɛɚ ʊɚ として、すべて二重母音扱いが妥当なのではないか。

(3) simple vowels と complex vowels の区別
日本語では simple vowels も monophthongs も「単母音」と訳しているのであれば、simple vowels と complex vowels の欄は不要なのではないか。

(4) 註1と註2について
これらの母音を「単母音+r」(=「単母音+子音r 」?)と扱う音声学者はいるのか。表記として r を使っているだけで、二重母音として扱っているのではないか。

(5) 註3について
英音において、母音が後続するときのみ発音される、フランス語のリエゾンのような語末の r をイタリック体で表記する辞書や音声学の本はあるのか。
※私は (r) や上付きrの表記は見たことがありますが、イタリック体でこれを表記している辞書は見たことがありません。

(6) 英音のイタリック体の r について
表のなかにイタリック体のrがついた母音があるが、これでは bird の ir など、常に母音が後続しない əː などを母音として認めていないことになってしまう。
表内では əː と表記したうえで、「註3」に、「母音の後ろにイタリック体のrが付いている場合は…」と注記を入れるべき。
>>[19]


(1) 短母音の ə や ɚ というのは存在するのか

 単母音と重母音の区別に対して、母音の「長短」は英語において弁別的ではありません。あとに続く子音によって同じ母音でも長めになったり短くなったりし、それを事実に即して調音記号を使っていたりいなかったりもします。ですから私も「長短」に関してはあまり触れていません。

(2) 米音の ɑːr と ɔːr の扱い
なぜ他のR付き母音のように ɚ を使ったり、二重母音として扱ったりしないのか。米音の体系性を考えれば、ɑɚ ɔɚ ɪɚ ɛɚ ʊɚ として、すべて二重母音扱いが妥当なのではないか。

 これは「r-colored vowel」の中で /ɚ/ のみが発音の duration を通じて音変化がなく、あとの /ɑːr/, /ɔːr/ は通常の長母音の末尾にかけて /r/ が現れるという質のことなるものなので、ɑːr と ɔːr を /ɚ/ と同列には扱いませんでした。

(3) simple vowels と complex vowels の区別
日本語では simple vowels も monophthongs も「単母音」と訳しているのであれば、simple vowels と complex vowels の欄は不要なのではないか。

 決まった訳語がないんです。「simple vowel」を「単純母音」とすることも考えましたが、「単母音」という日本語が分類レベルとして「simple vowel」と「monophthong」のどちらを指す場合もあるとすることでよしとしました。日本語訳はむしろ補足的であり、分類は英語名称を中心に見てください。


(4) 註1と註2について
これらの母音を「単母音+r」(=「単母音+子音r 」?)と扱う音声学者はいるのか。表記として r を使っているだけで、二重母音として扱っているのではないか。

 そう考えません。二重母音としてしまうと /r/ も母音と見なさなければならず、私はこれを「常に子音」とします。「単母音+r」という「1つの母音」と考え、それに従って母音の数も決めました。ですから私の立場においては一貫性が保たれています。

(5) 註3について
英音において、母音が後続するときのみ発音される、フランス語のリエゾンのような語末の r をイタリック体で表記する辞書や音声学の本はあるのか。
※私は (r) や上付きrの表記は見たことがありますが、イタリック体でこれを表記している辞書は見たことがありません。

 これは書籍ごとの凡例の問題でしょう。私はこのイタリック体の/r/が記憶にあったのでそれを採用したまでです。別に括弧に入った r でもよかったのですが、「発音してもしなくてもよい」という解釈をされることをさけました。

(6) 英音のイタリック体の r について
表のなかにイタリック体のrがついた母音があるが、これでは bird の ir など、常に母音が後続しない əː などを母音として認めていないことになってしまう。
表内では əː と表記したうえで、「註3」に、「母音の後ろにイタリック体のrが付いている場合は…」と注記を入れるべき。

 発音表記として bird のイギリス英語にはəːと書きました。「スペルのrが後続の母音とリンクする場合に音として現れる」というのが əː+(r)ですから、最初から母音が後続しないことが明確な bird では(r)すら自動的になくなるという考えです。
bird
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=bird&dtype=1&dname=1na&stype=0&pagenum=1&index=007530000

 これなどイタリック体の r を使っていますね。ただし「アメリカ式では発音するがイギリス式では発音しない」という「一括表記」を目的としたものですが。

hair
http://dic.yahoo.co.jp/detail?p=hair&stype=0&dtype=1

 こちらは末尾の r がイタリック体なので「米英一括」という区別でもない、なんともおかしな表記です。ま、yahoo辞書は、IPAの使い方がもともとおかしいんですけど。

 いずれにしましても、書籍や辞書の中を通じて、凡例として一貫性があれば、「イタリック体の r はイギリス英語において後続の母音とリンクするときだけ音となって現れることを意味する」という目的で使用するのは問題ないと考えます。説明の中で明確にそれを示してもいますしね。
>>[17]
> 一方イギリス英語では、/aɪər/, /aʊər/という音の並びとなるため、末尾の/r/ が後に続く母音とリンクしてもしなくても、三重母音であることに変わりはありません。

イギリス英語であっても、/aɪ.ə/, /aʊ.ə/ と考えれば、母音の連続ととらえることはできるはずです。


> なお、「liar」という語は発音表記として/laɪɚ/ になりはしますが、これは「lie(嘘をつく)」という動詞に人を表す語尾の-ar(=-erのバリエーション)が接辞されたものなので、li-ar /láɪ.ɚ/ という2音節語です。従って「二重母音音節+単母音音節」という組み合わせなので、三重母音を含む語とは見なしません。

語の形成と、発音は関係ないのではありませんか?
また、liar を三重母音を含む語と見なさないということは、らうんどさんの解説の通りに解釈すると、「三重母音ではないため、その音のまとまりで1つの母音だという意識はもたないようにし、1拍の中に収めず、2つの母音を並べて発音する」ということになってしまいます。liar の母音を発音するときに、fire のように1音節で発音してはいけないものなのでしょうか??
私が発音を区別できていないために違和感を覚えました。


> このように fire を /ˈfaɪər/ としている点は一貫性に欠けると感じます。 hear, hair (さらに hearなども)を二重母音ではないとするなら、同じ考え方で fire は /faɪr/ と見なされてよいところでしょう。

これはこれで一貫性はあるのです。母音は ər と表記し、同じ音を子音として扱うときは r と表記するという一貫性です。
つまり、teacher は /tiː/ と /tʃər/ という2つの音節に区切ることができます。音節というのは母音をひとつ含んでいるものですから、第二音節は、/ər/ という母音を含むひとつの音節ととらえているわけです。同じように、fire も、/faɪ/ と /ər/ という2つの音節に分けてとらえているはずです。
一方、hear は /hɪr/ という1つの音節しかありません。もしも、ここで /hɪər/ という表記にしてしまうと、母音が含まれるため、 /hɪ/ と /ər/ という2つの音節に分けられることになってしまいます。
> 一方イギリス英語では、/aɪər/, /aʊər/という音の並びとなるため、末尾の/r/ が後に続く母音とリンクしてもしなくても、三重母音であることに変わりはありません。

>イギリス英語であっても、/aɪ.ə/, /aʊ.ə/ と考えれば、母音の連続ととらえることはできるはずです。

 母音が続いて現れるかどうかが重母音の条件ではなく「連続母音が1音節を構成するかどうか」です。
 アメリカ英語の here を/hɪr/としたら、それは「ɪ+r」であり単母音音節です。/hɪɚ/ と考えてはじめて二重母音だといえます。


>> なお、「liar」という語は発音表記として/laɪɚ/ になりはしますが、これは「lie(嘘をつく)」という動詞に人を表す語尾の-ar(=-erのバリエーション)が接辞されたものなので、li-ar /láɪ.ɚ/ という2音節語です。従って「二重母音音節+単母音音節」という組み合わせなので、三重母音を含む語とは見なしません。

>語の形成と、発音は関係ないのではありませんか?

 はい、語形成の説明は「だから2音節だよ」という根拠を示したものです。liarが「3重母音1音節語」ではないのは2音節語だからであり、確認したかぎりで liar を1音節語としている辞書はありませんでした。私も li-ar という「二重母音音節+単母音音節」として2音節語と見ますので、三重母音を含むとは判定しません。


>また、liar を三重母音を含む語と見なさないということは、らうんどさんの解説の通りに解釈すると、「三重母音ではないため、その音のまとまりで1つの母音だという意識はもたないようにし、1拍の中に収めず、2つの母音を並べて発音する」ということになってしまいます。liar の母音を発音するときに、fire のように1音節で発音してはいけないものなのでしょうか??
私が発音を区別できていないために違和感を覚えました。

 むしろfireのような三重母音1音節語を歌などでは「fi-re」と2拍の音符に当てていることがあるほどです。語形成の話も書いたのは、この liar を私が口にするとき「嘘+人」という2つの連続した意味を感じながら、それぞれに li-ar という2つの音節を発音しているからです。一定上のスピードではほとんど区別がなくなりますが、liarが2音節語である限りは、三重母音を含むとはいえません。


>> このように fire を /ˈfaɪər/ としている点は一貫性に欠けると感じます。 hear, hair (さらに hearなども)を二重母音ではないとするなら、同じ考え方で fire は /faɪr/ と見なされてよいところでしょう。

>これはこれで一貫性はあるのです。母音は ər と表記し、同じ音を子音として扱うときは r と表記するという一貫性です。

 ならば hear を /hɪr/と書くのがおかしくなります。
 hear が/hɪr/ なら fire は /faɪr/ としないと「同じ音の描写がまちまちに表記されている」ことになります。 hear では子音、fireでは母音という違いがなぜ生じるのか説明がつきません。(どちらも1音節語ですから)


>つまり、teacher は /tiː/ と /tʃər/ という2つの音節に区切ることができます。音節というのは母音をひとつ含んでいるものですから、第二音節は、/ər/ という母音を含むひとつの音節ととらえているわけです。同じように、fire も、/faɪ/ と /ər/ という2つの音節に分けてとらえているはずです。

いいえ、fireは1音節語なので1母音しか含ません。

liar (li・ar)2音節
http://www.merriam-webster.com/dictionary/liar
fire (fire)1音節
http://www.merriam-webster.com/dictionary/fire

 このように liarでは li・ar と2音節であることが示されているのに対して fire には「・」がなく1音節語だとわかります。OALEは見出し語、IPAのどちらでも音節を示していないので区別つきませんが、他の辞書では区別されています。

li-ar
http://dictionary.reference.com/browse/liar?s=t
fire
http://dictionary.reference.com/browse/fire?s=t




一方、hear は /hɪr/ という1つの音節しかありません。もしも、ここで /hɪər/ という表記にしてしまうと、母音が含まれるため、 /hɪ/ と /ər/ という2つの音節に分けられることになってしまいます。

はい、だからこそ、1音節語 fire を/ˈfaɪər/ と表記することに一貫性がないと言っているわけです。この表記では fire を2音節としていることになりますから。

http://en.wikipedia.org/wiki/Triphthong

上記 wikipedia でも fire を3重母音の例として出しており、「(compare with disyllabic "higher" [aɪ̯.ə])」と書いていますね。「音の並びだけ」としては higher も aɪ.ə を含みますが、「こっちは三重母音じゃないですよ」という比較ですね。だから li-ar も「二重母音+単母音」の2音節と見るわけです。
(1) 短母音の ə や ɚ というのは存在するのか


長さのことではありません。
でも、長さは弁別的でないのに、短母音と長母音を区別しているわけですよね?分類して「短母音」としてまとめている以上、長さでなくても何らかの共通点があるからそのように分類しているはずです。
何で区別しているかといったら、抑止母音か否かという点ではないでしょうか。
長さが関係ないからこそ、ə や ɚ が短母音のなかで仲間はずれになっているのです。



(2) 米音の ɑːr と ɔːr の扱い
> これは「r-colored vowel」の中で /ɚ/ のみが発音の duration を通じて音変化がなく、あとの /ɑːr/, /ɔːr/ は通常の長母音の末尾にかけて /r/ が現れるという質のことなるものなので、ɑːr と ɔːr を /ɚ/ と同列には扱いませんでした。

/ɪɚ/ など、他の r-colored vowels も、通常の ɪ という母音の末尾にかけて /r/ が現れるという性質のものです。/ɪɚ ɛɚ ʊɚ/ と、/ɑːr ɔːr/ を区別するものはありません。らうんどさんが仰ったように、英語では長さは関係ありませんし、音を聞いてみても、/ɪɚ/ において /ɪ/ を発音し始めてから /ɚ/ を発音し始めるまでの時間(=/ɪ/ を発音し続けている時間)より、/ɑ/ を発音し始めてから /ɚ/ を発音し始めるまでの時間(=/ɑ/ を発音し続けている時間)が長いようには聞こえません。
また、/ɑɚ/ や /ɔɚ/ は、/ɪɚ ɛɚ ʊɚ/ などと同様、途中で音変化がある音です。つまり、二重母音のはずです。
音変化のないとされている /ɚː/ や /iː/ などの長母音と同列に扱うのは違和感を覚えます。



(3) simple vowels と complex vowels の区別
> 分類は英語名称を中心に見てください。

これについては分かりました。




(4) 註1と註2について

これについてもOALDの発音表記で納得いたしました。

ただ、
> 私はこれを「常に子音」とします。「単母音+r」という「1つの母音」と考え…(以下略)
というのはどういうことでしょうか?
r を子音として扱うのであれば、「単母音+r 」のr は子音ですから、1つの母音として考えることはできないはずです。これが成立するのであれば、「単母音+b」や「単母音+k」という母音も成り立ってしまいます。



(5) 註3について
> これは書籍ごとの凡例の問題でしょう。

仰る通りです。
しかし、日本の多くの英和辞書ではイタリック体のrは英米の発音を一括表記するときに使われています。また、私は英和辞書や英英辞書の発音表記は注意して見ている方ですが、イタリック体のr をそういう意味で使っている辞書には見たことがありません。
凡例として一貫性があれば問題がないというのは仰る通りです。しかし、「別に括弧に入った r でもよ」いにも関わらず、アエテ英和辞書で使われている表記と同じ表記を、英和辞書とは別の意味で使うのは、英語学習者の混乱を招きかねないと思います。

どちらでも良いのですし、一貫性があれば問題はないのですから、混乱を招きかねないイタリック体にこだわる必要はないのではないでしょうか。


> 末尾の r がイタリック体なので「米英一括」という区別でもない、なんともおかしな表記です

リンク先が見れなかったのですが、語末のrがイタリック体なのは問題ありません。
日本の英和辞書はらうんどさんの使っているイタリック体とは異なり、英米発音の一括表記として使っているのです。たとえば、/hɛər/ (rはイタリック)という発音表記であれば、米音で /hɛɚ/(hɛr)、英音で /hɛə/ と発音されることを一括表記しているのです。
>>[25]

1、言われてみれば確かに father,farther の第1音節母音は同じなので r が音として続くことで「別母音」とするのはおかしいですね。アメリカ英語の母音から「ar, or」は外すのが論理的一貫性にかなってますね。再検討します。
 ə と ɚ は音色が違うので別母音でいいですね。

2、yahoo辞書の語末の r ですが、一括表記にさえなっていないと思います。もし一括表記なら「アメリカ式では発音し、イギリス式では発音しない」という意味でないと bird のときの表記と一致しません。母音があとに続くはずのない bird の中にイタリック体の r を混ぜると「イギリス式では後に母音が続くときだけ発音されるrを意味する」なんて冗漫な定義を理解しなければなりません。そもそもそこに r の音が常にまったくないのに記号だけあるなんてことになりますから、、。

>どちらでも良いのですし、一貫性があれば問題はないのですから、混乱を招きかねないイタリック体にこだわる必要はないのではないでしょうか。

 いまからまた100ページ以上に渡ってイタリックrを(r)に直し、画像データも作りなおすのが面倒というのが一番大きな理由ですかね(^^;

 それに調音記号を括弧に入れたり、「発音するかどうかは任意」の意味で括弧は使いたいので。

 しかし、すごい時間に起きてますねー。
 私は明日まで仕事が休みだからいいんですが、、。
> アメリカ英語の here を/hɪr/としたら、それは「ɪ+r」であり単母音音節です。/hɪɚ/ と考えてはじめて二重母音だといえます。

それは、らうんどさんの言う、「子音の場合は /r/ と表記し、母音の場合は /ɚ/ と表記する」という方針で考えた場合の話です。

上にも書いたように、音節をなす独立した母音の場合は /ɚ/ と表記し、二重母音の一要素の場合は /r/ と表記するという考え方の音声学者もいるのです。(記憶を頼りに書いているので、正確さは欠くかもしれませんが、考え方としてはこういう考え方だったはずです)

>> 語の形成と、発音は関係ないのではありませんか?
> はい、語形成の説明は「だから2音節だよ」という根拠を示したものです。

矛盾しているような気がするのですが、語の形成と、発音は関係ないのですから、根拠にはなりえないのではないでしょうか。
発音の話に語形成は持ち出すべきではありません。発音上の区別があるかどうか、という話です。


> liarが「3重母音1音節語」ではないのは2音節語だからであり、確認したかぎりで liar を1音節語としている辞書はありませんでした。私も li-ar という「二重母音音節+単母音音節」として2音節語と見ますので、三重母音を含むとは判定しません。

つまり、らうんどさんは fire と liar の母音の発音を区別されているということでしょうか。
私も、辞書では li.ar という区切りしか見たことがありません。
しかし、これでは fire の母音とは発音方法が異なることになってしまいます。辞書の区切りは音節の区切りを示しているのでしょうか?
自分自身この区別をしていないので、非常に疑問に感じました。私が発音をしっかり身に付けられていないだけなのでしょうか?
私はこの発音の区別を指導することができません。これについては、ぜひぜひ発音方法、指導方法などご教授願いたいところです。


> むしろfireのような三重母音1音節語を歌などでは「fi-re」と2拍の音符に当てていることがあるほどです。

そうなんですか!?それは存じませんでした。
ということは、これは三重母音ではなく、/aɪ + ɚ/ ということになりますね。




> ならば hear を /hɪr/と書くのがおかしくなります。
hear が/hɪr/ なら fire は /faɪr/ としないと「同じ音の描写がまちまちに表記されている」ことになります。 hear では子音、fireでは母音という違いがなぜ生じるのか説明がつきません。(どちらも1音節語ですから)

どちらも1音節語だとはOALDには一切書かれていません。
OALDが一貫性を持たずに適当に r と ər を使い分けているはずがないとは思いませんか。
まずはそう考えて、どのような一貫性があるのだろうかという視点で見ていってみてください。fire の母音部分の表記に /ər/ を使っていて、teacher の er の部分にもこの記号を使っている…と一つひとつ考えていくと、r というひとつの音を母音とみるか子音とみるかで表記を分けているという考えに行き着きませんか。
そうすると、「どちらも1音節語である」という点と矛盾を起こすわけですが、OALDにはそんなことは一切書いていないわけですから、OALDでは fire と liar の母音部分を区別していない(=どちらも2音節語)という結論に至るわけです。


> 1音節語 fire を/ˈfaɪər/ と表記することに一貫性がないと言っているわけです。この表記では fire を2音節としていることになりますから。

「OALDがfireを2音節語として捉えている」という可能性と、「OALDは学習者用英語辞書のなかでも権威ある辞書であるので、発音表記にはちゃんと一貫性がある」という可能性は考えられないでしょうか。
OALDがfireを2音節語として捉えているという可能性を無視するから、あのOALDに一貫性がないという驚くべきことが出てきてしまうのであって、この可能性を考えれば、ちゃんと一貫性はあります。



音節については不勉強なので分からないのですが、Merriam-WebsterやDictionary.com、それから英和辞典で見出し語が区切られているのは本当に音節の区切りなのでしょうか。
音節とは一体何なのでしょうか。



> 上記 wikipedia でも fire を3重母音の例として出しており、「(compare with disyllabic "higher" [aɪ̯.ə])」と書いていますね。「音の並びだけ」としては higher も aɪ.ə を含みますが、「こっちは三重母音じゃないですよ」という比較ですね。だから li-ar も「二重母音+単母音」の2音節と見るわけです。

確かにそのように書いてありますし、ちゃんと意味は分かっているつもりです。
ただ、私自身がこの音の区別が分からないのです。
らうんどさんは、fireタイプと、liarタイプの2種類を区別して発音されてらっしゃるのでしょうか?
>>[27]

>> アメリカ英語の here を/hɪr/としたら、それは「ɪ+r」であり単母音音節です。/hɪɚ/ と考えてはじめて二重母音だといえます。

>それは、らうんどさんの言う、「子音の場合は /r/ と表記し、母音の場合は /ɚ/ と表記する」という方針で考えた場合の話です。

 いえ、すでに引用したとおり、

The three diphthongs /ɪə eə ʊə/ are found only in British English. In corresponding places, American English has a simple vowel followed by /r/, so near is /nɪr/, hair is /her/, and pure is /pjʊr/.

 と OALD でも「これらはアメリカ英語では二重母音ではなく、単母音に/r/が続いたものだ」と書かれていますね。


 語形成の話を出しているのは、このあとに続く「語彙力増強法」で接頭辞や接尾辞の伏線でもあります。liar には「lie + -er」という「2つの音節それぞれが持つ意味」があり、その組み合わせとして liar という単語の意味を(語源要素が現れる順序で)感じ取るものです。2つの意味だから2つの音なんです。私は、liar という音の流れの中に「lie + -er」を感じています。「うそ+つき」のように。

>私も、辞書では li.ar という区切りしか見たことがありません。
しかし、これでは fire の母音とは発音方法が異なることになってしまいます。辞書の区切りは音節の区切りを示しているのでしょうか?

 これは先の wikipedia の記事を参照していただくと納得されるのではないでしょうか。 fire は三重母音だけど higher は違う(二重母音+単母音)だという記述です。

「fire」という三重母音語を「歌の中」では「2重母音+単母音」のように譜割していることがあるのは事実ですが、「歌唱法」をそのまま一般の発音に持ち込んではならないといわれています。これは先の r-colored vowel の/ɚː/について歌唱法では/əː/の「末尾」に/r/を添えるのが一般的ですが、それは「少しでも口をはっきり開けて通りのよい声を出す必要がある歌唱法」の中だけのようです。(歌唱発音には sea-sonの第2音節を/ɔ/でしっかり発音するなど、会話の発音とはことなるものがいくつかあります。)

https://en.wikipedia.org/wiki/R-colored_vowel

In singing

Dropping or weakening of r-colored vowels when singing has traditionally been nearly universal and a standard part of vocal training, but there are now numerous exceptions, including many Irish singers and many performers of country music; though this is not universal. In certain particular cases, a vowel + r is pronounced as two syllables instead, a non-rhotic vowel followed by a syllabic r.

なお発音の指導としてはサイトの中にある増補ビデオでいろいろ触れています。今回の fire と li-ar なら一定のテンポで机を叩きながら、1拍の中に1音節を収めてみると分かりやすいのではないでしょうか。

fire, fire, fire, fire (4拍)
li - ar , li - ar (4拍)
>>[28]

>どちらも1音節語だとはOALDには一切書かれていません。

OALDでは beautiful のような語でも音節を知る手がかりがありません。他のどの辞書でも今のところ、fire と liar が音節的に区別されています。

>OALDが一貫性を持たずに適当に r と ər を使い分けているはずがないとは思いませんか。

 さあ、わかりません。私は権威を鵜呑みにしませんので。
 少なくとも他の多音節語でさえ、何音節あるのかまったく示されていませんし、他の辞書と照らし合わせてみて fire を2音節を考える気がおきません。liarは2音節ですが。

 むしろ私は OALD にだって間違いや多少の論理的非整合性が見つかってもおかしくない、と考えています。OALDだから間違っているはずがない、という前提を持ってしまうとかえってよくないでしょう。

>音節とは一体何なのでしょうか。

 このコミュはサイトのサポートコミュなので、基本的にサイトの中や増補ビデオで解説したことはそちらにゆだねさせていただきたいと思います。

 音節って案外大事だと思います。
 個々の音素の発音がかなり上手な人でも目をつぶって聞いていて「ん?日本人かな?」となんとなくわかる人の発音は、limit が li-mit, mother が mo-ther のように「日本語の発音習慣」によって英単語の音節を感じてしまっている場合が多いと思います。これらを lim-it, moth-er とアクセントのある第1母音に直後の子音までつけて一気に発音し、その位置から次の母音を読むという発音をしている人は実際日本人ではまれです。ゆっくり読めば読むほど、そういう英語本来のリズムと日本語の発音習慣の格差が如実に見えてくると思います。

>らうんどさんは、fireタイプと、liarタイプの2種類を区別して発音されてらっしゃるのでしょうか?

 はい、それほど意識していませんでしたが、今回のことで自分自身が「lie - er = liar」と2つの意味をそれぞれの音節に感じて読んでおり、それが「二重母音+単母音」という読み方になっていると自覚しました。
r-colored vowels で /ɚ/ のみ補助記号を用い、/ɑːr, ɔːr/ については用いないことについて。

 これは /ə/ と /ɚ/ が違う音色であることで記号の区別をします。
 そして長音として現れたときも /ɚ/ を伸ばせばよいという意味で /ɚː/ とします。

 一方、/ɑːr, ɔːr/ は /ɑː, ɔː/の「発音の最中に /r/ へと移行する」という意味で独立記号とします。ここで特殊記号を使ってしまうと /ɑː, ɔː/とは「違う音色を伸ばす」と見えてしまいますが、出だしの発音は同じなので /ɑː, ɔː/のままとして末尾に r を添えた方が現実の発音により近いイメージを感じます。

 事実、r-colored vowels の中で発音要領が /ɚː/ と他の /ɑːr, ɔːr/ では違っているので、私が採用する表記方式の方がその区別もつくと感じます。他の母音+/r以外の子音/ を別母音としないのは、その「母音を発音し終わってから次の子音を発音する」からであり、その母音の発音中に次の b, d, t などを発音しはじめるわけではない点において「d-colored」や「t-colored」の母音はないからです。/r/ へと発音の最中に質が変化する /ɑːr, ɔːr/ を個別母音と見なすのは適切だと思いますし、かといってこの2つに/ɚ/のような特殊記号を与えてしまうと「出だしの音の出し方から違っていて、それを伸ばす」と誤解されると思います。(その意味で ɔ,ɑ に rの尻尾をつけた記号は不要だと思います。)
 あるいは /ɚ/ のみを r-colored vowel として認め、他の /ɑːr, ɔːr/ は除外するというのは1つの考え方かと思います(どんな子音があとに続いてもその発音準備のため多少は母音発音の最中に調音器官は動きを始めますから)が、ɑːr, ɔːr, ɚː の3つをどの解説でも「r-colored」としているので、あまり独自すぎる主張をするのもどうかと思いました。

 一部辞書では見かけるのですが、思い切って長音記号を一切使わないという方針も考えました。その母音の長短は、あらかじめ区別され決まっているのではなく、あとに続く子音の特質や語中アクセントの位置、あるいは米式発音の特徴として同じ母音文字でも色々な長さとして現れるというのが、より正しいことだと思うのですが、その方式を取ってしまうと「視覚的、直感的」に「短く発音しておけばいいんだ」という誤解を招く危険性が大きいと感じたので、やっぱり長音記号は残すことにしました。

 解説文の中で繰り返し書いているのですが、執筆者としてできる限りの論理的一貫性を保ちつつ、「記号は参考」として考えてもらい、常に実際の音声サンプルから正しいイメージをつかんでほしいと思っています。耳から聞いた印象だけでは適切な調音が困難なので一通りの記号は解説しますが、「いかなる工夫を凝らした音符でも作曲者の意図を完全に伝えきれないし、指揮者によって演奏解釈は異なってしまう」ものであり、だからこそ、すべての発音記号をクリックすると辞書の音声サンプルへとリンクするようにしています。(1000箇所以上リンク設定したでしょうか、、、)
1、
> 言われてみれば確かに father,farther の第1音節母音は同じなので r が音として続くことで「別母音」とするのはおかしいですね。アメリカ英語の母音から「ar, or」は外すのが論理的一貫性にかなってますね。再検討します。

あれれ?
ちょっと私の意図したこととは違うように受け取られてしまったように思います…。
米音の場合、母音体系から ar と or は絶対に外さないべきです。これらを外している辞書はありません。
father と farther の第一音節の母音は同じではありません。/ɑː/ と /ɑɚ/ というまったく別の音です。英音では同じになってしまい、話が厄介になるので、英音は忘れ、米音だけで考えてみてください。
最初の部分を /fɑː/ と発音するか /fɑɚ/ と発音するかで別の語になってしまうわけですから、同じ音とは言えず、別の音としてどちらの音素も認めなければ、それこそ論理的一貫性に欠けます。

father と farther の第一音節の母音を同じとし、ひとつの母音としてまとめてしまうことは、tailor と teller の第一音節の母音を同じとし、ひとつの母音としてまとめてしまうようなものです。これについては以前も指摘させていただきましたが、出だしの音が同じなだけで、音としては別の2種類の音です。1種類の母音としてまとめたうえで、「r がつくバージョンと、rがつかないバージョンがあるよ」と説明することはできないものです。



2、yahoo辞書の語末の r ですが、一括表記にさえなっていないと思います。もし一括表記なら「アメリカ式では発音し、イギリス式では発音しない」という意味でないと bird のときの表記と一致しません。

yahoo辞書の発音表記というのが以下のような表記のことであれば、問題ありません。また、これらは日本の英和辞典の英米一括表記では一般的なものです。
ア./bəːrd/(rはイタリック)
イ./tiːtʃər/(rはイタリック)

これは以下のように解釈するのです。
ア.米音/bəːrd/、英音/bəːd/
イ.米音/tiːtʃər/、英音/tiːtʃə/

ちゃんと「アメリカ式では発音し、イギリス式では発音しない」という意味になっています。日本の英和辞典では、単語の発音表記において、「英音では母音が後続するときのみ r を発音する」ということは一切示していないのですから、これでちゃんと一括表記ができています。

> いまからまた100ページ以上に渡ってイタリックrを(r)に直し、画像データも作りなおすのが面倒というのが一番大きな理由ですかね(^^;

イタリックrがそんなに出てくるのですか?
母音が後続するときにrを発音するというのは個々の単語の発音の問題ではなく、音の連続の問題なので、OALDのようにそれをいちいち表記する必要はないと思います。日本の英和辞典ではこれは表記していません。

英和辞典で英米の一括表記に使われているイタリックのrが、英音の発音表記に使われているというのは、かなり重大なことだと思います。
かなり面倒なことであっても、イタリックrを除いたほうが良いような気がします。(r)に直す必要はありません。英和辞典の表記に合わせ、なくしてしまうのがベストです。

また、母音一覧において、「母音が後続する場合に発音されるr」を入れてしまうことにも問題があると思います。rを含んだ状態でひとつの母音になっているのではなく、母音としてはあくまでrを含んでいません。それに、英音では law and order が lawr and order と発音されるなど、綴りにない r が発音されるという intrusive r という現象があります。
ですので、母音一覧では r を含まない状態のままで入れておき、注意書きで「(r) は母音が後続するときのみ発音されることを示す」などと入れるべきです。
括弧つき(イタリック)であったとしても、元から r が入っていると、bird の母音はどれかと探したときに、母音一覧にないことになってしまいます。
bird の母音は /əːr/(rはイタリック)だ、と答えるとするのであれば、それこそ、「「イギリス式では後に母音が続くときだけ発音されるrを意味する」なんて冗漫な定義を理解しなければ」ならなくなってしまいます。



私の本棚にある音声学の本が確認できない状況であるとお伝えしましたが、自宅にいないという状況でして…。ちょっとゆっくりできるのです(笑)
fireは何音節?についての検索結果

 基本的に1。しかし韻律の関係(=歌唱法にもつながる)で2音節で読むこともある、という意見。辞書でも「どちらでもよい」とするものあり。
 また「これは1音節!」と断定する声もあり。

http://www.learnersdictionary.com/blog.php?action=ViewBlogArticle&ba_id=55

"Fire": one syllable or two?
Wednesday, January 28, 2009

The word fire can be pronounced with one syllable or two.

Shelly asks if fire is one syllable or two because her students are using the word in haiku.

Our Pronunciation Editor Josh Guenter responds:

The word fire can be pronounced with either one or two syllables.

Native speakers can rhyme fire with higher or not.

The word higher is always two syllables. Hence, if you rhyme fire with higher, then you are pronouncing fire with two syllables, whereas if you don't rhyme these two words, then you are pronouncing fire with just one syllable.

http://www.howmanysyllables.com/words/fire

How many syllables in fire?
1 syllable


http://english.stackexchange.com/questions/36097/how-many-syllables-are-there-in-the-word-fire

If more than one syllable means you can hyphenate the word, then "fire" has only one. We cannot have "fi-" at the end of one line and "re" at the beginning of the next. – GEdgar Jul 30 '11 at 1:46

http://forum.wordreference.com/showthread.php?t=2570757

その他
http://search.yahoo.co.jp/search?p=fire+syllable&search.x=1&fr=top_ga1_sa&tid=top_ga1_sa&ei=UTF-8&aq=&oq=
>father と farther の第一音節の母音を同じとし

 これはそういう音声学書籍が実際あります。
 「英語音声学(朝日出版社、松井千枝 著)68ページ」

 でも結論的に(すでに入れ違えで投稿しましたが)r-colored vowelsを3種として、特殊記号は ɚ のみとします。

>かなり面倒なことであっても、イタリックrを除いたほうが良いような気がします。(r)に直す必要はありません。英和辞典の表記に合わせ、なくしてしまうのがベストです。

 私の書籍の中における整合性は取れていますし、説明も繰り返し行っているので問題はないかと思っています。解説書では、ちくいち英米の発音を並べて書いており一括表記は用いていません。ですから英式発音で r がないものには記号も当然書かれておらず、「あとの母音とのリンクで音が現れる場合」のみをイタリック r で示しています。
>> それは、らうんどさんの言う、「子音の場合は /r/ と表記し、母音の場合は /ɚ/ と表記する」という方針で考えた場合の話です。
> いえ、すでに引用したとおり、
> The three diphthongs /ɪə eə ʊə/ are found only in British English. In corresponding places, American English has a simple vowel followed by /r/, so near is /nɪr/, hair is /her/, and pure is /pjʊr/.
> と OALD でも「これらはアメリカ英語では二重母音ではなく、単母音に/r/が続いたものだ」と書かれていますね。

そうです。
ですから、私が申し上げている通り、「アメリカ英語の here を/hɪr/としたら、それは「ɪ+r」であり単母音音節です。/hɪɚ/ と考えてはじめて二重母音だといえます」というのは、らうんどさんやOALDのように、「子音の場合は /r/ と表記し、母音の場合は /ɚ/ と表記する」という方針で考えた場合の話なのです。

「子音の場合は /r/ と表記し、母音の場合は /ɚ/ と表記する」という方針ではない方針もあるのです。」
/hɪr/としたら、それは「ɪ+r」であり単母音音節だとは言い切れません。どういう方針でどういう使い分けをしているのかが分からない限り、表記だけでは断定できません。
私の持っている本では、r を二重母音のひとつの要素として考え、子音として捉えていない音声学者がこの表記を使っています。



> 「fire」という三重母音語を「歌の中」では「2重母音+単母音」のように譜割していることがあるのは事実ですが、「歌唱法」をそのまま一般の発音に持ち込んではならないといわれています。これは先の r-colored vowel の/ɚː/について歌唱法では/əː/の「末尾」に/r/を添えるのが一般的ですが、それは「少しでも口をはっきり開けて通りのよい声を出す必要がある歌唱法」の中だけのようです。(歌唱発音には sea-sonの第2音節を/ɔ/でしっかり発音するなど、会話の発音とはことなるものがいくつかあります。)

確かに、歌のなかでの発音をあてはめて考えてはいけませんでしたね。
season と言えば、Seasons of Love という曲で、season の son を強母音で歌っていました。「シー、ゾン、ゾヴ」と、はっきり。



> OALD にだって間違いや多少の論理的非整合性が見つかってもおかしくない、と考えています。OALDだから間違っているはずがない、という前提を持ってしまうとかえってよくないでしょう。

まったく仰る通りです。
私の言いたかったのはちょうど逆のことですが、多くの辞書が同じことを書いているからといって、間違っているはずがないという前提を持ってしまうことが良くないということを言いかったがために、あのような表現になってしまったのです。決して私はOALDだから間違っているはずがないという前提を持っているわけではありません。

一度OALD以外の多くの辞書の権威を疑ってみてください。多くの辞書が liar と fire の母音を区別しているからといって、その音節の分け方が間違っているはずがないのでしょうか。むしろ私は liar と fire の母音を区別することを疑っているのです。

OALD以外の辞書の権威のみを信じて疑わないからこそ、OALDに論理的非整合性が見つかるのだと思います。OALD以外の辞書を一度すべて忘れ、OALDの一貫性を一度理解し、両方を納得したうえで、どちらが正しいか客観的に判断すべきだと思います。



> 音節って案外大事だと思います。

私の疑っているのはまさにここです!
音節が大事だとはとても思えないのです。limit を li.mit と捉えようが、lim.it と捉えようが発音は同じではないでしょうか。

たとえば、らうんどさんは English はどのように音節を区切られますか?
>>[35]

>私の持っている本では、r を二重母音のひとつの要素として考え、子音として捉えていない音声学者がこの表記を使っています。

 それについては「私はrを常に子音とする立場」という言葉から、「そうでない立場の人もいる」ことを認めていると理解されたと思っていました。r を母音扱いしている学者もいるからこそ出た言葉です。

>OALD以外の辞書の権威のみを信じて疑わないからこそ、OALDに論理的非整合性が見つかるのだと思います。OALD以外の辞書を一度すべて忘れ、OALDの一貫性を一度理解し、両方を納得したうえで、どちらが正しいか客観的に判断すべきだと思います。

 そうしているつもりなんですが。
 OALDなりの一貫性があるとしても、私には fireを2音節と見ることを優先する気になれないんですね。「多くの辞書ではどう扱われているか」を踏まえていることと、何度も繰り返しになりますが、 liar に lie+-erの意味を感じているのに対して fire はOEでfyrという1要素ですからね。

>音節が大事だとはとても思えないのです。limit を li.mit と捉えようが、lim.it と捉えようが発音は同じではないでしょうか。

 音節の捉え方が違うことで、どの程度の差が生じるかはサイトとビデオの両方でも述べています。通じる、通じないを分けるほどのものではなく、私がいう「大事」というのは、母国語訛りを脱却して「もう一皮向けた上級発音」に到達するかしないかの分かれ道という意味での「大事」です。日本人がゆっくり「こんにちは」というときの音節の取り方と、英語話者が「カニチワ」と読んでしまうくらいの印象差です。

 motherをmo-therと捉えていると「かあさん(KA-sang)」を「かす・さーん(KAS-ang)」と読んでいるくらいの訛りを感じます。
 あとこれもビデオで述べていますが、今でこそ自動化されて意識せずすみますが、手動タイプライターの時代だった私は、ハイフォネーションを知らないと行末の単語をどこで切るべきかを正しくできないという問題もありました。

>たとえば、らうんどさんは English はどのように音節を区切られますか?

習慣的に Eng-lish と発音していますが?

http://www.merriam-webster.com/dictionary/english

En-glish, Eng-lish の両方が認められており、このように必ずしも音節の切り方を1種類のみとしていない語も確かにあります。それは「どちらでもよい」とされているのだから、どちらでも構わないのですが、じゃあ、English を E-nglish としてもいいのか?というとそれはだめですね。

 mother を mo-ther、limit を li-mit とするのは English を E-nglish や Engl-ish とするようなものです。

 つまり複数の音節の切り方がある語が存在するというのと、音節はどうでもいい、というのはまた別です。
言葉というのは「音を通じて意味を伝えよう」とするものですから、逆に言えば「意味に応じて音の出し方」がコントロールされます。どこにアクセントを置かれるかなど、多くの場合、語源的意味を背景にしていますね。

agree(a-gree)は、"favorably, of good will"を意味するa gré というフレーズからできていることから -gree に意味の中心がありアクセントが置かれます。a-は接頭辞で ad-(=toward)のバリエーション。

disagreeとなっても「dis-(not) + a(=toward) + GREE」という意味の配分があるから dis-a-gree と読みたくなります。これを「di-sag-ree」と発音しも通じますが、「意味の乗っていない音」に感じるんです。

 英語は音声習慣でアクセントのある母音が前後の子音を吸着して1音節を作ろうとします。そういう習慣を共有しているもの同士の音の扱いは互いに自然(ネイティブ的)に感じられますが、その習慣から逸脱した読み方は、その人の母国語の習慣をひきずった訛りを感じます。

Eng-lish, En-glishはいずれも英語話者の言語習慣の範疇なので「どちらでも自然」に感じられますが、E-ng-li-sh とまでやれば「いかにもカタカナ風の『イングリッシュ』」にしばられているという印象を受けますよね?私がいう「音節が意外と大事」というのは、そういう母国語習慣からの更なる脱却をなすために、なんです。「通じればいい」というだけの目標で発音を学ぶ人には「別にそこまで」というものだと思います。それについてはサイトの中でも、ビデオの中でも、どういう観点において大事なのか?を述べています。そのあたりを踏まえた上でのご意見を頂戴できるとありがたいです。
「fire」と「higher」について前者を1音節、後者を2音節とするのは、意味の単位が前者が1、後者は2であることと関係すると感じます。

 「high(高い)」に対して「『もっと』+『高い』」という2つの意味を high-er に感じているからです。

 higherを三重母音一音節にしてしまうと、highest 同様でなければならなくなり、/háɪ-ɪst, háɪ-est/が、/háɪɪst, háɪest/ として、/áɪɪ, áɪe/ という新たな三重母音が生まれてしまいます。

 higherとfireの発音区別がしにくいと感じたら、highest の方を先に数回口にしてみて high-est の -est に1音節を与えてから同じリズムで high-er と読めばしっくりくるでしょう。その際音だけでなく「high」と「-est, -er」にリアルタイムの意味を感じながら音声化することが感覚練成にとって大切だと思います。

 そのあとで li-ar を口にしてみると 「lieを」+「つく人」という意味を感じながら li-ar の各音節が口にできるでしょう。音と意味をシンクロさせる感覚を身につけるための訓練指針の1つとして、音節の考え方は「案外重要」だと思います。
 今回の電子書籍の記述に合わせて、「3D PHONETICS」のボタンや調音点一覧に用いられていたIPAも修正しました。

 さらに音声解説の内容も一部、再録音する予定です。
 新バージョンの公開は今月末くらいを計画しています。

 また増補教材ビデオの「長母音、二重母音など」についても、電子書籍と同じ立場での解説とするため、三重母音の例を差し替え、再制作します。
 なお新バージョンの「3D Phonetics」公開の時点で、古いバージョンをお持ちの方は無料でのバージョンアップができます。詳細は完成後サイトで発表いたします。
OALDでの fire と liar の音節の分け方について分かったことがありましたので、書き込みます。

> OALE(Jay注:OALD)は見出し語、IPAのどちらでも音節を示していないので区別つきませんが、他の辞書では区別されています。

これについて私は「OALDでは fire も liar も二音節語として捉えているため、これらの母音部分を aɪr ではなく aɪər と表記しているのではないか」と主張していました。
そうだと考えれば、音節をなす母音として捉えているときは ər と表記し、この音が音節をなす主要素ではない子音として捉えているときは r と表記するという一貫性があるからです。


そして、自宅を離れている今、確認することのできる紙辞書がたまたま Oxford Practical English Dictionary という Oxford の出している学習者用英英辞書だったので、これを確認しました。
この辞書は北米英語(カナダ英語とアメリカの英語)に特化した辞書です。
カナダ英語とアメリカの英語しか扱っていなく、イギリス英語についての記述は一切ないようです。たとえば、発音表記などでイギリス英語の表記はありませんし、color を引くと、見出し語として「color (Cdn colour)」とあります(凡例によると Cdn は Canadian English の略とのこと)。

また、発音表記体系をOALD(オンライン版)のAmEの欄と照らし合わせると、一致しています。
つまり、
fire /faɪər/
liar /laɪər/
となっているわけです。

しかし、見出し語では
fire
li・ar
となっており、凡例にはこの「・」という記号について Dots show how to divide words into syllables とあるため、

「OALD では fire を1音節、liar を2音節と捉えている」

ということが分かりました。

よって、私の主張していた仮説は間違っていたことになります。
となると、らうんどさんの主張なさっていたOALDの発音の一貫性の欠落は的を射ていることになると思われますので、私もこの仮説を撤回したいと思います。

やはり、らうんどさんの主張なさっている通り、OALDの発音表記体系は一貫性を欠いていると、私も考えるようになりました。

これについては大変勉強になりました!ご指摘ありがとうございます。

音節については今ビデオやサイトの解説を見直しております。
ただ、音節の区切りについては私は勉強不足ですので、一学習者として、質問したいと思っております。疑問点をまとめ、質問用のトピックに投稿し直したいと思います。
>>[42]

 Jayさんのおかげで私もサイトの記述(まだほとんど訂正していませんが)や、電子書籍の執筆方針について大変有益な再検討をさせていただいております。
 さらには、発音学習ソフトの 3D PHONETICS のリソース(画像や音声)ファイルでも修正を今進めているところです。やはり、サイト、書籍、ソフトを通して同じ記号を一貫して使った方がよいですからね。

 ビデオについて、liar を三重母音として取り上げていた「長母音、二重母音など」は一旦削除しました。これは再制作するか、電子書籍の解説でカバーするかのいずれかにしたいと考えています。

 Jayさんのおかげをもちましてサイトも書籍も、ソフトも完成度を大きく向上させられていると感じます。
 いつもありがとうございます。

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