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mixi図書館コミュの 「神の覚書き」1

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神からあなたへ


あなたの叫びが聞こえます。

幾重もの雲にさえぎられた暗闇を突き抜け、星の光と混じりあったあなたの叫びは、太陽の光の道筋にいるわたしの心に届きます。

罠にかかって窒息したウサギ、巣から転がり落ちたスズメ、池のなかでもがいている子供、十字架の上で血を流している息子の泣き声に、わたしは苦しめられています。

わたしがあなたの声を聞いていることをわかってください。そして心を平和にし、落ち着いてください。
わたしがあなたの悲しみを慰めてあげましょう。わたしはあなたの悲しみの原因も……それを癒やす方法も知っています。

あなたは子供のときの夢が年を重ねるにつれて、ことごとくついえさってしまったことを嘆いています。
自分を敬う気持ちが数々の失敗によって崩されてしまったことを嘆いています。

自分の潜在的な可能性のすべてを、安全性と引き換えに、手放してしまったことを嘆いています。
自分の個性が大衆によって踏みにじられてしまったことを嘆いています。

自分の才能がすべてあやまった使い方によって、無駄にされてきたことを嘆いています。

あなたは自分自身のことを不名誉な人間として見つめ、水たまりに映った自分の姿から顔をそむけます。生気のない目で恥ずかしげにあなたを見返すこの人間の偽者は一体、何者なのでしょう?

あなたの優雅な作法、美しい姿、きびきびした動作、澄みきった心、気のきいた話し方はどこへいってしまったのですか?あなたのそうした品々を誰が盗んだのですか?わたしは盗んだ者の正体を知っていますが、あなたも知っているのですか?

かつてあなたは、あなたの父の牧場の草枕に頭をのせ、雲の大伽藍を見あげて、バビロンのすべての黄金がやがて自分のものになることを知りました。

かつてあなたはたくさんの本を読み、たくさん書き、ソロモンのすべての知恵に自分が追いつき追い越すことを確信していました。

そして、季節が移り変わって年がたつうちに、自分自身のエデンの園を治めるようになるだろうと確信しました。

あなたのなかにそれらの計画や夢や種を植えつけたのが誰か覚えていますか?
思いだせないでしょう。

はじめてあなたが母親の子宮から出てきて、わたしがあなたの柔らかな額に手をおいたときのことを覚えていないでしょう。あなたを祝福するさい、あなたの小さな耳元にわたしが囁いたことを覚えていますか?

わたしたちの間の秘密を覚えていますか?

思いだせないでしょう。

過ぎ去った年月があなたの記憶を破壊してしまったのです。なぜなら、恐怖、疑惑、不安、悔恨、憎悪があなたの心を満たし、それらの獣が棲みついた場所に、楽しい記憶がいすわれる余地がないからです。

これ以上、嘆かないでください。わたしはあなたとともにいます……この瞬間はあなたの人生の分かれ目です。今までに過ぎ去った年月は、母親の子宮のなかで眠っていたのと同じようなものです。過ぎ去ったものは死んだものです。死人は死人に埋めてもらいましょう。

今日、あなたは生きた屍から蘇ります。

エリヤが未亡人の息子にやったように、今日、わたしはあなたの上に三度覆いかぶさりましょう。そうすれば、あなたはふたたび生きはじめるでしょう。

エリシャがシュネム人の息子にやったように、今日、わたしはあなたの唇に唇を、目に目を、手に手を重ねましょう。そうすれば、あなたの肉体はふたたび温まるでしょう。

ラゾラの墓でイエスがしたように、今日、わたしはあなたに出てくるように命じましょう。そうすれば、あなたの運命の洞穴から歩み出て、新しい人生をはじめるでしょう。

今日はあなたの誕生日。あなたの新しい誕生の日。あなたの最初の人生は、劇のリハーサルのようなものにすぎませんでした。今回は幕が上がります。今回は世間が見つめ、拍手する用意をしています。今回、あなたは失敗しません。

あなたのロウソクを灯しなさい。パンを分かちあいなさい。ワインを注ぎなさい。あなたは生まれ変わったのです。

さなぎからかえった蝶のように、あなたは飛びたつでしょう。望みのままに高々と飛ぶでしょう。ハチもトンボもカマキリも、真の人生の豊かさをもとめようとするあなたの使命や探求を邪魔しないでしょう。

あなたの頭にわたしの手がおかれているのを感じなさい。

わたしの知恵に耳を貸すのです。

あなたが生まれたときに聞いて忘れてしまった秘密をいま一度、分かちあいましょう。

あなたはわたしの最大の奇跡。

この世で一番の奇跡。

それがあなたの最初に聞いた言葉だったのです。そのあとであなたは泣きだしました。誰でもみんな泣くのです。

あなたはわたしを信じなくなりました。あなたの不信を正してくれることは、今までなにも起こりませんでした。つまらない仕事で自分が失敗したと思っているときに、どうして自分が奇跡になりえましょう?どんなささいな責任も果たす自信がないときに、どうして自分が奇跡でありえましょう?負債に縛られ、明日のパンを煩っているときに、どうして自分が奇跡でなりえましょう?

それ以上は言わないでください。こぼれたミルクはもとには戻らないのです。でも、わたしは、これまでどれだけの預言者、賢人、詩人、美術家、作曲家、科学者、哲学者、伝導者を送って、あなたが聖なる存在であることや神のような潜在能力をもっていることを告げさせ、成功の秘密について語らせたでしょう?あなたは彼らをどのようにあつかいましたか?

それでもわたしはあなたを愛しています。預言者が預言したとおり、今、わたしはあなたとともにいます。あなたを救うために。

ふたたびわたしはあなたの上に手をおきます。

今回で二度目です。

あなたはわたしの面影を宿しています。

それを知らなかったのですか?聞いたことがありませんでしたか?最初から告げられていなかったのでしょうか?地が創造されたときからずっとわかっていなかったのですか?そのように尋ねてもむだでしょう。
あなたはそれを知りませんでした。聞いていませんでした。わかっていませんでした。

あなたは、神のようななりをしていると告げられてきました。愚か者を演じる神だと告げられてきました。

あなたは、高貴な目的と無限の能力をもった特別な芸術作品だと告げられてきました。天使のようにふるまい、神のような理解力をもった、形も動きもすばらしい作品だと告げられてきました。

あなたは地の塩だと告げられてきました。

あなたは山を動かす秘密や、不可能を可能にする秘密さえ授けられました。

なのに、あなたは誰も信じなくなりました。幸福へといたる地図を焼き払い、心の平和をもとめることをやめ、栄光へとつづく運命の道の脇におかれたロウソクを消してしまったのです。そして無意味さと自己憐憫の暗闇のなかで、つまずき、迷い、恐れ、ついには自分で生みだした地獄に落ちてしまったのです。

その結果、あなたは泣き、胸をかきむしり、自分の身にふりかかった運命を呪いました。自分自身の狭い了見と怠惰なおこないが目の前の結果を生みだしていることを認めようとせず、自分の失敗の責任を負わせるスケープ・ゴートをさがしました。なんと素早く、スケープ・ゴートを見いだしたでしょう。

あなたはわたしを責めました!

自分の困難、凡庸さ、チャンス不足、失敗は……神の意思だと叫んだのです!

あなたは間違っています!

あなたはすばらしい恵みを授けられているのです。

あなたの目をごらんなさい。目があるゆえに、あなたは昇ったり沈んだりする太陽を見ることができま
す……わたしがあなたの目につけた何億という感覚の受容器が、美しい緑の葉や純白の雪を見ることを可能にしているのです。静かな池のたたずまい、悠々と空を飛ぶ鷲、はしゃぎまわる子供たち、夜空を照らす星を見られるのも目のおかげです。

その恵みに感謝しなさい。

あなたのもっている耳。それはなんと見事な道具でしょう。それがあるゆえに、赤ん坊の笑い声も泣き声も聞くことができます。あなたのそれぞれの耳にわたしが組みこんだ二万四千本の神経繊維が木々のそよぎ、岩にあたって砕ける潮の音、荘厳なオペラ、コマドリの訴え、子供たちの遊ぶ声……そして、あなたを愛していますという言葉に反応してふるえるのです。

その恵みに感謝しなさい。

あなたの唇、それは唾をはくためだけのものではありません。唇があるゆえに、あなたは話すことができます……わたしが生みだしたほかの生物はできませんが、あなたの言葉は、怒りを鎮め、意気消沈した人を元気にし、仕事を投げだしたがっている人を激励し、不幸な人を楽しませ、孤独な人を癒し、褒める価値のある人を褒め、敗北した人を励まし、無知の人に教え……あなたを愛していますと言うことができます。

その恵みに感謝しなさい。

あなたは、風や周囲のものにいじめられるまま、小さな一点に縛りつけられている木ではありません。背伸びをし、走り、踊り、働くことができるのです。というのも、わたしがあなたのなかに設計して組みこんだ五百の筋肉、二百の骨、十一キロメートルもの神経繊維が、あなたの命ずるままに、協調して働くからです。

その恵みに感謝しなさい。

あなたは愛に飢えていますか?夜も日も、孤独にのみこまれていますか?

いいえ、これからはそうではありません。わたしが愛の秘密を教えましょう。愛を受け取るには、愛されることはもとめずに愛をあたえなければならないという秘密です。なにかの目的をはたすためや満足をうるために、また自分の誇りを守るために愛することは、愛ではありません。愛とはなんの見返りももとめない贈り物なのです。今やあなたは、利己心をもたない愛がそれ自体で報酬であることを知っています。たとえ、あたえた愛がかえってこなかったとしても、愛は失われません。報われない愛はあなたのもとに舞い戻り、あなたの心を和らげ、浄めるからです。

その恵みに感謝しなさい。二度、感謝しなさい。

あなたの心臓は脈打っています。胸に触れて、日夜、脈打つそのリズムを感じてみなさい。眠っているときも、目覚めているときも、毎年毎年、三千六百万回の脈を打ち、静脈や動脈や血管のなかに大量の血液を送りだしているのです……毎年、二百七十万リットル以上の血液を送りだしているのです。人間は決してそのような機械を作りませんでした。

その恵みに感謝しなさい。

あなたの柔らかい皮膚をごらんなさい。それは驚くべき創造の産物であり、石鹸とオイルとブラシで世話をし、気づかってやるだけでいいのです。すべての鋼鉄はときがたてば色あせて錆びつきますが、あなたの皮膚はそうではありません。最強の金属でさえ、使えばやがてすりきれますが、わたしがあなたの周囲にこしらえた皮膚という層はそうではありません。年老いた人間が若い人たちに取って代わられるように、皮膚もたえず古い細胞を新しい細胞に取って代わらせ、新しくなるのです。

その恵みに感謝しなさい。

深々と呼吸をしてごらんなさい。すがすがしい生命の息吹が体内に入ってくるのがわかるでしょう。肺という命の窓がそれを可能にしているのです。あなたの命の窓はあなた自身がつくりだした最悪の環境のなかでさえ、あなたをささえています。六億もの折りたたまれた肉のポケットを通してあなたを生かす酸素を濾過するいっぽうで、ガス状の老廃物を体内から排出させているのです。

その恵みに感謝しなさい。

あなたの全身には温かな血が流れています。あなたの四.七リットルの血液のなかには、二十二兆もの血液細胞がふくまれており、それぞれの細胞には、数百万の分子がふくまれています。さらに、各分子のなかには、毎秒、一千万回以上の速さで振動している原子があります。毎秒、二百万個以上の血液細胞が死んで、新しい細胞に取って代わられるということが、あなたの誕生以来つづいているのです。からだのなかがつねにそうだったように、あなたも今、生まれ変わろうとしています。

その恵みに感謝しなさい。

あなたの脳、それは宇宙でもっとも複雑な構造物です。わたしは知っています。およそ千三百グラムの脳のなかには、百三十億もの神経繊維が入っています。これは地球の人口のほぼ三倍にあたります。あなたが誕生以来体験したあらゆる知覚、音、味、匂い、行動をしまいこんでおくのを助けるために、私は、あなたの細胞の中に数え切れないほどの分子を埋め込みました。あなたの人生でおきたすべての出来事がそこにあり、思いだされるのを待っています。また、脳が体を制御するのを助けるために、あなたの体じゅうに、四百万の痛みを感じる探知機、五十万の感触の探知機、二十万以上もの温度を感じる探知機をちりばめておきました。いかなる国の金塊もあなたほど完璧に守られていることはないでしょう。古代の驚異をさがしてみても、あなたほど偉大なものはないでしょう。

あなたはわたしの最高の創造物。


神の覚書き2へドア
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