ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

ベン村さ来「と言えば・・・」コミュの【20・祝儀不祝儀の難しさ】 平成12年2月11日(金)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
原典:http://www.owarai.to/ben/20.html
written by ベン村さ来

◆荒井注さんが亡くなった。子供の頃に腹をかかえて笑わせていただいた先輩たちが次々と旅立ってしまうのは悲しいことだ。私の荒井さんの1番古い記憶はやはりTBS『8時だよ!全員集合』。しかも後半戦のあるコントだった。今でいうサミットのセットが舞台に組まれていて、日本代表の荒井さんを中心に世界各国の代表が並ぶところからコントは始まった。何かをキッカケに口ゲンカになる世界の代表たち。その一部始終を荒井さんはジーと見ている。しばらくたって視聴者に「何のコントだ?」と思わせた瞬間、荒井さんは机を叩き立ち上がると鍾馗様のような恐い目を見開いて「This is a pen!」 これにはコケた。幼稚園児だったが大笑いしたのを覚えている。あとはテレビ朝日の『みごろ!食べごろ!笑いごろ!』でキャンディーズが荒井さんの頭を指さし「もうすぐハゲですねぇ〜」などを唄っていたのも懐かしい。

◆ そういえば荒井さんは結局、ツルッパケにはならなかった。うらやましい限りだ。小野ヤスシさんがインタビューで「あの人(荒井さん)はピアノ弾きとしてドリフに入った人なので、コントをやらされることを苦痛に思っていたかも知れない」と言っていたが、我々の世代は荒井注さんを芸人としか思っていなかった。いや、小野さんの言葉を聞いた今だからこそ荒井さんは我々の世代の最高の芸人だと思う。そう誇りに思いながらも告別式でのいかりやさんの弔辞には泣いた。ファンがいくら逆立ちしても、同僚の悲しみにはかなわない。「飲もうぜ!飲まなきゃダメだよ!絶対だよ!飲む場所はアンタが決めておいてくれ。じゃあ、いずれ…」このセリフには参った。荒井さんといかりやさんの男っぽいところにジーンときた。それに比べて所属事務所社長の出棺の挨拶には違う意味で参った。「皆さん、ご唱和ください。なんだ、バカヤロー!」って、ここまできてコントをやるこたぁないだろ。この話を松村邦洋さんにするとあの男は「えぇ?いいんじゃない?」と言う。「じゃあ、アンタが死んで出棺の時は俺が『ご唱和ください。バウバウ!バウバウ!』って言うぞ?」と言ったら、「それはイヤだなぁ」と理解してくれた。コメディアンは役者より気取り屋だから、こういうのはイヤだと思う。私はとてつもなくイヤだ。数十年前に初代桜川ピン助師匠の出棺の時にそのまんま「かっぽれ」が流れたが、アレを師匠はどう思っただろうか?何かもっと気取った曲の方が良かったと言ってるかも知れない。芸人にとって祝儀不祝儀とは難しいものなのだ。

◆ 祝儀不祝儀の難しさと言えば思い出すのは...私の結婚式だ。
ちなみに私は「堅気の衆バージョン」と「芸能関係バージョン」と2回の披露宴をやったのだが、ここでは「堅気の衆バージョン」の話をしよう。(「芸能関係バージョン」の写真は春風亭勢朝師匠のHPに出ているのでご覧あれ)芸人同士で結婚したので披露宴で使う曲には苦労した。まず、「新郎新婦の入場」の曲でもめた。父は「エレクトーン生演奏のウエディングマーチっぽいものがイイ」と言うのだが、國士舘出身の硬派芸人のやるこっちゃない。とは言うものの、和風寄りに雅楽っぽくしても堅すぎる。そこで考えたのが鳶が唄う「木遣り」である。木遣りなら火消し〜入れ墨〜國士舘という流れでベン村さ来っぽい。これは本番でもいい効果を得た。問題は「お色直し入場」の曲である。最初の入場は紋付き羽織り袴だったので木遣りがピッタリきたが、今度はモーニングでの入場。和風ではどうしても似合わない。「三味線で弾いてるウエディングマーチはないのか?」と打ち合わせで聞いたが、ある訳がない。(あとで気づいたら映画『うる星やつら』完結編のBGM集にあったのだが、その時は気づかず)仕方なく、父親の案を呑みエレクトーン生演奏のお姉さんをいれることにした。曲も「どうでもいいや!」ぐらいの勢いでお任せした。さて、披露宴当日。入場の木遣りは良し。お色直しのち入場となり「何を弾いてくれるのやら」と諦めつつドアを開けると、流れてきたのは『ビター・スィート・サンバ』だった。知ってる人は知っているオールナイトニッポンのオープニング曲。私が中学時代に宗教とばかりに聞いていた『ビートたけしのオールナイトニッポン』のオープニング…、妻が中学時代に同じく宗教とばかりに聞いていた『神谷明のオールナイトニッポン』のオープニング…、そして私の職場であるニッポン放送のテーマソングといっても過言ではない曲である。そういえば、打ち合わせの時にホテルの司会者にムダ話で「オールナイトニッポンは青春でしたね」なんて話したことを思い出した。チクショウ!構成作家がホテルの司会者に一本取られてしまった。これへの仕返し(?)として私は1週間後に迫った「芸能関係バージョン」の構成に燃えるのであった。
 

原典:http://www.owarai.to/ben/20.html
written by ベン村さ来

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

ベン村さ来「と言えば・・・」 更新情報

ベン村さ来「と言えば・・・」のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング