モノには本来、意味も価値も用途も無い。意味を付与するのは人間の認知だ。意味や価値や用途を発見できない人間がいるだけで、いかなるモノにも罪はない。チャールズ・M・シュルツ『ピーナッツ』のスヌーピーは"You play with the cards you're dealt...whatever that means."と言う。配られたカードでできる勝負を考えるしかない。持っているものがインクの出が悪いボールペンだけなら、それでできることを考えよう」
「10 Things You Didn't Know About The Birds And The Bees 」(http://www.huffingtonpost.com/2014/03/26/birds-and-bees_n_5028701.html) というタイトルの記事をトップページで見つけた。動物行動学の記事かと思いつつ、なぜ鳥とハチなのかよくわからなかった。
図書館で村上春樹の『1Q84』の英語版( translated by Jay Rubin and Philip Gabriel )を見つけた。全3巻の作品を1冊にまとめているのでちょっとした辞書のような厚さだ。噂には聞いていたが、表紙のデザインが和風になっていておもしろい。「一二三」ときたか、と思う。
適当に開いたページを読んでみた。ちょうど章の冒頭だ。章題は「IS THIS WHAT THEY MEAN BY BACK TO SQUARE ONE?」(729P)。原作Book3の「第13章 これが振り出しに戻るということなのか?」(249P)にあたる。「back to square one」で「振り出しに戻る」。すごろく的なゲームをイメージした表現なのは日本語・英語で変わらないようだ。
この章に「 But man of few words he was able---probably unintentionally---to conceal how boring and ignorant he really was.」(730P)という文がある。「しかし口数を少なくすることによって、おそらく意図的にではないのだろうが、彼はその退屈さと愚昧さを世間の目から巧妙に隠していた」(251P)の訳だ。だが読んでいたとき私は"unintentionally"の意味が思い出せなかった。