史跡コミュの清神社

　広島県安芸高田市吉田町吉田477

　1968年09月01日、吉田町が史跡に指定。

　清(ｽｶﾞ)神社〔郷社〕は、須佐之男命(ｽｻﾉｵﾉﾐｺﾄ)を主祭神に、相殿に脚摩乳命(ｱｼﾅﾂﾞﾁﾉﾐｺﾄ)・手摩乳命(ﾃﾅﾂﾞﾁﾉﾐｺﾄ)・稲田姫命(ｸｼﾅﾀﾞﾋﾒﾉﾐｺﾄ)、及び天照大神(ｱﾏﾃﾗｽｵｵﾐｶﾐ)と須佐之男命の間に生まれた五男三女神を祀ります。
　当地は『日本書紀』に「一書に曰く」として見える須佐之男命が八岐大蛇(ﾔﾏﾀﾉｵﾛﾁ)を退治した舞台たる安芸国可愛之川上(ｴﾉｶﾜｶﾐ)の地に当たり、須佐之男命が大蛇退治後に発した「吾が心清清(ｽｶﾞｽｶﾞ)し」という言葉に因んで、行宮清(ｱﾝｸﾞｳｽｶﾞ)神社の名で天孫降臨以前から鎮座していたと伝えられています。
　行宮の名称から、神日本磐余彦尊(ｶﾑﾔﾏﾄｲﾜﾚﾋｺﾉﾐｺﾄ)が東征の途上、阿岐(ｱｷ)国多祁理宮(ﾀｹﾘﾉﾐﾔ)で7年を過ごした時期に足を延ばした地だとする説もあります。
　境内の杉の巨木が台風で倒れた際に年輪を調査したところ、約1200年以上との結果が出たため、奈良時代には既に存在していた事は確かなようです。
　平安時代初期には早良(ｻﾜﾗ)親王の祟りを鎮める目的で社名を祇園崇道社(ｷﾞｵﾝｽﾄﾞｳｼｬ)としていましたが、永治元(1141)年に吉田荘が成立すると祇園社と改名されて荘園の鎮守神となりました。
　承久３(1221)年の承久の乱後、毛利季光が吉田荘地頭となると、吉田郡山の鎮守神として毛利氏代々の尊崇を受けました。正中２(1325)年の棟札を始めとする現在までの16枚の棟札が社宝として保存されていますが、特に毛利氏関係は光房・弘元・興元・幸松丸・元就・隆元・輝元までの棟札13枚が確認されています。なかでも天文17(1548)年の隆元・永禄11(1568)年の元就・天正11(1583)年の輝元の物は特に有名です。
　また、毛利元就・輝元時代に吉田郡山城がそうだいな規模になると、郡山山麓にある現在の社殿とは別に、本丸のある郡山山頂までの中間点にも社殿が造営されていました。
　吉田郡山城が廃城となった江戸時代以降は吉田村の鎮守神となりました。
　現在の本殿〔安芸高田市指定文化財〕は元禄７(1694)年の建立で、正面に千鳥破風、前に軒唐破風を構え、正面が6本の太い柱で形成された五間社切妻造です。
　明治５(1872)年に神仏分離にされた際、現社名に改称されました。
　境内には毛利元就が継母の杉大方(ｽｷﾞﾉｵｵｶﾀ)の菩提を弔うために建立した摂社の椙若(ｽｷﾞﾜｶ)社もあります。昭和25(1950)年にキジア台風災害により倒壊し、基礎だけが残された状態で保存されていたんですが、平成９(1997)年の大河ドラマ『毛利元就』で松坂慶子が演じた杉大方の人気が高かった事から、地元住民が約10000000円をかけて総檜流造で延床約10㎡の社殿が復興されました。
　摂社としては、天照皇大神と早良親王を祭る伊勢社もあります。
　社宝として、毛利元就の所望に応じて聖護院門跡(ｼｮｳｺﾞｲﾝﾓﾝｾﾞｷ)道増が永禄６(1563)年に墨書した「感神院」の扁額〔安芸高田市指定文化財〕、元亀３(1572)年に京都吉田神社神主吉田兼右(ﾖｼﾀﾞｶﾈﾐｷﾞ)が参籠した事や天正４(1576)年の前関白九条稙通(ｸｼﾞｮｳﾀﾈﾐﾁ)が当神社で民衆を前に『源氏物語』の講釈を行った事が記述された連子窓、元亀年間(1570～73)の舞楽面〔安芸高田市指定文化財〕等があります。
　祭礼の子供歌舞伎だんじり屋台〔安芸高田市指定無形民俗文化財〕は、地元の中学生によって歌舞伎が演じられます。

◎城下町安芸吉田
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・福泉坊の大イチョウ
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＊毛利氏城跡郡山城跡
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・宮崎神社
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