高知県四万十市天神橋65番地・本町1丁目3番地・11番地
1966年03月08日、中村市が史跡に指定。
中村御所は、応仁２(1468)年に応仁の乱を避けて幡多荘に下向した従一位前関白左大臣一条教房が設けた居館。教房は加久見氏・為松氏等の国人領主を家老とし、中村御所の背後に詰城の中村城を築いて為松氏を城主とした。
御所は、維摩(ﾕｲﾏ)堂のある小丘「森山」の東西に広がり、東側が政庁の政所(ﾏﾝﾄﾞｺﾛ)、西側が私邸の御北屋敷となっており、面積は7000�屬傍擇鵑澄Ｋ迷Δ氾貘Δ砲亘戮�設けられ、北隣に真蔵院があった。
また、一条氏家紋の「下り藤」に因んで御所内には藤遊亭(ﾄｳﾕｳﾃｲ)が設けられ、毎年、藤見の宴が行われた。
御所内には七つの井戸があったが、侍女達が化粧に用いたと伝わる「御化粧の井戸」のみが現存している。 一枚岩を刳(ｸ)り抜いた立派な物で、一度も枯れた事が無く、水深は約５ｍ。
一条教房は文明12(1480)年に中村御所で死去したため、御所内に御廟所が設けられ、教房の父である従一位関白太政大臣一条兼良(ｶﾈﾗ)と、母である小林寺殿（従二位権中納言中御門宣俊の娘）も祀られる事となった。
教房の子の正二位権大納言房家は御所周辺には京都を模した碁盤目状の市街地を形成し、父と京都を偲んで「大文字の送り火」を始めるなど、中村は「小京都」の異称を持つ事となった。
房家の死後は、長男の正二位左近衛大将房冬が土佐国司家家督を継いだが、二年後に死去してしまい、その子の従三位右近衛中将房基が第４代土佐国司となった。
房基の次は、その子従三位権中納言兼定が第５代土佐国司となったが、人望を失い、羽生・為松・安並の三家老の合議によって天正元(1573)年に隠居を強制されてしまった。三家老は兼定の子の従三位左近衛中将内政を第６代土佐国司に擁立、翌年、兼定は追放されて岳父の大友宗麟を頼って豊後国臼杵へ逃れてた。
兼定の追放を知って憤慨した加久見城主加久見左衛門が挙兵、中村を急襲して羽生・為松・安並の三家老を討伐するが、この混乱に乗じて、叛乱鎮定に名を借りた長宗我部元親が中村を占領してしまった。元親は弟の吉良親貞を中村城主とし、岩崎佐渡が中村御所に入って、御所は「御土居」と呼ばれる事となった。
一条内政は長岡郡大津城に移されて元親の娘を妻とする事となり、一定の領主権を与えられて大津御所と呼れた。
一方、一条兼定は天正３(1575)年に大友宗麟の援助で伊予国宇和島から土佐へ侵攻、旧臣達の支持を受けて中村を奪回するが、四万十川の戦いで長宗我部元親に大敗、伊予国へ逐電した。その際、兼定は捲土重来の意気込みを「植えおきし 庭の藤が枝 心あらば こん春ばかり 咲くな匂うな」と歌っている。即ち「来年には長宗我部如きは撃破して中村を奪回してみせるから、それまで藤の花も咲かずに待っておれ、長宗我部などに咲いて見せるなよ」という気持ちを込めたのである。しかし、結局、兼定は伊予国戸島(ﾄｼﾞﾏ)で逼塞したまま天正13(1585)年に生涯を終え、中村に戻る事は出来なかった。そして、中村御所の藤は兼定の言い付けを守って二度と咲かなくなり、「咲かずの藤」と呼ばれる事となった。
その後、慶長６(1601)年に山内一豊が土佐に入り、その弟の康豊を藩主とする20000石の前期中村藩が成立すると、御土居は取り壊されて上級家臣の武家屋敷地区となったが、慶長12(1607)年に一条氏遺臣が山内康豊の許しを得て森山に小詞を建て、廃絶していた一条兼良や教房の廟を再興した。
そして、文久元(1861)年に至って約300年間に亙って咲いた事が無かった「咲かずの藤」が突如開花したため、土佐藩ではこれを記念して森山の小詞を幡多郡総鎮守の立派な神社にする事を決定、翌年、中村御所跡に一條神社が創建された。
一條神社は、一条教房の両親が若藤男命(ﾜｶﾌｼﾞｵﾉﾐｺﾄ)・若藤女命(ﾜｶﾌｼﾞﾒﾉﾐｺﾄ)の名で主祭神となり、教房と土佐一条氏歴代当主及び連枝も祭られている。
明治時代になると、一條神社は県社に列し、11月の例大祭は高知県下三大祭に数えられる事となった。また、昭和28(1953)年には天神山にあった天神社〔村社〕(祭神；少彦名命・菅原道真)が拝殿西隣に遷座されている。
５月３日には土佐一條公家行列藤祭も行われる。
◎城下町土佐中村
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・中村城跡
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＋一条教房の墓
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・一条房家の墓
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・玉姫の墓
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1966年03月08日、中村市が史跡に指定。
中村御所は、応仁２(1468)年に応仁の乱を避けて幡多荘に下向した従一位前関白左大臣一条教房が設けた居館。教房は加久見氏・為松氏等の国人領主を家老とし、中村御所の背後に詰城の中村城を築いて為松氏を城主とした。
御所は、維摩(ﾕｲﾏ)堂のある小丘「森山」の東西に広がり、東側が政庁の政所(ﾏﾝﾄﾞｺﾛ)、西側が私邸の御北屋敷となっており、面積は7000�屬傍擇鵑澄Ｋ迷Δ氾貘Δ砲亘戮�設けられ、北隣に真蔵院があった。
また、一条氏家紋の「下り藤」に因んで御所内には藤遊亭(ﾄｳﾕｳﾃｲ)が設けられ、毎年、藤見の宴が行われた。
御所内には七つの井戸があったが、侍女達が化粧に用いたと伝わる「御化粧の井戸」のみが現存している。 一枚岩を刳(ｸ)り抜いた立派な物で、一度も枯れた事が無く、水深は約５ｍ。
一条教房は文明12(1480)年に中村御所で死去したため、御所内に御廟所が設けられ、教房の父である従一位関白太政大臣一条兼良(ｶﾈﾗ)と、母である小林寺殿（従二位権中納言中御門宣俊の娘）も祀られる事となった。
教房の子の正二位権大納言房家は御所周辺には京都を模した碁盤目状の市街地を形成し、父と京都を偲んで「大文字の送り火」を始めるなど、中村は「小京都」の異称を持つ事となった。
房家の死後は、長男の正二位左近衛大将房冬が土佐国司家家督を継いだが、二年後に死去してしまい、その子の従三位右近衛中将房基が第４代土佐国司となった。
房基の次は、その子従三位権中納言兼定が第５代土佐国司となったが、人望を失い、羽生・為松・安並の三家老の合議によって天正元(1573)年に隠居を強制されてしまった。三家老は兼定の子の従三位左近衛中将内政を第６代土佐国司に擁立、翌年、兼定は追放されて岳父の大友宗麟を頼って豊後国臼杵へ逃れてた。
兼定の追放を知って憤慨した加久見城主加久見左衛門が挙兵、中村を急襲して羽生・為松・安並の三家老を討伐するが、この混乱に乗じて、叛乱鎮定に名を借りた長宗我部元親が中村を占領してしまった。元親は弟の吉良親貞を中村城主とし、岩崎佐渡が中村御所に入って、御所は「御土居」と呼ばれる事となった。
一条内政は長岡郡大津城に移されて元親の娘を妻とする事となり、一定の領主権を与えられて大津御所と呼れた。
一方、一条兼定は天正３(1575)年に大友宗麟の援助で伊予国宇和島から土佐へ侵攻、旧臣達の支持を受けて中村を奪回するが、四万十川の戦いで長宗我部元親に大敗、伊予国へ逐電した。その際、兼定は捲土重来の意気込みを「植えおきし 庭の藤が枝 心あらば こん春ばかり 咲くな匂うな」と歌っている。即ち「来年には長宗我部如きは撃破して中村を奪回してみせるから、それまで藤の花も咲かずに待っておれ、長宗我部などに咲いて見せるなよ」という気持ちを込めたのである。しかし、結局、兼定は伊予国戸島(ﾄｼﾞﾏ)で逼塞したまま天正13(1585)年に生涯を終え、中村に戻る事は出来なかった。そして、中村御所の藤は兼定の言い付けを守って二度と咲かなくなり、「咲かずの藤」と呼ばれる事となった。
その後、慶長６(1601)年に山内一豊が土佐に入り、その弟の康豊を藩主とする20000石の前期中村藩が成立すると、御土居は取り壊されて上級家臣の武家屋敷地区となったが、慶長12(1607)年に一条氏遺臣が山内康豊の許しを得て森山に小詞を建て、廃絶していた一条兼良や教房の廟を再興した。
そして、文久元(1861)年に至って約300年間に亙って咲いた事が無かった「咲かずの藤」が突如開花したため、土佐藩ではこれを記念して森山の小詞を幡多郡総鎮守の立派な神社にする事を決定、翌年、中村御所跡に一條神社が創建された。
一條神社は、一条教房の両親が若藤男命(ﾜｶﾌｼﾞｵﾉﾐｺﾄ)・若藤女命(ﾜｶﾌｼﾞﾒﾉﾐｺﾄ)の名で主祭神となり、教房と土佐一条氏歴代当主及び連枝も祭られている。
明治時代になると、一條神社は県社に列し、11月の例大祭は高知県下三大祭に数えられる事となった。また、昭和28(1953)年には天神山にあった天神社〔村社〕(祭神；少彦名命・菅原道真)が拝殿西隣に遷座されている。
５月３日には土佐一條公家行列藤祭も行われる。
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・一条房家の墓
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・玉姫の墓
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