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フルトヴェングラー批評(II)コミュの1951.07.29/バイロイト/ベートーヴェン交響曲第9番「合唱付」/バイロイト祝祭管弦楽団

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バイロイト祝祭劇場での実況録音。フルトヴェングラーの「代名詞」といっても過言ではない「バイロイトの第九」。第九の録音中最高の名演、との世評が高い。
戦時中の1944年を最後に中断されていたバイロイト祝祭が戦後復活したのを記念し、この第九が演奏された。

<ソリスト>
 エリーザベト・シュヴァルツコップ(S)
 エリーザベト・ヘンゲン(A)
 ハンス・ホップ(T)
 オットー・エーデルマン(Bs)
<合唱>
 バイロイト祝祭合唱団
 ヴィルヘルム・ピッツ(合唱指揮)

初出は、EMI(HMV)レーベルより発売のLP。
日本の旧東芝EMI、現・EMIミュージックジャパンから発売されているCDの多くは「足音入り」と呼ばれ、演奏前のフルトヴェングラーが入場する足音と観客の拍手が入るもの。

2007年に日本のフルトヴェングラーセンターがバイエルン放送に保管されていた音源より初CD化(その後Orfeoより世界一般発売)。EMI盤との様々な相違点から、編集の有無、どちらがリハか本盤かなどの論議を巻き起こし、現在でも活発な議論が続いている。

コメント(9)

ワーグナー演奏のためのバイロイト祝祭でなぜ第九なのか、についてのコメントです。

1872年5月22日、祝祭劇場の定礎式でワーグナー自身の指揮により演奏された故事に基づき、記念の年に演奏されるようになった、ということのようです。(ふと気付きましたが、ワーグナーの59歳の誕生日ですね…)

フルトヴェングラー以前ですと、1933年(ワーグナー生誕120年・没後50年で、第三帝国成立記念?)にリヒャルト・シュトラウスの指揮で演奏されてます。

以下は私なりの理解ですが、ベートーヴェンは第九に至る各交響曲で交響曲の可能性を究極にまで追究してしまったために、その後の世代の作曲家たちにとっては、いかに第九を乗り越えるか、というのが避けがたい命題となりました。その方法論を巡ってワーグナー、ブルックナーとブラームス、ハンスリックの2派が対立した訳ですが、ワーグナーは自身の作品こそ、ベートーヴェンの第九の後を受け継ぐ未来の音楽だ、と考えていたと思われます。逆に言えば、ベートーヴェンの第九について、自身の作品と共通の精神をもつ源流、ととらえていたためにこの曲が選ばれた(自身の曲以外に唯一演奏を認められた)ものと思われます。

自身の曲であっても《リエンツィ 最後の護民官》などオランダ人より前の初期3作のオペラは上演されない、という事実を考えると、ワーグナーの第九に対する敬意の強さがうかがえますね。

ちなみに、51年の再開後、バイロイトでの第九上演は下記の年・指揮者です。

53年ヒンデミット(!)
54年フルトヴェングラー
63年ベーム
01年ティーレマン

CDは54年のフルトヴェングラーはご存知のとおりで、ベームはGolden Melodramから出てますが、ヒンデミットとティーレマンは、CDになってないと思うんですよね…(ティーレマンは海賊盤があるそうですが、未聴)。

ヒンデミットも放送されていれば音源が残っているはずですし(同年の上演は、クラウスのリングとパルジファル、カイルベルトのリングとローエングリン、ヨッフムのトリスタンが残ってますので)、ティーレマンはバイエルン放送の音源をDGが商品化してくれないかと期待しているのですが、いずれもどうも期待できそうにない感じですね…。
先日新宿DUで東芝EMIのCD発売初版の「CC35-3165」(上のジャケ)を見つけたので、購入してきました。(余談ですが、発売時はCD1枚で3,500円もしたんですね…今回の中古購入価格は1,200円くらいでしたが。3枚在庫がありました。)

聴いた感想は
・ごく軽い疑似ステレオ効果が付けられているが、露骨な感じはなく自然なので特に気にならない。(疑似ステレオ、というだけで駄目な人には駄目でしょうが。)
・低域〜高域まで特定の音域が突出することなくバランスよく、かつ繊細な音で聴ける。
という印象で、自分にとっては、現時点で最高の「バイロイトの第九」になりました。

同じ東芝の「足音入り」TOCE-6510と比較すると(ちなみに、CC-35には足音はありません。念のため)、TOCEの方が低音が出ているため、ちょっと演奏自体が重く、音が眠い感じに聴こえる印象です(TOCEの方は純粋モノラルなので、高音域が相対的に目立たないように聴こえる、ということもあるかもしれません)。

Otakenの「予備マスター」盤TKC-309と比較すると、すべての音がクッキリ太めに出てくるTKCに比較して、CC-35は随分繊細な音がしますので、より静謐な印象を受けます。

例の「鑑賞記」サイトでは「同一」と決めつけられている欧州でのCD初版CDH 7 69801 2と比較すると、CC-35の方が音圧高く、CDHの方が疑似ステレオ効果が少し強めに感じます(私には全く「同一」には感じられません)。
欧州でのCD初版の誤植(?)じゃないでしょうか
CDH 7 69801 2はPathe Referenceの規格ですね。
欧州初版はCDC7 47081 2で、私の持っているものはMade in JapanのCDが入っていました。CC35-3165と同じですね。この規格でMade in HollandのCDもあったはずです。
失礼しました!「欧州でのCD初版」は私の蛇足でした。
同一と決めつけられているのは「CDH 7 69801 2」で間違いありません。
(東芝EMI:HCD-2007)

最近気付いたのですが、東芝EMIの第九の初出CDには、CD表面の色違いで2種類あるみたいです。
スタンパーも異なっていました。

青色:店頭市販用(CC35-3165)
赤色:訪問販売用(HCD-2007)
EMI 「WILHELM FURTWANGLER THE GREAT EMI RECORDINGS」 21枚組 9 07878 2 のうちの1枚、9 07883 2 です。
今日、久しぶりに取り出して聴いてて、今さら気づいたのですが、1楽章と2楽章、2楽章と3楽章、そして3楽章と4楽章の間のすべてに会場ノイズが収録されているようです。演奏前の例の足音と拍手が海外盤で初めて収録されていたことは承知しておりましたし、演奏終了後の拍手がフェードインで入ってくる聴き馴染んだものであることも覚えていたのですが、楽章間のノイズが収められていたことを迂闊にも聞き逃しておりました。
この会場ノイズが、演奏会当日のものであるのか、編集されたものであるのか、EMI盤の第九がリハーサル音源なのか演奏会音源なのか、そういう議論に客観的な根拠を与えるモノではありませんが、今まで聴くことの出来なかった音源の出現に興奮を禁じ得ません。
演奏された音楽とは関わりがないんですけどね・・・

その音楽については、今さら何を言うこともありません。フルトヴェングラーのバイロイトの第九とは、将にこれがそうです。

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