ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

創作置き場コミュの第五話〜delete〜

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
もしも消えると分かっていたら、あなたは別れを選んだでしょうか。

それともやはり同じように少ない時を精一杯二人で生きていったでしょうか。


〜delete〜




飛び疲れた黒い鳥が目覚めた場所は見知らぬ砂漠の中のオアシスでした。

今まで黒い鳥は何かから逃げるように飛び続けていましたが、とうとう体力が尽きて砂漠の真ん中で倒れてしまったのです。


喉が乾いたので湖で水を飲むと、やっと元気を取り戻しました。


”誰が助けてくれたんだろう…”


するとどこからか声がしました。


”目が覚めたんですね。よかった。”


黒い鳥は驚いて辺りを見回しましたが、誰もいません。


”きっとあなたにも私の姿は見えないでしょう。ずっと昔に色をなくしてしまったから…”


”じゃあ、あなた?くすのきのじいさんが言っていた透明の鳥って。あ、助けてくれて…ありがとう”


”くすのきのお知り合いですか。どういたしまして。こうして感謝されると助けたかいがありました。


ずっと飛び続けて疲れていたようだけれど…何かあったんですか?もしよければ…
話を聞かせてもらえませんか?”


黒い鳥は少し迷った後ぽつりぽつりと話し始めました。


彼女なら答えを知っているかもしれないと思ったからです。


なぜ色がいつまでも定まらない鳥は消えてしまうのかを…


黒い鳥はくすのきから聞いた事がありました。


一羽の鳥に持てる翼の色は決まっていて


いつまでも色が決まらない鳥はいつか色を奪われ

姿を消してしまうということを。


だから黒い鳥は白い鳥から姿を消したのでした。


「一緒にいる事よりも白い鳥の色を守ろう」と。


あの美しい白が自分の黒で汚されたまま消えるのはとても耐えきれなかったのです。





事情をすべて話した黒い鳥は見えない透明の鳥に向かって必死に尋ねました。


”じいさんはあなたの事を言っていたのでしょう?もし…もし消えない方法があるなら教えて欲しい。僕は白い鳥の力になりたいんだ。”


”…確かに私は昔、悲しみの果てに旅を続け、くすのきに出会いました。

けれど、それはもう私の色が消えてしまった後なんです。だから消えない方法は…私にも分かりません。”


”私が色が定まらなかっのはある鳥に恋をしたからです。”


楽しかった


悲しかった


愛しかった


切なかった


あの頃はいろいろな感情が渦巻いていて…


”きっと不安定な心が原因だったのでしょう………


色は心を写すのかもしれません。私は失ってそれに気づきました。”

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

創作置き場 更新情報

創作置き場のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。