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山崎闇斎コミュの神道大意

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『神道大意』講義 若林強斎先生

 おそれある御事なれども、神道のあらましを申してまつらば、水をひとつ汲むというても、水には水の神霊がましますゆゑ、あれあそこに水の神罔象女様が御座被成りてあだおろそかにならぬ事と思ひ、火をひとつ焼くというても、あれあそこに火の神軻遇突智様が御座被成故大事のことと思ひ、纔か木一本用ふるも、句句廼馳様が御座被成、草一本でも草野姫様が御座被成ものをと、何かにつけ角に付け、触るゝ所まじはる所、あれあそこに在ますと戴きたてまつり、崇めたてまつりて、やれ大事とおそれつゝしむが神道にて、かういふなりが、即ち常住の功夫ともなりたるものなり。まづさしあたり面々の身よりいへば、子たるものには、親に孝なれと天の神より下し賜はる魂を不孝にならぬやうに、臣たるものには、君に忠なれと下し賜はる魂を不忠にならぬやうに、どこからどこまでもけがしあなどらぬやうに、もちそこなはぬやうに、この天の神の賜りものをいただき切つて、つゝしみ守る事なり。是を経学でいへば理と云ふことになるが、それを理といひづくなしに神様の屹度上に御座被成て、其の命をうけ、其の魂を賜はりて、一物一物形をなすゆゑ、内外表裏のへだてなく、いつはらうやうも、あざむかうやうも、けがしあなどらうやうも、そこなひやぶらうやうなき事と、屹度あがめたてまつりて、つゝしみ守るが神道の教なり。志をたつるといふても、此の五尺のからだのつゞく間のみではない。形気は衰へようが斃れようが、あの天の神より下し賜はる御賜を、どこまでも忠孝の御玉と守り立て、天の神に復命して、八百万神の下座に列り、君上を護り奉り、国家を鎮むる霊神となるに至るまで、ずんとたてとほす事なり。さるによりて生死存亡のとんちやくはなき事なり。もしも此の大事の御賜ものをもち崩して不孝不忠となさば、生きても死にても、天地無窮の間、其罪不可逃也。(中略)天地開闢已来今日に至るまで、君も臣も神の裔かはらせたまはず、上古の故実もなほ残りて、伊勢神宮を初穂をもて祭らせ給はぬ内は上様新穀をめしあがらせたまはぬの、伊勢奉幣加茂祭の時は上様も円座にましますの、僧尼は神事にいむなどいふ類あり。さあれば末の世というて我れと身をいやしむべからず。天地も古の天地なり、日月の照臨も今にあらたなれば、面々の黒き心祓ひ清め、常々幽には神明を崇め祭り、明には君上を敬ひ奉り、人をいつくしみ物をそこなはず、万事すぢめたがふ事なければ、おのれ一箇の日本魂は失墜せぬといふものなり。餘所を見て悲しむ事なく、唯々我が志のつたなきことを責め、我が心身のたゞしからぬ事のみをうれひ、冥加を祈りてあらためなほすべし(後略)

コメント(3)

天地間に存在する、ありとしあらゆるもの、すべて神が宿らせられぬものはない。されば水火はもとより、草木の一本に至るまで、ここに神がいますよと崇めたてまつり、おそれ慎しむことが神道であり、ここに神を崇敬するものの、日常の道が存する。そしてこの道理が会得し得られるならば、人として天神より賜つたこの心を守り、この身の生きてゐる間のみでなく、斃れるともこの魂を固く守つて、八百万神の下座に列り、君国の守護に任ぜんとする決意が立つ。
近藤啓吾『心神考』−三輪大神と山崎闇斎−より
> 歳三さん

此には、神道者と生きた先生自身の心構えがあります。絅齋先生の「剣術筆記」もご覧になって下さい。

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