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混沌図書館 深淵書庫コミュの艦橋のエインヘルヤル 3話

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【バァル星系宙域、第3衛星軌道訓練エリア】
 地上エリアに降りず、先に訓練を始める…。


『3時の方向にターゲットを発見。距離は3.9宇宙戦闘距離。タイプは攻撃型ビーコン2。回避型1。こちらに向けて突撃加速中』
 策敵監視のAIクルーから報告、メイン画面の隅に詳細が書き込まれた小画面が立ち上がる。
「全艦攻撃準備!回避行動を取りつつ近寄ってきた所を一斉射撃で仕留める!」
 そう命令を下すと、新たに購入&再編した機動戦闘艦【クリューデアビス?】を旗艦とするAI艦10隻が一斉に動き出す。
 と、そこに。
「おーい紅夜!ターゲット見つけたならコマンドリンク頼むー!間接射撃で援護するからー」
 通信回線が開き、ヘリントンの機動戦闘艦【アクリス】率いる5隻が俺の艦隊が居る地点の後方0.5宇宙戦闘距離に展開する。
「分かった、リンク繋げる…。いくぞ!」
 戦闘開始。目標に向かって艦首転回完了、各艦回避行動準備を行いながらターゲットロックオン。だがそれと同時に突撃してきた攻撃型ビーコンが先制を取り、訓練用の低出力ビームを数発発射。
 ビーコンの放った多数の閃光が宙域を切り裂いて艦隊に襲い掛かかる。しかし既に回避行動を取っていた艦隊には1発も命中せずに虚しく通り過ぎただけであった。
「目標ロック!撃て!」
 先ほど攻撃してきたビーコンに向けて艦隊はお返しとばかりにビームを撃つ。ビーコンはすぐさま回避行動に移行。だが距離が近すぎた為に間に合わない、そのまま小さなボディに低出力ビーム数発が命中…。ダメージレベル判定が一定値を越えたと判断したビーコンのAIは短く撃墜信号を発信し、その機能を停止させた。
「よし!一機撃墜!」
 しかしそう喜んでいる暇は無かった…。艦隊上方から回りこんできたもう1機の攻撃型ビーコンが右翼に展開させておいた護衛艦の1隻に攻撃を仕掛ける。
『護衛艦G-1に命中。損害判定は中破』
 AIオペレーターの報告。その最中にもビーコンは更に回り込んで目標に止めを刺すべく攻撃準備。俺は急遽G-1に全力で回避するよう命令するが間に合わない!が…。
『攻撃型ビーコンに攻撃が命中。撃墜信号を確認』
「いよっし!貰った!」
 通信画面にガッツポーズを取るヘリントンの姿が現われた。
「おおう、さんきゅ!助かった!」
 素直に礼を述べながら俺はダメージを受けた艦を一旦後方へと下がるよう命令。残るは回避型ビーコン1機のみ…。
『2時の方向に目標を発見。距離1.2宇宙戦闘距離』
 策敵監視のAIクルーの報告。
『回避運動を取りながら迂回するように本艦に接近中。右翼展開中のA-1と後退中のG-1による攻撃は回避されました』
「艦隊周囲にA・B・P散布!へーちゃん!そっちから狙撃出来る?」
 へリントンに打診、すぐさま『OK!』と帰ってくる。
「俺の完璧な精密射撃を見せてやるにょー」
 A・B・P散布直後にビーコンからビームガトリングの斉射が行われた。元々は対空防御兵装な為1発あたりの威力はかなり低いのだが、長時間の連射を浴び続けたら訓練でも実戦同様それなりに痛い兵器である。
 しかしそのビームの嵐は今の所は無効化されている。散布領域に到達したビームはA・B・Pと衝突して拡散、反応して幾つもの小さな光となって宙域を照らした。
「まだか?」
「よし、行動パターン解析。捕らえた!」
 短いやり取りの後、へリントンの機動戦闘艦【アクリス】が長射程ビームを発射。そのビームは複雑な動きをするビーコンに吸い込まれるように当たり…。
『回避型ビーコンに攻撃命中。撃墜信号を確認…。ミッションクリア。おめでとうございます!』
 オペレーターがそう言って祝辞を述べると同時、片隅に現われた経験値表示画面にミッション分の経験値が追加される。それによって俺とヘリントン双方の護衛艦のAI能力が少しだけ向上する。
「よし、今日はここまで。バァルに降りて買い物とかしたいし」
 俺のその提案にヘリントンは賛同。宙域の訓練施設に終了宣言を出した後、俺達はバァルの宇宙港へと向け動きだした。

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