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mixi小説(手探り更新作品集)コミュの【ハロウィン】

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明日はハロウィン
一年でこの日だけは
おばけが主役になれる日
この日だけは子供たちにとって
おばけは怖くない
だって自分がおばけになるんだもの

明日はハロウィン
一年でこの日だけは
大人たちを脅かしてもいい日
でもお菓子をくれる人には優しくしなきゃ
綺麗なアメも甘いマシュマロももらえない

明日はハロウィン
一年でこの日だけは
夜更かししても怒られない
でも早く寝ないと・・・
ほんとのおばけが出てきちゃうかも・・・




ぼくはジェイムス
明日はハロウィンだから
とっても楽しみなんだ。
いつもみんなからは
ジャムって呼ばれてる。
真っ赤なジャムみたいな髪の毛で
ジェイムスの J・A・M をとって
ジャムなんだって。

ママはぼくがジャムって呼ばれるのキライみたいだけど
ぼくはジャムが好きだから気に入ってる

去年は妹のジェシーが一緒だったけど
今年はスクールの合宿でいないんだ
だから今年はジェシーの分までお菓子をもらわなきゃいけない

今日は学校から帰ったら
ハロウィンで何に変装するか
友達とそうだんする



学校では
明日のことばっかり考えてて
ぼ〜っとしてたら
おばけよりもこわい先生に怒られちゃった・・・



マロン『お〜い、ジャム〜。』

ジャム『あ、マロン!今帰り?』


こいつはマーロン
でもみんなからは
栗色のつんつん頭だから
マロンって言われてるんだ


マロン『今年はジェシーがいないだろ、だから二人でハロウィンの格好考えようぜ。』

ジャム『いいよ〜、でもマロンがまだ考えてないって珍しいね。』

マロン『いやぁ、今年はお前と考えようと思ってたから・・・』

ジャム『ふぅ〜ん、それはありがたいけど・・・なんで今まで言わなかったんだい?』

マロン『実はな・・・ちょっとおもしろいもの見つけてさぁ!』

ジャム『おもしろいもの?』

マロン『うん、最初は俺だけで使おうと思ってたんだけどいくつかあったからお前にも使わせてやるよ!』

ジャム『うん、ありがとう。でもそれっていったい何なんだい?』

マロン『それは見てのお楽しみさ、さぁとにかく行こうぜ!』

ジャム『あ・・でも一度帰らないとママに怒られるから・・・。』

マロン『しょ〜がねぇなぁ・・・じゃぁいつもの広場にいるから早くこいよな!』

ジャム『うん、わかったぁ〜。』



マロンと別れてぼくは
急いで家へと向かった

いつもの帰り道
知らない女の子がいたんだ


少女『うぇ・・・ぇぇん』


ぼくは急いでたからそのまま通り過ぎようとしたんだけど・・・


少女『うぇぇ・・・おにいちゃぁん・・・』


気になって戻ってきちゃった


ジャム『ねぇ・・きみ・・・どうしたの?』

少女『うぇぇぇ・・・ん・・・』

ジャム『ねぇ・・・どうしたの?迷子?』

少女『・・・うん』

ジャム『そっかぁ・・・お兄ちゃんと一緒だったの?』

少女『うん・・・おにいちゃんがいなくなっちゃったのぉ・・・うぇぇぇ・・・ん』

ジャム『あぁ・・・その・・・泣かないで!あとでいっしょに探してあげるから。』

少女『・・・ほんと?』

ジャム『うん、だからちょっとここでそのまま待っていてくれる?』

少女『うん・・・わかったぁ。』

ジャム『それじゃ・・・あとでね。』



そういってぼくは女の子に別れを告げて
家に急いで帰ったんだ



ジャム『ただいまぁ〜!』

母親『あらおかえりなさい。』

ジャム『じゃぁいってきまぁ〜・・・』

母親『ちょっと待ちなさい・・・何か言うことはないの?』

ジャム『えっと・・・ただいまなら言ったけど・・・』

母親『そうじゃないでしょ?今日学校であったこと言いなさい。』

ジャム『え・・・っと・・・』

母親『もう!また先生に怒られたんでしょ?』

ジャム『・・・・・はい。』


うぇぇ・・・もう電話あったのかぁ・・・


母親『とにかく今日は遊びに出ちゃダメよ!家で反省してなさい。』

ジャム『でも・・・約束が・・・』

母親『じゃなきゃ明日のハロウィンは参加しちゃダメですからね!』

ジャム『そんなぁ・・・ママ・・・お願いだから許して・・・』

母親『ダメよ!いつもそういって全然反省しないんだから!』

ジャム『でももう待ち合わせの約束が・・・』

母親『もう・・・断りもなく約束してくるからそうなるのよ・・・いつも先にママに言いなさいって言ってるのに。』

ジャム『ごめんなさい・・・これから反省します!だから・・・ね?』

母親『しょうがないわねぇ・・・それじゃぁ・・・来週のお小遣いナシ・・・でどう?』

ジャム『うぇぇ・・・そんなぁ・・・!』

母親『じゃぁ仕方ないわねぇ・・・代わりに明日のハロウィンはナシってことで・・・。』

ジャム『わかったよぉ・・・お小遣いはあきらめます・・・』

母親『よろしい!これに懲りてちゃんとしっかりするのよ。』

ジャム『はぁ〜い・・・。』


そんなこんながあって
なんとか家を出ることが出来たぼくは
とにかくあの女の子のところまで戻ってきた

まだ泣いてるな・・・


少女『あ・・・おにいちゃん!』

ジャム『え・・?ってぼくのことか、お兄ちゃんが見つかったのかと思ったよ。』

少女『ううん・・・まだなの・・・うぇぇ・・・』

ジャム『ほらほら・・・泣かないで、ちょっとぼく約束があったからいったんその友達のとこまで一緒に行こう。』

少女『うん・・・わかったぁ・・・。』



そうしてぼくたちは、マロンのいる広場まで向かった



マロン『ジャム〜・・・遅いじゃないかよぉ〜・・・』

ジャム『ごめんごめん・・・ちょっといろいろあって・・・』

マロン『んん〜?そっちの女の子は一体だれだ?』

少女『・・・・・・』

ジャム『実はこの子・・・迷子みたいで・・・お兄さんとはぐれたみたいなんだけど。』

マロン『それで一緒に探そうってか?はぁぁ・・・相変わらずお人よしだなお前は。』

ジャム『ごめん・・・それで今日の約束なんだけど・・・』

マロン『しょうがねぇから俺も付き合ってやるよ!』

ジャム『あ・・・ありがとう!でも明日のハロウィンの格好のことだけど・・・』

マロン『あぁ、実はすげぇ衣装がたくさんある空き家を見つけたんだ、場所だけ教えといてやるから後でお前も見に行けよ。』

ジャム『え・・・?でもそれって泥棒じゃぁ・・・』

マロン『何いってんだよ、空き家に置きっぱなしになってるんだから誰のものでもないだろ?』

ジャム『それはそうだけど・・・もし持ち主が戻ってきたら・・・』

マロン『戻ってきやしないって、それにもし戻ってきてもそのときは俺が一人で謝ってやるから大丈夫だろ?』

ジャム『うん・・・分かった。』

少女『・・・・・?』

マロン『あ・・・ちょっと場所確認に行く間だけお兄さん探し待っててもらっていいかな?』

少女『・・・・・うん、いいよ。』

マロン『サンキューな。』


そういってマロンは乱暴に少女の頭をがしがしとなでた


少女『ふやぁぁ・・・』


これは・・・ちょっと嫌がってるな・・・




マロン『ここだよ!ここ!』

ジャム『へぇぇ・・・こんなとこに大きな屋敷があったなんて・・・』

マロン『そうだろ?俺も見つけたときはびっくりしたよ。狭い町なのに意外と知らない場所ってあるもんだよなぁ〜』


そこには大きな古びた洋館が建っていた
なんか・・・おばけやしきみたいでちょっとこわいな・・・
そう言ったら・・・


マロン『ばぁか、これから俺たちがおばけになるんだろが。』


といって笑われてしまった・・・


少女『・・・ここ・・・。』

ジャム『うん・・・?どうかした?』

少女『・・・・・・』

マロン『さぁ、入ってみろよ、すっげぇんだぜ!』

ジャム『あ・・うん、さぁ、いっしょに行こう?』

少女『・・・・・うん。』



中に入るとさらに驚いた
真ん中に大きな階段があって、中央と左右に分かれている
そしてその階段の先は奥が見えないほどに部屋が続いていた

マロンはずんずん先に進んでしまう
そして右の階段をのぼった先の、一番最初の部屋の中に入っていった


マロン『ほら、見てみろよ、マントとか鎧とか俺たちでも着れそうなのがいっぱいあるぜ!』

ジャム『ほんとだ・・・子供用・・・なのかな?なんでこんなに小さいのがたくさんあるんだろ?』

マロン『昔は子供もこういう訓練してたんじゃねぇの?いいからこれ借りちゃおうぜ。』

ジャム『そうだね・・・一晩だけなら・・・。』


『そこに誰かいるのかい?』


そのとき急に階段の下から声が聞こえた


ジャム『・・・!!』
マロン『・・・!!』

二人ともびっくりして固まってしまったんだけれど
女の子が声を聞いたとたんに階段を駆け下りてしまった

あわててぼくたちも駆け下りていくと
そこにはぼくたちよりも年上に見える、銀髪の少年が立っていた


少年『やぁ・・・アンジェラ、随分と探したんだよ。』

少女『おにいちゃぁぁぁん・・・』


少女は少年に抱きついて離れようとしない
そして少年は少女の頭をなでながら、ぼくたちに挨拶してきた


アンジー『やぁ、こんにちは。君たちが妹をここまで連れてきてくれたのかい?』

ジャム『あ・・・はい、その・・勝手に入ってすみませんでした。』

マロン『う・・・その・・・勝手に・・・すみません。』

アンジー『いや、いいんだよ。僕の名前はアンジー、この家で妹と二人で暮らしてるんだ。』

ジャム『え・・・?こんな大きなお屋敷で二人だけで・・・ですか?』

アンジー『あぁ、やっぱり驚いたかい?実はこの家は亡くなったお爺様のものでね、休みの間はこっちで暮らしてるんだよ。』


あぁ・・・なるほど


アンジー『それで今回は妹を初めて連れてきたものだから、途中で迷子になっちゃってね・・・。』

マロン『そうだったんですか・・・いやぁ、ほんとよかったなぁ、ジャム』

ジャム『うん、先にこっちに来て正解だったね!』

アンジー『・・・ん?じゃぁ君たちは妹の家がここだと知らなかったのかい?』

ジャム『あ・・・・・』

マロン『俺が悪いんですよ、その・・・この家の二階の部屋にある衣装を明日のハロウィンで使おうって・・・』

アンジー『あぁ、それでそっちの子を誘ってここまで来て、その途中で迷子の妹を見つけたってことか。』

ジャム『はい・・・本当にごめんなさい。』

アンジー『いいんだよ、おかげで妹も見つかったんだしね。ところでハロウィンの衣装って・・・』

ジャム『あ・・・もういいんです!な?マロン。』

マロン『あ・・・はい、その・・・人のものだと思ってなかったから・・・』

アンジー『あぁ、別に自由に使ってくれても構わないよ?』

ジャム『え?』

マロン『いいんですか?!やっりぃ〜♪なぁジャム、よかったなぁ!いいことするとちゃんと報いがあるもんだ♪』

ジャム『ちょ・・・ちょっとマロン!あ・・・ほんとにいいんですか?』

アンジー『もちろん、妹の恩人だしね、だからそれくらいお安い御用さ。』

ジャム『ありがとうございます、それでは一晩だけお借りします。』

アンジェラ『・・・よかったね・・・おにいちゃんたち』

ジャム『はは・・・ありがとう。』

マロン『おう!サンキューな!』



アンジー『あ、でも決して中央階段の下の部屋へは行かないようにね。』


よく見てみると、真ん中の階段の横に扉があるのが見える


アンジー『あそこにはいろいろと危険なものがそのまま放置されていて、僕たちもうかつに入れないんだよ。』

ジャム『はい、わかりました、気をつけます。』

マロン『はぁ〜い。』


アンジー『うん、それじゃぁ今日はもう遅いから、明日また衣装を選びに来るといいよ、鍵はいつも開いてるから。』

ジャム『はい、どうもありがとうございます。じゃぁマロン、今日はもう帰ろうか。』

マロン『おう、それじゃあまた明日来ます、アンジェラも元気でな!』

アンジェラ『・・・・・・うん。』



そうしてぼくたちは屋敷を後にした。

マロンと別れ、一人で家に戻る途中で、道に何か落ちているのに気がついた。


ジャム『これは・・・なんだろう?』


小さな杭のようなものに、銀のクロスが埋め込まれている。


これって何なのかな?
でもこんな杭に銀を埋め込むなんて・・・ちょっともったいないなぁ・・・
とりあえず拾っておいて、明日学校に持っていこう、マロンならこういうの喜びそうだし




コメント(6)

そして翌日・・・・・




学校に着いたぼくは、すぐにマロンの姿を探した
すると、向こうもぼくを探してたみたいで、見つけるなり駆け寄ってきた


マロン『おっす、今日はあの屋敷に行くだろ?』

ジャム『もちろん、衣装も借りなきゃいけないし、昨日のお礼もしなきゃ。』

マロン『お礼って・・・アンジェラを送ったお礼に衣装を借りるんだからもういいんじゃないか?』

ジャム『そうはいかないよ、だって家に勝手に忍び込んだこともあるし、借りるのはぼくたちなんだから。』

マロン『う〜ん・・・まぁそうだよな、でもアンジェラはなんであの時自分の家だって言わなかったんだろうな?』

ジャム『そういえば・・・そうだね、きっと初めてこっちに来たからわかんなかったんじゃないかな?』


そうは言ったものの、あのときアンジェラが何か言おうとしていたのが気にかかってはいるんだけど・・・


マロン『う〜ん・・・まぁそうかもしれないけどな、とりあえず放課後が待ち遠しいな。』

ジャム『あ、そういえば昨日帰りにこんなの拾ったんだけど・・・。』

マロン『ん・・・?なんだこれ?杭に銀のクロスか・・・どっかで見たことあるような・・・?』

ジャム『え?知ってるの?』

マロン『いや・・・ちょっと思い出せないけど、どっかで見たことある気がするんだ・・・。』

ジャム『ふぅ〜ん・・・でもこんなもの何に使うんだろうね?』

マロン『さぁなぁ?まぁそろそろ授業が始まるし、また授業が終わったら声かけるよ、これもらってもいいか?』

ジャム『うん、いいよ〜。じゃぁまた後でね。』


そして放課後・・・・・



ぼくたちは昨日の屋敷へと向かっていた



屋敷に到着すると、さっそく二階の衣装の部屋へ・・・


マロン『おいこれ見ろよ、本物の毛皮だぜ!』

ジャム『こっちもすごいよ、大きな宝石・・・これも本物かなぁ?』

マロン『それにしてもすげぇよな〜、なんでこんな子供サイズの衣装がたくさん、それもみんな高そうな。』

ジャム『昔はこのお屋敷でもハロウィンしてたのかなぁ?』



アンジー『そのとおりさ』



気がつくとアンジーさんが近くにいたみたいだ



ジャム『あ、アンジーさん!どうもお邪魔してます。』

マロン『こんにちは〜、ところでちょっと気になったんですけど・・・』

アンジー『なんだい?』

マロン『こんな高そうなものがたくさんあるのに、屋敷の鍵とか開けっぱなしでも大丈夫なんですか?』

アンジー『あぁ、問題ないよ、ここにあるものはたいしたものじゃないんだ。
本当に大事なものはちゃんと鍵をかけてしまってあるからね。』

ジャム『でももし盗まれたりしたら・・・もったいなくないですか?』

アンジー『いいんだよ、僕たちは宝石とかお金には全然興味がないからね。』

マロン『でもお金がなかったら何も買えないぜ?』

アンジー『僕たちの国ではそんなもの必要ないんだ、だから欲しければ全部君たちにあげるよ。』

マロン『え?いいの?ジャム!やったなぁおい♪』

ジャム『ちょっと・・・マロン!あ・・そんな、いくらなんでもこんな高そうなものもらうわけには・・・』

マロン『なに言ってるんだよ!くれるってんなら貰っておこうぜ!』

アンジー『うん、本当に遠慮はいらないから自由に持って帰ってね、でも昨日も言った通り・・・
中央階段の下の部屋にだけは入っちゃだめだからね。』


そういうとアンジーさんは相変わらず優しそうな顔で微笑んでいた


ジャム『わかりました、絶対にあそこにはいきません。』

マロン『・・・・・・』

ジャム『・・マロン?どうしたの?』

マロン『いや、なんでもないって!それよりこっちの衣装は俺に似合うと思わないか?』

ジャム『おぉ!いいねぇ・・・じゃぁぼくはどれにしようかなぁ?』



そしてぼくたちは、それぞれ衣装を決めて
夜のハロウィン本番に向けて準備にとりかかった

一度家に戻ったぼくは、ママに屋敷のことを話したんだけど、ママもそんな屋敷のこと知らなかったんだって

家のものなんでもくれるって話はしなかった
大人はこういう話をすると、なんでも警戒するんだから・・・
あやしい人だとかさ・・・
ぼくはもらう気はないけれど、それでもきっと話したらママが余計な心配すると思ったんだ

それにせっかく友達になれたアンジーさんやアンジェラのことを
悪く言われたら悲しいもんね


母親『それにしてもそんな本格的な衣装をいつのまに用意してたの?』

ジャム『えっと・・・その、友達のお兄さんが昔作ったやつをもらったの!』

母親『そう、それじゃちゃんとお礼しとかないとね。』

ジャム『あ・・・うん、そうする。』


そうしてハロウィン本番
ぼくたちは本格的な衣装のおかげで
みんなの注目も的だった!
今年のハロウィンは今までで一番たくさんお菓子ももらえたし
きっと妹のジェシーも喜ぶだろう



ハロウィンが終わってから、ぼくとマロンはそれぞれ家に帰った
この町では、ハロウィンが終わってから
子供が日付が変わって夜の零時以降に外に出ると
本物のおばけが出てきてたべられちゃうって話がある

・・・信じているわけではないけどさ・・・
やっぱり怖いから、誰も外に出ようとはしない

前に寝ぼけてトイレと玄関の扉を間違えそうになったときは
ママにそういって怒られたっけ・・・・・



そして翌日・・・



学校に着いてもマロンの姿が見当たらなかった


あれぇ?昨日はまた学校でっていって別れたのに・・・
急に風邪でもひいたのかなぁ?


気になったぼくはマロンの家まで行ってみた
すると、家の前におまわりさんが何人かいたんだ


ジャム『あの・・・』

おまわりさん『おや、なんだい君は?』

ジャム『えっと・・・この家のマロ・・・マーロン君の友達なんですけど・・・何かあったんですか?』


すると、奥からマロンのママが出てきた


マロンの母『あ・・・あなたはジャム君ね!ねぇ・・・君・・・うちの子どこに行ったかしらないかしら?』

ジャム『えっと・・・昨日はハロウィンの後別れて・・・今日学校に来なかったから気になって来たんですけど・・・』

マロンの母『そう・・・わざわざありがとうね・・・実は昨日からあの子帰ってきてないのよ・・・』

ジャム『え・・・?そんな・・・』

マロン『そういうわけだから・・・もし見かけることがあったらすぐ帰ってくるように伝えてね・・・』


そういうとマロンのママはとても悲しそうな顔でうつむいたまま、おまわりさんと一緒に家に入ってしまった・・・




いったいどうしたんだろう・・・
あ・・もしかしたらあの屋敷に行っているかもしれない!
よし・・・とりあえず行ってみるか・・・


あ・・・その前に昨日の衣装・・・
家に取りに戻らないと・・・

くれるって言ってたけど、やっぱり悪いもんね



そうしてぼくは、家に衣装をとりに戻ったんだ


家に帰ると妹が合宿から帰ってきたところだった


ジェシー『おにいちゃんおかえり!』

ジャム『やぁジェシー、ただいま。そしてそっちこそおかえり、合宿は楽しかったかい?』

ジェシー『ただいまぁ、うん!とても楽しかったよ〜。でもハロウィンに参加できなくて残念だったぁ。』

ジャム『はは、ちゃんとお前のお菓子ももらっといたからさ、今から持ってきてやるよ。』

ジェシー『ほんと?ありがと〜♪』



そうしてぼくはお菓子と衣装を取りに部屋へと向かった



お菓子も衣装もベッドの下に入れといたんだよね
じゃないとママがすぐに持って行っちゃうから・・・


ぼくは衣装を鞄の中に詰め込むと、両手にジェシーの分のお菓子を持って下へ降りていった



ジャムの母親『あら?帰っていたの、おかえりなさい。』

ジャム『あ、ママ!ただいまぁ〜。ちょっと出かけてくるね。』

ジャムの母親『あらあら、また遊びに行くの?それはいいけどちゃんとお勉強もしなさいよ。』

ジャム『わかってるって・・・あ、ジェシー!これお前の分のお菓子、ちゃんと隠しとけよ!』

ジェシー『やった、ありがと〜♪』

ジャムの母親『まぁ・・・この子達ったらまぁ・・・仕方ないわねぇ・・・』



そしてぼくは、屋敷へと向かった





屋敷へと到着したぼくはすぐにマロンを探した


ジャム『お〜い、マロン〜!』


でも見つからない・・・
まぁここに来てるとは限らないんだけどさ・・・



アンジー『おや?どうしたんだい?』

ジャム『あ・・・こんにちは、お邪魔します・・・実は・・・』



ぼくは昨日からマロンが帰ってきてないことをアンジーさんに伝えた



ジャム『あ、それとこれ・・・ありがとうございました。』

アンジー『ん?あぁ・・・これか、別に貰ってくれてもよかったのに。それより・・・マロン君か・・・』



ふとアンジーさんが何か考え込んでうつむいてると
階段の上からアンジェラが駆け下りてきた



アンジェラ『おにいちゃん・・・もっと・・飲みたいの。』

アンジー『アンジェラ・・・それはあとで・・・あ、ジャム君、ちょっとそこで待っててくれるかい。』



そういうと二人は向こうへ行ってしまった




さて・・・どうしよう・・・


すると、ふと中央階段の横の扉が開きかけているのに気がついた



ジャム『あれ・・・?昨日はたしかに閉まっていたのに・・・?』



もしかしたらマロンはあの中に入ったんではないだろうか?
そう思ったぼくは、アンジーさんとの約束が気になったけれど・・・
こっそりと中の様子を伺おうと、扉の前まで向かった



あれ?ずっと開けてなかったというわりに・・・
長い間開けられてなかったのならその形跡が残ると思うんだけど・・・・・



そしてぼくは中を覗き込んだ・・・




ジャム『暗くて・・・よく見えないなぁ・・・』


よく見えなかったのでぼくは、つい中へと踏み込んでしまった



ジャム『えっと・・・ここは何があるんだろう・・・あっ!!』



暗くてよく見えなかったので、ぼくは何かに足をとられて転んでしまった



ジャム『いったぁ・・・これ・・は・・・・・』



ぼくは足元に転がっていた何かを拾いあげた・・・
それは・・・・・



ジャム『これは・・・昨日拾った・・・杭だ・・・でも・・・』



それは・・・真っ赤に・・・濡れていた・・・



ふと視線を感じたような気がして、後ろを振り返る
すると・・・・・



ジャム『あぁ・・・マロン!!』


マロンが壁を背にして・・・座り込んでいた・・・
胸には・・・穴を開けて・・・
ちょうど・・・この杭で刺された後みたいに・・・・・
そしてよく見ると・・・周りには他にもたくさんの人が・・・
いや・・・人だったであろう・・・やせ細ったミイラみたいなモノが
たくさん転がっていた・・・

アンジー『やれやれ・・・そこで待っていてくれって言ったのにね。』


ジャム『・・・え?』


振り返るとアンジーさんが立っている


ジャム『これはいったい・・・マロンは・・・え・・・死んで・・・?アンジーさんは・・・あれ・・・』



ぼくの頭の中はこんがらがってしまってうまく考えられなくなっていた



アンジー『最初は君に拾ってもらったはずなんだけどね・・・その杭』

ジャム『なんで・・・そのこと・・・』



たしかに・・・この杭はぼくが拾ったものだけど・・・
きのうマロンにあげちゃったんだ・・・



アンジー『この子・・・昨日の夜に衣装や宝石をもらいにきたみたいなんだけどさぁ・・・
あれほど言っておいたのにこの部屋に入っちゃったんだよ。』


そんな・・・バカなことが・・・


アンジー『まぁしかたないかな・・・この杭を持っていたから引き寄せられちゃったんだろうし・・・・
それにもともと探究心が旺盛な子だったみたいだしね・・・余計なことに興味をもったりしなければ
もしかしたら助かったかもしれないのに・・・まぁそれじゃ僕たちが困るんだけどね・・・ハハハ。』



アンジー『こいつにはまっている銀のクロスがあるだろ?それは不思議な力があってね』



そういうと、アンジーさんは杭を拾い上げた



アンジー『こいつを長く持っていると、その持ち主は必ずこの屋敷に導かれるんだ。』



なんで・・・?



アンジー『どうしてかは僕もわからない、この家の先代にもわからなかったらしい。』



どうして・・・?



アンジー『ただ・・・こいつは僕たち種族にとっては好都合なしろものでね。』



何が・・・?



アンジー『妹がさぁ、君のこと気に入ってたから、君に決めたんだけど・・・』



そういうと彼は・・・マロンに近づいて・・・



アンジー『ただ・・・こいつは時々人間の血を欲しがるんだ・・・だからこんなふうに・・・』



マロンの胸に・・・再びその杭を突き刺した・・・



マロン『うぐぅ・・・ぁぁ・・・!』



ジャム『マロン・・・!まだ生きて・・・!』


アンジー『あぁ・・・こいつで刺した人間は・・・体中の血がなくなるまで死ねないんだよ。
そして・・・死んだ後は生まれ変わって・・・僕たちの仲間になるのさ。
ほら?僕たちにはお金も財産も必要ないって言っただろ?
こいつがあれば【食事】を運んできてくれるんだ・・・。』


マロン『うぁぁ・・・ぁ・・・ぁ・・・・』


ジャム『やめて!・・・・もう・・・』


アンジー『さて・・・この子の血もそろそろ無くなるね・・・』



マロンの胸に突き刺さった杭がどんどんと彼の血を吸い込んで、真っ赤になっていく・・・



アンジー『さぁ・・・アンジェラ・・・もういいよ、おいで。』



そういうと、アンジーは扉のほうを見つめ、駆け寄ってくるアンジェラを迎え入れる
そしてアンジェラは兄のもとにたどり着くと、嬉しそうな顔で杭を受け取り・・・その先端に口付けをした。
いや・・・これは吸い込まれた血を飲んでいるのだ。

アンジェラ『ん・・・んく・・・。』




コクン・・・コクンと・・・少しずつ飲み干していくアンジェラ
それをまるで・・・こんな猟奇的なことをしている人物とは信じられないくらいに
穏やかな笑顔で見つめるアンジーの横顔にジャムは背筋が凍るような思いだった。



ジャム『こんなのって・・・そんなぁ・・・だって・・・』



アンジー『あぁ〜あ・・・せっかく助かったのにね・・・ここに来なきゃ死ななかったのに。』


ジャム『いやだ・・・いやだ!シニタクナイ・・・』


アンジー『ここを見られたらもう帰すわけにはいかないさ、それに君のお友達もそろそろ・・・。』


マロン『・・・・・・・・ジャ・・・ム・・・』


ジャム『ひぃっ・・・!!』



死んだはずのマロンはふらふらと立ち上がり、座り込んで動けないジャムの上に覆いかぶさる・・・。
そして泣きながら・・・彼の首をゆっくりとしめていった。


マロン『ごめ・・・ん・・・ジャ・・・ム・・・・・・』



ジャムも最初は抵抗していたが、あまりの恐怖に段々と感覚が失われていった・・・。



アンジー『はい、ちょっとまった、マロン君だっけ?君は外でアンジェラと遊んでおいで。』



アンジーがそういうと、マロンはゆっくりとジャムから離れていき、そのまま外へと出て行ってしまった。



アンジー『死ぬ直前の身体に突き刺したほうが美味しい血がとれるからね・・・。』




そして彼は・・・ぼくの胸に深くあの杭を突き刺した・・・・・


それから先は覚えていない
ただひとつ・・・言えることは・・・


ジャム『来年のハロウィンには・・・出れなくなっちゃった・・・・・。』




オチはありません。
というかある意味これがオチです。
キャラクター設定とか正直とくに考えていませんし
とくに完結する予定で書いたわけではありません。
ハロウィンが近いので、なんとなくイメージで書いてしまいました。
ハロウィンの夜に子供が出歩くと怖いんだよって警告っぽくしたかったのですが
なんか後半グダグダになってしまいました・・・・・。
機会があればもう少しまともな作品に仕上げたいと思っています。

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