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ピーリング☆ラブコミュの深ピーリング☆ラブ 深章#5 

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深ピーリング☆ラブ 
  深章#5
     ―see you forever , KIRARA


登場人物
アタシ(古城ヒカル/14歳):キララの親友にして怒涛のチクワブガール
キララ(37歳):記憶を取り戻しつつあるハンペンガール

ルキア(14歳):シゲルさんとキララの一人っ子、現在漁師見習い中

ミツコさん(37歳):牛との融合を果たしたキララの親友カウガール

ギッチュー:イタチ
イワチ:脛毛の妖精

均さん(45歳):ヒカルの父にして鳥羽一郎の生まれ変わり
想オヂサン(40歳):ワカメを頭に載せた天才ワカメジャックダンサー


ナカザー(42歳):ヒカルの担任の経理&物理マニア、宇宙船の設計者
カサイ丼(55歳):元ダンスジャック総帥で現在は定食カサイ丼の支部長

林さん(14歳):無人島で遭難後、ゴリラとして保護された才女

シゲルさん(49歳):キララの夫にして映画界のカリスマ黒びかりP

珠子さん(28歳):均さんの嫁だがヒカルにとっては義理の母

アンJ(40歳):元カリスマモデルで女優、シゲルさんの義妹

鬼山(101歳):SとMの交差する闇の世界の帝王、キララの命を狙う

謎のソムリエ:敵か味方かあるいはボンマルシェ?
謎のジャガ:敵か味方かあるいは桃屋か

コメント(5)

勝利の余韻に浸っていた。

フロアのステージの上。


アタシはミツコさんと抱き合い
ルキアと抱き合い
タコとは抱き合わず
ポテトリンとは抱き合った。

そんな時。
気づいたんだ。

キララさんがいないってこと。

アタシはフロアのあちこちを探し回った。
またウン○が流れないのでは?とおもってトイレも探したし、
ロッカーに挟まってるんじゃないかとクロークのロッカーも探した。

けど。
見つからなかった。


「どこいっちゃったんだろ?」

アタシにはあの瞬間、
ホントに悪い予感はなかったんだ。

ただ清清しくて。

そして目の前の世界が広がっていくのを感じてた。


だから。
ギッチューが飛び込んできてからのこと、
アタシは頭のキャパがオーバーして
記憶も途切れ途切れなんだ。


・・・


「なに、ホンマかいな?!!」

ミツコさんはギッチューの伝言を聞いて青ざめていた。

「どうしたんですか?ミツコさん。
 何かあったんですか?」

アタシは恐る恐る聞く。


「ヒカル。
 話は後や。
 皆を集めて。」


・・・

ミツコさんが皆に話した
話の内容はよく解らなかった。

核爆発でインナースペースが蒸発。
一刻も早くエウロパから脱出しろ。

って。


なんで核爆発?

それよりキララさんは?


「キララは後や。
 とにかくワシの背中に乗れ!!」


アタシたちはミツコンドルの背に乗り
モジラから飛び立った。


そして。
エウロパの不時着地点まで戻ってきたのだった。
「ナカザーさん。エンジンどや?」

と均さん。


「わからん。せやけど…
 ポン酢、ないき、どうしようが?」

とナカザー。


アタシは男たちが宇宙船を直している間、
ミツコさんを呼び出していた。


「ミツコさん。キララさんは?」

アタシが聞くとミツコさんは目をそらして
「またトイレでもいっとんのやろ。」

と力なく答えた。


「そんな嘘・・・。
 鬼山が関係してるのね?
 教えて、ミツコさん。」

ミツコさんはカニさんの手でぼりぼり頭を掻いた。

「かなわんなぁ。」

ミツコさんは一呼吸置いた。


「ええか、ヒカル。
 キララは行ったんよ。
 鬼山倒しに。」

「え?
 一人で?」

「そや。
 一人で。
 一人で行ったんや、キララは。」

「でもどうして一人で?」


ミツコさんはとても悲しい目をした。

「ヒカル…
 キララは一人で行かなあかんかったんや。

 キララはな、
 自分を犠牲にしてでも守らなあかんと思ってる。」


「何を?」


「セカイ…
 シゲルとアチキたちの居る世界や。

 けったいなやっちゃ。

 自分犠牲にして
 鬼山を蒸発させようとしとる。」


アタシはその話が終わらないうちに駆け出した。

「キララさん!!」

けれどすぐにミツコさんに制止された。

「なんで止めるの!!
 キララさんが、キララさんが…!!」

アタシは声に鳴らない声を出し
そして大声で泣いた。


「落ち着け、ヒカル。
 キララは大丈夫。
 ワシがどうにかするけ。」

「…」

「キララが望むこと。
 それはヒカルやみんながもといたセカイに無事に帰ることや。

 大丈夫。」

ミツコさんはなんども「大丈夫」といった。
まるでミツコさん自身にも言い聞かせているようだった。


その時!!


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴwwwwww


大地が揺れた。


「アカン!!
 始まった!!」

ミツコさんが叫んだ。

「どや?
 いけそうか?」


「ああ。
 タコの墨、代替にしてるき、いけそうが!!」

均さんが力強く言う。

「しょぼーん。」
タコさん、口の中に管入れられて墨を吸引されてる。
かわいそう。


とにかくアタシたちはスターシップ☆兄弟舟に飛び乗った。


けれど。


オジサンとミツコさん、それにイワチは乗らなかった。


「何で?」


「俺たちは最後までキララと一緒。
 あいつを助けてから追いかける。」

オヂサンは(キリッと言った。


「それならアタシも…」

そうアタシが言いかけると

「ダメだ!!」

オヂサンは鬼瓦のような形相で言った。

「キララはそんなこと望んでいないんだ。
 
 均さん!!
 行って下さい!!」


「おうよ。
 おめさんたちも死ぬんじゃねぇぞ!!」

均さんは親指を立てて言った。

スターシップは宙へと浮き上がる。


ミツコさんたちはあっという間に米粒のような大きさになる。



上空に上がると
エウロパはその地表のあちこちで火山噴火し、
地殻が割れ、
水も溢れていた。


けれど。
アタシに出来ることなんて何一つなかった。

スターシップの中、
均さん、ナカザー、ゴリラ、タコさんの誰一人として言葉を発さなかった。


アタシは力なく床に座り込んでいた。

するとギッチューがアタシの足元によってきた。

「ん?
 なに?ギッチュー。」

ギチューッ!!


ギッチューはそう一鳴きすると
目をびかっと光らせた。

な、何?


光った目はやがてグラフィックを投影し始めた。


そのグラフィック(立体映像)はキララさんだった。
Dear ヒカル
Dear みんな

・・・

立体映像の中のキララさんが話し始めた。


・・・

この映像を見ているとき
アタシはもう蒸発してるでしょう。

アタシは全ての元凶だった鬼山を倒し
アタシ自身を解放することにしました。

アタシの魂は
貴族刑事と共に鬼山に囚われ
このディレクトリに幽閉されていました。

このディレクトリとはインナースペースのことです。

インナースペースは貴族刑事の鼻の穴であるのと同時に
アタシの脳内の空想空間でもあった。

もともとなにもないブラックホールを
アタシの想像力で膨らませて
アタシはアタシの小さな世界を築いていた。

シゲルとは違う世界。

アタシがここにとどまることによって
アタシはシゲルのセカイを守っていると思い込んでいました。

全然、違うのにね。


アタシは中学でいじめられてた数年間。
部屋に篭りっきりになり
空想だけに逃げるようになった。

それがあの忌むべきインナースペースを作り上げたのです。


理想の彼氏。
理想の恋愛。
理想の友情。


今となってはっきり解ります。

すべての元凶は鬼山にあるといいましたが
実際は窓を閉じれずにいたアタシのせいなのです。


そして。
鬼山こそがアタシがアタシのインナースペースで産み出した化け物だったのです。


つまり。
鬼山とアタシは表裏だったのです。



アタシはこのセカイで鬼山を倒し
蒸発させることで
シゲルやあなたたちの世界を守ることにしました。

そして同時にそれは
アタシ自身を蒸発させることでもあるのです。


だって。
アタシ自身が元凶なのだから。


ねぇヒカル

・・・

キララさんが映像の中から語りかけてくる。

・・・

あなたと過ごした数ヶ月、ホントに楽しかった。
アタシは記憶や人格をインナースペースに沈めこんで
とてもフラットな状態であなたに会えた。

空想に頼らず
現実に怯えず
あなたとなら話が出来た。

アタシの頭のネジが外れてたってのもあるんだけど。


アタシはこのまま何もかも忘れて
蒸発してしまうけど

最後の瞬間まであなたのことを思っているよ。

・・・

アタシは涙だか鼻水だか判らない液体で顔がぐしゅぐしゅだった。

・・・

ルキア。

お父さんとうまくやるんだよ。

ヒカルとうまくやるんだよ。

あなたなら大丈夫。

・・・

ルキアも泣いてた。

・・・

それから…

お父さん。

・・・

タコさんがピクっとなった。

って!!
ええええええええええええ???

タコさんがキララさんの????

・・・

ホントはずっと気付いてた。

初めてモジラで会ったときから。

けど気付かないフリをしてた。

でも。
よくよく見てみたら

目と鼻と口だけなんだけど
そっくりだってこと。

アタシは妙子さんには似なかったけど
お父さんに似て良かった。

・・・

タコさんは目から墨を流してた。

・・・

それじゃ。
みんな。

また今度ね。


そうそういい忘れた。

アタシの抜け殻の肉体はきっとまだ松坂にあると思う。

アタシはフラットなアタシをギッチューに幽体離脱で憑依させてる。
だから、
アタシにアタシをインストールして。

なにもかもゼロに戻ってるし
今度は記憶の欠片もないかもしれないけど。


・・・

ブツッ。

映像はそこで途切れた。
重たい沈黙。

キララさん。

あなたは風のような人だった。
嵐のような人だった。
桜の花びらのような人だった。


そんなことを思っていると突然
スターシップの中に光が満ちた。

光は窓から差し込んでいる。

アタシは窓に近づいて外を見る。

窓の外に広がる…。

あ。

青い…。


美しい星。

アタシの地球。



ただいま。
キララさん。
深ピーリングラブ
 深章#5
  To Be Continued

深章#6に続く

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