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機動戦士ガンダム外伝0081コミュのCOA本部(茨の園)

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隊員達が普段過ごす、茨の園の小惑星に建設されたCOA居住区での生活を覗けるトピです。

作戦が発令されると、隊員達はここから出動して行きます。


…実は悪い人達の動向も探れてしまったりします。

(IFなので、内容の一部に原作とは違う箇所があります)

コメント(624)

エレン編

エレンはデータ取りを依頼されていたのを思い出し、格納庫へやってきていた。
「あれ・・・かしらね?」

向こうに見えるのは、機体に乗り込んで行くパイロット2人。そして、ごつい整備兵が周囲に多い中、華奢な佇まいの者。

「私の依頼はあれかしら?」
3機の出撃を見守っていると、そばの整備兵に話しかけられる。
「エレンさん、ちょうどいい!・・・ナギさんに頼まれてたんですよ。この端末で、模擬戦とそのデータの収集解析をするように伝えてくれって」
「あら、ありがとう」
エレンは整備兵に笑顔で返す。少し赤くなり、整備兵はその場を後にした。

エレンは端末の前に座り、データベースにアクセスし、出撃した3機にデータをリンクさせた。
「この機体は・・・」
先日、ランスが捕虜とした少女の機体。TD社の技術が使用されており、エレンはランスに解析の許可を求めたが『本人に聞くといい』と笑顔でかわされたばかりだった。

きらーん。

エレンの目が光る。
「ふふ・・・久しぶりに燃えてきたかも。些細なモーションまで逃さないわよ・・・」
恋愛系のイベントにコレくらい目を光らせてれば良いものを、COAの中では多少、行き遅れの感が否めない美女はやはり仕事においてのみ目が光るようだ。

エレンの指がキーボードの上を、ロッドバルドが戦場を舞うが如く、滑っていく。

「さぁ、こちらの準備はできたわ。いつでも初めていいわよ!」
>>リスター編

ナギ「必死になってもらわないと困るんだよっ」
そう叫びナギ機はキング機に突っ込んで行った。

『そっちのいいように動いてくれればいい』と言われたのでそうさせてもらうとしよう。

私的にはこの模擬戦に勝ち負けは気にしていない。あくまでも試運転がメインなのだ。

距離的に当たるはずもないが、とりあず牽制射撃を続けるか…
>584あたり
[デューラー]

 茨の園に向かう途中のシャトル内にて
「さて今回の仕事場はできればきちんと保険や就労規定がしっかりとしてるといいですね」
 場違いのようなことをつぶやきながら見えてきた茨の園に視点を向ければバーニアの軌跡を描きながら出撃する機体の姿があり目視できる距離まで近づけば場違いにすら思えるジムスナイパー2の姿に一瞬緊張が走るも迎撃などの様子がないことに演習か鹵獲機であるのだろうと結論付け。
「まぁとりあえず今はあの茨の園について挨拶に行くことが先決ですね」
 到着アナウンスを聞けばゆっくりと出口へと歩いていくが不意に足を止めればしばし悩みながらおもむろに格納庫へと向かって興味本位から歩いていき。

[ちょち修正入れました、こんな感じでいいんですかね ・w・;]
リスター編


リスター「ん?連絡艇?」

演習場を避けるように基地に向かう連絡艇…

あの連絡艇には見覚えがある。
アナハイムの偽装艇だ。
おかしい…
次の連絡艇の便はまだ先のはず…
いったい何が…

その連絡艇に気を取られていると…

リスター「うおっと!?」

ビームが自機の脇を掠める…

ナギ「何ぼーっとしてるんですかっ!」

通信機からナギの怒声が飛んできた。

リスター「すみません。ちょっと気になることがありまして…」

ナギ「しっかりして下さいっ!」

リスター「では気を取り直して…このままでは有効打を与えることができません。ナギさんはそのまま正面で敵を引き付け下さい。その間に私は横に回り込みます。十字砲火をしかけましょう!」

ナギ「了解!ホンっト、頼みますよっ!」


さて、そろそろ本気で行きますか…
リスター編
(被弾〜戦闘終了まで)

リスター「スナイパーライフルで三連バーストだと?」

回避行動を取ったものの、右腕に被弾。
あくまで模擬戦なので無傷である。
しかし、この戦闘での右腕の使用不可となる。ついでに、ビームライフルも右手に持っていたため同じく使用禁止だ。

リスター「でも…その熱量ではっ!」

一気にブースト全開で接近を試みる。私のカンが正しければ次の攻撃には時間がかかるはずっ!

キング機は狙撃体制から退避に転じる。
しかしながらスピードはこちらの方が数段うえだ。

リスター「この距離なら…行けるっ!」

そう、中の人も叫びたかったあの台詞を今っ!!
リスター「ゲルググコレダー!!うわぁぁぁぁああああ!!」

キング機にトライデントを突き立てる。
もちろん模擬戦なので放電は無しだ。

そして…

モニターに『目標撃破―模擬戦終了』の文字。


リスター「やれやれ…スナイパー一機に対してこちらの被害は一機(ナギ機)と右腕…勝ったとは言えませんね…」

私はナギとキングに向け通信を送る…

リスター「2人ともお疲れ様でした。さぁ!基地に戻りましょう。」
【雫編】


雫「さて、どうするか・・・」

祖父であるクェーサーが遺した設計図のデータを片手に、雫は悩んでいた。

雫(ピスケスは、技術上の問題で造れない。
『13番目』は、プロット作成の途中で造れたもんじゃない、か。)

データ端末を閉じ、ハンガーにかけられたMS達を見て歩く。
やはり、扱い易さやスペックの違いから、ザク系統やゲルググ系統を扱う者が多い。

雫「足りないのは、インファイターとロングレンジか・・・」

一通り見て回った雫は、ポツリと呟いた後、端末を開いてデータを2つ呼び出した・・・
作戦終了後、潜水艦内
 【真相】

「・・・ということにしておけ」
白い顔のまま、ランスが力なく言った。

「えぇぇぇっ!!」

ねことアオイと軍医はのけぞらんばかりに驚く。
「た・・・確かに脈が・・・無かったような・・・」
軍医がまだ信じられないように言う。
「・・・当たり前だろう。大量に『出血』したんだ、血圧も下がるし、脈拍や鼓動も弱くなるさ。瞳孔反応取らなかったしな?・・・それよりも、暫く私は死んだことにしておけ」
「だからなんでさ?」
ランスの言葉にねこが突っ込む。
「簡単な話だ。私のような危険分子が死んだことで、今地上に降りている部隊の危険度は少しは低く見てもらえる。宇宙(そら)にも帰り易くなるものさ」
「ほほぅ」
「それに、静観を決め込んだ奴らも動くかも知れないし、この虚報を見抜いた奴らは更に何かを持ちかけて来るかも知れん。まぁ、チャンスとばかりに仕掛けてくる奴らもいそうだけどな」
「なるほどね・・・」
それぞれ頷いて見せる。

「それに・・・」
さらにランスは続ける。
「・・・久しぶりにゆっくり寝かせて欲しい」


ねこ、アオイ、軍医はとりあえず(勿論、地上から直接通信できないのは三人とも知っているのだが)『漆黒の悪魔、死す』の報を打電した。
当然、そのまま艦長室に運ばれ眠りについたランスを知っているのは、三人のみである。

「いいのかなぁ・・・」
アオイが心配そうに呟く。
「ま、まぁ、隊員達には『死んだ』とは言ってないし・・・(生きてるとも言ってないけどね)」
ねこはとりあえず「大丈夫だよ」と笑って見せる・・・が、やはり内心は穏やかではない。

「・・・まぁ、ランスの副官である以上、これくらいは覚悟してたけど・・・さ」
COAで一番の苦労人は、天井を眺めて呟くのだった。
ターボ編
サルデーニャ作戦終了後
【潜水艦内格納庫】

作戦が終わり、潜水艦はサルデーニャから離れた海中にある。

俺は半ば強引に狭い潜水艦に押し込められたギャンを見ていた。

その姿は片腕を失い、ボロボロ。良くもまあ、これで動いていたと言った感じだ。

ターボ「やれやれ…」

俺はポケットからタバコを取り出し、火を点けようとすると…

バルバッコア「兄ちゃん、悪いがココは禁煙だぜ。」

この艦の主、バルバッコアだ。

バルバッコア「悪ぃな、俺も葉巻をやるが、この場所ばっかりは火気厳禁。なんせ元々この格納庫は火薬庫なもんでよ!」

ターボ「そうだったのか…すまない…」

バルバッコア「ま、兄ちゃんの気持ちはわかるぜ!戦った後の一服は格別だからな!」

ターボ「で、艦の主がこんな場所まで何の用だ?」

バルバッコア「兄ちゃんをスカウトしに来た。」

ターボ「はぁ?」

バルバッコア「ガッハッハ!冗談だ冗談。だが、兄ちゃんの腕は認めるぜ!それより…」

バルバッコアは急に真剣な表情になり目線を移す…
その先にはボロボロのロッドバルド…見方によっては俺のギャンよりも損傷が激しい。
特に注目すべきはコクピット周辺のおびただしい血痕…

バルバッコア「なぁ兄ちゃん、俺はランスの事は昔っから知ってるけどよ…」

ターボ「ちょ、待て!何だその下りは!?司令はそんなにヤバいのか!?」

バルバッコア「まあな。先に運び込まれた嬢ちゃんもヤバかったが、それ以上らしい。面会謝絶だ。ウチの軍医が看てるが今のところ何も連絡無しだ…」

ターボ「…。」

バルバッコア「そんな深刻な表情すんなって!ランスの野郎は殺されたって死にゃあしねえよ!アイツのしぶとさは半端無ぇからよ!ガッハッハ!!」

バルバッコアは豪快に笑って見せた…

ターボ「『アルカナ機はアルカナ機にしか倒せない…』か…」

バルバッコア「おっ!いきなり何だ兄ちゃん?その言葉誰から聞いた?」

ターボ「あ?ああ、俺の師匠さ。」

バルバッコア「師匠って誰だ?」

ターボ「ヴィッツ=バレット…」

バルバッコア「ほぅ…となると兄ちゃん、あの『軍神』の弟子かい?ヤツならアルカナについて少しは知ってるかもしれないな!」


(続く)
(603続き)

ターボ「師匠を知っているのか!?」

バルバッコア「直接会った事はないが噂には聞いている。ま、名のある者の間ならアルカナ機の噂くらい出回っていてもおかしくねえって事よ!で…兄ちゃん、アルカナ機に興味あるのかい?」

ターボ「アルカナ機自体には興味は無い。俺は力が欲しいだけだ…」

バルバッコア「力か…つってもよ兄ちゃん、アンタ、連邦の奴らから『鬼神』って呼ばれて恐れられてるの知らないのか?」

ターボ「『鬼神』?どう言う事だ?」

バルバッコア「ま、兄ちゃんの戦い方だろう…既に兄ちゃんは連邦から警戒されてるぜ。『馬鹿デカいビームサーベル持った鬼神に気をつけろ。ヤツには血も涙もない。』ってな感じだ。」

ターボ「いったいどっからそんな情報を…」

バルバッコア「おいおい兄ちゃん、海賊の情報網を侮っちゃいけ無ぇぜ?なんなら先の戦闘の情報だって既に手中にある。ちなみに追っ手は今の所は大丈夫だ。連邦ヤツら混乱してて追撃する余裕はないらしいみたいだしな。」

ターボ「…。」

バルバッコア「しっかし皮肉なもんだぜ。外部の情報は分かってるのに、内部の情報(ランスの容態)が分か無ぇってのがよ!」

ターボ「そうだな…」

そんな時…

艦内放送「お頭!てぇへんです!すぐに来てくだせぇ!」

バルバッコア「おっと、何か動きがあったみてぇだな。じゃ、またな兄ちゃん…いや、『鬼神』だったな!」

バルバッコアは俺に『鬼神』と言う言葉を残し去って言った…

『鬼神』か…
連邦に恐怖を与えるには丁度良い肩書きかもしれないな…
ランスが死んだ。

うん。



何も言葉が見つからない。
あるのは、不思議な違和感。

たがしかし、その違和感は唐突にかき消される…

ランスが口を開いた。
呆然と聞き、ランスを見ながら。

ロッドバルトは大破
ランスは瀕死

自機は中破
自分は体力・気力の消耗

部隊全体で見ると
大雑把に言えば、壊滅に近い損害。
なのに、今回の作戦は成功とは言い難い…

新型機の撃破は成功している。
そして、死者は居ない。
機体は修理出来る。

だが、アルカナ機をはじめカスタム機ばかりの部隊である。
更に、ここは地球なのだ…

静かに眠るランスの側で、ねこは普段使わない頭を痛める。

自機もさながら、ロッドバルトとランスは暫く戦闘参加は難しい。


そんな事を無駄に考えながら、ねこもランスの傍らで眠りにつくのであった…
潜水艦格納庫内レイ視点

「・・・参ったね、お手上げレベルだ」
レイはロットバルドを見上げて呟いた。
修理費は当然ながら、特殊な材質を用いて組み上げられている為、修復がかなり厳しい状況だ。
材料を調達できるとしても、修理費だけでゲルググJ1機分は飛ぶ。
それなら、いっそゲルググJにシステムや無傷で済んだジェネレータを始めとする内部機構を移設した方が早いのだが、統合整備計画に基づいて造られている為、完成品では、ロットバルドのシステムを組み込む余地もないだろう。

「フレームのみで組み上げ途中の機体とかがあればなぁ・・・」
ロットバルト開発当初は、素で新品、フレーム状態でのゲルググを手に入れることが可能だった。
だが、今となっては、それも難しい。

タダでさえ、今、ジオン残党は各地で軍閥レベルの勢力しか持っていない。
連邦なら、次期主力機の開発が盛んな為、出力や機体強度、新型ジェネレーターなども今のロットバルトに引けを取らないレベルの機体を手に入れることが出来るのだが・・・
正直、去年、騒動のあったあの「NT−1」クラスなら、残骸だって構わない。
あれなら、ランスの技量にも応えられるはず。
もしくは、連邦の「RX78ガンダムタイプ後期試作機」などでも可能か。

いや・・・
手がないわけではない。

まずは、『ラピュセル』にシステムを移すこと。
材質、時間、費用などは全く問題なく済む。
ただ、それはアルカナマイスター達の中では『禁じ手』とされることだ。

もう一つは・・・

博士が亡くなる間際に開発を始め、博士の死後、手付かずになった機体がある。
恐らく、アルカナ最終ナンバーを背負うはずだった機体。
機体は完成しているが、中身のデーターが空っぽ。
それを手に入れられれば・・・
だが、ランスが好まない「ガンダムタイプ」の機体。乗ってくれないかもしれない。

あとは・・・

「・・・あの『お嬢さん』がその気になってくれればなぁ」
レイが見上げた天井の更に向こう。
茨の園がある方向を見つめて、レイは溜息を吐く。

「まぁ、申し訳程度でも、直さないとな」
ジュデッカに積んである予備部品を付ければ、完全ではないが、出撃できる程度には直せるかも知れない。
「完全は・・・無理だろうけど」

悪魔が、戦場で猛威を振るう日は、再び訪れるのだろうか・・・
一方、地上では・・・



咲耶「はい・・・はい・・・」

???『・・・では、頼みましたよ?』

「御意に・・・」と言う一言を最後に、開いていた通信端末を閉じる。

聞かれては不味い事なのか、咲耶は潜水艦内の人気の少ない一角で本社からの連絡をしていた。

咲耶(早急に話をつけた方がいいな)

そう思い立ち、近くにあった艦内用の通信に手を掛ける。

咲耶「アベル少佐にアオイ少佐、話がある。
バルバッコア艦長と、話せる状態ならランス大佐もな。」
「アベル少佐に、アオイ少佐話がある」

半ば虚ろに聞こえた、掛け声に暫く間を置いて答える。

「司令もか。思考回路がまともかどうか怪しいけど、聞き取る事ぐらいは出来るんじゃないかな…」

あれ以来、ランスは生きてはいるが、言葉を発する事はない。

「まぁ、少人数だし、体調も考慮した上で、長くて1時間、そしてランスの病室でしか出来ないですけどね」

個人的に動き回らないランスはランスじゃない。
セクハラまがいの言動・行為がないランスはランスじゃない。

ランスの病室に5人が集まり、ランスを囲むようにして並ぶ。

バルバッコアは最初に一度ランスを見やり、短く舌打ちして腕を組明後日をみてる。

アオイは…泣きそうな顔でランスを見てる。

咲耶はランスを直視だ。
表情や顔色は一切見ない。

私は、ランスを取り囲む計器類を見てるフリをする。


さて、何の話が始まるのだろうか…
基地編

突如基地内に鳴り響くアラーム。
基地管制は天地が裏返るような・・・状態には幸運にもならなかった。

幸か不幸か、突然の来客に慣れてしまったのだ。

「スクランブル、待て!」
管制主任から指示が出る。
『スクランブル、解除。迎撃機は発進準備のまま待機!』
リップルの声が基地内に響く。
「・・・うーむ。カニサマ少佐と各部責任者を集めよう」

『お呼び出しします。カニサマ特務少佐、および、各部責任者は至急管制室へお越し下さい。繰り返します・・・』

リップルがアナウンスしている間に、管制主任はヴァッサーゴに通信を取る。
「・・・貴殿らのことは存じている。残念だが、最高責任者は今不在である。よって、代理の者が決定を下すまで、少し時間を戴きたい。・・・迎撃機は出さないが、防衛システムは生きている。すまないが、大人しく待っていてくれるようお願いする」

ランス編

「アベル少佐にアオイ少佐、話がある。
バルバッコア艦長と、話せる状態ならランス大佐もな。」

咲耶の声は、ランスの耳に届いていた。
眠りに就いていても、美女の声には反応する。(コレをランス☆イヤーと言うとか言わないとか)


「・・・ねこ」
4人を前にしてランスが静かに口を開く。
「ん?・・・起きたのか、ランス」
「美女の声に反応しな・・・ゴホ!・・・あんな張り詰めた声に反応出来ないほど、落ちぶれてはいないさ。悪いが、身体を起こしてくれ」
「大丈夫なのか!?」
ねこはランスの顔を覗き込む。
「大丈夫じゃなきゃ言わない。男と見詰め合う趣味はないぞ、早く俺を起こしてくれ」
ねこは渋々、ランスの上半身を起こす。
ただ、少なくともバルバッコアとねこは気づいていた。

ランスが自分自身を『俺』と呼んだことに。

ジルシェやねこなど、ほんのごく僅かな気を許せる人物の前以外では、ランスは少なくとも『俺』と自分を呼ばない。
当然のことだが、まだ完全な回復には遠いようだ。

「まだ本調子には遠いな、無理するなよ」
ねこの窘めに、ランスは薄い笑いで応えた。
「さて・・・話を聞こうか、咲耶君」
表情だけはいつものランスに戻る。

ただ、いつもとは違う、何かを貫くような強い目の光を見せて。
610〜


室内に響く放送。
その内容に、カニサマは顔を上げた。
彼に与えられた机には、各種書類が積み重ねっている。

カニ「呼び出し・・・ほかの人も呼び出されている、ということは、何か問題でも発生したんですかね」

目を通していた書類を[処理済]の箱に放り込み、いすから立ち上がる。

カニ「ちょっといってきますね」
深沙「はい、いってらっしゃい」

深沙が書けてあったジャケットを手に、カニサマの側による。

カニ「・・・曹長から、特殊とはいえ、少佐とは・・・なんか、気後れしますね・・・」
深沙「なにいってるの。ランスさんはあんなだけど、人を見る目は確かなんだから」

階級章を指でなでるカニサマの背中を、深沙がぽんぽんとたたく。

深沙「さ、いってらっしゃい」
カニ「いってきます」
ついでに、放送に乗じてー


サクラ「ZZZZZZzzzzzzz.....」

自室のベッドで眠っていたサクラ。
鳴り響いたアラームで、目が覚める。

アラーム、轟音、銃声などの音に即座に反応できるようなってしまった。
戦争が終わり、平和な日常を手に入れても、その慣れは消えることなく、彼女の中で機能していた。

サクラ「敵!?」

即座に飛び起きた彼女。
しかし、すぐに流れた解除の放送に体の緊張を解く。


『お呼び出しします。カニサマ特務少佐、および、各部責任者は至急管制室へお越し下さい。繰り返します・・・』


そして、そのまま続いた放送。
その内容。内容よりも、呼び出されて名前に、彼女は目を見開いた。

[カニサマ]それは、一年戦争の最中、離れ離れになってしまった兄の名。

サクラ「・・・兄・・さん・・・?」
【咲耶編】



ランス「話を聞こうか、咲耶君」

ランスは身体を起こし、切り出した。

咲耶「最初に聞いておきたいことがある。
これからする話に関係することだ、率直に答えていただきたい。」

咲耶は一拍起く。

咲耶「宇宙に変えるにあたって、足を調達する当てはあるのか?
あるのならば、今回の話は無かったことにしよう。」
基地編

ジルシェは呼び出しに応じ、管制室へ向かっていた。
管制室には自分が責任者の中では、どうやら一番最初に着いたらしい。

管制主任は、ジルシェの人となりを知っているので、階級上では同じなのだが、敬礼をして迎えた。
「司令夫人、お待ちしておりました!」
「・・・ボクはランスちゃ・・・司令の代りにはならないよ」

ジルシェは円卓の席に着いて他を待つことにした。
「ところで、お客様はどうしてるの?」
ジルシェはなんとなく、管制主任に質問してみた。
「は、基地から20キロ圏にて待機して頂いております」
「・・・」
ジルシェは、必死に『ランスマインド』に近い考えで思考を試みた。

「・・・主任」
「は!」
「今すぐ、お客様を入港させて」
「・・・え、入港ですか!?」
「ランスちゃ・・・司令ならそうするわ。入港した後、身柄をどうするかが問題であって、感知されやすい外宇宙に、お客様を待たせたりしないと思う」

ある意味、ここがどういう宙域なのかを考えたら、必然的な考えだった。

「は、申し訳ございません、すぐに対処致します!・・・入港後はどうしたしましょう?」
「それは、ランスちゃ・・・司令に基地を任された人が決めることだわ」
「は!」
主任はジルシェに敬礼すると、すぐさまヴァッサーゴに通信を入れる。

『こちら管制。入港を許可する。以後の行動は、こちらの決定を待って頂く。3番ドックに入港せよ』
ランス編

「宇宙に変えるにあたって、足を調達する当てはあるのか?あるのならば、今回の話は無かったことにしよう。」
咲耶の言葉に、薄く笑顔を浮かべる。

「私とて、一軍の将となった者だ。そこら辺の抜かりはない・・・はずだったんだがな」
ランスの笑いが自嘲的なものに変わる。
「私の予想を上回るほどに、事が大きくなりすぎた。ジブラルタルかキンバリーならば、私が出向けば協力を得られる手筈だったが、このザマだ。八方塞がりに近い。もし、宇宙(そら)に帰る手段を得られるのであれば、相手が誰であれ、手を貸してもらいたいところだな」
咲耶の目を真っ直ぐ見据えて、ランスは言った。
何か、言葉に含むものがあるのだが、恐らくランスと咲耶以外に、現在それを見抜ける者はいない。
もちろん、ランスとて確証があるわけではないので、はっきりと表現しないのだが。

「あてがあるのなら・・・交渉には何時でも臨む手筈は整えてある」
【咲耶編】



咲く耶「そうか・・・」

ランスの答に、咲耶は一言答えて瞳を閉じる。
端から見れば、呼吸を整え、意を決したかのように見えるように。

咲耶(気付いていたか・・・否、あらかじめ想定していたか。)

瞳を開け、咲耶は依頼主から預かった言葉を紡いだ。




※これより作戦板2に移動します※
ヴァッサーゴにて

サイレンが鳴り響く。
めんどくせぇ。
まったくもって忌々しいがしゃーねぇ。

出撃ランチへと駆ける。

「おーい、オレのジムコマ準備できてっか?」
『あたぼーよ。まぁおまいさんは“コマンド”ってガラじゃねぇがな』
「うっせぇ」
『30秒で支度しな』

宇宙仕様にカラーリングされた盾を背負い
マシンガンの装填数を確認する。

「カモン、メシの種」

ハッチが開くのを静かに待つ。
>621後

「ちっ、しかたねぇな・・・」

おあずけを食った犬のように顔を上げる。

「犬か、そうかもしれんがな」

虚空に光る星をみやる。

「犬でもそれなりに夢ってもんは見るのさ」

(事務駒出撃待機中)
【雫編】



サイレンが鳴り響き、にわかに慌ただしくなる格納庫。
待機の放送が入るも、それは落ち着く様子を見せない。

「ちっ、第2種警戒か」

組み上げの手を中断し、雫は別の機体へと(文字通り)宙を泳いでいった。

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