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映画愛好会コミュのフェリーニの「道」

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再見は、再び見るだが(中国語では、さようならの意味なのは、誰でも知っている)、私が、「道」を見るのは、2度目ではない。何十回目である。何度も観る映画は、あと「2001年宇宙の旅」、「アラビアのロレンス」などだ。最近作では、「バベル」もそうだ。

 フェリーニは、難解な作品もあるが、この作品は、素直で、歌謡曲のように分りやすい。しかし、センチメンタルな作品ではなく、人生の深い悲しみを湛えた傑作だ。

 貧しくて「口減らし」のため、母親に1万ペソで旅芸人の男に売られた少し頭の弱い娘が、粗暴で野獣のような男に尽くすが、男に捨てられ死んでいく。ただそれだけの、一見、お涙頂戴みたいなお話だ。(事実、何度か、涙が出た。)しかし、人生の深淵をさらりと描いていて、無常観さえ漂う。空中綱渡り芸人がジェルソミーナに言うセリフ「すべてのモノは、存在する価値がある。石ころでも存在の価値がある」というのがこの映画のメッセージだ。幼くして母を亡くし、父も家を空けることが多かったせいで孤独に生きた幼年期を過ごしたフェリーニの原体験が画面のやるせない寂寥感と詩情豊かな風景に生きている。(ジェルソミーナを演じるフェリーニの妻、ジュリエッタ・マシーナは、個性的な顔で、名演技だが、1つ、頭が少々弱い女にしては、時々、知性的な表情になるのが気になった)

 この映画は、フェリーニの幼年期は、引き籠りの中学時代の私の体験に似ているので、感情移入しやすいのかも知れない。極度の栄養失調で数か月入院した後、初めて、神戸の三宮にあった名画座で独りぼっちで観たのが最初だ。寒い風が舞っている冬の季節であった。捨てられたジェルソミーナが独り吹いていたというトランペットの曲をある女が口ずさむのをザンパノが聞く場面で泣いた。薄幸な女の最後の哀れさに泣いた。女を出さずに、寂しい死を音楽だけで表現する見事な演出。ニーノ・ロータの哀愁極まりないメロデイーがいい!

 今回は、綱渡り芸人との別れの場面にホロリとなった。
 圧巻は、ジェルソミーナの死を知って泥酔して夜の海岸に行き、砂浜に倒れて、号泣する場面だ。私も号泣した。粗野な、貧しい旅芸人の悲しみが胸に迫ったのだ。人生は旅だ。多くの人と出会い、別れる。別れがたい人とも別れる。私も、親、姉、友人、恋人、同僚、教え子などと悲しい別れをしてきた。いつも、心の奥に夜の海岸が潜んである。


コメント(10)

「道」が好きなのはわかりましたハート


次は自分の日記に書いて下さいね(笑)
戦後日本で初めて公開されたイタリア映画「道」。私は王道過ぎてあまり好きではないですが名作ですね。
Amazonで取り寄せて見ました。


奥が深く、不条理な気分になりましたが、大切なものは、失ってから気付く、みたいなメッセージを感じました。



ジェルソミーナは、結局、社会から葬られた感じがしました。

ザンパノが悲しんだ訳、これは単純ではありません。



凄く、深いです。




洗濯物
口笛


久しぶりに観たくなりました・・・涙
トピ主さんの文章読んでたら涙が…
久しぶりにジェルソミーナに会いたくなりました泣き顔
あの音楽が頭をよぎります…

「道」のジュリエッタ・マシーナの演技大好きです。
ただただ愛らしい…

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