カーボンファイバーチェロ　L&Cコミュのカーボン製弓とカーボン製チェロ

ご存知の通りチェロのほとんどがカーボンファイバーで作られているL&Cチェロ。
木製部品はナットとブリッジと魂柱だけです。

製作には独自のノウハウと製作工程が必要な為でしょうか、L&Cの独壇場で他社のカーボン楽器はほとんど無いのが現状です。
市場が小さく、作っても売れないのでしょうか。
選択の幅を持たせるためにも、あと2・3銘柄くらいはあって欲しいですね。
見方を変えれば、L&Cがコストパフォーマンスに優れている証し（他社参入で成功が見込めない）かもしれません。

さて、久しぶりのトピックは一方の弓についてです。

閉鎖的で保守的な日本のヴァイオリン族の楽器環境・業界でも、カーボンファイバー製の弓は少なからず存在します。

相変わらず日本のメーカー（日本企業の企画・販売）の製品はヤマハ以外に僕は見た事がありませんが、外国メーカーのカーボン弓は数え切れない程多く、日本で売られている製品もたくさんあります。
高いものでも60万円程。（試奏しましたがイマイチでした。）
安いモノは下限知らずの現状です。

多くはメーカー品の上位モデルでも10万円+αです。
僕はこのクラスの1本を買ってメイン弓として5年程使っていますが、全く不満は無く素晴らしい弓です。

木製で良い弓を探そうとすると（僕の勝手な印象）最低でも15万円とか20万円からという感じです。
僕は5年前、木製弓で良いものを探すも（100本ほどを試奏）なかなか見つからず、カーボン弓に方針を変更し（50本ほどを試奏）購入しました。
趣味の演奏家が現実的な値段での良質な弓を探すのであれば、選択肢にカーボン弓を加えるべきだと思います。

多くの方にとって心配なのは・・・「カーボン弓なんて実際どうなのよ！？」
・・・ですよね！

例をひとつ・・・・
同郷豊橋在住のプロチェロ奏者である、名古屋フィルハーモニーオーケストラ次席チェロ奏者（3年前に定年退職）の杉浦薫さん。
イワユル安物カーボン弓を使っています。しかもメインで！！
名古屋の小さな輸入楽器商社の扱う弓で、価格は定価で4万円程です。
1000万円級のチェロに充分な品質の安物カーボン弓が存在する好例だと思います。

次は（あまり参考にならない例かも！？）僕のお話を・・・・
CodaBow DIAMOND GX　\126,000。
コダボウは米国のカーボン弓メーカー。
http://www.codabow.com/
DIAMONDシリーズのGXは最上級モデル。
5年前に購入。永年保証付きです。
日本で店頭試奏が可能で、通販ならば9万円程でも購入可能。

無名品　\11,500（送料込み）
日本の通販店で試奏無しで3年前にバンド用（乱暴な扱いを受ける用）として購入。
バンド用は毛（黒毛）の消耗が激しく毛替え（自分でする）のタイミングが難しい。このハザマを埋める予備弓が欲しかった。

無名品　\4,186（中国からの送料込み）
この度、米国オークションサイトeBayにて中国業者出品のものを落札。
だいたい3000円〜4500円くらいで落札されている商品。
バンド用弓の予備弓として購入。
コレがなかなかイイ！

米国eBayは日本のオークションサイトと違って、わずらわしい手続きや操作が無く簡単。
決済もクレジットカードさえあればpaypalで円換算で支払い。
チェロ関連の商品をたくさん買っていますが、今までトラブルはありません。

写真の3本は・・・
上：CodaBow DIAMOND GX　\126,000
中：バンド用無名弓　\11,500
下：バンド用予備弓　\4,186

CodaBowの品質は抜群。これを90点とすると他の2本は70点位。
安物2本の違いは僅少。日本で売られている6万円程度以下のカーボン弓の品質は全てこの程度のクラスだと思う（価格の違いは流通の違い）。
僕が試奏したヤマハのカーボン弓はもっと音が悪かった。

前述した杉浦薫さんの弓もこのクラスなので、アタリの弓の中には最高級木製弓に匹敵するものがあるという事。

値段や勝手な思い込みで「クソ弓」と切り捨てる前に、一度ダメ元で試してみては。
ビックリする幸運に恵まれるかも！！