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ゲームAIコミュのGDC2009のための予習メモ? AI Summit 一日目 

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今回から数回に渡って、昨年に続いて、GDC2009の予習メモを掲載する。

最初の2日間(23日、24日)は特に「AIサミット」に限定して情報を掲載することにする。AI Summit とは、今年から開催される、ゲームAIをテーマとしたサミットであり、主にパネル、次に講演などから構成され、AIコミュニティ(主に英語圏)のメンバーを結集して、議論を組み立てようという動きである。特に、オパネルが多いので、その場でしか聞けない意見や議論が多くなるだろう。また、GDCの特徴として、最初の2日間の記事はあまり多くないので、是非、取材して記事にしてもらいたいところだ。なので、以下、出来るだけ背景を含めて説明しようと思う。

ただ、後半3日間でも、これまで通り、AIの講演とラウンドテーブルは行われるので、各企業のAI担当者は、5日間に渡ってAIを追うことが必要だ。


* * *

AI Summit 

http://www.gdconf.com/conference/ait.html

を仕切るのは、

AI Game Programming Wisdom シリーズ、そして、
Introduction to Game Development(IGDAの教育カリキュラムを元に編纂されたまさにゲーム教育のための網羅的、教科書。ただし、少し古い。2004年)の編者である、

 Steve Rabin (任天堂アメリカ)

さんである。Steve Rabin 氏は、Neil Kirby (ベル研)氏と共に、3日間開催される AI Roundtable の主催者でもある。

最近、発足した

AI Game Programmers Guild
 http://www.linkedin.com/groupInvitation?groupID=131861&sharedKey=4DB8847B56CB

の説明が行われる。米では、完全に、AI Programmer という職業が固定し、コミュニティを形成し、構造化し始めたわけである。これは、実は、12年に渡る AI Programmer のコミュニティを形成して来た成果である。これは、去年の AI Progmrammers Dinner でいろいろな方に聞いたところ、「Steven と Neil の人柄に負うところが大きいよ!」とのことである。

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引用:
AI Summit Introduction and Welcome
Speaker: Steve Rabin (Principal Software Engineer, Nintendo of America), Dave Mark (President and Lead Designer, Intrinsic Algorithm)
Date/Time: Monday (March 23, 2009) 9:00am — 9:15am
Location (room): Room 2018, West Hall
Track: AI Summit
Format: 15-minute Lecture


まず、Steve Rabin による

#define GAME_AI
https://www.cmpevents.com/GD09/a.asp?option=C&V=11&SessID=8957

という講演が行われる。名前の通りゲームAIとは何か、ということを、
まず定義し、現在、どのような広がりがあるかが説明される。

実は、このゲームAIとは何か、ということについては、この2,3年で、
米では、なかなか刺激的な議論が為されており、

2007年の

Chris Hecker 「Structure vs Style」
 http://chrishecker.com/Structure_vs_Style
(スライドと講演資料がアップされています)

2008年の

Soren Johnson 「ゲーム的にいいAIって何だろう? うまく負ける技術」
 http://www.designer-notes.com/PlayingToLose.zip
 
  (三宅の解説) http://www.igda.jp/modules/xeblog/?action_xeblog_details=1&blog_id=918

が記憶に新しい。次々に変化して行くゲームAIの意味を、ゲームAI開発者は追い求めていて、それが、開発者から適切な言葉で発信されて話題になるのは、この分野に非常に多様な進化の速い分野であり、センシティブな開発者が増えていることを示唆している。

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引用:
Preparing for the Future: As a Professional Game AI Developer, What Should I Know?
Speaker: Steve Rabin (Principal Software Engineer, Nintendo of America), Brett Laming (Lead Programmer, Rockstar Leeds), Michael Dawe (Programmer, Big Huge Games), John Funge (Co-founder and AI Researcher, AiLive Inc.), Robert Zubek (Senior Engineer, Zynga)
Date/Time: Monday (March 23, 2009) 10:00am — 11:00am
Location (room): Room 2018, West Hall
Track: AI Summit
Format: 60-minute Panel

次に、

Preparing for the Future: As a Professional Game AI Developer, What Should I Know?
 https://www.cmpevents.com/GD09/a.asp?option=C&V=11&SessID=8276

というパネルでは、

  ? どのようなテクニックとツールがプロフェッショナルのゲームAI開発者に求められるか?
  ? 巨大予算のゲームでは、どのような専門的役割が求められるか?
  ? 大学など教育機関におけるゲームAIコースの紹介

などが解説される予定だ。特に、米では、ゲームAIコースが専門にある大学も幾つか存在する。

  (例) ゲームAI大学関係者リスト
Ian Parberry, ”Topics in Game Development”, University of North Texas, 2007 (大学の授業の資料)
     
そういったことが可能なのは、

  (i) 企業から大学へスピンオフする開発者がいること。
  (ii) 企業がゲームAIの情報を、AI Programming Wisdom, Gems 、学会を通して、
     公的な情報にしている。

    (例)AIIDE
http://www.aiide.org/AIIDE2008/Welcome.html

ということが大きい。

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引用:
Animating in a Complex World: Integrating AI and Animation
Speaker: Alex J. Champandard (Editor & Consultant, AiGameDev.com), Christian Gyrling (Programmer, Naughty Dog Inc.)
Date/Time: Monday (March 23, 2009) 11:15am — 12:30pm
Location (room): Room 2018, West Hall
Track: AI Summit
Format: 75-minute Lecture

https://www.cmpevents.com/GD09/a.asp?option=C&V=11&SessID=8277

さて、いよいよ講演に入るが、この講演は、

 Alex J. Champandard (Editor & Consultant, AiGameDev.com)
 Christian Gyrling (Programmer, Naughty Dog Inc.)

によって行われる。

Alex J. Champandard はゲームAIでは有名なサイト、

 AiGameDev.com 
http://aigamedev.com/

の主催者であり、彼は 

 Ai Game Development: Synthetic Creatures With Learning and Reactive Behaviors

という本も出しており、
この本は、FEAR (あのF.E.A.R.とは違う)という実際に動作するゲームに
様々なAIテクニックを実装しているのが紹介で、
非常によい本だ(サンプルを動かすのが少しだけ面倒である)。

 少し前の、彼のブログなどでは、キャラクター・アニメーションを実装されている。
 特に本講演では、地形やオブジェクトが複雑になるにつれ、キャラクターは様々なアニメーションを取らねばならないが、
 そういったアニメーションを物理的制約の中で、どうやって実現するか、ということがテーマである。

 実際、これからのキャラクターAIのテーマの一つして、
 多様な身体的動作と、高度な思考を、どのようにリンクしてAIシステムを構築して行くか、
 ということが、目指されている。この講演でヒントが得られることを期待したい。

 ただ、彼は何処かの企業に属してAIを開発している人ではないので、
 かなり自分の研究に特化した講演になると思う。
 だた、それが先進的であるからこそ、呼ばれたのだろうと思う。

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引用:
2008 AI Postmortems: SPORE, GEARS OF WAR 2, and BIOSHOCK
Speaker: Eric Grundstrom (Senior Software Engineer, EA), Matt Tonks (Gameplay Programmer, Epic Games), John Abercrombie (AI Programmer, 2K Boston), Neil Kirby (Member of Technical Staff, Alcatel-Lucent)
Date/Time: Monday (March 23, 2009) 2:00pm — 3:00pm
Location (room): Room 2018, West Hall
Track: AI Summit
Format: 60-minute Panel
Experience Level: All

 https://www.cmpevents.com/GD09/a.asp?option=C&V=11&SessID=8956

 というパネルである。サミットっていうだけあって、パネルが多いのだが、
 実際、多すぎるぐらいで、もっと講演があればいいのにと思うが、
 最初の開催ということも、あり、空いた時間は全部パネルで埋めた印象がある。
 情報が提示される講演と違って、パネルのような場所から、優れた情報を聴きだすことは、
 簡単ではないので、さらに日本人には早口英語を聞き取る必要があるので、
 是非、集中して望みたいところである。

 メンバーは、

   Eric Grundstrom (Senior Software Engineer, EA)
   Matt Tonks (Gameplay Programmer, Epic Games)
   John Abercrombie (AI Programmer, 2K Boston)
   Neil Kirby (Member of Technical Staff, Alcatel-Lucent)

である。Neil Kirby 氏は、正確に言うとAlcatel-Lucentのベル研のAI研究者なので、彼の司会で進行するのだと思う。
Neilさんは、去年のAI ProgrammersParty で、目の前の席になって、いろいろ話を聞かせて頂いた。

  「11年もコミュニティ続けるのってたいへんですよね」
  「だんだん大きくなった。最初からいるメンバーが熱心だからだな」

とか、いう会話をしたような...。^^詳しくは日記(GDC2008日記 ?5日目(2月22日、金曜日))を読もう!

Chris Hecker は来ないのかな? こういうパネルは、予告されないこと方が来られることも珍しくないのかもしれない。

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引用:
AI and Designers: Mind the Gap
Speaker: Soren Johnson (Designer & Programmer, EA Maxis), Alex Hutchinson (Creative Director, Electronic Arts Montreal), Joshua Mosqueira (Creative Director, Ubisoft Montreal), Adam Russell (Lecturer, Derby University), Tara Teich (Senior Programmer, Double Fine)
Date/Time: Monday (March 23, 2009) 3:00pm — 4:00pm
Location (room): Room 2018, West Hall
Track: AI Summit
Format: 60-minute Panel

次は、

AI and Designers: Mind the Gap
 https://www.cmpevents.com/GD09/a.asp?option=C&V=11&SessID=8484


というパネルだ。これは、

「ゲームAIってキャラクターを制御するわけだから、ゲームデザインの根幹に
 関る仕事をしているよね。でも、AI Progarammer って、デザイナーとして、
 雇われているわけでも、教育されているわけでもない。でも、一方で、
 デザイナーは、AI 技術のことがそれほど詳しくないので、チューニングとか、
 何処をどうやれば、わかるってものでもない。このギャップをどうにかしないといけない。」

ということをテーマにしている。

Soren Johnson (Designer & Programmer, EA Maxis),
Alex Hutchinson (Creative Director, Electronic Arts Montreal)
Joshua Mosqueira (Creative Director, Ubisoft Montreal),
Adam Russell (Lecturer, Derby University)
Tara Teich (Senior Programmer, Double Fine)

 ディレクターと大学の研究者、プログラマーが参加していろいろ話すようだ。
 そして、全体の橋渡しをするのが、デザイナーであり、プログラマーである、
 Sorren Johnson だ。

 Sorren Johnsont と言えば Civilization のAIプログラマーとして有名だったが、
 つい1年前に、Spore のチームへ移籍したことでも話題になった。

それはこのブログでも紹介した。
  http://www.igda.jp/modules/xeblog/?action_xeblog_details=1&blog_id=918

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引用:
Toward Solving Pathfinding
Speaker: Chris Jurney (Senior Programmer, Relic Entertainment), Kevin Dill (Senior AI Programmer, Rockstar New England)
Date/Time: Monday (March 23, 2009) 4:15pm — 5:15pm
Location (room): Room 2018, West Hall
Track: AI Summit
Format: 60-minute Lecture
 
 次は、パス講演の話である。

 Toward Solving Pathfinding
   https://www.cmpevents.com/GD09/a.asp?option=C&V=11&SessID=8961

 既に、FPSのAIの世界では、A* と ナビゲーション・メッシュ、ウェイポイント、
 パスの階層化、という実装はこの数年で形成されたデフォルトと言っていい。
 
 しかし、
 
  動く物体
  変化する環境
  群集制御
  
 など、

    「変化し続ける環境におけるパス探索はどうすればいいのか?」

 という課題が残されている。

 HALO3 の AI Lead だった Damian Isla (元Bungie)が言った言葉、

pathfinding will always suck. (パス検索はいつだって力足らずだ)
   
 という言葉を引用している。つまり、パス検索には、これから、もっと十分な機能を
 持って行かなければならないのだ。2人の講演者が、この問題を議論する。
 

 去年の旅行記でも書いたが、Damian Isla は全米の尊敬を集めるAI開発者だ。
 10分ほど話したけれど、とても物静かで知的な方だった。
 GDCの後、Bungie をやめてしまったが、また今回、話すことができたらと思う。

   Halo1〜Halo3 を振り返る - Bungie AI Lead = Damian Isla、 UK ゲームカンファレンスで大いにAI を語る-

   ai-blog (有名なAI Programmer が共有してブログを掲載するサイトです)

  
 ちなみに、AI Programming Wisdom と Gems をあわせれば、これまで、100を超える
 パスファインディングの記事が掲載されている。WEBの記事をあわせれば、優に200は超えるだろう。

  (例)WEB上のパス検索などの記事

        CGF-AI

 それほど探求されてもなお、パス検索は、もっともっと高度に
 ならなければいかない。これは、AIを開発している人間が、本当に切実に感じていることだ。

   - 敵に見つからないパスをたどりたい
   - 途中でビルが壊れたら、それに対応して迂回した経路を取りたい
   - ガスタンクを破壊して爆発によって経路を作って進ませたい
   - 複数のAIを戦略的に分散してプレイヤーを追い込ませるように移動したい
   
 など、そういった要望を解決しようとする論文は後を立たない。
 ゲームAIの研究分野は、パス検索だけでも、膨大な分野である。
 本当に、これでもまだ、ゲームAIという分野が学問として確立していないなどということは、
 信じ難い。ゲームAIは、研究者にとっても、優れた問題の宝庫である。
 一緒に研究したい方は、今すぐ連絡ください。^^

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引用:
Characters Welcome: Next Steps Towards Human AI
Speaker: Robert Zubek (Senior Engineer, Zynga), Richard Evans (Senior AI Engineer, Electronic Arts), Dave Mark (President and Lead Designer, Intrinsic Algorithm), Daniel Kline (Lead Game Engineer, Crystal Dynamics), Phil Carlisle (Game Programmer and Researcher/Lecturer, University of Bolton), Borut Pfeifer (Lead AI Programmer, Electronic Arts)
Date/Time: Monday (March 23, 2009) 5:15pm — 6:00pm
Location (room): Room 2018, West Hall
Track: AI Summit
Format: 45-minute Panel


 さて、いよいよ、最後のセッションである(長いですね)。^^
 後半の3日間は、17時で終わるけど、AI Summit は、9時から18時なのです。
 カンファレンス・ハイにならないと乗り切れないですよね。^^;

Characters Welcome: Next Steps Towards Human AI
 https://www.cmpevents.com/GD09/a.asp?option=C&V=11&SessID=8499
 
このパネルでは、キャラクターの3Dモデルとアニメーションについてテーマにする。
 ここには幾つかの問題があって、

  (1) キャラクターの3Dモデルとアニメーションって、ミスマッチなことが多い。
    キャラクターがユーザーに説得力のある動きをしなくてはいけないんだ。

  (2) 人間的な動きってどういうこのだろう?

 というテーマについて実際的なアプローチについて話そうというパネルである。

 45分しかないのに、6人のパネリスト! 一人は司会だとしても、多すぎるね。
 だから、延長は間違いない! 19時までかかると思っておこう! ^^

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