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柔弱漢詩コミュの『春寒』　　陳与義

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『春寒』　　陳与義

mixiユーザー 2013年03月05日 10:17

春寒　　陳与義

二月巴陵日日風　　二月の巴陵には毎日毎日風が吹き、
春寒未了怯園公 　　春の寒さが終わらないんじゃないかと気がもめる
海棠不惜臙脂色　　そんな中で、海棠の花は赤々と
独立濛濛細雨中 　　小雨の降りしきる中で咲いている

巴陵とは現在の地名で呼べば岳陽市、その西門に立つ三層の城楼が岳陽楼、と書けば中国古典詩の世界では結構馴染みのあるところです。

この市は三国時代の呉の名将魯粛が軍を駐留させ巴丘城を築いたことに始まるといった由来話は、三国志ファン向け。

宋詩と云えば、大体のところ蘇軾･梅堯臣･黄庭堅･范成大･楊萬里･陸游で終わってしまっているが、宋代はあまり詩の数が多すぎるので、昔からの有名どころで話を収めているだけが実情でしょう。

この陳与義にしても、宋代の超有名どころに続く位置にいるのだが、名前を知っている人はそう多くはない。

第二句の園公が作者自身を指していることは、作者がこの詩につけた自注に「借居小園、遂自号園公」となっていることから解る。

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