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アンチアグネスチャン協会コミュのアメリカ合衆国における性表現とミラー・テストについて

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5月29日付け日記日本のマンガ所持のアメリカ人男性が児童ポルノ所持で有罪に・・ のあと、関係するHPをいろいろ調べていましたが、「ミラー・テスト」について、資料をみつけたのでご紹介しておきます。

◆EMBASSY OD THE UNITED STATES JAPAN
 アメリカ早分かりhttp://aboutusa.japan.usembassy.gov/
というHPに掲載されている
<CRS Report for Congress
「猥褻」、「児童ポルノ」、および「下品な表現」をめぐる論議:
   最近の展開と懸案事項>
 2008年5月20日更新 米国議会調査局 ヘンリー・コーエン

http://aboutusa.japan.usembassy.gov/pdfs/wwwf-crsreport-childpornography.pdf(PDFファイルの直リンクはサーバーに負担をかけることになるそうなのでご紹介のみです)
 
 上記PDFファイルの論文のよれば、アメリカ合衆国においては、通常のポルノグラフィは憲法で保障されている「表現の自由」の範疇に入りますが、「猥褻(obscenity)」と「児童ポルノ(child pornograhy)」は、保護されるポルノから除外されているということです。また、憲法修正第1条によって保護されるポルノや「下品な」情報・素材であっても、未成年者がそれらの情報にアクセスすることを制限するために規制の対象になる場合もあって、「表現の自由」を保障する憲法修正第一条もその規制に反対するための根拠にはならないということでしょう。
 ただし、その「表現の自由」の保護から除外できるかどうかについては、最高裁判所の過去の判例に基づいて、かなり細かい規定があります。

 上記PDFファイルから青字で一部引用します。
 まずは、「猥褻」にかかわる部分について。(PDF資料の2ページから)
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猥褻

 ポルノが法的に猥褻であるとされ、その結果として、修正第1条の保護の対象から除かれるには、それが最低でも「明らかに不快な(patentlu offensive)ハードコアの性的行為を描写または記述」していることが必要である。再考裁判所は、表現物が猥褻であるか否かを判断するため、ミラー・テスト(Miller test)という3つの用件からなる基準を設けている。その3つの要件は次の通りである。

(a)平均的な人が、その所属する地域社会などのコミュニティのそのときの基準(contemporary community standards)に照らしてその表現物を見た場合、全体として好色的な興味に訴えていると考えるか、(b)その表現物が、当該州法によって明確に定義された性的行為を、明らかに不快感を得る方法で、描写または記述しているか、(c)その表現物が、全体としてみた場合、まじめな文学的、芸術的、政治的または科学的価値を欠いているか。
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 この「ミラー・テスト」というのは、1973年の判例から始まっているらしいですね。
 で、このミラー・テストの判断を誰がするのか、ということについては、1987年の判例(ポープ対イリノイ訴訟)が、(a)と(b)については、「陪審員がそのときのコミュニティの基準を適用して判断する事実問題である」としながらも、(c)に関しては、「適切な審問とは、当該コミュニティの一般的な構成員が猥褻だとされる情報・素材にまじめな文学的、芸術的、政治的または科学的価値を見いだすかどうかではなく、不別のある人がその情報・素材を全体として見て、そのような価値を見いだすかどうかである」としたのだそうです。
 さらに、1984年のブロケット対スポケーン・アーケーズ訴訟では、最高裁判所は、「正常で健康的な性的欲求を喚起するだけの場合」は猥褻ではなく、猥褻であるためには、「裸体、性、または排泄行為に対する恥ずべき、あるいは、病的な興奮」に訴えるものでなくてはならない、としたそうです。

 この1ヶ月ほどの間に、アメリカ発の「Japan オタクカルチャー」に対しての事例を伴った批判が2つありました。
 一つが未成年少女への性暴力を含む強制猥褻、暴行のシュミレーションゲーム「レ●プレイ」に対する、国際人権団体イクオリティ・ナウの抗議声明と活動、もう一つが「2003 Protect Act」で起訴されていたマンガ・コレクターのアメリカ人男性が「弁護士の勧めで司法取引に応じて有罪が確定した」ニュースです。

 イクオリティ・ナウによる抗議声明と活動は、日本のメーカーや流通が自主規制する形でとりあえずの結果が出ました。ゲーム製作者にしてもユーザーにしても、思いはいろいろあるでしょうが、イクオリティ・ナウやAPPへの抗議行動(かなりひどいものもあったようですね)は事態の改善には役に立ちませんし、かえって敵を増やす結果になると思います。「オタクカルチャー」の価値をエロゲまで含めて説得できる言葉を見つけないといけないと思うんですけどね…

 ミラーテストの(a)項目、
 <平均的な人が、その所属する地域社会などのコミュニティのそのときの基準(contemporary community standards)に照らしてその表現物を見た場合、全体として好色的な興味に訴えていると考えるか>
 から考えても、
 <「正常で健康的な性的欲求を喚起するだけの場合」は猥褻ではなく、猥褻であるためには、「裸体、性、または排泄行為に対する恥ずべき、あるいは、病的な興奮」に訴えるものでなくてはならない>
 という1984年の最高裁判断と照らし合わせてみれると、性暴力シュミレーションは、訴訟になった場合に負けてしまいますね。

また、コミック・コレクターの男性に関しては、
◆WIRED VISION [カルチャー] 2009年5月29日記事
↓<日本のマンガを集めていた米国人、児童ポルノ禁止法違反で有罪に>
http://wiredvision.jp/news/200905/2009052923.html
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(前略)
Handley容疑者の弁護人を務めたEric Chase氏によると、同氏はHandley容疑者に司法取引を奨めたという。なぜなら、問題となっているマンガ本の絵を陪審員たちが見たら、無罪を勝ち取ることができないと考えたからだ。Chase氏は、絵の詳細については説明することを避けた。
(後略)
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 アイオワ州という保守的な土地柄の中での陪審員による判断では、有罪は免れないという弁護士の考えから、少しでも罪を軽くするために有罪を受け入れるようになったわけです。


 でも、これらの最高裁判決は、やはりそれぞれの時代にコミュニティやもっと大きな枠組みで、共有されている価値観が反映されているわけですから、冷静で「まじめ」な議論の積み重ねとアピールで状況を変えていくことができるという証左でもあると思いますけどね。もちろん「おもちゃを取り上げないで」という程度の内容じゃどうしようもないわけだし、しっかりした議論を作るのは生半可なことじゃできないでしょうけど。

 「オタク・カルチャー」を守りたいなら、ヘイトスピーチを垂れ流している場合じゃないと思います。今すぐには無理でも、議論の蓄積は状況を変える力になるはず。「ジェンフリは反日」だの「フェミニスト嫌い」だの「人権嫌い」なんて言っている場合じゃないんですよ。
 ちょっと変わったセクシュアリティ・・・はっきり言ってしまえば、「健康的なヘテロの男女の性愛関係」以外のものを、「こういうあり方の表現物だってあっていいんだ」という議論をつくっていかないとならないわけですからね。
 ヘタレの風下フェミニストとしては、「リプロダクティブ・ヘルス・ライツ」や「性的マイノリティの人権」、「セックス・ワーカーの人権」をふくめ、これまで蓄積されてきた議論を学んで、オタクカルチャーのそれこそ「本質的な」意義を(見せかけの文学的、芸術的な体裁じゃなくてね)世界にアピールしていくことはできないかな、なんて思うわけです。
 


 PDF資料の児童ポルノに関しての部分については、また後日。


http://plaza.rakuten.co.jp/yotayotaahiru/diary/200906030000/

上記のURLのブログを引用させていただきました。

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