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国際法コミュのスーダンの件

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すみません。
お手数おかけし恐縮ではございますが、以下、お教えください。

★質問事項
報道によればICCからバシル氏への逮捕状が発行されたとのことですが、スーダンは国際法上バシル氏への訴追・ICCへの引き渡し義務があるのでしょうか?

★詳細
ICCが現職のスーダン大統領に人道に対する罪と戦争犯罪で、逮捕状を出したそうです。
http://www.asahi.com/international/update/0304/TKY200903040299.html?ref=reca

さて、以下の日経の記事を見る限り、スーダン側に国際法上の義務はないように見えます。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090305AT2M0500Z05032009.html
※7章には触れず、単に加盟国でないから、と記述。

しかし、wikipedeiaの記事を見る限りでは、「国連憲章第7章に基づく案件の付託」という記載があります。安保理決議の原文を見ていないので厳密には言えないのですが、7章に基づくのであれば、スーダンは国際法上、何らかの義務(原文を見てないのですが、おそらく訴追・引き渡し義務があると推測しうる!?)が生じうるように見えます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%88%91%E4%BA%8B%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%89%80


スーダンは、国際法上(7章下の義務として)、バシル氏への訴追・ICCへの引き渡し義務があるのでしょうか?


★備考
ICC規程が発効したのは2002年なので(採択は98年ですが)、2001年学部卒の自分はICC規程が良く分かってないのです。また、本件については、正直、新聞レベルでしか情報分かっておりません。

旧ユーゴ法廷や旧ルワンダ法廷は7章下(41条)で設置されたと一般的には解されているので、分かりやすいのですが。。。

コメント(16)

早速お教えいただき、また、とても的確にご回答いただき、ありがとうございますぴかぴか(新しい)

> 七章に基づいた事態の付託はあくまで、ICCに捜査・訴追を要請している
> だけで、引き渡しが義務化されるには、別に引き渡し要請の安保理決議で
> も無い限り義務にはならないかと。

なるほど。
そうであれば、日経もWikipedeiaの記事も、両方間違ってはいないのですね。
疑問が解消できました。
ありがとうございますぴかぴか(新しい)


ところで、自分でもう少し調べてみたところ、2008年6月5日、ICCのモレノオカンポ検察官は以下のような文書を安保理に提出しているようです。

★Statement by Mr. Luis Moreno Ocampo, Prosecutor of the International Criminal Court" NGO連合CICC(2008年6月5日)
http://www.iccnow.org/documents/LMO_Statement_5june08.pdf

上記のなかで、Ahmad Harun氏とAli Kushayb氏の件について、以下のように述べてます。

「The Sudan, a United Nations member, has the legal obligation and the ability to arrest and surrender Ahmad Harun and Ali Kushayb.」

バシル氏ではありませんが、上記2名の件は、共通する話のように考えます。なぜなら、特にこの2名に関して別途「引き渡し要請の安保理決議」を出してはいないように認識してます(もし間違ってたらすみません)。
モレノオカンポ検察官は、決議1593でもって、a United Nations member has the legal obligation and the ability to arrest and surrender と認識しているかと思われます。

※あくまで『当事者』として本件を担当している検察官が言っているわけですから、上記認識が正しいかはともかく、そう認識しているようです。

上記認識に基づけば、バシル氏についても、特に新たな安保理決議なしで逮捕・引き渡し義務が生じえる、ということになります。


H.S.210/蕾さんとモレノオカンポ検察官の解釈は違うという認識で正しいでしょうか? それとも解釈は同じでしょうか?
ご参考までに、お教えいただければ幸いです。


PS.
決議1593は、以下から見れます。ご参考まで。
http://www.un.org/Docs/sc/unsc_resolutions05.htm
 ページ下にある「S/RES/1593 (2005) Reports of the Secretary-General on the Sudan」
★追記

> 国内裁判所で勝手に逮捕状を発行することと、ICCが発行することの
> 本質的意義が異なるので、大きな人類の一歩であると信じたいですね。。。

はい、同感です。
「国内」紛争での人道に関する問題については、国際法上、ナチスのユダヤ人虐殺以来の長い課題でしたから、とても大きな意義があると認識してます。
同時に、後々、結果的にも、失敗事例のように認識されてしまい、後退してしまうようなことがないことを願います(報道を見る限り、アラブ系諸国は反発しているようですので)。
ありがとうございます!!
しかも凄い時間帯に。。。(笑)

> このコメントの後文やconc.を読む限り、検察官はある程度、実定法を踏み越えて発言して
> いるように思います。実際、スーダン政府はICCには司法権は無いっと主張していると
> 次の段にありますね。また、conc.で、しっかり別途、逮捕請求を出してくれって言ってい
> るので、実定法上この要請に応えて、安保理が決議を出さなければ、法的義務は発生しな
> いと見るのが通常かと思います。

ありがとうございます!!
なお、私見ですが、この検察官は決議1593で逮捕・引き渡しまで法的義務があると、広く解釈しているように読めます(『当事者』である検察官なので当然と言えば当然ですが)。

?「スーダン政府はICCには司法権は無いっと主張」している一文の前に、
The Government of the Sudan is not complying with Resolution 1593.
The Government of the Sudan does not recogneize the jurisdiction of the Court, a jurisdicton that this Council granted.
とあり、
?「conc.で、しっかり別途、逮捕請求を出してくれって言っているので」という部分については、
Based on those facts, I ask the Security Council to send a strong messsage to the Government of the Sudan and to issue a Presidential statement.
つまり決議ではなく「Presidential statement」などのレベルでとして、
Requeting that they arrest Ahmed Harun and Ali Kushayb.
としているので。
⇒この検察官は決議1593で法的な効力は十分(逮捕・引き渡しの義務まである)と解釈しているように読めます。

> 一方で、検察官の力点は、政府事態が犯罪やってるから、あいつらにはもう無理だってい
> う所かと思います。

おそらく、そうだと思います。P.4の末尾からP.5にかけて、ナチや旧ユーゴの例に触れているところからも、そう推察できます。

また決議1593の1と2との文面からは、上述のように広く解釈することも可能かと。あいまいな書き方なので。

> 安保理決議1593の6の意味

自分もこれから読んでみます、、、が、自分は英語がかなり苦手なので、全くお役に立てないかも(泣)

では。
現在の議論の位置がちょっと分かりませんが
トピック主題からいえば つまるところ争点は安保理決議1593主文2の

"Sudan...shall cooperate fully with and provide any necessary assistance
to the Court and the Prosecutor pursuant to this resolution"

に逮捕+引渡が含まれるか否かって理解で良いんですかね
("urges"以下の解釈もかな)

因みにICTYについての決議827の主文4では同様の文言を使いながら
"including..."で規程29条に触れてますね(29条d, 同eで逮捕/引渡を規定)

ただICTY規程29条とICC規程59条では文言も違うので
安易に同一視もできないんですけど どうなんでしょうね
(日経がそこまで深く考えてるかどうかは分かりません)
>H.S.210/蕾さん

ありがとうございます。ご指摘の通りかと思います。
数日間に渡りお教えいただき、ありがとうございますぴかぴか(新しい)

法の実効性は、いずれに解釈するにしても、「国内」紛争における国際人道法という領域における永遠の課題ですね。逮捕・引渡義務が「ある」と解する場合はもちろんですが、「ない」と解する場合でも「義務はないのだから放っておいてよい。論理的整合性もとれる。問題なし」とまで言って良いか、疑問に思います。

根本的には「国際人道法と国内管轄権、つまりは人道という領域における国際法秩序を、現実世界を踏まえて、各々が、どう捉えていくか」ということに行きつくか考えます。
>AMUさん

ICTYの例との比較からの観点からお教えいただき、ありがとうございます。
とても参考になりますぴかぴか(新しい)

解釈の争点は「決議1593主文2」でよいものと認識してます。
「主文1と2の両方」とも認識してましたが(主文1のreferという文言も解釈の余地があるように感じたので)、お教えいただいたICTYの例との比較から、主文2に絞ってよいものと認識しました。

ご指摘されているとおり、ICTYでは明示されていた"including..."という文面がないというのは、注目すべき点ですね。
「安易に同一視もできない」ということも踏まえて、「どう解釈するか?」が論点になりうるかと思います。

こう言いきると批判あるかもしれませんが、日経がそんなことまで考えてはいないかと。これまで、国際法という観点から国際秩序がどうあるべきか、論じたものを見たことはありません。まぁ、日経は経済新聞?ですから、当然と言えば当然かもですが。
まことさん

僕は安保理決議解釈にも国際刑事制度にも詳しくないので話半分程度に聞いてください 笑

まず主文1の"refer"はICC規程13条にいう"refer"でICC検察官に「付託する」という内容なので
ここから国連加盟国の義務が直接生じるわけではないと思います

主文2については 個人的には including云々がないのは
ICTY規程29条に照応する内容の義務を除外する意図というよりは
「締約国」の義務を定めた59条に言及する意味がないのと
むしろ義務の内容を制限的に解釈する余地を残さないためではないかなと思うんですけど
根拠があるわけでもないのでそこは 「引渡の義務などない」と論じる余地が全くないとも限りません
(ICCに管轄権がある案件でも 引渡義務が生じない場合もあるわけですし;
例えば犯人が"all other parties to the conflict"に含まれないICC非加盟国に逃亡した場合;
今回の場合それだと"urges"の解釈問題になりますね)

ただそれにしても 条約解釈ではないですけど 文言の「通常の意味」に従えば
少なくともスーダン政府には逮捕・引渡義務がある というのが一般的な答えな気がしますね
(NGOだとアムネスティはそういう解釈のようですね そりゃそうかという感じですけど)

なお「実効性」と拘束力の話や国際法秩序との関連は
理論的に高度で僕には少し難しすぎるようです

長いですけど以上拙答に代えさせていただきます 笑
>AMUさん

上記、ありがとうございます!

当初は、主文2の"shall cooperate fully"が「どこまでの範囲か?」を推察するのに、主文1の"refer"の解釈次第かな?と考えましたので、「主文1と2の両方」かと考えました。けれども、AMUさんのコメントを見て、あまりそこに拘る意味がないだろう、と理解できました
ありがとうございます。

> むしろ義務の内容を制限的に解釈する余地を残さないためではないかなと思うんですけど

実は、自分もあえて「制限的に解釈する余地を残さない」ように、というか、「"広く"解釈する余地を残しているのでは?」と考えてました(AMUさんの「通常の意味」から言えば、特段"広く"はないことになります)。
更に(勝手に)言えば、決議1593は『妥協の産物』ではないかと(勝手な推測ですが、西欧諸国と途上国とで、意見の対立があったのではないかと)。
妥協の産物ゆえに、解釈の余地が広いのだろうと。
この辺は、決議1593が出るまでの議論の過程が分からないと何とも言えません。
また、その議論が1つの重要なポイントかと考えてます。


-----以下、勝手な自論です。------

> アムネスティはそういう解釈のようですね そりゃそうかという感じですけど

はい。アムネスティも、モレノオカンポ検察官も、立場を考えれば、おそらくそうかと。

我々(勝手に我々と書いてますが、お許しを)のような、特段立場に縛られない人にとっては、どのような価値観・視点に立って考えるか?ということに行きつくかと考えます。
過去のトピックでも他の方が記されてましたが『視座』ということですね。
国際法を学ぶ意義の1つは、こういうこと(視座)なのだろう、と、勝手に考えてます。

なお、モレノオカンポ検察官の意見を見ると、立場という以上に、彼がどのような視点で考えているか、が推察できます。
すみません。3月9日の日経朝刊の社説で、スーダンとICCについて、触れられました。もちろん、義務の有無とか、そういう法的なことまでは書いてませんが、上記のコメント12は言いすぎでした。
訂正とともに、深謝申し上げます。

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