「コメツキムシ談話会」コミュの#40 ゲニタリアの保存方法

　ゲニタリアの抜き方については＃１４で紹介されていますが，抜いたゲニの保存にはどのような方法があるのか．．利点や難点も含めて，これからちっち書き留めていきたいと思います．皆さんも自分の方法を紹介していただけたらと思います．まずは，これまでに私が試してきた方法の紹介です．

①ゲニタリアをそのまま乾燥した状態で台紙に貼り付けて標本と一緒にに刺して保管する方法
　　　a. 針刺し標本の場合は台紙に貼り付けて標本の下に刺します．
　　　b. 台紙標本の場合は，標本がのっている台紙の隅に一緒の貼り付け場合と，針刺しの場合と同に別の台紙に貼り付けて標本の下に刺す場合があるようです．

②ゲニタリアをグリセリンなどの入ったチューブに入れて，保管する方法．　　　
　　　a. チューブを標本と一緒にに刺して保管する方法
　　　b．チューブを標本のそばに（標本箱の下側や隣）に別に刺して保管する方法

③ゲニタリアをミニスライドグラスにユーパラ－ルなどの封入材で封入し，標本と一緒に刺して保管する方法

④ゲニタリアを通常のスライドガラスにカナダバルサムやユーパラ－ルなどの封入材で封入し，標本とは別に保管する方法．

コメント(10)

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[1] mixiユーザー 11月27日 08:11

①の方法は，標本作製の際に，簡単にできるので，このようにしている方は多いと思います．観察も標本個体と一緒にできるので，個体を間違えることもない．しかし，時間が経つと，標本同様，ゴミがついたりしやすいのと，小さなゲニの場合は，双眼実体顕微鏡では細かい部分を観察することができない．

[2] mixiユーザー 11月27日 08:14

②の方法も個体を間違えることはないが，いちいちチューブから取り出して観察しなければならないので，他の標本との比較が簡単にできない．

[3] mixiユーザー 11月27日 08:18

③のミニプレパラート作成も個体を間違えることがないし，他の個体との比較が容易にできる．光学顕微鏡での観察もできるので，細かいところをしっかり観察できる．ただし，作成にはちょっと時間がかかる．

[4] mixiユーザー 11月27日 08:35

④通常のプレパラート標本にする方法は，光学顕微鏡で細かいところも観察できるし，カバーガラスで閉じるので，③の様に表面が盛り上がらないため，写真撮影の際の光の当て方に気を遣うことはありません．ただ，標本箱に入れるには場所を食うのと，動いてしまうと本体の標本を壊してしまう可能性があるので，どうしても，プレパラートボックスに入れて別に保管する必要がある．また量が多くなるので，個体毎のプレパラートを探し出すのが面倒．

[5] mixiユーザー 11月27日 15:24

私は、基本①と③でやっています。
大きめの種類の場合は①の直接貼り付けでまあ十分かと思います。
重要な物や小さいのは苛性カリ処理後に③のガラスにユーパラル封入してますが、時間が掛かるのが難点ですね。
小型種で特に重要で無い場合は、虫を乗せた台紙の端っこに直接ユーパラル封入してますが、結構使える気がします。
プレパラートは、見るのには最高かもしれないけど別保管になるし作成に時間も掛かるのでので無精な自分には無理かと･･･

[6] mixiユーザー 11月27日 18:34

　私は，①～④を試しましたが，ほとんどが①で，④は学生時代の数年だけ．理由は米屋さんと同じです．でも，これからは全部ではありませんが，③にシフトしています．

　①では，中型種の同定をするだけであれば十分かもしれませんね．ただ，微小種の同定，スケッチをしたり写真を撮ったりする場合は，そのままでは細かいところまで見えないので，どうしても台紙から外す作業と，仮のプレパラート作成という作業が必要となるので，面倒かも．

　これからたくさん絵を描いたり，写真を撮って比較することになるであろうことを考えると．．③にした方が良いのかな～．．．と思っています．ゲニを横から見ることができなくなるのは難点ですが．．．横から見た場合に特徴が出るものは，①と併用して保管でしょうね．

[7] mixiユーザー 11月30日 08:37

私は♂の場合は基本的には①です。
写真や作図をしたものは③にしています。
♀は内袋を観察する時は、まず②で保管し、作業が終われば③にする場合もありますが、基本は②です。
しかし②にすると、長期間保管していると、針刺しの場合にチューブの下にラベルを刺していると、ラベルが黄変することが有るのでチューブは一番下に刺しましょう。
④は保管には不向きですね。

[8] mixiユーザー 03月15日 02:09

>>[3]
この方法が個人的には良いと思っているのですが、ガラスと紙をしっかりと接着することが難題だと思っているのですが、接着剤は何を使われてますか？

[9] mixiユーザー 03月15日 02:31

Elaterinaeあたりのaedeagusがしっかりしてるグループに関しては、乾燥貼り付けでもなんの問題もないと思います。作業効率も考慮すると、それが一番適していると思います。ただカネコメ系のグループ(Hemicrepidius, Medakathous, Athousとか)だと、挿入器測片の先端は乾燥させると変形してしまって、ダメになってしまいます。そういう場合はグリセリンかユーパラルが必要です。保存できる期間の長さを考えれば、ユーパラルが最適だと思っています。ElaterinaeでもMelanoxanthusは乾燥させてはダメですね。

Bursa copulatrixのような膜状の構造は、観察と保存で溶媒を変えるべきだと思っています。解剖してすぐバルサを有機溶媒に入れてしまうと、最悪、浸透圧差で割れてしまうので。観察の際は、水とアルコールで調整して、いい感じふくらませつつ割れないようにして観察・撮影し、保存するときはユーパラルに、が今のところ一番良い感触です。
ユーパラルはチューブ保存だと、絶対液漏れするので、使用する場合は、チューブ本体とふたの接合部をパラフィン等でカバーするといった対処法が必要でしょうね。

というここ最近、やってて感じたことです。

[10] mixiユーザー 03月15日 07:53

>>[8]

紙の上にツルツルのガラス板を貼り付けたまま，落ちないようにするのに良いボンドがないかと探してみました．黄色い速乾ボンドを考えました．強力に張り付いてくれるのは良いのですが，ゴム系なので，標本箱の中でパラジクロロベンゼンなどの防虫剤により変質する可能性があるのではと，心配して止めました．

　次に考えたのが，ユーパラールやカナダバルサムなどで接着する方法です．これだと，台紙に染みこんでガラスと張り付いてくれますが，乾燥するのに時間がかかるのと，その間にずれてしまうこと，染みこんだユーパラールが漏れ出て，置いたところに張り付いてしまうことも．

　仕方がないので，標本にも使われることが多い，木工用のボンドを簡易的に使用しました．木工用でも張り付いてくれますが，ガラスですから，いつかはパラッと落ちるのではないかと心配になります．なので，ゲニなどを封入して標本に針刺しする際に，脇からユーパラールを染みこませています．

　次回まとまって作る際は，ユーパラールやバルサムの濃度を高くすることで，ガラスが台紙からずれたり，封入剤が台紙から染み出ないようにして，短時間で乾燥できるようにしたいと思っています．

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