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爬虫類学コミュの分類学 and 系統学

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近年、DNA研究が進み、これまでの主に形態に基づく分類体系と遺伝子でのものとが一致しない事例が多々報告されています。

また、「最近、新種記載されたけど、○○種とドコが違うの?」といった疑問などもこのトピックにお願いします。

コメント(19)

ワタシぐらいしか、興味の無い話でしょうが…

イシガメ属(Mauremys)の分類、というか定義が気になっています。

最近の遺伝子研究では、これまでのイシガメ属の単系統性が否定されており、クサガメ属(Chinemys reevesiiとC. nigricans)とハナガメ属(Ocadia sinensis)が内群に含まれ、両属はニホンイシガメ(M. japonica)と近縁となります。

形態に基づく研究報告では、クサガメ属とハナガメ属はイシガメ属と大きくことなることが知られており、過去(現在でも有効なのかもしれませんが)において亜科が異なりました。

形態が大きく異なる割には、遺伝子研究に基づいてクサガメ属とハナガメ属をイシガメ属のシノニムとして、一つにまとめて扱う、すなわち3属をイシガメ属として扱う傾向が、遺伝子研究者の主流のようです。

個人的には、属は単系統であるに超したことが無いとは思います。しかし、かといってその属を特徴づける形態形質(遺伝子でない形質)が無い場合は、どうするべきなのでしょうか。単に遺伝子でしか定義出来ない属よりは、形態でもわかる(肉眼でもわかる)属の特徴が必要ではないのかなぁ、と。

って、最後の方は、哲学チックなお話になってしまいました。すみません。
部屋、隣だからここで俺が書くのもアレかもですが。笑

私が以前、系統分類学的研究を行っていたBodo属(原生生物界、キネトプラスト綱、ボド目)も、同じような状況になってしまっていました。爬虫類ではなく単細胞の鞭毛虫ですが。

Bodo属は、形態が単純すぎて、属を定義するのも「1.2本の長さの異なる鞭毛を持つ」「2.丸い細胞体」「3.キネトプラスト(ミトコンドリアDNAの凝集体)をひとつ持つ」という、3以外は単細胞な原生生物にはよく見られる形質で、属自体がヘテロジーニアスになってしまっていました。

遺伝子の仕事で、その中から、「真のボド属」が見出されましたが、やっぱり形態が単純すぎて、新たにボド属と分かれたその他の属との属を分ける形態的差異が見出されておりません。


こういう問題ってきっと生物の世界にひろくあるのでしょう。


私もタートルくんの「属を特徴づける共有派生形態形質を」というのは賛成です。


私がやってた単細胞生物はともかく(形態をみるには電子顕微鏡で1個体あたり20枚以上の7nm連続切片が必要)、そのイシガメ属の遺伝子の仕事を支持する形態形質はまったくないの?

あと、イシガメ属以外のカメでも同じような問題ってあるの?
「単系統群であるに越したことない」というタートルの発言は自分は絶対にクラディストではないという事ですW

仲間W
いまいちブラッドの定義がわからんな>shuさんや(笑)
>る猫さん
決めたの俺じゃないからW
>あめふらしさん
Bodo属ですか…。ドコかで聞いたことがあったような。
Bodo属はみたことのですが、単純な構造の生物ほど形態的差異というの難しいそうですね。

イシガメ属にのみ共通する形態形質は無いと思います。そもそも、イシガメ属は所謂「ゴミ箱」的な属でして…。分布域も、日本を含む東アジア側と地中海沿岸域と、おかしく(?)なっております。

解決策を一つ考えているのですが、まだヒミツということで(笑)

>shuさん
そうですか、ワタシはクラディストではありませんか。ってことは、ワタシとshuさんは何ストでしょうか?

>る猫@Hell!Near!さん
ブラッドってパイソンですか?どのような定義になっているのですか?
 最近パイソンケ系の論文をチョコチョコ読んだのでコメントさせていただきます。 

 ブラッドがPython curtusを指しているなら、元々P.curtusと呼ばれていた種群は現在は以下の3種に分けるのが妥当かと思います。

マレーアカニシキヘビ P.brongersmai
ボルネオアカニシキヘビ P.breitensteini
スマトラアカニシキヘビP.curtus

 形態的特徴を見ていけば、まずマレーは目に上唇板が接しますが、ボルネオ・スマトラの場合は目と上唇板の間に眼下板という細かい鱗がわじゃぁと入るので、目に上唇板は接しません。とりあえずこの特徴でこの2つは分けられます。
次に数えるの大変なんで趣味の分野では大抵誰もしないですが、腹板数の違いが挙げられます。マレーで167枚以上、ボルネオ・スマトラで165枚以下と体サイズに関係してか後者の方が少ない枚数になってます。

 次にボルネオとスマトラはどこが違うんかいな?ということですが、パッと見でわかる判別点としては頭頂板。これがボルネオでは左右の頭頂板がくっついてますが、スマトラでは額板によって分けられくっついていません。分りやすい図はKeogh(2001)や鳥羽(2004)にのってました。

 Keoghが2001年に発表した論文では、mtDNAのcytb領域を対象にして遺伝的解析を行い、同時に形態的特徴および分布域をあわせてアカニシキ種群の分類の再検討を行っていました。

 得られた系統樹ではマレー、ボルネオ、スマトラはそれぞれ結構きれいに独自のクレードを形成しており、遺伝的距離でみてもそれぞれまぁ別種でもいいんじゃないかなぁと思いました。
 また、距離的に分布域が離れているボルネオとスマトラですが、遺伝的な距離はマレーに比べて遥かに近く、この両者の間にマレーが割り込んできているため、ボルネオとスマトラはマレーによって分断された印象があります。

 形態的な特徴からもボルネオとスマトラが姉妹群を形成してるって納得できますし、マレーとスマトラは同所的には分布が確認されておらず、一般にスマトラの方が山地側(標高の高いほう)で見られるようです。

 こんな特徴から僕はブラッドは3種に分けてもいいように思うのですが、細かすぎる分類は煩雑になるだけじゃないの?亜種でいいんじゃないの?という印象もあるんので、ここらへんの議論はまだまだ素人なので、どう解釈していいか悩んでいます。
Keogh et al(2001)のアブストと図だけ(笑)見ました。

Heavily exploited but poorly known: systematics and biogeography of commercially harvested pythons (Python curtus group) in Southeast Asia
という論文ですよね?

3つに分かれるのは確かなようですが、種のレベルで分けて良いのものなのか…

私はヘビに関しては門外漢なので、的が外れたコメントでしたら申し訳ありませんが…。パッと見で、この3種(一応、種として扱います)って一緒に見えてしまうのですよね。勿論、色が違うとか鱗の数、位置が異なるのでしょうけれど…。

分布が異なるため検証のしようがありませんし、妄想に過ぎませんが、仮に同所的に生息しているにも関わらず、異種間で生殖が行われなければ、種として扱って良いと思うのです。

この3種、つまりP. curtus groupに遺伝的に最近縁な種って何なのでしょうか?その最近縁な種とどれだけ形態的に異なるかで、このgroupを種に分けるか、亜種に留めるかが決まりそうな気もします。先ほどの論文では、系統樹の外群としてP. reticulatusを用いていますが、明らかに形態が異なりますよね…。これと同等の差異がこのgroup内には無いように思えるのですが。

なので、亜種に分けておくのが無難かなぁ、と
(個人的な考えです。責任は取れません、取りません(笑))
 ぶっちゃけ亜種でも良いよなぁ、と思っている僕です(笑)。
確かにこれらを種として認めるなら国内においてもアカマダラ種群(アカマダラDinodon rufozonatum rufozonatumとサキシママダラD.r.walli)をそれぞれ独立種にすべきなのでしょうが、こいつらは「亜種」というくくりが最適であると思います。

 しかし、どうもボア・パイソンを扱う人は「種」に拘るのか、中米のツリーボアCorallusも島嶼に分布するクックツリーC.cookiiやC.grenadensisを種として記載しています(Henderson 1997)


パイソンの系統に関する論文は最新のもので

Python phylogetics: inference from morphology and mitochondorial DNA.(2007)
Lesley H Rawlings 他

がありますが、ここではmtDNAの4領域を用いて結構網羅的な解析を行なっていました。論文中の系統樹では残念ながらブラッドは出てこないんですが、P. reticulatusはPythpn属の中でもかなり逸脱して、姉妹群をつくっているP.timorensisと共に別属を設けたほうがいいよぅ、とさえ言われています。

 Keoghらの論文でレティックを外群とするのはいささか縁遠すぎる気がしますが、恐らく同所的に生息する種なので、一番ゲットできやすかったから用いたのでしょう。

 野外での生殖隔離などに関する生態的な情報は知らないんですが、実際にこの2種(いちお種として記述します)が出会ってしまったら交尾はするでしょうし、卵も産めそうな気がします。それに関しては地道に現地サンプリングを行い、分布の境界を探る事と怪しげな個体が捕まったならアロザイムなどで交雑を調べる事が必要なのでしょう。

 いずれにせよ、ここらへんの「種」と「亜種」区分はどこまでで区切ればいいのかちょっと迷ってしまいます。

 そういえば、カメでは遺伝的形質から(藤井 2007)ヤエヤマイシガメの亜種としての区分が支持されなくなってきている気がしますが、今後形態形質が強くサポートされることはあるんでしょうかね?
ちょっと歪んだ考え方かもしれませんが…

Keogh et alのアブストで、このP. curtus種群たちは、皮用のトレードが行われていると書かれています。もしかすると保全を考えた場合、変に亜種で保全対象とするよりも、種としての方が保全されやすくなるから、わざと種分けに拘っているのかなぁ、と。亜種でしたら、1亜種くらい絶滅したって他の亜種がいるから、種としては絶滅しないから良いじゃん〜、みたいな扱いになってしまいそうです(もちろん、良くないですけど)。結局は、単に、ボア科を扱う人の流行りってオチでしょうけど。

分子系統樹では、最近縁なものを外群として使うのが普通なんですけどねぇ。アダシノさんの言う通り、近くに居たから用いただけなのかもしれません。でも、それでいいのかなぁ…

分布の境界域に生息する個体が交雑体かどうかを調べるのは、面白そうですね。きっと、混ざってるでしょうけど。逆に、全く混ざってなかったら、別種でしょう。

種、亜種の区別ってのは、解決しない問題ですよ(笑)。モノを区分けしたがる、ヒトのエゴとでも言いましょうか。

恥ずかしながら、(藤井 2007)は知りません。どこかに発表されたものなのでしょうか?昨年のハペ学会でそのような発表があったのは知っておりますが…。一応、ヤエヤマと基亜種は外見が異なる、というのは知っておりますが。
 確かにShineらもパイソンの皮需要は目に余っているようなので、種というくくりで保護に関する側面を強めたかったのはあるかもしれません。

 なんだかイリオモテヤマネコでも似た様な議論があったようですが、政治的背景で種を定義されるとちょっと混乱してしまいますね。

 分子系統樹で単に種内の遺伝的多様性を図るときは、多少ラフな外群設定でも良いと思っていましたが、分類学的な解析においては外群設定は重要になるんでしょう。近くにいたから捕った(真相は分りませんが…)ではやっぱ駄目ですよねぇ。
 ブラッドの場合外群としては既に遺伝子情報があるP.regiusやP.molurusが適しているんじゃないかなぁと勝手に思っています。余談ですが、最近海外ではP.curtusとP.regiusのハイブリが作られているようで、結構蛇も種間雑種が出来やすいんですね。

 ヤエヤマイシガメに関しては去年の学会発表だけで、まだペーパーにはなってないので(藤井 2007 未発表)とすべきでした。すいません。
政治的背景、つまりはお金ですね。お金は大事ですからね〜。でも、科学とは別に考えてもらいたいものです。

正直言いまして、私もそこまで系統解析の原理を理解しているわけではないのですが、わざわざ遠縁なものを使う意味があるのかなぁ、と。著者らに意図があるのかもしれませんが、それは本人達に聞かないと解らないですしね〜。

ヘビは(も?)、交雑しますよ〜。自然下では解らないですけど、アメリカ人とか頑張って交雑個体を作ってるイメージがあります。異属間でもいけるみたいですし。勿論、出来ないヤツの方が多いとは思いますが。

未発表でしたか〜。でも、形態が結構違うイメージがあるのですよね、基亜種とヤエヤマって。さらには、ベトナムのもの(と言われてる)とかも結構異なってるイメージなんですけどね〜。
>アダシノさん
遅レスすいません。
ブラッドはブラッドパイソンの事です。
書き込みしたいのですが、就業中の為長々と書けないのでゴメンナサイ。
落ち着いたら書き込み致します(ただ専門的な勉強はしてませんので、言葉足りずはご了承下さい)

>タートルくん
交雑種は実際出てます(私が見た限りでは)
タートルくん
ではそのうち聞かせておくれ☆
Bodoはどこでもいるよ(淡水、海水、汚水、土壌中etc)。たぶん、水溜りにも。典型的なバクテリア捕食のべん毛虫ですわ。


よく考えたら、(属の定義ではないですが。そして議論としては「全然似てないのに同じくくり」ではなく「ほとんど同じなのに違うくくり」と逆ですが。)俺のやってるニホントカゲのPlestiodon japonicusの3種族も、外部形態的差異はなさげだし。まあ、それは種内の話にしても、ニホントカゲとオカダトカゲの外部形態的差異も、いかがなものかと。いや、まだ私の勉強不足ですが。

俺の仕事は、バクテリアみたいに、トカゲを化学形態分類することにもなるのだろうか。

いや、分類が仕事の目的ではないけれど。
>る猫@Hell!Near!さん

やっぱり、交雑してましたか。ということは、それぞれが別種だとしたら、生殖後の隔離があるのでしょうね〜。それか、思いっきり混ざり合ってるとか。

>あめふらしさん

鞭毛虫ってイメージがわきません(笑)単に観察したことないだけですけどね。

逆に、形態で差異が無いのにも関わらず、遺伝的には大きく異なるというのは面白いですね〜。逆収斂みたいな感じでしょうか。

化学形態分類ってよりは、化学形質分類って言葉の方がしっくりくる気がしますけれど、どうでしょうか?勝手な解釈ですけど、形態というものは目で見えるものであってもらいたい、と。
存在は知られているのに学名の無かったヤモリ2種、アマミヤモリとタカラヤモリ(であってたハズ…)に学名が付いたようです。


Description of Two New Species of the Genus Gekko (Squamata: Gekkonidae) from the Tokara and Amami Island Groups in the Ryukyu Archipelago, Japan
Toda et al,. 2008. Copeia 2008, No.2, 452-466.
ニホントカゲ、実は二種いるそうです。

Geographic differentiation of the Japanese skink (Plestiodon japonicus) throughout the entire Japanese main islands was surveyed using two DNA markers, mitochondrial DNA (mtDNA) and an internal transcribed spacer of nuclear ribosomal genes (ITS-1). Both of the markers concordantly demonstrated geographically discontinuous differentiation between three genetic lineages: the northeastern, central and western lineages. Little to no gene flow occurs between the western and central lineages despite their parapatric distribution suggesting an existence of reproductive isolation despite no known morphological and ecological dissimilarities. On the other hand, the geographic ranges of the northeastern and central lineages are partially separated by a wide area occupied by genetically intermediate type having northeastern mtDNA and central ITS-1. The current data imply that the intermediate type was established by past secondary hybridization between the northeastern and central lineages. Although current gene flow status between the northeastern and central lineages should be elaborated by further data, at least the divergence between the central and western lineages should be maintained by reproductive isolation and therefore taxonomic revision of the species is desired.

Okamoto, T. and Hikida, T. (2009). Three genetic lineages of the Japanese skink Plestiodon japonicus (Scincidae, Squamata), and the genetic composition of their contact zones. Journal of Zoological Systematics and Evolutionary Research 47(2): 181―188.のアブスト抜粋
Batagur affinis edwardmolliという新亜種が記載されました。
まだ読んでいないのですが、新発見というよりは、意外と種内で遺伝的分化があるから亜種に分けよう、といった流れかもしれません(憶測)。

A new subspecies of Batagur affinis (Cantor, 1847), one of the world’s most critically endangered chelonians (Testudines: Geoemydidae). Zootaxa 2233: 57–68 (2009)
爬虫類の系統樹においてよくわからなかったカメの位置がMicroRNAの解析により有鱗目に近いことが示されたようです。
古くは無弓類にされたり、最近ではワニや鳥等の恐竜系統に含まれたりしていましたが、今回の解析で決着となるのでしょうか。カメの起源を示す化石が見つかれば、より明らかになるかもしれません。

http://rsbl.royalsocietypublishing.org/content/early/2011/07/08/rsbl.2011.0477
Lyson et al. 2011. MicroRNAs support a turtle + lizard clade. Biology letters.

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