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内山老師が残した言葉コミュの典座 完

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3千威儀経に、

煮物を作る場合の注意点には、5つある、と。

1つには、以下の通りに材料を入れること

2つには、よく煮込むこと

3つには、味をよく調えること

4つには、自分の目で見てよく確かめること

5つには、よく煮込んだら、火から離して蓋をすること


ご飯や煮物を作る場合には、行者、手伝いの者に火を起こさせるようにすること。


また3千威儀経には、竈を燃やす時に注意することが5つある、と。

1つには、火を燃やすには、薪を横にしてはならない

2つには、生渇きの薪を使ってはならない

3つには、薪を逆さに倒して入れてはならない

4つには、自分の口を使って、火を吹き燃やしてはならない

5つには、熱湯で火を消してはならない


ご飯が蒸し終わり、煮物もよく煮えたら、ご飯はご飯用の器に移し、煮物は煮物用の器に

移し、飯台において、これらの食物の由来を想い、尊び崇めて、遭い難き仏法に出遭い、

昔の祖師方と同じ道を歩めることに心から感謝するのである。


一本の菜っ葉でさえ、仏道を成就する助けとなり、

米一粒でさえ、仏の御法を説き明かしている。

これは、お米やお野菜そのものが、そのまま仏の御法を説いているといえよう。


飯台に置き、これを敬い崇めて後、時が来たら、香を焚いて、飯台に向かい、また僧堂を

望んで、坐具を布き展べて、九拝し終わり、坐具を収めて閉口し、叉手して立ち、それから

木魚を打つのである。

お食事を運び出す際は、飯台を望んで閉口し、お食事を運んでゆくのである。

典座は、お食事を運ぶ役の行者の後に従って、堂に赴くのである。

もし何かの会合があるようであれば、典座も行者と共に大衆にお仕えする。

大衆にお仕えする時は、お袈裟をつけず、たすきがけで、僧堂に向かうのである。

いつも通りの食事の場合は、そこまですることはない。

典座は、取り扱う食物が、たとえ粗末なものであったとしても、決して手を抜いたりせず、

また逆に、上等の材料に出逢ったならば、ますます心を励まし務めるのである。


一日の務めを無事に終えることができたならば、このように合掌すべきである。

今日も1日を無事に過ごすことができたのは、はるか昔から仏の御法が、

この自分をお守りくださり、生かされてあるからこそであった。

その上、さらに仏道に出遭えたこと、仏道を学び歩めていること。

仏法僧の三宝に出遭い、従わなかったならば、このような喜びは得られなかった。


今日も明日もこの自己に備わっている功徳に合掌するのである。

自己の功徳に合掌することは、あらゆる仏に備わる功徳に合掌することである。

仏の光明が典座を輝かせている。典座の光明があらゆる生命を輝かせるのである。



僧が典座の食事を頂く場合、作法を重く敬うことを宗とする、

との先人の言葉を常に心に留めておくべきである。

典座は以上のごとく尊い職である。作法に間違いのないよう、事細かに参究し、

心して典座の作った食事を頂きなさい。



おわり




参考文献

岩波文庫 「道元禅師清規」

内山老師著 「生命の働き(知事清規を味わう)」

      「人生料理の本(典座教訓に学ぶ)」

曹洞宗宗務庁「永平元禅師清規」








ふぅー。

知事清規がこれですべて終わりです。

最初は、よくわからない感じでしたが、最後の方になってきたら、むしろこの内容に

感動しました。読んでよかった。

これを読む機会を作ってくださった堂頭さんや安泰寺に感謝です。それと、毎回あたたかい

コメントをくれたソマさんありがとうございました。

とても励みになりました。



書き下し文から、私訳していったのですが、こんなに知らない漢字があるとは思いませんでした。

また漢字源という辞書を参考にしたり、古語辞典を見たり、とても勉強になりました。

現代語辞典が一番使いました。

漢字は一字でも意味が深く、私訳の表現にとまどったりもしました。

どうしても、よくわからなかった漢字が数個ありました。その場合は、

前後の文章をよく見て訳しました。だから、間違って訳している箇所もあるかも分かりません。


でも、私訳をやってみて、これはとてもぼくの好みに

あっていると感じておもしろかった。また、道元禅師の文体や書き方、文章の運び方など

も学べたかな、と願っています。


とくに印象的だったのは、典座の食事に対する心がまえでした。

僧の食事に9回も五体倒置を行うとは・・・・。

今はけっこう理解しているつもりでいますが、また後で読み返すと、また違う奥深さを

感じるはずだと思います。

また書くだけ書いて、行動しなければ、何の意味もありません。

大事なのは、口の働きじゃなくて、全身の働きだ!ということを

この知事清規で、耳にタコができるほど教えられましたから。

さ、今日も典座、がんばろ。


合掌




コメント(2)

>ソマさん

いやぁ冷や汗禅師の文章のおかげさまですm(_ _)m

ソマさんの典座教訓、これからも楽しみに見させていただきます♪

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