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もっと、ジャズボーカル!コミュのNelson Riddle 語録

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アメリカの No.1 Arranger である Nelson Riddle の本の、日本語訳版が
出ています。
アレンジャーを目指す人や楽器奏者にとってばかりでなく、歌手の方々に
とっても大いに役立つ示唆に富んだ内容の本です。

私自身の日記にも書いた文ですが、歌手の方々へのヒントになれば、と思い、
コミュの皆さんへの紹介も兼ねて、ここに訂正加筆して再録します。



「ネルソン・リドル コンプリート・アレンジング・メソッド」
原題「Arranged by Nelson Riddle - A Complete Arranging Method」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4754930770/fujiuracom04-22
を夢中になって読んでいる。

私はアレンジについては門外漢だし、スコアは全く読めないのだが、
それでも、この本は音楽関係者に非常な示唆を含む本である、と思う。

アレンジの方法論やスコアそのものはチンプンカンプンだが、それらに
付けられている文章が、アレンジャーやコンポーザーのみならず、
歌手や演奏者にも大きなヒントとなるものであろう。

ご存知のように、Nelson Riddle は Frank Sinatra や Capitol Records の
アレンジャーであり、Ella Fitzgerald の Songbook 物や
Linda Ronstadt の一連のスタンダード物のアレンジャーである
ばかりでなく、映画やはたまた大統領就任式などの音楽監督をも
務めたアメリカの No.1 Arranger である。
湊さんの話では、彼のアレンジは1小節いくら、とか。

そんな彼がこの本の中で、歌手や伴奏者にとっても非常に示唆に
富むことを言っているので、気付いた範囲でそれを紹介して行く
ことにしよう。

彼曰く、
「ヴォーカル・ラインが書かれていない、ヴォーカル・バックグラウンド・
アレンジメントほど困るものはない」
「メロディ・ラインの下に歌詞を書き込むことは、身に付けておくと
良い習慣である」

アレンジャーが、アレンジ譜面を書く時の注意点として、こんなことを
言っているのです。
これ、歌い手の方も、伴奏者も、譜面について色々思い当たること
があるかと思います。

説明文のここそこに、こんなに示唆に富んだ文章がたくさん書かれて
います。アレンジャーでなくとも、大いに役立つ本と思います。
徐々に気付いた文章を紹介して行きます。


Keep Swingin'!

コメント(5)

上記↑の継続です。


メロディに歌詞を振ることについての効用ついては、彼の言っている
全文を紹介しておいた方が、彼の意図が分かりますので、ここで
改めて全文を紹介しておきましょう。

「メロディ・ラインの下に歌詞を書き込むことは、身に付けておくと
 良い習慣である。その歌がどのようなことをいっているかを知って
 おくと、適切なイントロを思い浮かべるのに役立つことが多い。
 特定の歌詞が特定の小節で歌われるわけなので、その小節のメロ
 ディーは、しばしばその歌詞のムードやフレーズに合うように、
 まるで詩や散文に音楽の伴奏を合わせるように作られている場合が
 ある。」

歌伴の場合、コード譜だけからではここまでは想定できませんよね。
湊さんもいつも、この Riddle の言葉と同じ主旨の話をしてくれます。
ここの歌詞がこうなっているから、ここのコードの動きはそれより
これの方が合うはずだ、という類の話です。


「ヴォーカル・ラインや歌詞、また移調などの話は、スコアに
 する前にスケッチする習慣を身につけることで生かすことが
 できる。」

要するに、2度譜面を書きなさい、と言っています。
まず下書き(スケッチ)することで曲の概要をつかんだ上で、
スコアに落としなさい、と言っています。

歌い手の方が自分用の歌の譜面を準備する場合はちょっと事情が
違うかも知れませんが、伴奏側の立場から言うと、いただいた譜面
を見ても曲の構成がつかみにくいなんて譜面が一番困ります。事故の
元です。一旦スケッチしておけば、どう譜面を書けば曲の構成が
一見して分かる譜面になるか、なんてことも思いつくはずです。
時々、いただいた譜面を見ても構成をつかめず、歌い手に説明を
求めたが、歌い手自身が説明できない、なんてことがありましたが、
論外です。


ということで、この話、続きます。


Keep Swingin'!
ここまでで、歌手の方々が歌伴用の譜面を準備するために考慮すべきこと、
について、私なりに感じたことを書き留めておきます。

1)歌伴用の譜面には、
  ・メロディを書くことは必須である
   (コード譜だけを渡すなんて論外、第一、伴奏者に失礼である)
  ・メロディ譜の下には歌詞は書いた方が良い
   少なくとも Verse 部分には歌詞は必須である
   伴奏者は歌詞をも参照して伴奏しているのである(特に Verse 部分)

2)歌伴用の譜面を準備するにあたっては、
  ・一度譜面を下書き(スケッチ)して、曲の構成や特徴をつかんでおくこと
   この時点で、移調後のコード付けも確認しておくこと
  ・その上で最終譜面は、曲の構成がわかり易いように書くこと
   (曲の構成が分かり難い譜面は、伴奏者が場所をロストする原因となる)

ということになろうかと思います。


Keep Swingin'!
Nelson Riddle本を読んで、私達がこれまで考えていたことと同じことがそこには書かれてありました。
そうして一行、一行を読んで驚嘆・感激していたわけですが、実際にはこの本、アレンジをする為の本であり、ボーカリストにとっての本ではないので、そこに書かれてあることに対してボーカリストも知っててほしい事柄をピックアップして、その感想/思ったことを書いてほしい、とmuraBさんにお願いしました。

歌の伴奏をするにあたって何が必要とされているか、普段は譜面を渡すだけしか伴奏者と関わりのないボーカリストには知る機会がないお話と思います。
『あれ?!そうなの?』な〜んて考えるきっかけになれば良いなぁと思います。

是非、muraBさんの文章を楽しみながら読んでください。



後続分を転載しておきます。


Nelson Riddle は、「3 必要な道具」という項を設けて、自分が
記譜に使用する道具について、こと細かに記している。

曰く、
「鉛筆は、最小限の筆圧で書けるように、非常にやわらかいものでなければ
 ならないが、同時に明瞭さが必要であるので、芯の密度が高いものが
 必要となる。私が好んで使っているのは、Eberhard Faber 製の
 Blackwing 602番であるが、.....」
「鉛筆と同様にもう1つ重要なことは、消しゴムである。固めではあるが、
 乾燥し切ってかちかちになっていないもの。柔らかい鉛筆は消し跡が
 汚くなりやすいので、こすった後がきれいになるものでなくては
 ならない。.....」

この後、彼は、鉛筆削り機、作業机、光は蛍光灯より電球が良い、
部屋の採光方向、ストップ・ウオッチあるいはメトロノームの必要性
にまで触れている。
アレンジ譜面を起こす作業のための道具立て、としてですよ!

これは、ただひたすら彼が、
・美しい譜面
・正しい譜面(要求に合った譜面)
を起こすために、最善の努力をしているもの、と理解できる。

美しい譜面/正しい譜面、ということについては、後の章で彼は、
譜面は、もし写譜屋がスコア譜からパート譜に間違って移した場合、
リハーサルの場でそれを訂正する作業が必要となる。それにかかる時間
と労力を考えれば、美しい正確な譜面を起こすのに時間をかけることの方が
より重要である、という主旨のことを言っている。
これは、歌手の方が起こす歌伴用の自分の譜面の件に話を置き換えれば、
時間をかけずにいい加減に準備した譜面は、良い伴奏を引き出せない
可能性がある、と言い換えても良いかも知れない。

ストップ・ウオッチ/メトロノームについては、
・テンポ設定の重要性
・時間的正確性を要求されるアレンジ
ということに対する、プロフェッショナルならではの対応、と
理解しました。

とても私の思い及ばない世界の話でしたが、歌伴の場という身近な世界に
置き換えてみれば、納得の行く話でした。


Keep Swingin'!
この記事には投稿がありましたので、それと、私の返答も含めて
掲載しておきます。私自身の意見と共に、Nelson Riddle の記述を
引用しています。

(投稿)
リンダ・ロンシュタッドの歌をFMで聴いてこの人の事を知りました。高校生の時だったような。その頃ジャズボーカルがどういうものかも知らなかったですが、すごく綺麗な音楽で感動しました。ずっと後になってレコードを2枚位買いました。

(返答)
リンダとの録音の話を聞いた時、私にまず浮かんだ考えは、
金持ちのロック歌手が札束でアメリカ1のアレンジャーの頬を
引っ叩いて、という否定的な考えでしたが、録音を聴いて、
そして後に続くアルバムを聴くに連れて、肯定的な考えに変わって
行き、今ではこのコンビのアルバムを Digital Player に収める
までになりました。

リンダとの録音について、Nelson Riddle 本人はこの本の記述の中で、
「1983年に、私は Linda Ronstadt とのアルバムを完成させたが、
 彼女はスタンダード・バラードを歌うための音楽性と声を持った、
 数少ないロッカーのひとりである。」と讃え、
「これは、彼女の若いファン層だけでなく、自分たちが良く知っていて
 好きな曲の、彼女による解釈を高く評価する、40歳以上の人々をも
 惹きつけているようである。」と続け、
彼女との共演の機会をいかに有効に受け止めているかを語っています。

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