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SF小説『SAMPLE』を読んでみるコミュのSAMPLE -5-

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 大月がC−SOLに到着したのは、日が暮れてからだった。白衣を羽織らず、入管証とセキュリティカードのみをネックストラップで下げた彼女は、ピンストライプのスーツ姿だとまた別の威圧感がある。プロジェクトの主要メンバー全員が顔を揃えてから、一同は共同研究室の隣にあるミーティングルームに移動した。
「それで、使用された銃器の種類は特定できたの?」
「軍用狙撃ライフルのM110です」
 大月からの視線を受けて、リューが抑揚がない声で答える。
 ミーティングルームは一度に20人程度が入れるくらいだろうか。白い机で部屋の中央を囲うような形態は、企業の会議室によく見られる光景だ。一番奥の上座に当たる席に大月と、現場責任者である生沢が座っている。そこに向かって右手側に杉田が、左側にリューと私服に戻った未来が腰を落ち着けていた。
 先の襲撃についてリューから簡単な説明があり、ビニール袋に入った弾丸が回されている。リューが回収し、分析を終えたものだ。
「アメリカ軍で正式採用されていたものね」
「国防軍でも使用されています」
「一般には流通してるのか?」
 生沢が大月とリューの間に口を挟む。
「民間人には購入すら許可されてませんが、警備会社の市場や無許可の店にはあります」
「正規ルートで入手したとは考え辛いな。今回はどこから狙ってきたかまでわかるか?」
「スーツの傷の具合と跳弾の角度から考えて、距離はおよそ1500メートル程度の建物上方からかと思われます。敷地のすぐ外にある倉庫のいずれかからでしょう。未来のメモリを調べましたが、生憎どの倉庫かまでは不明です。最も可能性が高いと思われる建物の屋上には人影はありませんでしたから、最上階の窓の隙間から撃ったのかと」
 リューも本当は一番怪しい倉庫を調べたくはあっただろうが、機密保持のために目立った調査は断念せざるを得なかった。その代わりに未来の後頭部に差し込まれているメモリから、襲撃があったときの情報の分析までは行っている。メモリには、未来の眼に内蔵されているカメラを通した画像が0・5秒毎に記録されていた。訓練時もしくは実戦時のみメモリは装填することになっており、取り出されたデータは専用のパソコンで表示できるのだ。これは戦闘時の様子をそのまま記録している、貴重なものだった。
「リューか、私か、どっちを狙ったかはわからないけど。やっぱり一般人の悪戯じゃありませんね」
「私たちは、恨みはたくさん買っていますから」
 未来とリューが立て続けに頷いた。
「それか、このプロジェクトの中心メンバー全員を狙っているとも考えられるわ。今回は、たまたま外に出ていた二人が運悪く標的になっただけかも」
「……じゃあ、そうなると僕たちも危ないわけですか」
 大月が腕組みして一同の顔を見渡し、目線が合った杉田が口を開いた。
「相手が誰だかわからない以上は何とも言えんな。万一このプロジェクトのことが外部に漏れたんだとしたら、敵が日本人じゃないかも知れんわけだ」
「外国の軍ですか。テロリストとか」
 杉田の言葉を受けて生沢も視線を向けてくる。
「その敵に関しての情報だけど」
 その場にいるメンバーの注目が大月に向けられる。間を置かずに言葉が続けられた。
「ここに来る直前に、軍の担当者から連絡があったわ。生沢くんが言った通り、国外にプロジェクトのことが漏れたらしいと」
「どこにです?」
 リューが鋭く突っ込むが、大月は首を横に振った。
「私も知りたかったけど、そこまで教えてはくれなかったのよ。でも、こちらに何か仕掛けてきてもおかしくない状況ではあるわけね。サイボーグ歩兵の存在なんて、諸外国にとっては脅威になるから」
「となると、やっぱりこのプロジェクトの関係者全員が危ないってこと……かな」
 未来の厳しい表情に、生沢が頷いた。
「今日はここを出ないほうが安全だな」
「そうね。今夜はここに全員泊まることにして、明日も自分の車や徒歩では出ないこと。社内便のトラックの荷台にでも乗せてもらったほうがいいわね。少なくとも、狙ってきた相手がはっきりするまでは、ここに来るときも姿を見られないようにすること」
「えっ、車をここに置きっぱなしにするんですか?」
「相手がどこまでこちらの情報を掴んでいて、誰を狙っているかがわからないのよ。当然でしょう?貴方が撃たれたいのなら、どうぞ自分の車で好きにするといいわ」
 驚いた杉田を大月が一喝するが、生沢がたしなめた。
「大月、言い過ぎだ。車は後で運んでもらうようにすればいいだろ」
「……でも、それぐらい警戒するんだったら、いっそ敵の正体が掴めるまで研究所から出ないほうが安全なんじゃないかと思いますけど」
「そこまでする必要はないわ。敵が四六時中こちらを監視してるとも思えないし、ラボを出入りするところや未来がスーツを着ているところさえ見られなければ大丈夫よ。それに、そんなに長期間ここにいるわけにもいかないし」
 不安そうな杉田に対し、大月の態度は嫌に自信たっぷりだ。微妙に生沢の表情が曇る。
「そうか?相手はテロリストの可能性もあるんだろ。そんな連中は、痺れを切らしたら何をしてくるかわかったもんじゃないと思うが」
「とにかく、私はこのことを軍の担当者に報告して、総力を挙げて敵の情報収集をしてもらうよう依頼するから。未来は一応、破損したところがないか杉田くんに診てもらうのよ」
「……もうやってますけど。特に異常ありませんでしたよ」
 立ち上がって退席しかけている大月の命令口調に、未来はいちいち反発しないと気が済まないようだ。しかしその尖らせた口も、大月は気に留めていない。
「田原くんと生沢くんは、非常事態に備えて物品の確認をしておいてちょうだい。この研究所が襲われた場合のことも考えてね」
 彼らの応答を待たずに、大月はミーティングルームの自動ドア横にあるスロットにセキュリティカードを通し早足で去っていった。軍の担当者に連絡を取るのだろう。
「ここが襲われるって、あり得るのかな」
「人間には、何考えてるかわかんない連中も沢山いるから。ないとは言えないかもね」
 大月の後姿を見送りつつ杉田が呟くと、未来も溜息混じりに続けた。
「大勢の負傷者が出た場合か。薬は倉庫に備蓄してある分があるからまあ足りるだろうが、実際には起こって欲しくないもんだな」
 言いながら、生沢が立ち上がる。
「リューの場合は武器弾薬か?お前も元軍人だから、いざと言うときは戦闘要員として考えられてるのかもな」
「……戦いますよ。必要なら」
 普段のパターンであれば黙っているはずのリューが、思いつめたように答えた。意外そうに眼をしばたかせる一同を尻目に、机の下から二つの箱を取り出して杉田と生沢に言った。
「今日からこれを持ってください。携帯許可証も後で渡します」
 巻き毛の青年が二つの木箱を順に開けると、全く同じ拳銃が中に収められていた。
「おい、物騒なものを出すなよ」
「スミス&ウェッソンM990。このプロジェクトの主要メンバーには軍から無償で提供される銃の一つです」
 生沢が苦笑するが、リューは構わずに銃を箱から取り出して説明を始めた。
「ポリマー製なので、手入れも簡単です。鉄製の銃に比べれば軽いものですし、初心者でも扱えます。使い方は私が教えますから」
 強引に杉田と生沢へ銃を押しつけ、リューが二人の顔を交互に眺めた。
「銃を扱った経験は?」
「僕は一度もないけど」
「以下同文だ。医者の俺が、人を傷つけるこんなものを持てるか」
 杉田は戸惑いつつ答え、生沢は吐き捨てた。杉田は、銃を持つこと自体がほとんど初めてだ。ポリマー製のためか、想像していたよりもずっと軽い。
「それなら、後で屋内射撃場へ来てください」
「ああ、わかったわかった。だからこいつはお前が持ってろ」
 うるさそうに言って、生沢は銃をぽいと後ろ手でリューに放った。弾はこめていないことを知っているのだ。
「……絶対来る気ないね、生沢先生」
 半分呆れたような表情の未来が、自動ドアをくぐる広い背中を見送った。
「あの人は、自分が医者だってことにプライドを持ってるからね。まだ病院勤めで救急担当だった頃に大規模な銃撃事件が近所であって、その患者の酷い有様を見て、自分は何があっても銃は持たないって誓ったんだって」
 杉田は手の中の小型拳銃を見つめながら、生沢が語ったことを思い出していた。
 自分がこのプロジェクトのメンバーになって間もない頃、生沢が初めて飲みに誘ってくれたときのことだ。
 酒はあまり強くない杉田だったが、都内の繁華街でちびちびと二人で飲みつつ、男二人で色々なことを夜通しで語り合っていた。
 医者を目指したきっかけ、学生時代のこと、家族のこと、入社してからの仕事のこと。
 杉田はセラフィムの系列会社である医療機器、人工臓器やクローン技術等の開発研究企業であるヴァーチュズの社員だったが、生沢はケルビムの正式な社員ではない。AWP嘱託の医師という立場である。本来は脳外科が専門だが、研修明けの頃から外科手術全般に天才的な手腕を発揮し、それを買われてプロジェクトに引き抜かれたらしい、とのことだった。
未来の手術も執刀は生沢、組織生体工学が専門の杉田は未来の神経や筋肉等の培養、身体に埋め込む機械部品の調整に関することを担当している。
 杉田自身は手術に毎回立ち会ってはいたが、殆ど助手程度のことしかやっていない。しかし生沢の腕を信頼しているからこそ、自分の作り上げた組織の移植を任せられるのだ。
 その分だけ自信を持ち誇りもある生沢は、飄々としていながらも頑固な性質で、言いたいことはずけずけと言うし遠慮がない。嘱託になる以前は病院の上司と喧嘩になることもよくあったが、その度に叩きのめしてやった、と言いつつ髭面に満面の笑みを浮かべながら、かの男は煙草を吹かし続けていた。
 だが、そんな堂々とした振る舞いができるのは、杉田から見ると羨ましいものだった。
「へえ……そうだったんだ。それなら、私たちがしっかり守らなきゃね。杉田先生は?それ、持っとくの?」
「僕は怖がりだから、念のために持ってはおくよ」
 生沢の話をした後では多少ばつの悪さを感じ苦笑したが、杉田は銃を持つことにした。C−SOLが襲撃されない限り使うことはないだろうが、用心に越したことはない。もしリューや未来がいない時でも、銃があれば最悪の事態は何とか避けられるだろう。
「じゃあ、射撃場まで付き合うよ。私も少し練習しときたいし、この時間なら他に使ってる人もいないでしょ」
「もう6時半を過ぎてしまいましたね……ああ、失敗しました。うっかりして予約するのを忘れるなんて」
 リューが無表情に呟く。予約というのは多分、夜間に放映しているアニメ作品の録画のものだろう。元国防軍少尉という立派な経歴を持っているリューの意外な一面は、所謂「オタク」であることだった。アニメやゲームは勿論のこと、漫画や特撮作品にもこよなく愛するものがあるという。
しかもその好みは国産の作品に止まらず、アメリカにいた時分のカートゥーン作品やアメコミにもこだわっていた。
更に50年昔の作品でも知らないDVDが発売されたらまず鑑賞し、気に入ればシリーズ全巻を買い揃えるのだから、凡人である杉田や生沢、未来にも理解不能だった。それだけにDVDやコミックスの蔵書量も凄まじいものがあり、ストレージを借りてそこに一部を置いているくらいだ。
「そんなの、どうせすぐにどっかのサイトに録画されたのが上がるでしょ?そこから落とせばいいじゃない」
「いえ……リアルタイムで観てこそ意義がある作品だってあるんですよ」
「だったらDVDが出るまで待ちなっての。はいはい、もう行くよ」
 呆れ半分の未来が、まだぶつぶつ言っているリューを促す。そのとき、彼女はジャケットの胸ポケットから発せられた振動に気づいたようだった。着信を告げる携帯電話をポケットから引っ張り出し、ディスプレイの番号を確認する。
 と、その着信を中断させた未来の表情に翳りが過ぎったようだった。
「どうかしたのか?」
「ううん。二人とも、先に行ってて。私、電話かけ直してから行くから」
 苦手な相手からの電話なのか、未来の声がやや沈んでいる。事情を察したらしいリューが無言で杉田を促し、男二人は銃の箱を抱えミーティングルームの自動ドアをくぐった。
 二人の足音が遠ざかっていくことを確認し、未来は溜息をついた。やや型が古い深みがあるブルーの二つ折り携帯電話を開いて、指紋認証のセキュリティロックを解除し履歴を見る。不機嫌を絵に描いたような表情で、高所得者特別居住地区から発信されたその番号にリダイヤルした。
 コール音1回で、回線がつながった。
「もしもし、お母さん?」
『あ、未来ちゃん?さっきいきなり切れちゃったみたいなんだけど』
「ミーティング中だったんだよ。何かあった?」
『何かって、最近連絡がないからかけたのよ』
「ああ、最近仕事が忙しくてね。あんまり時間がないから……」
『忙しいって貴女、電話一本かける暇くらいあるでしょう。お母さんだって仕事が忙しいんだから』
 いつもながら、こちらの話を一方的に遮って自分の話をしてくる母親に対し、未来の表情に険しさが増した。
「夜とかも遅いんだよ、だから……」
『少しは人の都合ってものを考えなさい。こっちもね、大変だったのよ。今月から講座の受け持ちが変わって死ぬほど忙しくなっちゃってね。土日もなく働いてるんだから』
 母の言葉はまだ続いていたが、未来は携帯電話からできるだけ耳を遠ざけた。聴覚の感度を、音が聞こえても通話の内容がわからない程度に調整する。
『……それで今月は次の土曜の夜しか空いてないの。未来ちゃん?』
 2分程度が経過して母の一方的な話が終わった頃を見計らい、携帯電話を耳に当てる。自分の眉間に皺が寄っているのがわかった。
「聞いてるよ」
『あさっての土曜日は、こっちに来られるわよね?』
「さあ。仕事の具合次第だから何とも言えないけど」
『また貴女はそうやって!さっきも、人の都合を考えなさいって言ったばっかりでしょう。仕事って、例の何でも屋なんでしょう?そんな危ないことは誰か別の人にでも任せて、少しは家族にも気を使ったらどうなの。薫ちゃんは孫を連れてよく来てくれるわよ』
 人の都合を考えて欲しいのはこっちだよ、と言いたいのを堪え、違う話を振った。
「亮太君は元気なの?」
『もうずいぶん大きくなったわよ。この間生まれたばっかりだと思ってたのに、もうあんよがすごく上手になっててね。眼は薫ちゃんによく似てて可愛いわ』
 孫のことを聞かれて機嫌を良くしたらしい母は、声のトーンが先と全然違って聞こえる。逆に未来の声は杉田たちと話している時と比べて、はっきりと低くなっていた。
「そうなんだ。日曜日は行けたら行くから」
『亮太くん、未来おばちゃんにも会いたいって言ってるみたいよ』
「おばちゃんって言うのは止めてよ。じゃあ、この後もこれから仕事があるから。土曜日は行けそうなら連絡するよ」
 ミーティングルームの窓際まで歩きながら一息に言うと、未来は通話を切った。
 携帯電話を乱暴に閉じてジャケットの胸ポケットに突っ込み、露骨な舌打ちを響かせて壁に上半身を預ける。
 母、恵美子からの電話は毎回、感情を抑えるのに一苦労だった。リハビリを終えた頃は力の加減がうまくできず、母からの電話があるたびに携帯電話を握り潰してしまうことも多かった。横目で窓を見てみると、仏頂面の自分の姿がそこにある。普通は独立したあとに家族からの連絡があれば、もっと嬉しそうな顔をしてもよさそうなものだ。そうならない自分は、やはりどこかおかしいのだろうか?
 しかし母からの電話ときたら、いつも言いたいことだけを言って、こちらの話を真剣に聞いてくれたり同調してくれることはほとんどない。仕事の愚痴を言いたくても言えず、相手の一方通行の話に付き合わされるだけでは、時間の無駄だしストレスにしかならない。話を早くに切り上げて電話を切ろうとしても、今度は思いやりがないと小言を言われてうんざりする。
 母はもう50歳近くなるのに、語学のスキルを生かして外語大学の講師として働くキャリアウーマンだ。外資系の会社で専務だった父とは3年前に離婚しているが、間をおかずに父は再婚した。それを知って子どもである自分たち姉妹に愚痴ってきたりする辺りは、まだ未練があるのだろう。
 父と母は、物心ついた頃から冷め切っていたようだった。家族が顔を揃えて食事している時さえ父の笑顔の記憶がなく、学校の行事にも父が来てくれたことはほとんどない。
 そもそも父は仕事で海外を飛び回っていて留守の方がずっと多く、未来は友達が素直に父や母に甘えているのを見て、心底羨ましいと思ったものだった。
 大きな一戸建てが高所得者特別居住地区にあり、モノの不自由を感じたことがない生活ではあったが、子どもの未来はそんなものより、両親の笑顔が欲しかった。自分がいい子にしていれば、いつか両親が自分を囲んで笑ってくれるものだと信じて、言いたいことも我慢することが多かった。
 しかし、それでも母は心から笑ってはくれなかった。
 未来がよその子が褒められるようなことをしても、「あらそう、でも」と開口一番に言われるのが常で、本当に喜んでもらえたことは少なかった。母にこうしなさい、と言いつけられて、それを叶えたときだけ手放しで褒めてはもらえていたが。
 20歳でそれまで貯金していた資金を使って便利屋を始めたときも、何故そんな危ない仕事をするのかと、母の怒りを買った。最終的にはしぶしぶ認めてくれたが、今でもそんな仕事は辞めろとよく言ってくる。所長として責任があり、スタッフの生活を自分が預かっているのだから、と言っても毎回同じことの繰り返しだ。
 母は今、未来がサイボーグとなり軍事機密にかかわっていることも知らない。このことは一親等内の者にのみ、限られた情報を伝えることは許可されてはいる。しかし、未来は肉親の誰にも知らせていない。結婚して子どもを持つ4歳上の姉、薫をこんな血生臭いことに巻き込みたくなかったし、母に伝えたら何を言われるかわからなかった。子どもの頃に具合を悪くすると面倒は見てくれたが、最初は「体調が悪いのは自分の不注意でしょう」と言われたことも一度ではなかった。
 だから、3年前の大事故のときも母には知られたくなかったのだ。
「……くそっ」
 小さく悪態をついて、未来は身体ごと窓の方を向いた。外はもうすっかり暗くなっていて、磨かれた強化ガラスには、肩まで伸びた髪を流行のスタイルでまとめ、目鼻立ちは父親によく似た自分の姿が映っている。今の格好は黒の革ジャケットに派手な細身のプリントシャツ、デニムのホットパンツとライダースブーツだ。ジャケットの内側にはショルダーホルスターが装着され、予備の拳銃も収められている。
 ガラスに映る自分へ灰色に曇った気持ちを残すように、窓に勢いをつけて背を向けた。
 屋内射撃場で思い切り銃を撃って、それでも残る苛立ちを砕いてしまいたい気分だった。

コメント(4)

いまさらだけれど、登場人物の名前の読み方、
「生沢」は、「イクサワ」なのかなとか、
「未来」は、「ミク」or「ミライ」??

あと、テーマが「親子」と言っていたのが、段々垣間見えてきた。
自分の母親みたい(w

何となく「ダーッ」と読んでしまったけれど、
二度三度読み返すと、違ったイメージが出てくるかもです。

続きも期待してます。
>Dr.大工・MIW@さん
おお、コメありがとです!
ちなみに劇中の未来母、モデルはうちの母親です(苦笑)
そういえば、名前の読み方書いてませんでしたね。
ついでなので、主要人物の名前も読みを書いておきます。

・間 未来(はざま みき)
・杉田 理人(すぎた まさと)
・生沢 慎吾(いくさわ しんご)
・大月 玲華(おおつき れいか)
・田原 隆三(たはら りゅうぞう)

です〜
あまり現実離れした名前はつけたくなかったので、
皆さん意外と普通の名前です。
デザートイーグルは、やっぱり「二キータ」あたりからのインスパイアですか?
S&WM990ってのは実銃ですか? 9ミリパラベラム弾あたりを実装するのですかね? 近未来の話って言っても、兵器ってあんまりフォーマットが変わんないんですよね。現行の兵器でも弾丸は相変わらずNATO弾と9ミリ弾が多いですよね。かれこれ半世紀くらい一緒なのかも? コルトAPCは近々なくなってしまうかもですが。ミリタリーはやっぱり世界標準、がいいですよね。
それにしても、未来ちゃんの格好は、随分セクシーな設定。鼻血ものですね。登場人物の読み仮名、ありがとうございます。やっと読めた、です。
>かじやんさん
んー、サイボーグの怪力娘だったらデカい銃でも違和感ないよね→じゃあ
一番威力がデカイやつがいいかな→よし、世界最大級のデザートイーグルだ!
ってノリで決めてみてたり……
M990は実銃ではありませんが、S&Wはポリマー製の拳銃も結構作ってるので
それをモデルにしております。
この話を作るに当ってミリタリー系に詳しい友人によく話を聞いていたのですが
兵器に関しては20〜30年くらいのスパンだと基本がさして変わらないそうなので
安心して現行のものを参考にしましたね。

未来の服装は私の好みです(笑)。
アメリカンな感じのファッションですかね〜
そういや、ショルダーホルスターをつけると胸も強調されるから
色っぽい印象になりますよね。

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