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Novel Birguコミュの『明るい場所に僕を匿ってくれるセニョリータ』

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その日はよく晴れた暑い日だった。観光シーズンを外れていたとはいえ朝から人でごった返していた。僕たちは宮島口駅まえにあるアナゴ飯屋うえのでお弁当を買い込み、人ごみを尻目にいそいそとフェリーに乗り込む わずか15分ほどの船旅だ。
フェリーに乗り込むとみな真っ先に船の先頭を目指しカメラを取り出す。そこからは島全体が見渡せまだ非情に小さいが赤い鳥居も見える。厳島通称宮島は日本三景の一つで世界遺産にも登録されている。しかしいざ上陸してみると遠くで見ていたほどの美しさ、荘厳さは感じられない。その理由を頭の中で考えている時に不機嫌な声に呼び止められた
「ちょっとあなた待ちなさいよ」
昨日の酒も抜け切らない朝。唯でさえ気分が滅入り勝ちな時間帯にさらに滅入る様な声
「ほんとにあの人達使えないわよね。よりにもよって全員風邪引くなんて馬鹿よねしかしここほんと鹿だらけね臭いったらありゃしないわ」
昨日の約束を律儀に守っていただいた結果だ。体のいい厄介払いの感も否めない。
「まあ一様ここ厳島では鹿は神の使いとして信仰の対象になっているからね」
フェリーから降り厳島神社を目指す道のりには汚らしい鹿と胡散臭いおばちゃんが営んでいるお土産物屋さんばかりだ。そんな説明もお構いなしに当たりに撒き散らすように金切り声をあげる「日本三景っていってもごみだらけね、天橋立もそうだけど日本人はほんとマナーがなってないわね。富士山だって日本人は誇りにしているけど所詮外国からしてみればゴミの山、ほんと恥よね。エベレストだって日本人が捨てたゴミで地質汚染が進み温暖化で永久氷土が溶けだしてよりいっそう汚染が進んでるって話じゃない」
誰のためになるのか解らない話を大げさに披露しながら二人はまるで風車に向かうドン・キホーテとサンチョパンサのように鳥居を目指した。言うまでも無く僕がサンチョだ。ならあの小汚い小鹿がロシナンテかな、なんて妄想しながらにやにやとまだ酒の抜け切れない頭で塩臭い空気を腹いっぱい吸い込んだ。その日は運良く引き潮で鳥居まで歩いていくことができた。見た目には満ち潮の方が綺麗だが鳥居の近くまで歩いていけるので鳥居の回りは人でごった返していた。
「ほんと馬鹿よねただの鳥居じゃない何が珍しいのかしらそういやあなた憶えてる?小学校の時マラソン大会でおしっこ我慢できなくなって近くの神社にトイレ借りにいったけど我慢しきれずもらしちゃったこと?」
ほんとこいつは人の恥ずかしい事や聞いて欲しくないことをずけずけ聞いてくる
「いや憶えてないよ。そんなことあったかな?」
「あなたってほんと記憶力ないわよね?ほんとに何もかも憶えてないの・・?」
含みのある言い方が気になったがその時の僕は昨日の酒と否応無しに照りつける太陽に気力も体力も奪われてそれ以上の会話を続ける事をなげだしてしまった。

神社の中はひんやりとして気持ちが良い、今までの喧騒がうその様に凛とした空気に満ちていた。日本人は八百万の神を信仰しているだけあって何処の神社や寺、そして教会にいっても手を合わせお祈りすることが出来る。さすがにモスクには行った事はないが行けばメッカに向かってキリストに願ったようにお祈りするのだろ。

『世界が平和になりますようにってね』

その日は年に数回ある国宝品展示会で今回は藍韋肩赤威甲冑の展示会が行われていた。
私は何を隠そう自他共に認める甲冑マニアで今回もこの展示会があると聞いて氷上の妖精伊藤みどりばりの華麗なるステップワークで会場へと足を運んだ
「ほんと何が面白いのかしらあんなの」
輝奈の嫌味も我が甲冑の前には北部戦線異状なし
あああ素晴らしい 正に漢の浪漫飛行
・・・・・・・
・・・・ぐぐ・・
うぐぐぐぐぐぐ
「ギーーーーーーーーーーーーーーン」

な・・・なんだこれは頭が痛えー・・・・。
うう誰だ?お前は?
お前こそ誰だ?
俺か?俺は俺だろ?
その記憶はお前のものか?
え?あたりまえだろ?
その自信はどこからくるんだ?お前の記憶がお前の物じゃないとしたら?
そんな馬鹿な話があるか
じゃあ今見てる物が実は作られたものだとしたら?
そんな馬鹿な話があるか?
じゃあお前はそれを証明できるのか?
そんな馬鹿な話があるか・・・・・?
じゃあお前は俺が誰だか知ってるのか?
教えてくれよ俺は誰なんだ?
誰なんだ?

俺の記憶が俺のものじゃないとしたら俺の存在はただの映像みたいなものだ
ふと感じる懐かしさや思い出の場所そして母さんの顔や父さんの顔は・・・?
 

母さんねぇ母さん
まだ眠くないよ

ねぇ母さんいつもみたいにやってよ
ねぇ母さん

羊が1匹 羊が2匹 羊が3匹・・・・・・・・・・

気がつくとそこは変わらぬ日常だった。変わらぬ風が吹き、変わらぬ匂いがし、変わらぬ人間がいる
「あれホン君は?」
「ああ彼ね裁判所から礼状出てたらしくてさ・・・・・」

いよいよ車は目的の地へと
社内ではあいりん地区が産んだスーパースターSHINGO☆西成のWELCOME TO GHETTOが鳴り響いていた

コメント(3)

お題があと1個でてませんのでまた続き書きます

一気にファンタジーにして落として逝きます

卑怯とは言わせませんよ卑怯とは
輝奈さんがまた嫌な奴になってきました。ファンタジーというか哲学的な匂いがしてきました。続きを待ちます。
すいませんやっと終わりました
最後は住森様
お題は
ドーナッツ ドラムカン 恋文ですお願いします

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