建築　世界の巨匠コミュの黒島という独立国家モデル

八重山諸島に黒島というハート型の島で、
人口総数230人に対し牛総数3000頭という
コミュニティが熟成（独立国家の様に）した島がある。

珊瑚の隆起した島で土の層が薄く、
野菜などの食物は育たず自給自足の出来ない島。

商店も一軒だけあるけれど、必要最低限の商品しか置いてない。
コンビニやスーパーをつくれば必ず繁盛するはずだが、
唯一の商店が潰れてしまうから島人全員が反対する。
何かを得る為に、何かを犠牲にするのではなく、
何かを守る為に、必要以上の何かを得ない。
そういう精神のもとで一致団結しているからこそ
自給自足できなくても暮らしていける。

隣島の竹富島等は観光資源を有効的に利用して
産業として島全体の大きな収入になっているし、
当然人口も増加している。
しかし、黒島は島人以外を迎合するのを拒むと言ったら、
言い過ぎかもしれないが、他の島の様になりたくない
という黒島人としての誇りが強い妙な島。

この島は、牛の総数を見ての通り
牧畜が主な産業で、子牛を島外に出荷するのが主産業らしい。
現在は一頭40万程度で売買されているとの事だが、かつては
20万程度の金額しか付かなかったそうだ。
当然、この金額では生活も厳しい。
そこで牧畜を継ぐ若者達は九州や神戸の大学へ牛について学びに行き、
情報交換をして牧畜のやり方を変えて結果的に現在の金額まで
辿り着いたそうだが、この差額分だけ島は豊かになったという事で、
人を増やす事も可能になった。

小さな島の話だから成立するのかもしれないが、
過疎化の進む県にとって今大きな舵取りが必要だと
思う。観光資源に恵まれた場所であってもなくても、
東京への一極化を阻止し、地方に若い人間が残る
仕組みづくりが必要なのだと考える。