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イデアの森の秘密コミュの(4)突然の来訪者

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イデアの森の秘密/エピソード.1
「眠れる森」―(4)

                    著者/「イデアの森の庭師」の弟子の‶森の郵便配達人″


「次元の話」・・<亜美彦の独り言>

宇宙はイデアの森の本当の姿を知っている。
なぜならイデアの森は宇宙自身が創造したことに他ならないから。
かつてのイデアの森は、もう今ではこの惑星のどこかの時空に隠れてしまっているけど、
その森には遥か太古の宇宙の出来事が記憶されている。

そのイデアの森の原始の記憶によると、
宇宙が初めて自らの存在を認識したとき、同時に宇宙の意識が生まれたのだと言う。
そして宇宙の霊の分離はそのとき始まった。
宇宙は分離した自らの霊を、あるひとつの領域に限定することをはじめた。
そこから原始の生命である光が誕生し、これが生命の核となったんだ。
この生命の核のことを宇宙空間では恒星(太陽)といい、生命では魂と呼んでいる。
ある魂がひとつの生命サイクルの中で体験した記憶は、自らの意識領域に拡大をもたらす。
この意識の拡大プロセスは、個としての魂が全体霊としての宇宙へと帰還することでもある。

宇宙には気の遠くなるほどの次元が存在している。
次元というのは宇宙から分離した霊である魂が、自らの意思で創造した時空領域のことで、
これまで全宇宙に分離した意識の数だけ次元は存在している。
だから、星の数、生命の数、細胞の数、原子の数だけ次元が存在し、
その数には限りがない。まさに宇宙は多次元なんだ。

人間の生命も同じで、自らが決めて限定した領域に自らの霊を閉じ込めている。
それが三次元という意識領域。でも、閉じこもった霊も本来は宇宙だからまったく自由だ。
自らを拘束している自らの限定要素を手放すことで、
閉じこもった霊である魂はこの惑星から宇宙に帰ることができる。
手放すとはどう言うことなのか?それは・・・鳥になること。


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―――突然の来訪者―――

その後、ボクは日々の仕事に追われ、稲荷山の登拝をしばらく中断してしまっていた。
だから老人とはそれっきりになったと思った。
ところが老人はボクの夢の中にしばしば現れるようになる。
驚くことに老人は夜中だけでなく、昼間でさえもボクの目の前に姿を現すようになったんだ。
それも肉眼で見るほどに、手で触れるほどにリアルな感覚で・・・。

なぜかボクは、そのとき自宅のマンションの前にいた。
おそらく仕事の帰りなんだろう。−−−<いや?どこかからの・・・>−−−
エレベーターで六階まで上がり、扉が開いて自宅の前の廊下に出ようとしたとき、
それは起こった・・・。


======================================


−−−<うっ、なに?誰?ええーっ!>−−−

亜美彦は驚いて思わず息を呑んだ。
それはエレベーターの方に背を向け、亜美彦の自宅の玄関の前に直立しながら、
ぶつかるかと思うほどドアに顔を近づけて、ジーっとドアの壁面を見つめているではないか?
どうも老人らしき人物のようだ。

−−−<ウソッ、ウソだろー!あのときの爺さんじゃないか!>−−−

亜美彦は恐る恐るその老人の方に近づいて行った。そして背後から声をかけた。

「あ、あの、あのときのお方ですよね。」

「・・・」

そう声をかけた途端、老人の姿はスーッとドアの中に消えたのだった。

−−−<あれ?ボクの家の中に入ってしまった。それって、いきなり困るなー。>−−−

ところが亜美彦が家の中に入ってみると、その老人の姿はなかった・・・。

ある夜のこと、亜美彦は眠れないので本を取りに行こうと思って書斎のドアを開けると、
書棚の前にその老人は立っていた。書棚の上の神棚をジーッと仰ぎ見ている。
ロウソクなんか点けてないのに、老人の顔は灯りに照らされて赤々と揺らいでいる。

「・・・」

しばらく見つめているとその老人の姿はフッと掻き消えた。

そしてその数週間後、その老人はとうとう亜美彦のオフィスにまで姿を現すようになった。
ある日の夕暮れ、突然、オフィスのドアをスーッと通り抜け、
右手に長い杖を握った姿で入って来たのだった。だが亜美彦はもう驚かなかった。

−−−<ふ〜む・・・。いよいよなんですね。はい、分かりました。>−−−

老人は遂に自らの素姓を亜美彦に明かしにやって来たのが、
なぜかそのとき瞬間にそれが分かった。

−−−<やまのかみ しらきねおじ・・・と言うのか・・・>−−−

ボクはそう心の中で呟いた。
老人がオフィスに入って来た瞬間、亜美彦の脳裏にその言葉が浮かんだ。
そして今度は文字が浮かんできた。

−−−<ん?山の神・・・神仙・・・伯翁老>−−−

その<やまのかみ しらきねおじ>の名が<神仙 白翁老>の読みであることが、
亜美彦にはすぐに分かった。

−−−<神仙?山の神?あっ!仙人か!やっぱり仙人だったんだ。>−−−

しかしそれが仮の名であるなど、そのときの亜美彦には知る由もなかった。

−−−<仙桃>−−−

続いて、脳裏に<仙桃>の字が浮かんだ。
さらに続いて、<天白>、<月神>、<分魂>という言葉が浮かんだ。
これは何かの暗示ではないか?と思い、
亜美彦はすぐに<仙桃>の字を辞書で調べた。だが見当たらない。
それですぐさま、その字を墨で書き記したのだった。

−−−<神仙とか天白とか月の神さまなんてなあ・・・>−−− 

亜美彦は心の中でそうつぶやいた。と突然、亜美彦の脳裏にひと塊の言葉がやってきた。

−−−<それは人間の概念なるぞ。宇宙の実相は人間が考えているようなものではない。
それはとてもとても人間の思考や科学で考え及ぶところのものではないのじゃ。
真実の扉はいつでも人間の前に開かれてあるのもまた事実ではあるが、
人間の側が受けとらんのでどうにもならん。
しかしそれはただ魂の目が開いておらぬだけであるから、いずれ開くときも来るじゃろう。
人間はみな籠の中の鳥なんじゃよ。お前さんはこの籠の意味が解るかな?
わが太古の森には必ずや鳥居があるんやが、鳥居と言うのはな、
人間が鳥のように変容するための仕組みであってな、自らの魂を解き放つ装置なのじゃ。
まあ、そう言う訳じゃから、また稲荷の山へ来なされよ。>−−−

亜美彦は初めてその老人の言葉らしきものをとらえた。
というか、それは魂の声と言った方がピタッときそうな感覚だった。

−−−<これが霊言というものなのか?・・・いやー、驚いたなあ。>−−− 

老人はそれらの言葉を伝え、霧の消えるよりも速く掻き消えた。
その日はそれで終わったのだけれど、亜美彦にはその意味がどうにも分からなかった。

−−−<遂に起こった!しかし信じられない・・・でもどうしよう?ボクにどうしろと?>−−− 

後で分かったことだけれど、
<仙桃>とは神仙道の奥儀である<永遠の生命>を意味するものらしい。
天白も、月神と言う意味もそれを裏付ける符号だ。
つまり、稲荷山の老人は<永遠の生命の秘密を授ける>と言うようなことを、
亜美彦に告げに来たのだった。

でも月に人類が到達してもう久しく、科学テクノロジーは高度に進化し、時代は発展した。
そんな時代にこの出来事を信じろと言うのはちょっと無理な話だ。

「ああ〜。しかし何だな・・・う〜ん。と言うか・・・。」

老人がいなくなって、亜美彦は急に気が緩んでしまい、そのままソファに倒れ込んだ。


======================================


―――再びカフェ―――


「忘眠忘眠・・・忘眠忘眠・・・。」

「亜美彦さん、亜美彦さん!待ちくたびれてしまいましたわ、もう。貧乏貧乏て、
何ブツブツ言うてはるんです。貧乏て、いったいどないしたんです?」

「えっ、貧乏?何が?」

亜美彦が席に戻るや否や、待ちくたびれた龍隠は思わず文句を言った。

「何がやないでしょ。さっき、何にも言わんと席を立ったきり、30分も戻って来んのやから。
トイレに行ったんかなとも思ったんやけど、それにしては長過ぎるし、
あのままどっかへ行ってしもうて、もう帰って来んのやないかと二人して言うてたとこです。」

それに瑠璃子が続いた。

「神隠しにでもあったりして…?ってね、言ってたんですよ今ね。ふふっ。」

「いや、最近なんかね、体がいきなり瞬間移動するような感じで。てな訳ないけど。
よく分からないんだ自分でも。何をしてたんだろ今?なんてね。」

「・・・」

「それ危ない・・・んじゃない?アルツだったら大変よ。」

「ハハ・・危なくはないですな。というか・・・面白い。
いよいよ亜美彦はんの本体のお出ましやね。」

「本体?それ、どういうことなの?」

「まぁーこのまま彼の様子を見てなはいな。」

「私はどうしたらいいの?」

「亜美彦はんの物語に入っていけばいいだけや…」

「どうやって?」

「亜美彦さんの声に耳を傾けるんですわ。」

「こうやるだけでいいの?」

「本当に耳を傾けてどうしますねん。」

「だって今、耳を傾けろと。」

「違いますがな。耳を澄まして亜美彦はんの発する声のバイブレーションに、
瑠璃子はんの意識を合わせるちゅうことですわ。」

「分かってるわよ。冗談よ。」

−−−<意外と面白いことするやないか。この娘。>−−− 

「そのようにすると、トランス状態に入るのね?ねっ、ねっ、龍隠さん?」

「あっ、ああ、そう言うことですな。」

そのとき例の音が亜美彦の耳に聞こえてきた。そしてその音を龍隠と瑠璃子もとらえた。

キ〜〜〜〜ン。 ブ〜〜〜ン〜〜〜。


―――続く―――

コメント(2)

イデア…アイデア…イメージ…想像…創造…

鳥居の意味合い、とても腑に落ちましたほっとした顔ほっとした顔ほっとした顔

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