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歴史学科・史学科コミュの歴史は起こるべくしておこったということ

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最近、半藤一利さんや秦郁彦さんあたりまでいうようになってきた「ああすれば日本は戦争を避けられた」みたいな歴史書に疑問をもっているものです。

歴史とはどんなに偶然的にみえる事象でも、当事者にとっては起こるべくして起きたものだと思うのですが、そういうふうな私の考え方を代弁してくれる歴史学の先人の言葉は何かないでしょうか?

コメント(2)

歴史における「可能性」の問題について三宅正樹先生が特に興味深く論じている。長
くても引用する必要がある。
「このような議論は、しばしばいわれる、
『もし
......
ならば』の方式を、歴史に
適用しようとするものにほかならない。歴史に『もし』はない、と断定してしま
えば、身も蓋もないことになるが、それは、歴史について必然論を前提している
訳である。歴史上のある時点で、政策決定者が
a
のコースを選択するか、
b
のコー
スを選択するか、
c
のコースを選択するかによって、結果はおおいに異なってくる
のは当然であるが、
その時の政策決定者が
a
のコースを選択したからといって、

れだけが必然のコースとは断定しにくいのである。
歴史学者は、歴史上のある出来事を、それがもたらした結果まではっきりして
しまった地点に立ってみているから、
この場合でいえば
a
のコースしか選択の余地
は初めからなかったのだ、という見解に傾きやすい。しかし、よく考えてみると、
ここにはある錯覚が作用している。
政策決定者が
a
のコースを選択する時点に立ち
戻ってみれば、前途、つまりこの選択が生み出す結果は見えていない。いわば五
里霧中の状態で選択がおこなわれるのである。このことを歴史家はしばしば忘れ
ている。あるいは、忘れていないにしても、それほど強く意識していない。
それから、政策決定者についていえば、本当は五里霧中の状態で選択がおこな
われるのでは困るのである。五里霧中としか見えない中に、何とかして見通しを
けて、
a
のコースを選択肢
a
と呼ぶとすると、選択肢
a
を選択すればどのような
結果が生ずるか、
選択肢
b
を選択すればどのような結果が生ずるか、
c
ならどうか、
さらに、
d

e
ならどうなるか、見極めることが、政策決定者から要求される。
歴史学者は、その時の政策決定者がある選択肢を選択した結果をよく知ってい
るから、その結果にもとづいてその時の政策決定者の決定を自由自在に批判する。
よくいわれる歴史学者の『あと知恵』
(ハインドサイト)といわれるものがそれで
ある。
しかし、すぐれた政策決定者は、本当は、歴史学者が『あと知恵』によって知
っている、その選択の結果を選択の時点において予想できなければならない筈で
ある。しかも、すぐれた政策決定者は、実際に選択する選択肢
a
だけでなく、選択
することを避ける
b

c

d

e
などの選択肢についても、それらを選択した場合に
どのような結果が生まれるのかを、見極めることができなければならない。五里
霧中といって済ますことなど許されない。
ある選択のコースと、それが生み出す結果とを含めて、シナリオと呼ぶとすれ
ば、歴史学者は、ふつう現実化したシナリオ、この例では選択肢
a
とその結果とを
合わせたシナリオ
a
だけについて研究することを要求される。
シナリオ
a
が現実化
したのは、どのような政治的、社会的、経済的条件によるのかが、詳しく研究さ
れる。
ところが、政策決定者は、シナリオ
a
について、正確に予測を立てなければなら
ないばかりでなく、シナリオ
b

c

d

e
についても、正確に予測を立てなければ
ならない。この作業をしなければ、なぜ今、
a
を選択しなければならないかが、は
っきりしてこないからである。このような選択肢とシナリオの問題は、歴史を考
える上で重要な問題だと思われる」
4

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