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メディカル道場コミュの4,3級レベル−3

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A 65-year-old diabetic male has driven alone all the way from Texas to California, taking more than 12 hours and having only one bathroom rest. On arrival in California, he begins to have sharp chest pain and shortness of breath. Physical examination reveals a slightly anxious man with a respiratory rate of 20 per minuite and a swollen, erythematous and tender right calf.

What tests would you order to confirm your preliminary diagnosis?
What treatments would you give for the most likely diagnosis?

コメント(9)

状況から、Deep vein thrombosis in the right calfによるpulmonary embolismがmost likelyなので、まずはultrasoundでright calfにおける血栓の有無をチェックし、spiral CTでpulmonary embolismの有無を見ます。D-dimerのチェックも有効かと思われます。Pulmonary angiogramは、diabeticであること、12時間で1度しかトイレに行っていないことからrenal failureが疑われるため、施行しない方がいいのではないでしょうか。

次に治療ですが、まずはheparinを投与し、長期的にはwarfarinで再発を防ぐのがいいと思います。
What tests would you order to confirm your preliminary diagnosis?

僕も状況からDVTと考えますので、動脈血ガスでPaO2↓、PaCO2↓(A-aDO2開大)を確認し、FDP↑、D-dimer↑で深部静脈塞栓の存在を疑い、胸部造営CTで実際に血栓の確認をします。そして、心筋梗塞を除外したいので心電図でST上昇がないかを確認します。
yoshiさんが指摘された腎障害についてはよくわかりませんでした。

What treatments would you give for the most likely diagnosis?

呼吸数が20回/分でそれほど低酸素に陥ってないかもしれませんが、まず、酸素投与によりバイタル安定を図ります。その後はyoshiさんと同様へパリン、再発予防にワーファリンだと思います。
From the clinical picture which satisfies one of the Virchow's triad, most likely diagnosis is deep vein thrombosis. For that, I agree with other people.

I order color doppler ultrasound of lower extremeties, which I think is enough to confirm DVT without any further tests on lungs.

Besides, it's always important to rule out MI, aortic dissection, PTX, and esophageal rupture, I order chest CT and EKG.

Treatmet will be IV heparin and later change it to po warfarin.
長時間同じような体勢でいて胸痛や呼吸数の増加、さらには糖尿病を合併し下肢の血管(静脈)に異常所見がみられるなどから、肺血栓塞栓症がまず頭に浮かびます。
心臓血管系か呼吸器系か鑑別に造影CTや心電図が必要になるでしょう。
確定診断には、肺の血流・換気シンチグラムが有効でしょう。
血液所見では、呼吸数20/minで呼吸性アルカローシスを示すかわかりませんが、可能性はあるとおもいます。

治療としては、まず抗凝固作用のヘパリンや血栓溶解剤。
その後のフォローではワーファリン。
みなさん、お見事です。

先陣を切ってくださったyoshiさんのご指摘は、医学生と思えない実践的回答でしたね。スロット大好きさんご指摘の酸素投与は、PEの場合は必ず行なってください。仁香さんの下腿エコーのご指摘はさすがですね。まったくそのとおりです。tkpi(トウ区ピー)さんのご指摘もそのとおりです。吉四六さんのご指摘もすごく実践的です。

アメリカの病院で内科レジデンシーをやると、何例かこのような症例に遭遇するのですが、アメリカ人の中には、日本では想像できないくらいの長距離を、短時間に車で移動する人がいます。私が知り合った、アメリカ人青年は、シンシナチーからコロラドまでのスキー旅行で、ほとんど休まず徹夜で18時間運転したことがあると言っていました。おそらく2000キロくらいの距離なんでしょうが。こういうシナリオでは、もう条件反射的にdeep vein thrombosis (DVT) からの pulmonary embolism (PE) を考える必要があります。

アメリカで、chest pain (especially sharp pain or sometimes pruritic) と shortness of breath (SOB) を主訴に患者さんが来られると、PEは必ず鑑別の一つに挙げるようにしましょう。PEはアメリカでは極めてよく遭遇する疾患なので要注意なのです。

PE の診断は基本的に画像診断で行います。それ以外の検査はすべて補助診断で、PEの診断と言うよりは、PEを疑うべきかどうかのある程度の判断に使ったり、あるいは、他の疾患を除外する役割を担っています。一昔前まで、ELISA による D-dimer で陰性になれば、99%の確率でPEを除外できると信じられていました(私のレジデンシー時代 = 約12・3年くらい前)が、今では、D-dimer による PE の negative predictive value は80%以下だと信じられています。また、私のレジデンシー時代、Ventilation-perfusionm (V/Q) scan (肺血流・換気シンチ)による診断が全盛でしたが、今では吉四六さんご指摘のように、CTPAの検査がよく行なわれているようです。

CTPA の negative predictive value は99%という専門家もいるくらいですので、従がって、吉四六さんの言うように、「CTPAも(−)でまだPEの疑いがあるのなら、D-dimerやABGをとりつつ V/Q Scan でよろしいかと思います」という風にはならないのではないかと思われます。臨床的にPEの疑いが強く、VQスキャンでも、CTPAでも決着の着かない時は、今でもPE の gold standard である conventional pulmonary angiography を行なう必要があるでしょう。今後、CTPA, MRIを使った診断法がより精度が高くなっていくと、conventional pulmonary angiographyの役割はどんどん低くなっていくかもしれません。VQ scan の行なえる病院がアメリカに比べ少ない日本にとって、CTやMRIを使用した検査方法は非常に魅力的だと思います。

ただ、仁香さん、吉四六さんのご指摘のように、DVTを証明できれば、わざわざいろいろな検査をしてPEを証明する必要はないので、この症例のように、下腿の所見のある患者さんは、真っ先に duplex ultrasound を行い、陽性であれば、すぐにPE(DVT)の治療に入っていいわけです。もちろん、基本的な血液検査や胸部写真(CXR)、ECGなどの検査はすぐに行います。

(続く)
(治療編)

治療は、アナフィラキシーのところの解説でも述べたように、まずABCアセスメントをした後で、すぐに、その結果に沿った緊急の処置をします。例えば、O2sat が 87% などの時はすぐに酸素投与をするのです。こうした緊急処置は何よりもまして大事です。ただし、大きな血栓によるPEでは、血圧低下時に生食のBolusなどが効果の無い時があります。

大きな血栓によるhemodynamically unstableな患者さんは、血栓溶解療法を行います。t-PA(alteplase)、 r-PA(reteplase)、urokinase、streptokinase を使いますが、t-PA を使用するのが最も一般的です。この血栓溶解療法 fibrinolysis については誰からも指摘がありませんでしたが、この症例のような場合は、適応がないので、間違いではありません。

みなさんご回答のあったヘパリンによる坑凝固治療は、PEを強く疑った時点ですぐに開始し、最終的なDiagnosis を待つ必要はありません。ヘパリンには、IV heparin と low molecular weight heparin (LMWH)がありますが、IV heparin はaPTT などでモニターして点滴量の調整をしないといけないので、現在では、LMWHが好まれています。、LMWH  開始後1−3日以内にワーファリンを開始しますが、ヘパリンは数日継続する必要があります。ワーファリンは最低でも6週間継続しないといけないですが、リスクの高い人はより長期の継続が必要です。他に、酸素投与、点滴などの治療も入院中には必要になります。

血栓の大きい場合、hemodynamically unstable な患者さんの場合、invasive radiology によるカテーテル的な直接血栓除去術が適応になることがありますが、これは、吉四六さんの得意な領域だと思われます。
吉四六さん、

実際に多くの病院で、LMWH にすでに移行しているかというと、実は疑問のあるところなんです。何故かというと、IV heparin (unfractionated heparin = UFH) にもadvantage があるからです。例えば、出血という副作用が出た時、あるいは出血のリスクの高い人では、UFH は点滴を止めると数時間後にはもう効果はなくなります。それに protamine で heparin の効果を reverse することもできるからです。LMWH の場合は、protamine を使用しても partial にしか効果がありません。

PE の診断で、補足をすると、clinical suspicion が PE の診断で非常に重要ですので、PE リスクのある人(長期臥床、ある手術後、hypercoagulable state、あるいはこの症例のような人など)が胸痛や呼吸苦などの症状を呈した場合は、必ずPEを考えます。

Take it as PE until proven otherwise. (PEでは無い、と証明されるまでは、PEであると考えておくこと)

ただ、この症例は、DVT があるので、それに気づいた人は、あれこれ PE の診断に悩む必要はないというわけです。

症例自体のレベルは、4,3級レベルかもしれませんが、総合判断するには、2,1級レベルの考え方がいる症例だったかもしれません。

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