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リメイク映画を比較しようコミュの私の頭の中の消しゴムとPure Soul

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「私の頭の中の消しゴム」(韓国2004年 日本公開2005年)

監督:イ・ジェハン
主演:チョン・ウソン ソン・イェジン


「Pure Soul〜君が僕を忘れても〜」(日本2001年 TVドラマ 全12話)
監督:唐木希浩
主演:緒方直人 永作博美 室井滋


 結婚したばかりの若い幸せな夫婦に訪れる悲劇。妻が若年性のアルツハイマーにかかり、どんどん記憶が失われていく。
 妻は夫のことを忘れてしまう前に自ら別れていこうとするが、夫が自分が代わりに覚えているからと引き止める。
 病気の進行は新しい記憶から順に消えていき、妻は2年前のかつての恋人の名前で夫を呼ぶようになる。
 やがて自分の面倒を見ることもままならなくなった妻は、離婚届を残し、一人療養施設へ。
 施設を訪れた夫が見たのは誰の認識もできなくなった子供のように無垢な妻の姿だった。


 1話50分で12話のドラマから2時間の映画に直すためには多くの箇所を削る必要がある。だが映画を見た限りその削り方があまりよくなかったように感じられた。なるべく多くの要素を詰め込もうとして中途半端になってしまった感覚である。

 状況設定。
 ドラマ版の設定は夫はもともと妻の父親の経営する家族レベルの小さな工務店で働く大工。映画は妻の父親の建設会社で働く現場監督という設定。職種は名残を残している。建築士を目指して勉強するという設定も同じ。性格は大工という仕事柄か荒々しいタイプ。それがヒロインである妻との出会いから少しずつ変っていく。また夫の方はろくでもない母親に捨てられた過去がある。

 出会い。
 ドラマはベタすぎ。雨の日に増水して川に流されている犬を同時に二人が目撃する。ヒロインは助けを請うが、男は見捨てて立ち去る。ヒロインが他に助けを求めに行っている間に犬の姿は消えており、怒って男の家に怒鳴り込むと、実は男は犬を助けており、そんな男に好意が芽生える。
 映画は初めからヒロインは物忘れが激しいという設定。コンビニでコーラを買って出るが、手にしていないことに気づく。あわてて引き返すと同じコーラを持ってコンビニを出てくる男が。ヒロインは男からコーラをひったくって飲み干し盛大にゲップをかまして立ち去る。あとから気づくが彼女が買ったものは店員が保管しており、自分の勘違いだったと気づかされる。
 やがて付き合い始める二人だが、男はかつて母親に捨てられた過去から結婚を拒む。しかしヒロインに説得され、彼女の家族にも認められやがて幸せな結婚へ。

 家族。
 ドラマは男の母親が何度も登場し子供を捨てておきながら金をせびりに来る悪女として描かれている。
 映画はそれが薄い。妻のセリフで「許すことは心の扉を開くこと」という名言を残しているが、実際の母親へは刑務所に会いに行って拒絶されるシーンしか描かれない。
 ドラマは親子の問題として描いているのに対し、映画は夫婦の問題という作り方である。
 ちなみにドラマはしばらく姿を見せなかった母が小さな病院で死に掛けているという知らせを受け、後悔の言葉を聴きながら弟と二人で(ドラマは夫には弟がいる)最期を看取るというものだった。
 また妻の両親においてもドラマは父親を森本レオ、母親を市毛良枝が演じており、娘の病気が発覚したときの苦悩や嘆きは相当しっかり描いていたが、映画版では拍子抜けするくらい描かれない。
 韓国は儒教の国だからこのような家族のシーンをもっと深く描いてくれるのではないかと期待していたのが期待はずれで、あまりのめり込めなくなってしまった。もちろんこれは僕の勝手な先入観であり思い込みでしかない。

 その他。
 その割に妻の過去の不倫相手を出して、記憶の飛んだ妻にその男の名前で呼ばせるというシーンは残しており、いやそのシーン自体はいいのだが、それだけのためにわざわざ不倫相手を登場させてまですったもんださせる時間がもったいない。
 お弁当のエピソードはドラマでは結構印象的だったので、出るかなと思ってたらやはり出てきた。でもなぜか笑いを誘う。
 映像的にもところどころコメディっぽく思える表現が使用されていて、意図がわからない。
 主治医に関してはドラマは室井滋が同じ病院で植物状態の夫の面倒を見ており、最初は研究対象のように見られるものの、最後にはヒロインの行動に勇気付けられ夫の精子で人工授精するというエピソードがあった。映画はおじいさんの医者だったが、かつて妻を同じ病気で亡くしている設定。これは無難な残し方か。

 後半
 一番大きな違いはドラマは病気の進行を早めると言われながら子供を出産すること。そもそもドラマは妻がいなくなってしまったあと、彼女が娘に宛てた手紙を読み聞かせながら夫が語り聞かせる回想という形をとっている。

 スケッチブック
 療養所を訪れた夫が妻の描いたスケッチブックを見るシーン。この時点で妻は個人の認識ができなくなっている。
 映画は見知らぬ人のように夫に話しかける妻の手にあったものを彼が開くと自分の顔が書かれているというもの。
 ドラマは夫が外でベンチに座っている妻に話しかけると、自分のことがわからないどころか、おびえて子供のように逃げ出してしまう。絶望して訪れた病室でふと目にとまったテーブルの上のスケッチブックを開くと自分の顔が書かれている。
 ドラマではすごく泣けたシーンだったので期待していたが、映画はイマイチ物足りなかった。

 コンビニ。
 映画オリジナルのエピソード。夫が療養所から許可をもらって妻を連れ出し、出会ったコンビニに連れて行く。すると彼女の家族や主治医たちが店員や客の格好で彼女を出迎える。それを見た記憶のないはずの彼女の口から「天国にいるみたい」という言葉が漏れる。
 これはいい。いいシーンなんだけど周りを固める登場人物にもっと思い入れができるように描いてくれていたらより感動できたと思う。

 タイトル
 映画のタイトル「私の頭の中の消しゴム」とはドラマの中で妻が夫の弟に自分の病気の説明をするときに使ったセリフ。内容を端的に表した印象に残る言葉だと思う。


 ドラマと映画の一番大きな違いはドラマはアルツハイマーという病気を通して家族愛と夫婦愛の2点を描くことにに主眼を置いているのに対し、映画は男女の愛に終始しているという点。ドラマを見た後で映画を見ると何か中途半端な物足りなさを感じてしまう。
 前半はやや冗長に二人の恋愛を描いたり、ドラマの設定もできるだけ詰め込もうとしているのはわかるが、いっそのこと切るところは切って、重要なところに比重を置いてほしかった。
 もちろんこれは僕個人の主観的見方によるものなので、別の評価をされる方も多いだろう。

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