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患者(医療消費者)のための医療コミュの医師・患者のコミュニケーション重視 花粉症・改訂ガイドライン

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今月中旬から花粉症の本格的なシーズンを迎える。10人に3人が発症する時代に入り、国民病としての存在感がますます強まる中で、昨年末に「鼻アレルギー診療GL・第6版」(2009年版)がまとまった。4年ぶりとなる改訂では、初期療法や免疫療法の考え方を拡充したほか、花粉症治療での医師と患者のコミュニケーションを重視したのが特徴だ。

 初期療法では従来、第2世代抗ヒスタミン薬、遊離抑制薬、抗LTs薬の3つから選択を求めていたが、今改訂で「Th2サイトカイン阻害薬」「抗PGD2・TXA2薬」も選択肢に加えて初期療法の概念を広げた。

 免疫療法では、海外でのエビデンスが豊富な舌下免疫療法を初めて取り上げた。日本ではまだ臨床試験段階だが、対症療法でなく長期寛解を求めるニーズの高さを受け、将来の臨床応用への道筋をつけた意義は大きい。

 そして今改訂で最も強調されているのが、医師と患者がしっかりとコミュニケーションをはかることの重要性。改訂GLでは、主な症状や過去の治療歴などを確認するツールとして「問診票」、患者自身が症状、日常生活への影響などを書き込む「鼻アレルギー日記」といった新しい考え方を打ち出した。ただ、患者との意思疎通を重視するツールを取り込んだことは評価できるが、多忙な臨床現場でどこまで受け入れられるかは未知数だ。

 鼻アレルギー診療GL(09年版)によれば、98年19.6%だった花粉症有病率は08年に29.8%まで増加。飛散がピークを迎える3月には、多くの耳鼻咽喉科クリニックで患者が溢れかえり、待ち時間の長さや、短すぎる診療時間は患者の強い不満となって現れている。

●溢れる患者で医師多忙 

 抗ヒスタミン薬を中心とする花粉症治療薬には、有効性や副作用での個人差が大きい。薬剤を使いながらその患者のベストな治療薬を見極める必要があるが、増加し続ける患者が集中的に受診する傾向は、GLが重視するコミュニケーションを妨げる要因となっている。ピーク時に、多忙過ぎる医師が患者ときちんと向き合えないという実態は、花粉症治療が抱える最大の課題といっていい。

 患者分散化という視点からも注目される初期療法は、本格飛散前から服薬することで曝露時の症状発現を抑えることができるのがメリット。ただ、重症化して初めて受診するケースが多い花粉症患者にとって、症状がほとんどない段階で、服薬し始めること自体が受け入れられづらい。経済的な負担もネックとなる。

●将来見据えた処方せんを

 改訂GLで推奨されたコミュニケーションツールを積極的に試す価値は十分あるが、個々の医師の意欲や、患者の意識改革だけで解決しきれないことも多い。そこで花粉症対策で国が果たす役割も大きくなってくる。

 根治的治療として期待される舌下免疫療法の早期臨床導入や、第2世代抗ヒスタミン薬のスイッチOTC化、初期療法を定着させるための診療報酬等の政策誘導も手だての1つだ。賛否両論あるかも知れないが、全国各地で大規模なスギ・ヒノキ伐採事業を進めるなど、将来を見据えて踏み込んだ対策を検討してみてはどうか。

 最近は、花粉症患者が増え続けることでの経済的な悪影響を試算する論文等を目にする機会も増えた。今ほど患者が多くなかったかつての花粉症は、著しい患者増や、重症化傾向の強まり、発症年齢の低年齢化という現実を踏まえ、深刻な社会問題として捉える見方が確実に強まっている。

 近い将来3人に1人、2人に1人という時代が来てから対策を練っても後手に回る公算が大きい。医師や患者、企業や国が、この現実と向き合い、将来のイメージを膨らませて知恵を絞らなければ、花粉症対策の処方せんは描けない。(清水 康功)

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