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小説インドノケムリコミュの走る尺連寺<インドノケムリ番外>

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尺連寺は走っていた。
ある春の夕方だ。もう日は暮れて夕闇の中だ。
灯り始めた都心の明かりがきれいだ。
尺連寺には、都会の風景を楽しんでいる余裕は無かったのだ。
月曜日の夕方の尺連寺だ。
店は土日は休みなので、
休日をずっと恋人の茄子ちゃんと過ごした尺連寺だった。
今はその余韻に浸って入られない。
日常の仕事の疲れも溜まっていたが、
茄子ちゃんがどんどん尺連寺のことを好きになってくれる度に
茄子ちゃんはどんどん可愛くなっていく。
そう、尺連寺は、この月曜の朝まで茄子ちゃんと戯れたのだった。
尺連寺は、店の開店時間近くまで、
眠りの床にあったのだ。
尺連寺の部屋は、店から歩くと30分ほどのところ。
極最近、越してきていた。
勿論、通うのに余裕を持つためだった。
茄子ちゃんも尺連寺に会いに来安い部屋に移ったのだ。
そう、歩くと30分かかるのだ。
走る尺連寺は知っていた。
すでに、店の開店時間は過ぎている。
汗が額から流れ始めていた。
ハンカチで拭いている余裕も無い。
尺連寺の恐怖は、
あの常連客の冴えないサラリーマンの雑煮だ。
雑煮は、よく店が始まる直前くらいに来ることがある。
店が時間通りに開かないと、鬼の首を取ったように、
尺連寺へのいやみを肴に飲み始めるのだ。
他の客が来るまで。
今日は月曜日だ。他の客が来るのは遅いだろう。
尺連寺は知っていた。
「雑煮さんも、かわいそうだよな。
会社で、いつも自分が言われているから、
その鬱憤を僕にはらすんだよな。
面倒くさいが、かわいそうな人だな。
でも、あの顔で、長々いやみもきついよ。
特に、今日は月曜だし。あぁあ..........。」
店に続く道に入った。
尺連寺の息は切れ切れになってきた。
普段立ち仕事だけど、運動にはなっていない。
最近、腹も出てきている。
この距離の走りは、きつすぎる。
あぁ、店が見えてきた。
まだ店の看板の明かりは勿論ついていないが、
他のビルの明かりが、店の前を軽く照らしている。

「居た!」

尺連寺には、遠くから見えた。
ニヤニヤと不気味な笑みを浮かべた雑煮が。

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