ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

新井 貴浩コミュの関連記事

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
【虎の新井誕生へ「優勝しか考えていない」三塁は自力で獲る!】

 虎の新井誕生−。広島からフリーエージェント(FA)宣言した新井貴浩内野手(30)が21日、福岡市内のホテルで阪神から2度目の入団交渉を受け、移籍に合意した。2年連続100打点の大砲、北京五輪を目指す星野ジャパンの4番の虎入り。V奪回の使者がやってきた。

 今度は晴れやかな表情だった。広島と別離を告げた涙のFA宣言から13日、虎の新井が誕生した。フラッシュの放列がひな壇の主役に浴びせられる。南球団社長とともに会見に臨み、最終決断を“発表”した。

 「(阪神に)よろしくお願いします、ということを伝えさせていただきました」

 15日の1回目の交渉ですでに4年総額12億円の条件提示も受けた。阪神入りを決意した理由を「熱意が伝わってきました」と表現した。「クリーンアップとして、優勝争いをしてほしい」との南球団社長の言葉。阪神球団およびファンの熱い思いが胸に突き刺さった。新井を獲得して是が非でもV奪回へ。その虎の思いが、“優勝”という2文字に飢えていた主砲の心を動かした。

 だから、自らの使命は十分にわかっている。「優勝したい? もちろん。それしか考えていない」。優勝をつかみ取る。05年の本塁打王がVの使者となる。その自信もみなぎる。今季、2年連続100打点をマークしたが、来季も「100打点? いちおうの目安」と控えめながら、最低ノルマとして掲げた。

 「まさかまた金本さんと同じユニホームを着て戦えるとは、夢にも思っていなかった」。広島時代から背中を追い続けてきた、あこがれの金本とまた野球ができる。今まで封印していた喜びが流れ出した。

 『5番・三塁』に期待されているとはいえ、特別扱いはしてほしくない。その座には05年に147打点を記録した今岡がいる。まずは、チーム内のライバルを乗り越え、自らの力でつかみ獲るつもりだ。

 「(三塁へのこだわりは)個人的にはある。でも僕はポジションが空いているとは思っていない。精いっぱいやるだけ」

 まずは、22日の日豪親善試合で、星野ジャパンの4番としてフルスイング、そして五輪予選へ。北京五輪出場を手みやげに来月の入団発表の席に臨む。

コメント(174)

【初盗塁!阪神・新井「目標20盗塁」本気や】

 新井、2009年“初”盗塁−。阪神・新井貴浩内野手(32)が2日、紅白戦に『3番・三塁』で出場。四回に二盗を決めて、実戦3試合目で初盗塁をマークした。金本の“暴露”によって発覚? した20盗塁への大目標へ。リニューアルした“走る”新井をさっそくイメージ付けた。

 千里の道も一歩から。20盗塁への道も、まずは1つの成功から始まる。新井が紅白戦で今季“初盗塁”。四回無死。福原から左前打を放つと一死後、打者・桜井の2球目にスタート。滑り込み、砂じんが舞う。間一髪、二塁を奪いとった。

 「『行けたら行け』のサインです。僕は(フリーパスの)赤星とは違って、サイン以外ではスタートを切れないんで」

 当然の表情で振り返ったが、この1つ目こそ、今季の『走る新井』の第一歩だ。「しっかり走りたいです。短いの(ダッシュ)をしっかり走って、キレを出して。シーズンでサインが出た時に、しっかり走れるように」。強い意欲を明かした。

 プロ10年でシーズン最多盗塁はたったの3(00、04、05年)。通算19。およそ盗塁のイメージとは縁遠いが、次の塁を狙う走塁の意識はもともと旺盛だった。このキャンプ中には、2月22日に金本から「昨年も『20盗塁する』と。『今年こそ』と言っているよ」と“暴露”された。秘めたる野望をさらされた以上、結果を出さねばならない。

 チームにとっても貴重な一歩だ。機動力野球を掲げる真弓阪神。スキあらば、主力でもサインを出す!! そんな方針に、新井がすかさず応えた格好。「いつも警戒される走者より、警戒されていない走者の方が走りやすい」と真弓監督が言えば、久慈守備走塁コーチは、さらにその“先”を見すえた。

 「(新井は盗塁)20個って言っているんでしょ。新井が10個するだけでも全然違う。OP戦でも状況によって(サインは)ありますよ。(他球団)スコアラーも来ているし、そういう風に思ってもらえればね」。強打の5番でも、走ってくる。そんな印象を相手に持たすだけでも、武器となり、プレッシャーを与えられるわけだ。

 一方、“本業”の打でも試合後に特打を敢行。143スイング27発で、締めくくった。「じっくり打ち込めるのは今日までなんで、打たせてもらいました。まあ、今からです」。打は5番に。守は三塁に。そして走も−。虎2年目。新井の『変革』から目が離せない。
【推定120M弾!阪神・新井、豪快C締め】

 豪快に締めた。阪神・新井が3日、フリー打撃で35スイング中5本のサク越え。最後は、左翼のネット上部に直撃する推定120メートルの一発だった。「課題はサードに慣れること。打撃はこのままでいい。腰も順調ですし」。2月27日の紅白戦では2打数2安打2打点と大爆発するなど、打撃は絶好調。復帰した三塁の守備でも軽快な動きを披露している。真弓阪神のカギを握る男が、最高の笑顔でキャンプを終えた。
【阪神・新井、開幕ピンチ…右腕の肉離れ】

 右腕を痛める新井はチームに帯同せず、甲子園の室内練習場で約1時間半、汗を流した。

 「(打撃は)大丈夫です。投げるときに痛みがある。開幕に間に合わせる? もちろん。早く治します」。71球のティー打撃では右手は添えるだけ。ほぼ左手だけで打棒を振った。30球のノックも捕球のみで、その後は30メートルのダッシュを数本。常川チーフトレーナーは「今後は走ったり、左手でティー打撃をしたり、患部外のトレーニングを行う」と説明した。

 報告を受けた真弓監督は「『開幕に万全で』とは無理かもしれないが、ただ『無理をすれば出られる』ということなんで。そこの判断」。4月3日の開幕ヤクルト戦(京セラD)は微妙。ぶっつけ本番となる可能性も出てきた。
【阪神・新井が好調キープ打!2戦連続安打】

 (セ・リーグ、阪神1−5ヤクルト、2回戦、阪神1勝1敗、4日、京セラD大阪)新5番の新井が開幕から2戦連続安打。八回一死、3番手・松岡から金本が中前打で出塁すると、すかさず続く。外角高めの直球を右前へ運び一、二塁とした。得点には繋がらなかったが、好調はキープしている。

【阪神・新井、チーム連敗も3戦連続ヒット】

 (セ・リーグ、阪神6−7ヤクルト、3回戦、ヤクルト2勝1敗、5日、京セラD大阪)新井は5打数1安打。1点を追う一回二死一塁、右腕・川島亮の外角速球を右前に弾き返した。

 「調子はそんなによくないですけど、あさってからしっかりとやっていきます」

 これで3試合連続でスコアボードに「H」ランプを灯した。チームは2連敗となってしまったが、「嫌なムード? いやいや、流れとかは関係ないので」と言い切った。

【アニキに続いた!新井、虎で初アベック弾】

 (セ・リーグ、阪神8−2広島、2回戦、阪神2勝、8日、甲子園)アニキに続いた!! 阪神・新井貴浩内野手(32)が8日、広島戦の三回に今季1号ソロを左中間に運び、初打点を挙げた。さらに移籍後、初めて金本とのアベック弾。2人そろっての本塁打は広島時代の2002年9月15日の広島−中日戦(ナゴヤD)以来、2397日ぶり。久しぶりの共演でカード勝ち越しを決めた。

 どこか懐かしい感じがした。熱狂するスタンドの声援をで浴びながら、ゆっくりとベースをまわった。ベンチでは2連発目を打ったばかりのアニキが出迎えてくれた。7年ぶりの“兄弟アーチ”は、タテジマでは初めてだった。

 「いやぁ、金本さんすごいっすよ。さすが男前ですね」

 試合後は金本の偉大さに感嘆した。今季から主砲の後を打つ。開幕から目の前で3本の本塁打を見せられてきた。4試合20打席目で待望の一発。5−1とリードした三回一死から斉藤の低めのチェンジアップに手を伸ばした。「入ると思わなかった」打球は放物線を描き、左中間席に吸い込まれた。公式戦での本塁打は昨年6月8日のオリックス戦(甲子園)で打ってから304日が過ぎていた。真弓監督は「今までポイントが近かった。余裕がなく、慌てて打ちに行く感じだった。これで乗ってくると思う」と安どの表情を見せた。

 試合前の練習に変化があった。普段のフリー打撃では直球のみを打つ。しかし、この日は打撃投手に変化球と直球を交互に要求した。さらに、全体練習前の午後1時45分から約40分間、室内練習場にこもった。遅い球を振り続け、体重移動とフォームバランスを確認。アベック弾を完成させた1本はまさに、直球と約10キロ差のある128キロの“遅球”チェンジアップだった。さらに、練習時には和田コーチから「ピッチャーとの勝負より、形にこだわりすぎている。気持ちの部分が重要なんじゃないか」と助言を受けた。それを結果につなげた。その「気持ち」は守備にも表れた。三回二死満塁で栗原の三遊間の打球にダイビングキャッチ。二塁転送がセーフになると、右手を地面にたたきつけて悔しがった。それでも1失点で食い止めた。

 「もう状態がどうとかいっている余裕はない。チームが勝っているし、またあしたも試合はあるんでね」

 ここにきて金本のスゴサを感じない瞬間はない。5番を打つ責任の重さも覚悟している。だからこそ、ともに描いた2本の架け橋が歓喜と栄光へ続くと信じている。
【阪神・新井、2試合連続安打と復調の気配!】

 (セ・リーグ、巨人4−1阪神、2回戦、巨人2勝、11日、東京ドーム)阪神・金本以外に「H」ランプを灯したのが新井だ。七回無死二塁。アニキの後を追うように、東野が投じた外角高めのスライダーを痛撃、右翼フェンス直撃の二塁打を放った。「状態は上向き? 少しずつ。少しずつね。とにかく、また明日です」。4打数1安打2三振の内容に言葉少な。しかし、2試合連続安打と復調の気配はある。
【どやっ!!阪神・新井、九回執念の同点打】

 (セ・リーグ、巨人6−6阪神=延長十二回規定引き分け、3回戦、巨人2勝1分、12日、東京ドーム)執念ドローや! 阪神・新井貴浩内野手(32)が九回に、巨人の守護神、マーク・クルーン投手(36)から執念の同点打。9連敗中の宿敵に6−6で延長十二回引き分けに持ち込んだ。土壇場で虎が目覚めた。これから巻き返しや!!
【“進化の5番”阪神・新井、四回V弾!】

 (セ・リーグ、横浜4−9阪神、2回戦、阪神2勝、18日、横浜)迷っていた。自分の打撃に納得できない日々−。そんな中で、新井の放った3号ソロがチームを勢いづけた。

 「先制点がほしかったので、うまく打ててよかったです」

 0−0の四回二死。先発・グリンからこの日最速の148キロの内角直球を左翼席中段まで運んだ。4試合19打席ぶりの一発。「ちゃんと回れましたね」と軸回転でさばいた。ベンチ前では、待ち受けた金本にタッチの瞬間に手を引っ込められた。

 「いつものことです」という“お約束”でからかわれた。前夜にはヒーローインタビューでアニキから「後ろの新井さんがしっかりしていないんで、僕がしっかりしないといけないなと。責任を感じています」と辛口のゲキを飛ばされた。そのことには「ノーコメント」と苦笑いした。

 新5番はもがいていた。構えが変わった。立てていたバットを寝かせ、肩に担ぐようにした。和田打撃コーチは「今まで(投手方向にバットの)ヘッドが入りすぎていたからね。微調整じゃない、明らかに見てわかる違い。本人もいろいろ迷っているんだと思う」。よりスムーズなスイング軌道を求めた変化だった。この2日間は、ウオーミングアップにも参加せず、1人室内練習場に直行。約30分間の特打を続けた。この日まで得点圏打率.154と低迷。ふがいない思いがあった。

 守備でも必死だった。一回一死で山崎の三遊間の打球を倒れ込みながら捕り、スリーバウンドで一塁送球。華麗なダイビングキャッチでなくともアウトにできる。それでよかった。

 「後はしっかり準備して、練習します。何連勝でもしたいですね」

 打った。そしてチームが勝利した。だから意味がある。新井の心が少しだけ満たされた。
【阪神・新井、4安打4打点の大暴れ!】

 (セ・リーグ、阪神8−4横浜、4回戦、阪神3勝1敗、28日、倉敷)期待された役割を十分に果たした。阪神の5番・新井が4打数4安打4打点の大暴れだった。

 打たないわけにはいかなかった。4−4の七回。4番・金本が敬遠で歩かされ、一死満塁。「力まないように入った」という打席で、吉川の145キロを左翼線に。これが勝ち越しの2点二塁打となった。

 三回にも金本が三振に倒れた直後に二死一、二塁から2点二塁打。「詰まったけど、うまく押し込めた。先制点が欲しかったのでよかった」と振り返った。

 開幕から思うように調子が上がらず、苦しんでいた。真弓監督が直接、打撃指導するほどだったが、新井は「(先週の)広島戦あたりから、前よりはいいんじゃないかという感覚があった」と手応えを口にした。

 今季から金本の後の5番に入る。絶好調だった4番の調子がやや停滞気味な中、新井に勝負強さを求めた真弓監督の狙いがやっと機能し始めた。
【阪神・新井、一発出るも2併殺に言葉少な】

 (セ・リーグ、阪神4−7横浜、5回戦、阪神3勝2敗、29日、甲子園)阪神の新井が二回に9試合ぶりとなる先制の4号ソロ。ウォーランドの外寄り低めの球に逆らわず、右翼ポール際に運んだ。

 前日は4安打4打点の大暴れ。調子を完全に取り戻したかに見えたが、その後は空振り三振と2併殺打に倒れた。「一発は良い予兆? 別に。特に何もありません」と試合後は言葉少なに引き揚げた。
【阪神・新井、つない打「一生懸命やるだけ」】

 (セ・リーグ、阪神6−0巨人、6回戦、巨人4勝1敗1分、4日、甲子園)超満員のスタンドのボルテージが最高潮に達するなか、ゆっくりと歩を進めた。3番、4番の連打に、新井のバットがようやく呼応した。

 「いい形の点? よかったですね」

 2点リードの五回。二死から鳥谷が激走の三塁打。金本の右翼線適時二塁打で続く。そして、対峙するのは昨季4敗を喫した先発・内海。4球目だった。追い込まれてから、内角の直球に反応した。左前へ痛烈にはじき返す適時打で虎キラーにトドメを刺した。クリーンアップ3連打&AK砲の連続タイムリーはいずれも、今季初めて。5番に座った男がついに機能した瞬間だった。

 量より質−。「安打もここ一番で打ちたい。クオリティーのいいものを積み上げたい」。新5番を“襲名”するにあたり、口にした言葉だ。だが今季、アニキの後ろを打つ重圧に、もがき続けた。勝負どころでの1本が出ない。得点圏打率は.241と低迷。打点も「16」とまだ本調子とはいえない。だからこそ、人一倍黙々とバットを振りこむ姿が目立つ。

 そんなA砲の5試合ぶりの適時打に、真弓監督は「調子を落としていたが新井もこれで上がってくるんじゃないかな」と復調に期待を寄せた。

 2点リードの四回には、先発・下柳が二死一、三塁のピンチで絶好調の坂本を迎えると、マウンドへ足を運んだ。「間をおきたかったんで」とヒソヒソ声でなにやら耳打ち。新井のかけた言葉に左腕がニヤリと笑って、リラックス? 流れが変わりかけない場面で機転を利かした。

 「毎試合、一生懸命やるだけです」

 大粒の汗をしたたらせ、ロッカールームへ引き揚げた。覚醒へのきっかけは手中にある。虎の5番は、まだまだこんなものじゃない。
【ミスターやん!阪神・新井が横手投げ習得や】

 ミスター流だ! 阪神・新井貴浩内野手(32)は5日、ヤクルト戦(神宮)が雨天中止となり、神宮の室内練習場で調整。キャッチボールでは、サイドスローやアンダースローの位置からの送球を試投した。これまでは上手からの送球がほとんどだったが、かつての長嶋茂雄氏(73)=巨人終身名誉監督=のような横手からのスローイングが加われば、鬼に金棒。泥臭さに、華麗さも兼ね備えてみせる。

 野球の花形、三塁手。がむしゃらに、必死に体を張ってホットコーナーを死守してきた。打球を素手でつかみ、流れるように投げる−。もっとうまくなるために、新井がサイドスローに取り組んだ。それは“長嶋流”をほうふつとさせた。

 「何もないよ、何もない。遊びだよ、遊び」

 練習後はそう言い、大げさな修正ではないことを強調。それでも、向上心が自然と腕を振らせた。今までは上手からの送球がほとんどだったが、キャッチボール相手になった久慈守備走塁コーチがお手本を示す。それを真似るように横手や、時には下手ほど腕を下げて投げた。約30メートルで20〜30球ほどだが、捕球してからのステップをイメージしながら繰り返した。

 「1カ所からしか投げられないと、ギクシャクしちゃうこともあるでしょ? 横から投げないといけない状況もあるわけだしね」

 久慈コーチが“新投法”の意図を説明。決して魅せるためではない。セーフティーバントなどボテボテのゴロに前進する場面など、捕球態勢によってスムーズに腕が振れる位置も違ってくる。臨機応変に、確実に打球を処理するための“備え”。バリエーションを増やしたほうが、より安定した守備ができるというわけだ。

 新井は、開幕前に右前腕を痛めた。コンバートされた三塁での送球練習が増え、一塁だった昨季より負担をかけていた。オープン戦から一時離脱し、別メニュー調整を余儀なくされた経緯がある。無理なく、より自然な投げ方をマスターすれば、故障の再発防止に効果があるかもしれない。

 真弓監督が不動に据える「5番・サード」。守備の不安が少なくなれば、精神的に楽になり打撃にもいい影響が及ぶと考えられる。今季、ここまで26試合で失策は「2」。悪送球はまだない。

 「アウトにできれば形は何でもいい」。強烈な打球には「気持ちで食らいつく」信念を貫いてきた。長嶋さんのように華麗ではないかもしれない。実直で泥臭いのが新井らしさ。それでも、時には流れるようなフィールディングがあっていい。ゴールデンウイーク最終日。バットだけでなく、カッコイイ守備が野球ファンを魅了するかもしれない。
【阪神・新井、待ってました18打席ぶりの安打】

 (セ・リーグ、阪神1−0広島、7回戦、阪神5勝2敗、12日、甲子園)4試合連続無安打だった阪神の新井が二回に中前打を放った。

 二回無死一塁で遊撃手の右を速い球足のゴロで抜いた。「自分のやれることをやるしかない」と話していた新井の18打席ぶりの安打で好機を広げたが、チームは無得点。新井はその後の2打席は凡退した。

 12点を奪った10日の試合後には「新井が心配」と和田打撃コーチが漏らした。新井の完全復調が待たれるが、果たして…。
【阪神・新井、41打席ぶり弾も天国から地獄】

 (セ・リーグ、阪神1−2広島、8回戦、阪神5勝3敗、13日、甲子園)手には確かな感触があった。だが、白球が芝生の上で弾むことはなかった。広瀬が高々と左手のグラブを突き上げるのを見て、阪神・新井が天を仰いだ。

 「不運な当たり? 別に、どうも…」

 首をかしげ、言葉少なにロッカーを歩いた。先制弾の感触よりも、勝てなかった悔しさが胸をいっぱいにした。

 1点を追う延長十回。目の前で金本が敬遠された。二死一、二塁。アニキが四死球のあとの打席は今季18度目。この試合まで16打数3安打、打率.188と苦しんでいたが、長打が出ればサヨナラの場面。広島の守護神・永川に猛然と立ち向かった。

 4球目。150キロの直球をはじき返した。鋭い打球は、ライナーで右翼線へ伸びた。だが、回転しながら跳びついた広瀬が飛びつき右飛。肩を落とすしかなかった。

 5打数1安打1本塁打1打点。勝てばヒーローだったが、天国から地獄だ。六回一死無走者で、待望の先制点をもたらした。先発・斉藤のチェンジアップをとらえ、右翼席へ運んだ。

 「逆らわずに打つことだけを考えました。感触はよかったので、打った瞬間いくかなと思いました」と10試合41打席ぶりの1発を振り返ったが、喜びもつかの間。敗戦に消し飛んだ。

 指揮官の期待は十分に感じていた。試合前の練習が始まるさらに約1時間前。真弓監督、木戸ヘッドコーチ、和田打撃コーチの3人が室内井練習場へ足を運んだ。視線の先に、新井がいた。

 毎日のように早出特打に励む虎の5番の打撃を、約1時間にわたりチェック。「復調の兆し? あるよ」と真弓監督。そして、その予言通りのアーチ。だが、1点では勝利をつかめなかった。

 和田コーチは「最後も完ぺきにとらえているんだけどね。(新井の)状態は戻ってきている」と復調気配を感じ取ったが「(打線全体で)あと1本が出なかった。投手を助けられなかった」とうめいた。

 胸に刻んだ屈辱を晴らす。悔しさに握りしめた拳で、まずは広島を打ち砕く。
【阪神・新井、前夜のお返し!虎打線“起爆” 】

 (セ・リーグ、阪神7−1広島、9回戦、阪神6勝3敗、14日、甲子園)打つ、走る、守る。そして勝つ!! 苦しむ5番にとって、それが何よりの良薬だ。打線が久々につながった快勝劇。その中心に、阪神・新井がいた。

 「ベストゲーム? そうですね」

 一回、二死三塁から金本が歩いた。前日13日は5号ソロで先制するも追いつかれた。延長十回に金本が四球。最後の打者となったが、今度はとらえた。フルカウントから、前田健の146キロ直球をたたくと、打球はしぶとく一、二塁間を破った。

 「早い回で先制できたのでよかったです」

 金本の四球後はこれで17打数4安打。5月4日の巨人戦(甲子園)以来、自身26打席ぶりの適時打が貴重な先制打となった。五回は二死走者なしから中前打。12試合ぶりの複数安打を決めると、桜井の左中間二塁打に鬼の形相でホームへ突っ込んだ。

 甲子園では連日の早出特打にずっと付き合った真弓監督が言う。「きょうは新井に決めさせたいと試合の途中で思った。(一回に)粘ってヒットを打っていたからね」。虎を襲っていた貧打。解消には、この男のバットは絶対に欠かせない。
【阪神・新井が20打席ぶりタイムリー】

 (交流戦、オリックス3−7阪神、2回戦、1勝1敗、23日、京セラD大阪)笑顔はなかった。どこかもどかしい。すっきりしない。「よかったです」。新井は、その一言だけを残した。久しぶりの勝利も個人的には心から喜べなかった。

 七回二死一、二塁。金本が4−3となる勝ち越し打を放った直後。4番手・川越から20打席ぶりの適時打を左前に運びダメを押した。「いい場面で打ててよかったです」。試合中には広報にそうコメントを寄せた。6−3の九回無死一、三塁では中犠飛。1試合2打点は4月28日の横浜戦(倉敷)以来だ。

 だが、それまでの打席で苦しんだ。1点を先制した直後の一回無死満塁では遊直。二走・鳥谷が戻りきれずに併殺となり、大量得点のチャンスをつぶした。三回一死二、三塁ではニゴロ。さらに五回一死一塁では遊ゴロ、二、一塁と転送されてチェンジ。序盤でチャンスの芽を摘んでしまった。

 「はい、ダッシュ! もう一丁!!」。試合前練習のノックでは、隣でボールを追う鳥谷ら周囲を鼓舞するように声を張り上げた。連敗中の重い空気を振り払うように、普段と変わりなく、明るく振る舞った。

 24日からは甲子園でロッテを迎える。昨季の対戦成績は打率.353(17打数6安打)と相性はいい。「マリーンズとか独特の応援がある。雰囲気を楽しみながら感じながらやりたい」。交流戦開幕前の会見に対戦を心待ちにした相手。連勝のカギは自分のバットだということは、十分に分かっている。
【阪神久々の連勝!新井、40打席ぶり一発で逆転】

 (交流戦、阪神4−3ロッテ、1回戦、阪神1勝、25日、甲子園)前日の激しい雷雨での中止からの仕切り直しとなった一戦。主役は新井だ。一撃で試合をひっくり返すと、一塁ベンチ前でアニキに背中をポーンとたたかれた。

 「よかったです」。広報を通じて寄せたコメントが、すべてだった。

 2点を追う六回。先頭の平野、関本の連打に鳥谷の四球で満塁とすると、金本が中堅への犠飛。1点差に詰め寄った直後、新井のバットが火を噴いた。カウント1−1からの3球目。ロッテ先発・清水の真っすぐを振り抜いた。

 普段とは逆に、ホームから中堅へと吹く追い風にも押され、虎ファンで黄色く染まる中堅右スタンドへ着弾。5月13日の広島戦(甲子園)以来9試合40打席ぶりの一発は、逆転の6号3ラン。好投を続けていた久保に、勝利投手の権利をプレゼントした。

 連日の早出特打に励んでいる。この日も室内練習場で林や桜井らと一緒に、1時間近くバットを振り込んだ。試合前まで、規定打席到達者では最低の打率・215。現状打破に必死になっていた。「新井は練習での感じは悪くない。何かキッカケというか、試合でしっかりと出せれば」と和田コーチ。ようやくその期待に応えられた。

 負けられない試合が続く。5月はここまで5勝11敗1分け。この日を含め5月は残り6試合。すべて勝たなければ、月間負け越しという現状だ。

 あとがない場面で、新井の価値あるひと振り。5番のアーチが、勝利を大きく手繰り寄せ、チームに勢いを与えた。最後は守護神・藤川が2死からまさかの満塁まで追いつめられたが、井口をなんとか右飛に打ち取り、5月10、12日以来の連勝を飾った。
【ブラゼル効果や!阪神・新井が逆転ダ〜ン】

 (交流戦、阪神4−3ロッテ、1回戦、阪神1勝、25日、甲子園)あっぱれ、逆転ダァ〜ン! 阪神は新井貴浩内野手(32)がロッテ戦の六回に逆転の6号3ランを放ち、4−3で2連勝。悩める5番が目覚めた打線に、27日に来日する新外国人、元西武のクレイグ・ブラゼル内野手(29)も加わる。破壊力を増した猛虎が反撃開始だ!!

 聖地の夜空に描いた白い放物線を目で追った。「抜けてくれ!」。そう願った打球が、虎党の待つ右中間スタンドへ消えた。新井の豪快なひと振りに、マンモスが揺れた。

 「よかった。ホッとしました。久保が今までずっといい投球をしていたので、なんとか白星をつけてあげたかった」

 大声援で迎えられたお立ち台。久保と並んだ打のヒーローは少しだけ表情を崩した。

 2点を追う六回だ。無死満塁から金本の中犠飛で1点をかえした直後。一死一、二塁で、アーティストの本能が目を覚ました。カウント1−1からの3球目。先発・清水の内よりの真っすぐを完ぺきにとらえた。

 逆転の6号3ラン。13日の広島戦(甲子園)以来、9試合40打席ぶり。しかも今季初めて走者を置いて放った一発。ひと振りで3打点を稼いだ5番が試合を決めた。

 開幕から続く不調に、自分を見失っていた。この試合まで打率は.215。セの規定打席到達者では最低の数字。「自分でもどうしていいか分からなかった」。苦しんでいた。そんな新井を救ったのが、尊敬する金本だった。

 前日24日のロッテ戦。雷雨により、四回裏一死で降雨ノーゲームが決まると金本、中村打撃コーチの3人で室内練習場にこもった。約1時間。つきっきりでアニキから直接指導を受けた。「金本さんのおかげ。『あ〜そうか』って。自分をだんだんと思い出した」。その“金言”は「ひと言では言えません」と胸にしまった。『右の軸足をしっかりと重心移動してポイントを前へ』という課題を徹底的に矯正してもらった。この試合前も早出特打で約1時間振り込んだ。

 やっと目覚めてくれた。「あそこで久々に打ってくれた。だから何とかこのゲームを取りたかった」。真弓監督が素直に喜びを口にし、和田打撃コーチは「新井が打つと、ああいう(大量)点の入り方になる。これを続けてほしい」。虎の反攻へのまさに号砲だった。

 責任も感じた。自らの打撃不振もあって、球団は左の大砲、ブラゼルを緊急補強した。新助っ人は27日に来日する。このまま迷惑をかけるわけにはいかない。土壇場に追い込まれたA砲の意地のつまった一発。もう大丈夫だ。覚醒した5番&新助っ人。破壊力抜群だ。

 「ファンのみなさんにはご迷惑をおかけしてすみませんでした。(金本さんにも)まだ何も言い返せません」。新井が壇上で“ザンゲ”した。もう迷いはない。猛虎のばく進態勢が整った。

【阪神・新井“上昇気配”もう心配いらん!】

 (交流戦、阪神2−3ロッテ、2回戦、1勝1敗、26日、甲子園)うつむいて、静かにベンチへ降りた。九回二死、金本の飛球が右翼手のグラブに収まった。ロッテナインが歓喜のハイタッチシーンを背中で感じながら、阪神・新井は引き揚げた。

 「また、あした」

 クラブハウスへ戻る通路を歩きながら前を向いた。

 連勝が2で止まった敗戦の中でも、上昇気配を感じさせた。1点を追う三回二死一塁では、左中間二塁打を放ち、葛城の2点逆転打につなげた。五回二死では右前打で19日のソフトバンク戦(ヤフーD)以来、5試合ぶりにマルチ安打をマークした。早いカウントから積極的にバットを振った。思い切りのいいスイングが結果に結びついた。前日25日には、決勝6号3ランを放ち勝利に導いた。5番打者の復調は低迷を続ける打線の中で、明るい材料だ。

 フリー打撃から感覚のよさはあった。

 「打球の質をね。強くね」

 放物線というよりは、ライナー性の打球を左右へ飛ばした。試合前時点では、規定打席到達者32人中、打率.21604は31番目。この日の2安打も、チームが勝たなければ喜べるはずもなかった。

 打撃は徐々にいい感触になりつつある。それでも「まぁ、そうかな」と確信は抱けない。継続して打ち、勝ち続けなければ胸を張れない自分がいる。

 27日からは日本一・西武と戦う。昨季対戦打率.353(17打数6安打)と好成績だ。それでも相手は誰でも同じ。新井はきた球を強振する。
【熱い思い綴った!阪神・新井が作家デビュー】

 「夢」をテーマに阪神・新井貴浩内野手(32)が書いた直筆の作文を掲載した本が19日、発売されることが4日、分かった。本のタイトルは「アスリートの夢」(いろは出版刊、1995円)。今年3月までABCテレビで放送された同タイトルの番組に登場した26人のアスリートの作文や写真で構成され、番組を再編集した90分のDVD付だ。

 新井は400字詰め原稿用紙1枚に執筆。素直な字体で「物心ついた時から、バットとグローブが私の友達でした」と書き出し、「人は、それぞれたくさんの出会いの中で、社会から生かされていると思います」と持論を展開。

 「一人でも多くの人に感動を与え、愛や希望を与えられるように…」と熱い思いを綴った。

 他にも同じテーマで2008年北京五輪ソフトボール金メダルの上野由岐子投手(26)が、16年の五輪で競技種目のソフト復活に向けた夢をなどを書き込んでいる。

 この本を企画・編集した詩人の木村行伸さん(28)は「苦しくても夢をあきらめないアスリートのメッセージを、日本中の頑張るすべての人に届けたい」と話した。
【阪神・新井、12打席ぶりの安打で1打点】

 (交流戦、阪神7−0オリックス、最終戦、阪神3勝1敗、6日、甲子園)炎の5連打の口火は、5番・新井だ。1点リードの四回一死。ボーグルソンのチェンジアップを叩き、左前打。3試合12打席ぶりとなる安打をマークし、一挙3得点を誘発した。

 五回一死一、三塁では高いバウンドの遊ゴロを放ち、しぶとく1打点。いまだ打率・219と苦しんでいるが、6番・ブラゼルの加入をキッカケに、本来の調子を取り戻したい。
【阪神・新井、3番“復帰”居心地いい弾!】

 (交流戦、西武4x−3阪神、3回戦、西武2勝1敗、10日、西武ドーム)阪神・新井の笑顔はとっくに消えていた。53試合目。今季初めて「3番」に入った。第1打席。「自然に反応できた」と先制の7号ソロ。それでも、チームが勝たなければ、よろこべるはずがなかった。

 「よかったです」と試合中、広報に預けた言葉。そっけない一言は、その先のことに集中したい気持ちからだった。カウント0−2から先発・涌井が3球続けたスライダーを運んだ。最後の本塁打は5月25日のロッテ戦(甲子園)。12試合48打席ぶりの感触だった。

 プロ野球選手会の『交流戦ライバル宣言』で「北京五輪の4番だから」と涌井は新井を指名。堂々と勝負した。六回先頭でも、右中間へヒットを打ちチャンスメーク。マルチ安打は5月31日の日本ハム戦(札幌D)を最後にしていた。真弓監督は「久しぶりに2本打ったね。これで乗っていってくれれば」と期待を込めた。

 5番−。金本の後ろを打つ意味を嫌というほど思い知った。オフから、その重圧を背負う覚悟はしてきた。力む。結果が伴わなかった。昨季、打率.306をマークした3番に戻り、気持ちに変化はあったのか。「1試合だけじゃ、よくわからない」。一方で、和田打撃コーチは「居心地がいいというか、いい印象になっている。手応えらしきものは、出てきたんじゃないかな。(打線の)流れはいい」と見た。同点の八回二死、桧山の打席では二盗に成功。今季4盗塁となり、プロ11年目で最多となった。得点圏に進み、勝ち越し機をうかがった。

 今後の打順について、木戸ヘッドコーチはDH制のある14日・ロッテ戦(千葉)までの「4試合を見て考える」。新井本人にしてみれば、本来任された5番を“外れた”ことは、全うできないもどかしさはあるだろう。しかし、とにかく勝つために全力を尽くす。今までも、これからもそれしかない。
【阪神・新井、2年ぶりの2戦連発!】

 (交流戦、西武6−5阪神、最終戦、西武3勝1敗、11日、西武ドーム)高々と舞い上がった白球を目で追った。バックスクリーン左に着弾したのを確認すると、走る速度を少しゆるめた。今季初の2戦連発。しかし、負けて笑みがこぼれるはずもない。新井は静かに口を開いた。

 「(あの球は)狙ったわけじゃない。そんなに甘い球じゃなかった」

 体が自然に反応していた。それが復調の兆しだ。5点を追う三回無死一塁。外角117キロのスライダーを一振り。8号2ランは広島時代の2007年10月6日の横浜戦(広島)、7日ヤクルト戦(神宮)以来、2年ぶりの2試合連続弾となった。

 真弓監督が「ちょっとエンジンがかかってきた感じがする。きょうのホームランはしっかり振れていた」と話せば、和田打撃コーチも「(3番になって)新井の中では変化があるはず。気持ちよく振れているんじゃないか」と手応えを感じ取った。

 出口は必ずある。チーム浮上のきっかけはA砲のバットに託されている。
【阪神・新井、6番降格…指名練習へ】

 (セ・リーグ、広島3−1阪神、11回戦、阪神6勝5敗、8日、ハードオフ新潟)新井はロッカーを出ると、何も話さずバスに乗り込んだ。打順が「6番」に下がったことには口を開かず、完投負けを喫したルイスについて聞かれても、首を少しひねっただけだった。

 阪神移籍後、初めてクリーンアップを外れた。広島時代の2005年9月14日のヤクルト戦(神宮)以来、実に1393日ぶり。それでも二回無死、12打席ぶりの安打を中前に運んだ。復調のため、左足を高く上げるなど、試行錯誤の毎日。和田打撃コーチは「状態が上がってくれば、クリーンアップを打たないといけない打者。1日も早く上がってほしい」と苦しむ胸の内を明かした。

 9日朝、チームは空路・帰阪して甲子園で指名練習を行う。真昼の甲子園で、新井が浮上のきっかけを探る。


ガンバレ!新井!
君にかかっているぞ!!
【阪神・新井、土壇場で死に物狂い同点打】

 (セ・リーグ、阪神5x−4横浜、13回戦、阪神8勝5敗、28日、甲子園)虎党の“悲鳴”を体中に受けた。4打席凡退で迎えた九回一死二塁。放った打球は二塁手の頭上を越え、湿った芝生の上で弾んだ。二走・鳥谷が、足をもつれさせながらも生還する。起死回生の同点タイムリー。しかし、試合後の新井は眉間のシワが寄ったままだった。

 「…」

 報道陣の矢継ぎ早の質問に、しばらく口を開かなかった。そしてゆっくりと「よかったです」。後半戦に入っていいスタートが切れたか、との問いには「そうですね」。それだけだった。

 真弓監督は31試合ぶりにメンバー表に「5番・三塁」と書き込んだ。前半戦が終盤になるにつれ、自分の位置は判で押すかのように「6番」だった。6月8日のソフトバンク戦(甲子園)以来の“昇格”。

 「待っていても(調子が)上がってこないから。開幕のかたちでいこう、となった」。前日27日に「我慢して使う時期ではない」と話していた和田打撃コーチが内情を説明した。要するに、次のカード巨人3連戦も含めた、スタメン落ちへの6番勝負だった。

 同点打までは散々たる内容だった。一回二死三塁で空振り三振に始まり、投ゴロ、遊ゴロ、右飛。3度の得点圏すべてで天を仰ぎ、残塁を6つもつくった。通信簿でいうと「0点」。球宴期間中のオフ2日間は首脳陣から異例の“バットを持つな指令”が出され、全体練習再開となれば和田コーチが密着指導し、スタンスを狭くするなど、試行錯誤を続けた。しかし、それもすべて水の泡になってしまうところだった。

 「気持ちで打ったヒット。力むとか力を抜くとか、力んでもいいから気持ちでという場面だった」と指揮官は話した。そして「結果も出たし、代えない」とクリーンアップ不動を断言した。

 だが、この一打でスランプという長いトンネルを抜け出したと判断するのは、いかにも安易。本塁打は26試合もストップし、いまだ2けたに到達していない。狙った獲物を一発で仕留めるのが背番号25の魅力。ここからが正念場だ。
【虎党待ってた! 新井が1カ月ぶり本塁打】

 (セ・リーグ、阪神8−0横浜、14回戦、阪神9勝5敗、29日、甲子園)ゆっくりと打球が落ちていく。半信半疑のまま一塁ベースをまわった新井は、ようやく左翼席に届くのを見た。10号3ラン。控えめな笑顔でハイタッチを交わした。

 「よかったです」

 短く、たったひと言。まだ浮かれるわけにはいかなかった。

 本塁打は6月16日のソフトバンク戦(甲子園)以来、26試合112打席ぶり。さらに五回二死一塁では、2番手・高崎から左前打。マルチ安打も実に18試合ぶりだ。

 前日28日のサヨナラ勝利で、勢いがある。この日も攻める姿勢を見せた。一回には鳥谷が中前適時打を放ち「先制点がほしかった」と、3番に戻って2試合連続のタイムリーだ。金本にも適時打が出て、クリーンアップが3人で打点を挙げるのは今季4度目だ。

 相手先発のマストニーも、和田打撃コーチが「ストレートがいい。スピードガンの数字より、球がきている。低めにはスライダーもいい」と分析。対策が功を奏した。

 後半戦スタートを連勝で飾り、借金もわずかながら減らして「12」。この勢いを止めずに突っ走る
【もう見てられん!ついにアニキが新井に説教】

 新井よ、しっかりせい! 阪神・金本知憲外野手(41)が、打撃不振の新井貴浩内野手(32)に今季初めて“説教”していたことが3日、明らかになった。オフに護摩行を指導する鹿児島・最福寺の池口恵観法主(72)が明かしたもの。4日の中日戦(ナゴヤD)から21試合が組まれた夏のロードを前に喝。新井の完全復活が、チームの勢いを加速させる。

 いよいよ始まる夏のロード。上昇ムードの虎とともに、近畿地方でもようやく梅雨が明けたが、カミナリが落ちていた。竜倒への思いを胸に秘め、新井と金本が名古屋入り。長き旅路の前にアニキが、悩める弟分に“説教”を食らわしていた。

 「実は…金本と一緒に、新井に注意したんです。『もっとキチッとした(打撃)状態にしろ』って。前半戦は金本は新井にひとつも怒らなかったらしい。私自身も忙しく、放っておいたんです。そしたら、案の定、ダメだったでしょ。新井は気力が足りない」

 “AK”の恩師である池口法主がマル秘エピソードを激白した。ロードを前に、西宮市内のホテルであった出来事。ここまで88試合で打率.215、10本塁打、43打点。鉄人があえて何も言わなかった理由を「そろそろ自覚が出てきてほしいと期待していたのかな」と分析。打順降格、スタメン落ちの危機ありと、さすがに我慢ができなくなったというわけだ。

 「気の出し方も新井に伝えましたし、必ずやってくれますよ。具体的なこと? それは“企業秘密”ですがね(笑)」

 悩める長距離砲にとって何よりも効く薬だった。実際、A砲は後半戦に入ってから6試合で5打点と勝負どころでの一撃が目立つようになった。だからこそ、法主は主砲にも“矛先”を向けた。

 「金本はチョット、目が疲れているかな。でも、『調子を取り戻すためにも、もっともっと新井を怒れ』と言いたいね。やっぱり怒ったら、気力が出てくるでしょう」

 1試合3発を2度マークするなど開幕直後は神様的な存在だった4番も、巨人3連戦ノーヒットで打率.262と元気がない。頭に血がのぼれば元気百倍!? 新井をさらに“イジメて”、相乗効果に期待したい考えだ。

 過去10年で負け越し7度の夏のロード。ただでさえ、今季のビジターは11勝25敗3分けと苦しんでいる。「これからは、ことある度に連絡をとって、叱ろうと思っている」。池口法主が舌なめずりする。新井&金本の完全復活なくして、チームの上昇なし。次に甲子園に帰るのは、28日の巨人戦。聖地での頼もしい姿を、虎党は待っている。
【新井祭りや虎初6打点!無敗・川井に土つけた】

 (セ・リーグ、中日2−9阪神、14回戦、中日9勝5敗、6日、ナゴヤドーム)新井が虎で初の6打点! 阪神は新井貴浩内野手(32)が11号3ランを含む3安打、虎加入後初となる自身タイの6打点の大暴れ。一回には、球団史上初の4者連続二塁打の速攻で、無傷の11連勝左腕・川井を粉砕した。5番が打てば、強竜もなんのその。虎は猛虎と化すはずだ!!

 打って、結果で証明してみせた。5番が打てば、虎はこんなにも強い。1発を含む3安打6打点の“爆発”。快勝の中心に、新井がいた。

 「金本さんが先制点をね(とってくれた)。自分はつなごうという気持ちだった。よかったです」

 兄のように慕う金本が目の前で放った先制打の勢いに乗った。一回一死二、三塁から、中日先発・川井の138キロを振り切った。左翼線へと弾き返した2点二塁打は、球団史上初となる4者連続二塁打の2本目。日本記録の5者連続に、あと1人まで迫る猛攻の中核をこなすと、二回一死二、三塁では豪快なひと振りで沸かせた。

 フルカウントからカットボールを、完ぺきにとらえた。「差し込まれたけど押し返せた」という納得のスイングで放った11号3ラン。7試合26打席ぶりのアーチを左翼席に突き刺すと、四回に左前打し、猛打賞。六回一死一、三塁からは右犠飛を打ち上げ、川井にトドメを刺した。

 1試合6打点は、広島時代の2006年8月19日の横浜戦(横浜)以来、実に3年ぶり。自身最多タイの大暴れで、開幕から14試合負けなしの11連勝中だった川井に土をつけた。

 地道な努力が成果を結び始めた。開幕から不振に悩んでいた前半戦。打撃練習後、打撃投手に投手目線での意見を聞く新井の姿があった。「コーチではないけど、気が付いたことや気になったことを言わせてもらっている」と嘉勢打撃投手。昨年、腰椎疲労骨折を経験したときに、同級生同士で交わした約束を今でも続ける。必死にもがいてきた男が、確かな手応えを手にした。

 試合後、真弓監督は「きょうは選手が頑張ったから、選手に聞いてください」というコメントだけを広報に託し、静かに球場を後にした。監督就任後、初めて会見を行わなかったが、これも反発力を見せてくれた選手たちへの、親心だ。

 「ひとつずつしっかりと戦っていきたい」

 夏の長期ロード2連敗スタートは、打線爆発で吹き飛ばした。打率.220、11発49打点の成績だけを見れば物足りないが、確かな感触が両手に残った。7日からは、古巣・広島での3連戦。猛虎のカギは5番。新井が上昇カーブを描けば、チームも浮上していくはずだ。
【反攻の夏!!阪神・新井、3戦連続二塁打や】

 (セ・リーグ、広島0−4阪神、12回戦、阪神7勝5敗、7日、マツダ)おぼろげだった感覚が少しずつ確かなものになっていく。勝利と3本の二塁打。今の新井にはその結果こそが、大事だった。2試合連続の猛打賞でチームを勢いづけた。

 1点リードの四回一死三塁。フルカウントから7球目のチェンジアップは外角低めのボールゾーンに沈んだ。体勢を崩されながら手を伸ばす。バットが届いた。最後は左手1本。中堅左で弾むとフェンスまで到達した。二死後、桜井の左前適時打でホームにかえり、3−0。

 試合中に「打ったのはチェンジアップ。よかったです」と広報を通じてコメントした。

 二回無死一塁、六回一死では左翼線へ引っ張った。1試合3二塁打は、広島在籍時の2002年8月24日のヤクルト戦(広島)以来、自身7年ぶり2度目。あと1本で日本タイ記録だった。

 夏のロード4試合で14打数7安打7打点。前半戦の不振がウソのような打ちっぷりで、2試合連続3安打をマーク。守備では六回先頭、小窪が打った三遊間の打球を横っ飛びして好捕した。その攻守に渡る上昇気配には、理由があった。

 夏場を見据えて、練習に加えたメニューがあった。6月の甲子園。走塁練習に加えて、外野の芝生でロングダッシュを繰り返した。肉体的に消耗の激しくなる後半戦に備え、スイングを支える下半身強化に励んだ。足腰を鍛え直すことで、打撃復調の基礎を築いた。和田打撃コーチは「左(投手)のときは比較的いい。あした打ったら本物だね。楽しみだよ」と期待を寄せた。8日に先発予定の大竹を打ち崩せば、完全復活に近づきそうだ。

 試合前には、練習を終えると三塁側の虎党に“即席サイン会”を開いた。不振のときも声援を送り続けてくれるファンに感謝した。そして、連勝に導く活躍を見せた。

 強く記した3本の軌道と、残した3度の快音。打席では大きく、悠然と構える姿がある。新井が迎えた夏本番。その背中が、頼もしさを増してきた。
【闘志は衰えん!阪神・新井、3戦連続マルチ】

 (セ・リーグ、広島8−0阪神、13回戦、阪神7勝6敗、8日、マツダ)暑さが襲う広島。最高気温は35度に迫った。日が傾いても、和らがない酷暑。その中で、新井が本来のものになってきた。2試合連続3安打で、この日も2安打。和田打撃コーチは右投手への対応を見て、「もう大丈夫」と、復活に太鼓判を押した。

 二回無死一塁。マウンドには大竹。今季は、試合前まで6打数1安打と相性はよくなかった。内角のシュートに詰まるも、強く振りきった。左前に落ちるかという打球は、末永の好守に阻まれた。五回先頭。センターにライナー性の打球を放つも正面。七回先頭では、中前に落すと、赤松が後ろにそらし二塁打とした。8点差、敗色濃厚の九回一死一塁では145キロ直球を右前に弾き返し、ファイティングポーズを崩さなかった。

 「ヒットは2本だったけど、その他の打席も内容がよかった」

 和田コーチは、5番打者の復調を確かに感じ取った。不調時にはフリー打撃が終わると、新井は身ぶり手ぶりの指導を受けることが多かった。しかし、今は多くの言葉をかけられることはない。この日は、最後の1球を左翼スタンドに運び好感触を持って試合に臨んだ。

 これで4試合連続安打&3戦連続マルチ安打。ここ5試合では、猛打賞2度を含む18打数9安打で打率.500だ。守備でも4年ぶりの先発となった筒井に歩み寄り言葉をかけた。緊張を察し、落ち着かせた。

 勝ち越すため、新井のバットに期待がかかる。完封負けの中で、完全復活への兆しが光った。
【8月好調や!!阪神・新井、12号ソロ 】

 (セ・リーグ、巨人4−7阪神、16回戦、巨人8勝6敗2分、14日、東京ドーム)東京の虎党もメガホンを振りかざして、歓喜の盆踊りだ。鳥谷の11号2ランで先制した直後、新井が続いた。高めに浮いた直球をとらえて、左翼席前列へ。6日の中日戦(ナゴヤD)以来、7試合ぶりの12号ソロ。“内海太鼓”を連打して、お祭りムードを盛り上げた。

 「打ったのは真っすぐ。先っぽです。よかったです」。短いコメントで喜びを表した。今季、対左投手は打率.280。対右投手の.212と比べると、左腕キラーぶりが際立っている。それを改めて実証した形だ。

 前夜13日(中日戦、京セラD)も鳥谷の10号2ランで先制しながら、追加点が取れずに無残な逆転負けを喫した。自身は2打数1安打、2四球。チャンスを切り開く機会がなかったが、同じ過ちは繰り返さない。

 「前日の試合も鳥谷が一回に(本塁打を)打ったが、あとが続かなかった。きょうはその後、本塁打が1つ出た。効果的に点が取れました」

 真弓監督は、A砲の一発を貴重な二の矢と位置づける。先頭打者の四回には中前打で出塁。桜井の6号2ランにつないで、中押しを演出した。

 遅ればせながら上昇気流に乗った。8月は12試合で44打数16安打、打率.364で9打点。2本塁打と、不振にあえいだ前半戦の借りを返すかのように打っている。和田打撃コーチも「新井がポンポンと打ってくれたのは大きいね」と、納得の表情をみせた。

 金本が、8月打率.205と苦しんでいる。鳥谷とともに脇を固める新井の活躍が、奇跡の大反攻へのカギ。誰にも「今さら」とは言わせない。
【阪神・新井が気迫のヘッド!追加点を演出】

 (セ・リーグ、巨人2−5阪神、18回戦、巨人9勝7敗2分、16日、東京ドーム)新井が貴重な追加点を演出した。先頭で立った八回、フラフラと上がった打球が二塁・木村拓と右翼・谷の中間に落ちる間にヘッドスライディングで二塁へ。続くブラゼルの二塁打ではタッチアップの態勢を取ったため、三塁止まりとなったが、高橋光の適時打で生還した。真弓監督は「ちょっとしたスキをついてね」と気迫のヘッドスライディングを評価した。

阪神・新井「会心の当たり」の13号に笑顔】

 (セ・リーグ、ヤクルト1−4阪神、13回戦、ヤクルト9勝4敗、18日、神宮)阪神の新井が二回、先制の13号ソロを放った。「久しぶりに会心の当たりでした」。石川の甘い変化球をとらえた打球は高々と上がり、左翼席上段まで届いた。

 「(好調を)継続していきたい。自分のスイングをしっかりしていきたい」と話していた新井は、これで6試合連続安打。背番号25に引っ張られるようにチームも3本塁打で、4位に浮上した。「明日、明日、明日です」と新井は早くも気持ちを切り替えていた。
【阪神・新井、先制の内野安打!足で稼ぐ】

 (セ・リーグ、横浜3−4阪神、16回戦、阪神11勝5敗、25日、横浜)阪神は疲れがたまっていた赤星と左肩を痛めていたブラゼルがそろって5試合ぶりに先発復帰。本来の形が戻った打線は一回、先制点を奪った。

 2死から鳥谷が右前打で出塁し、金本の強烈な一ゴロを佐伯がはじいて一、二塁。暴投で二、三塁とした後、新井の内野安打で得点した。

 「何でもいいので、とにかく走者をかえしたかった」と新井。遊撃手の石川が待って捕球したこともあり、新井の足が勝った。
【いくでCS!阪神・新井、今季2度目4安打】

 (セ・リーグ、阪神6−1ヤクルト、16回戦、ヤクルト10勝6敗、1日、甲子園)阪神・新井が打った。打ちまくった。快勝の中でひときわ輝く4安打1打点。カクテル光線を独り占めしたお立ち台で、ヒーローは“爆発”を謙虚に振り返った。

 「1打席1打席の詰み重ねなので。少し気を緩めたら、すぐ打てなくなるので」。ハイライトは六回だ。目の前でアニキ・金本が右前打して迎えた無死一塁で魅せた。

 館山の3球目をとらえた。振り抜いた打球は中堅フェンスを直撃。あとわずかでスタンドインという適時二塁打で、8月7日の広島戦(マツダ)以来、今季6度目となる猛打賞。リードを4点に広げ、粘るヤクルトを突き放した。

 ポイントになったのは、二回の第1打席だ。内角へのシュートを力で運んだ。「ボール球だったんですけど、うまく回転して押し込めました」。納得の一打は、新井ならではの“力業”だ。バットを折りながらも思い切り振り抜き、左前へポトリ。和田打撃コーチも「あの1本が大きかった。館山の球種を減らしたね」と振り返った。

 この一打で優位に立つと、四回は甘く入った直球を中前へ。六回に追加点を奪うと、八回にも中前打。4月28日の横浜戦(倉敷)以来となる今季2度目の1試合4安打を記録し、快勝を締めた。

 「手応えというより、一戦一戦頑張っていくしかない。気持ちを前面に出してやっていきたいです。きょうの1勝を生かすも殺すも、あした次第なんで、全力で頑張りたいと思います」。お立ち台で誓った。男に二言はない。クライマックス・シリーズ進出へ。新井はバットにありったけの力をこめる。
【新井が逆転タイムリー!阪神、7カード連続勝ち越し】

 (セ・リーグ、広島1−4阪神、20回戦、阪神11勝9敗、6日、マツダ)調子が悪いとはいえ、1失点の下柳を二回途中で早々と代えた。そこから阪神は必死の継投。0−1で迎えた六回に、打線が応えた。

 平野、鳥谷の連打で無死一、二塁。金本は一直に倒れたが「絶対に走者をかえす強い気持ちで打席に入った」と新井。内角高めの厳しい球に腕をたたみ、左翼線に引っ張った。二塁打で2者を迎え入れて逆転し、さらに2死後、浅井にも適時打。この回に5安打を集めた。「最近はつながる打線になっている」と新井も話していたが、集中打が効果的に出た。

 前半戦は先発を引っ張る試合を続けた真弓監督。アッチソン、藤川に2回ずつを投げさせるなどここにきて継投は明らかに変化し、総力戦の様相だ。「下柳は粘って(あそこから)自分の投球をするんだろうけど。シーズンも終わりやから、一戦一戦」と指揮官。残り26試合。むちを入れる時期に入った。

 昨季の開幕時以来の7カード連続の勝ち越しで、3位ヤクルトとは2・5ゲーム差。「面白くなってきました」と新井は不敵に笑った。
【2日で3打点!阪神・新井が今季初三塁打】

 (セ・リーグ、ヤクルト1−7阪神、21回戦、ヤクルト12勝9敗、30日、神宮)ぬれた人工芝にワンバウンドした打球は、ダイビングキャッチを試みた右翼・飯原のグラブをはじいた。ファウルゾーンを転々とする間に、無我夢中で二塁ベースをけり、右足で滑り込んだ。今季初の三塁打でさらに1点を加え、神宮の杜が揺れる。怒とうの4連打を締めた新井が、ビッグイニングを演出した。

 「よかったね。いいかたちで甲子園にいけると思います」

 左翼ポール際から帰りのバスへと続いている、ウイニングロード。春は厳しかった東都の虎党からの称賛のメッセージを大きな体いっぱいに浴びた。アニキのダメ押し二塁打が飛び出した直後、5点リードの九回無死二塁−。直球のサインが出ると目が輝く五十嵐の151キロ外角球を一閃だ。

 昨年7月1日の中日戦(甲子園)で中越えに放って以来の三塁打。記録上は同じかもしれないが、快音を残したときの環境はまったく異なる。前回は3安打&3打点で貯金「22」と1つ積み上げ、独走状態を加速させた。しかし、今年は違う。残り試合をわずかとし、クライマックスシリーズ(CS)進出圏内の3位になれるかどうか、という瀬戸際だ。

 どんなチームでも、体が100%といえる選手はひとりもいない、とも言われる最後の勝負どころ。新井も9月22、23日は、背中と腰に張りを感じ、打撃練習を回避した。だが、この日もそぼ降る雨の中でアップから黙々と走った。春先は打率2割前半と低迷した。しかし、9月を月間打率.340、1本塁打、21打点で終えた。強じんな精神力が立て直させた。

 金本とともに打点をあげれば、これで20勝6敗1分け。3位死守へ。今度はツバメを聖地で迎え撃つ。
【新井やブラや!虎CS前進、単独3位キープ】

 (セ・リーグ、広島1−5阪神、最終戦、阪神13勝11敗、7日、マツダ)何が何でもクライマックスシリーズ(CS)に出たい阪神は四回、新井貴浩内野手(31)の先制二塁打に続き、クレイグ・ブラゼル内野手(29)が16号2ラン。3位を死守して、0.5ゲーム差で迎える8日、4位ヤクルトとの神宮決戦に駒を進めた。台風一過で、CS通過、2連勝で一気に決めたる!!

 汚れたユニホームが、新井らしかった。がむしゃらに、必死に−。野球人としての生き様を貫いた。打球が台風18号の影響で、雨で濡れる外野の芝生で跳ね、右翼線を抜けると、一塁を蹴り、二塁には頭から飛び込んだ。CS進出に前進する1勝は、5番打者が流れをつくった。

 「厳しいコースだったけど、うまく打てた。先制できてよかったです」

 0−0で迎えた四回一死二塁。先発・前田健の外角いっぱいの直球を打ち返した。均衡を破ると、助っ人が続いた。この1本で勢いづけた。一死二塁から右翼へ、ブラゼルが16号2ラン。これで試合の主導権を握った。

 「完ぺきだった。この日が本当に大事な試合になると考えていた」

 大砲は台風を味方につけた。フォローの風に乗って、右翼席上段に届く特大弾だった。「チームも勢いに乗って神宮にいきたい。この雨の中、応援してくれて感謝している」。スタンドの虎党に手を振った。

 さあ、8日からは敵地神宮に乗り込み、4位ヤクルトと直接対決。新井は「しっかりやるだけです」と短く言い切った。だが、過度の緊張感はない。試合後は珍しく笑顔でロッカーから出てきた。

 「今年一番の当たりだった」と振り返ったのは、八回無死一塁で左中間に打ち上げた打球。しかし、強烈に吹く逆風に押し戻され、中飛。「びっくりしたわ」と苦笑いした。ベンチに戻ると、金本から「入ったと思ったやろ」と言われた。台風に負けたが、アニキも認める打球だった。上り調子で決戦に挑む。

 守備ではミスもあった。3−0の六回二死二塁では、栗原のゴロをトンネル。失点した。「あれは、僕が悪い」。すぐさま能見に駆け寄り、言葉をかけた。それでも二回には先頭の小窪の三遊間の打球を横っ飛び好捕。自分のことを「ヘタクソ」というが、練習量と「気持ち」で守ってきた。

 「高校時代は外野手だったから」

 内野手転向は駒大入学後。それでも、どんな打球にも体をぶつけるように食らいつくルーツがある。広島工高時代、内野ノックではグラブをつけずに受ける壮絶な特訓を見ていた。「そういうこともしてたなぁ…」。高校球児だった精神と記憶が生きている。

 シーズン残り3戦3勝を誓い、まず初戦を取った真弓監督は「大きいね」と言った後、すぐに言い換えた。「大きいというより、あしたもあさっても勝たないと」と気合を入れ直した。8、9日と連勝すれば、自力で3位が決まる。台風が通過した後は、阪神のCS進出の通り道。嵐も逃げ出す勢いで、神宮に向かう。

ログインすると、残り135件のコメントが見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

新井 貴浩 更新情報

新井 貴浩のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング